ガラル地方の夜   作:白黒トラベラー

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キバナ「初めてかもな、俺達のタッグマッチ。」

「それならあっちも同じっしょ。とっとと沈めるよ。」

ネズ「バトルの時は変わるんですね…。」

ポプラ「やっぱり2人の孫だね。」

マリィ「簡単には負けんと!絶対勝つけん!」

ビート「必ず勝ちます!」

各ポケモン達も主人の気持ちを汲み取り、一様に目付きが変わった。



14話 5番道路は曇り空

キバナ「荒れくるえよ俺のパートナー!スタジアムごと奴らをぶっ飛ばせ!」

 

「面白くしてくれるんだろう?なら本気で行かなきゃなァ!」

 

キバナのテンションと気持ちの昂りで知り合い以外にはならない口調になるが、それだけ自分が教えた相手が自分を超えるときの楽しみというのは抑えがたいものなのだろう。キクコさんもこんな気持ちになったのだろうか。

 

 

 

 

キバナ「ジュラルドン、ラスターカノン!!」

 

「シルヴァディ、スピードスター!」

 

マリィ「モルペコ、たねばくだん!」

 

ビート「ブリムオン、あくのはどうです!」

 

バァァァァン!

 

「いいね〜。シルヴァディ、10万ボルト!」

 

マリィ「モルペコ!」

 

モルペコ「ペコ!」

 

キバナ「おお!名前を呼んだだけでちゃんと動くのか!いいな!」

 

シルヴァディの10万ボルトはしっかりモルペコが10万ボルトで撃ち落とした。ブリムオンにはかすりもしていない。

 

ビート「ブリムオン、マジカルシャイン!」

 

キバナ「させるか!ストーンエッジ!」

 

マリィ「じだんだ!」

 

「シルヴァディ、れいとうビーム!」

 

モルペコ「ペコォ!?」

 

じたんだでジュラルドンの妨害をしようとしたモルペコにシルヴァディのれいとうビームが襲いかかる。ジュラルドンの方はと言うと、身体をすこし捻って器用に躱し、問題なくストーンエッジを撃っている撃っている。

 

キバナ「次っ!メタルクロー!」

 

マリィ「私の番やね!モルペコ、エレキネットで転して!」

 

モルペコ「ペコ〜!!」

 

ビート「ブリムオン、サイコショックで追撃です!」

 

モルペコのエレキネットがジュラルドンのバランスを崩し、そこにブリムオンのサイコショックが襲いかかる。

 

「シルヴァディ、打ち上げろ!」

 

キバナ「ジュラルドン、跳べ!!」

 

ポプラ「おぉ!ジュラルドンを打ち上げるとは!」

 

キバナ「ジュラルドン、ぶちかませ!ベビーボンバー!」

 

シルヴァディにサイコショックは効果が薄い。それを見越してシルヴァディに受けさせ、ジュラルドンには身体を活かした攻撃をしてもらう。

 

マリィ「モルペコ、10万ボルト!」

 

ビート「ブリムオン、あくのはどうです!」

 

「させないよ!シルヴァディ、なみのり!」

 

シルヴァ「ルッ……ヴァァァ!」

 

シルヴァディのなみのりで水浸しになる。後で謝ろう。

 

ブリムオン「リム〜!」

 

ブリムオンはバランスを崩し、モルペコも流されそうになっている。

 

キバナ「貰った!!!」

 

ドガァァァン!

 

ジュラルドンのヘビーボンバーが動けないブリムオンに綺麗に当たる。

こっちはモルペコに注意しなくては。

 

マリィ「モルペコ、オーラぐるま!」

 

シルヴァディ「ルヴァ!!」

 

死角からモルペコのオーラぐるまを食らい、よろけるシルヴァディ。

 

キバナ「ジュラルドン、ラスターカノン!」

 

ビート「させません!ブリムオン、シャドーボール!」

 

ボガァァァン!

 

爆発の煙が視界を遮る。

 

キバナ「ちっ、視界が!」

 

「シルヴァディ、エアスラッシュ!」

 

シルヴァディ「ルヴァ!!」

 

ブワァァァ……

 

シルヴァディのエアスラッシュで煙が晴れる。

 

キバナ「そこだ!ドラゴンクロー!」

 

ビート「いまです!みらいよち!」

 

ドガァァァァン!

 

「みがわりだ!」

 

マリィ「ナイスモルペコ!」

 

煙で見えない間に元いた場所から少し移動した位置にみがわりを置き、自分たちは動かないことでこちらはまんまと隙だらけになったと言う訳だ。

 

マリィ「モルペコ、オーラぐるま!」

 

「シルヴァディ、シザークロス!」

 

ビート「ブリムオン、マジカルフレイム!」

 

「くっそ!!」

 

ブリムオンのマジカルフレイムがシザークロスを邪魔する。

 

キバナ「りゅうせいぐんだ!」

 

ドラゴンタイプ最強技、りゅうせいぐん。何も無い空から巨大な隕石が降り注いでくる。

 

ビート「ブリムオン、ひかりのかべでモルペコを守るのです!」

 

「させるか!ラスターカノン!」

 

マリィ「こっちにもおるんよ!オーラぐるま!」

 

モルペコ「ペコペコォ〜!!」

 

でんきタイプでのオーラぐるま。アレなら対して邪魔はされないだろう。

 

「シルヴァディ、まもる!」

 

ビート「ブリムオン、まほうのこな!」

 

フェアリータイプゆえりゅうせいぐんが効かないブリムオンがまほうのこなを使ってきた。教えたことをやってくれるのは嬉しいがしかしシルヴァディには意味が無い。

 

マリィ「モルペコ、今!」

 

モルペコ「ペッコ〜!」

 

マリィちゃんの声に合わせてモルペコは黒と紫色に変わる。フォルムチェンジだ。

オーラぐるまがあくタイプに変わっている。

 

シルヴァディ「ルヴァ!?」

 

キバナ「ジュラルドン、メタルバースト!」

 

ブリムオン「リム〜!!」

 

ドガァァン!

 

ブリムオンのシャドーボールがジュラルドンのメタルバーストを邪魔する。

 

キバナ「まほうのこな、ジュラルドンにも使ってたのか!」

 

正確にはジュラルドンにだけ効果があったのだがどうであれ、これでジュラルドン、シルヴァディ共にあく、ゴーストタイプの技が弱点となった。

 

キバナ「まだまだ!てっていこうせん!」

 

「シルヴァディ、だいちのはどう!」

 

マリィ「モルペコ、イカサマ!」

 

ジュラルドン「ジュラァ!!」

 

ビート「ブリムオン、ぶんまわす!」

 

シルヴァディ「ルヴァァ!!」

 

ドサァッ!

 

エール団「シルヴァディ、ジュラルドン戦闘不能、よって勝者、マリィ&ビート!!」

 

マリィ「やった!私達、キバナさんとノアさんに勝ったんよ!」

 

ビート「本当に上手くいくとは…。」

 

「負けちゃったか〜。」

 

キバナ「だぁ〜!負けた負けた!」

 

「痛い痛い!!叩くなって!」

 

 

 

 

 

ネズ「これなら大丈夫そうですね。」

 

ポプラ「1人でもやってくれたらいいんだけどね。まだ若いうちは見てやらないと。」

 

「ポプラさん、満足ですか?」

 

ポプラ「もちろん。ありがとう。」

 

ネズ「ありがとうございます。2人にはいい経験になったようです。」

 

キバナ「ならよ、ネズ!次は俺とやろうぜ!」

 

いつの間にかジュラルドンとついでにシルヴァディにもげんきのかたまりを使ってくれていたキバナ。ジュラルドンの方はやる気満々だ。

 

「僕は遠慮するよ。さすがに手が痛くなってきちゃった。ここで見させてもらうよ。シルヴァディ!ちょっと端っこに避けようか!」

 

シルヴァディ「ルヴァ!!」

 

すっかり元気になっている。

 

ポプラ「アタシ達も見学させてもらうよ。」

 

エール団「それならお菓子がありますのでどうぞこちらに。」

 

ポプラ「ありがたいね。いただくよ。」

 

キバナ「よしっ!やるぞネズ!」

 

ネズ「ダイマックス出来ないのなら、勝機はあるかもしれませんね。」

 

マリィ「アニキ、頑張って!!」

 

エール団「絶対勝つんよ!ネズさん!!!」

 

 

 

 

 

【タイプ:ヌルに関するレポート】

 

本体からタイプ:ヌルのプロトタイプ1号完成。結果は安定せず失敗とする。

 

得られたデータを元にメモリのプロトタイプ完成。

 

タイプ:ヌルの詳細情報到着。新たに3匹の実験体を元に製造開始。

 

No.1 極めて人間不信。オリジナルより警戒心が高いため、永久凍結とする。

 

No.2 比較的温厚。ただし、オリジナルと同程度の人間不信の為、一時凍結とする。適正あるトレーナーにテストさせるため、それまで保存。

 

No.3 先の2匹に比べ人間不信はない。人見知りに近い程度に落ち着いている。問題があった人間不信の改良工程の一応の成功を確認。

 

No.2 トレーナーに譲渡。プロトタイプメモリも同時に譲渡。

 

No.3 新チャンピオンに譲渡。タイプメモリαも譲渡。ローズ委員長の辞任の為、No.1の凍結解除コードに解除パターンの複雑化による永久封印を設定。

 

 

【正規品管理機器内部記録】

 

本記録は機器のシステムによって自動で記録されます。許可なく改ざん、校閲することは認められません。また特別な操作のない限りタイプ:ヌルの保存システムは作動しません。

 

No.1 永久凍結完了。状態良好。

 

No.2 凍結保存開始。問題なく終了。

 

No.3 バイタル安定。先2匹に比べ人間への拒否反応無し。

 

管理特殊コード認証。No.2及びプロトタイプメモリのセーフティシステム解除。

 

No.2及びNo.3のテスト結果より、No.1を再利用し更なる改良を目的とする。

 

管理特殊コード認証。現在の計画を破棄。No.1の永久凍結に解除パスコード、細分化システム適用。管理特殊コードの情報を破棄。

 

 

 

新たなコードによるシステム管理コードの入力を確認。細分化システムの解除、再起動。システムオールグリーン。

 

No.1 状態不安定、バイタル異常あり。暴走を確認。

 

No.1 カメラ正面、マントと黒服の男性に強い反応。以降、黒い色に対し反応。バイタル変動あり。活動活発化。

 

No.1 黒服の男性、赤服に変化。No,1反応無し。

 

No.1 黒服に破れたズボンの男性に極めて強い反応有り。感情指数、バイタル、メンタル状態全て活性化。以後、強く興味を引いたこの男性をGと呼称。

 

No.1 Gの声、会話に反応。感情の変動に合わせてNo.1の感情指数変化あり。

 

No.1 永久凍結コードの解除認証。タイプメモリ、セーフティシステム解除。No.1、これまでにない反応を示す。

 

 

 

キバナがバトルしている間、ソニアから送られてきた「謎の文章」を読んでいた。

バトルタワーのシルヴァディの保存区画を調べていると見つかったらしい。

この文字はガラル地方の言葉ではなくアローラの言葉、一部技術流用としてロトムに関することがシンオウ地方の方言で書かれている。システムをアローラから盗んだのであればアローラの言葉に詳しくないソニアが分からないと言ったのも無理ないだろう。

 

「新チャンピオンに状態されたシルヴァディは人間不信を克服させられたのか?それにこのG、僕のことだろうけど…。」

 

ダメージジーンズ、黒い服。なぜこの2点にシルヴァディが反応したのか。

No.2は何処に行ったのか。そして何よりタイプ:ヌルがまだ作られている可能性があり、本来の用途から外れつつある可能性も考えられる。

アローラで見つけたタイプ:ヌルに関する資料にはシンオウ地方の記述も見られた。そしてロトムに関する技術もシンオウ地方が由来だったはず。偶然ではないだろう。

 

「…誰がこんなことを?UBへの対策は分かる。しかし、これを公にすれば兵器転用されかねないことはわかるはず…。」

 

シルヴァディ「ルヴァ?」

 

「……シルヴァディ。アローラに行こう。少ない数で。できるなら僕と君だけで。」

 

シルヴァディ「ル〜ヴァ〜♪」

 

旅行に行くとでも思っているのだろうか。出来ればそうであって欲しい。

 

「ロトム、ダンデとソニアにこれを送って。できるだけ強いセキュリティをかけて。」

 

ロトム「了解ロト!……………送信完了ロト!」

 

送ったのはさっきの文章をガラルの言葉だけに書き換えたもの。すぐに返事は来た。

 

 

ダンデ「タイプ:ヌルのオリジナルがあったと思わしきカプセル、中身なし。」

 

ソニア「システム履歴の確認の結果、何者かが複製後、アローラへ持ち帰った記録を発見。オリジナルの特徴は通常、白色の体毛が金色である他、異なる点少しあり。」

 

オリジナルとされる個体は複製後アローラへ持ち帰られた。となると、既に誰かの手に渡っただろう。金色の毛のシルヴァディ。それがオリジナルだ。

 

「ダンデ、ガラルスタートーナメントには間に合わせる。それまでアローラへ戻る。…これでよし…。」

 

キバナ「ふぅ〜疲れた〜。」

 

キバナ達のバトルも終わったようだ。

 

「どうだった?マグノリア博士達と連絡しててあんまり見てなかったんだ。」

 

ネズ「引き分けですよ。惜しかったですね。」

 

キバナ「今度はガラルスタートーナメントで勝負だな!」

 

「キバナ、この後またアローラへ行く予定ができた。」

 

キバナ「はぁ!?どうしたんだよ急に。」

 

「シルヴァディを他のシルヴァディに会わせてみてどういう反応を示すか確認してみることになった。ガラルスタートーナメントには間に合わせるさ。」

 

キバナ「よくわかんねぇけどよ、絶対間に合えよ!出れねぇとか許さねぇからな!」

 

「分かってるさ。約束するよ。」

 

キバナの気持ちも分かるが今はそれどころじゃない。

 

「シルヴァディ、行こう。」

 

シルヴァディ「ルヴァ!」

 

マリィ「…帰るん?ありがとうございました!」

 

ビート「勉強になりました!」

 

帰ると気づいたのか2人が駆け寄ってきて挨拶してくれる。

 

「ちょっと、用事がね〜。2人共、この調子で頑張って。出来ればガラルスタートーナメントでも負かして欲しいな〜。それじゃあ!」

 

別れを告げ、スパイクタウンの外に出る。キルクスの入江に近いこの近辺は曇ることが多い。しかし今日は5番道路の方まで真っ暗だった。

 

「……嫌な天気だ…。」




タッグマッチの後、ノアが読んでいた記録。なんだかきな臭いですね。(ちなみにきな臭いのきなはきな粉じゃないですよ。)

設定的なお話

ゲームの設定を整理して、タイプ:ヌルの数をアローラ3匹、ガラル2匹だったものをアローラの3匹目を元にバトルタワーのNPCのシルヴァディ、主人公のシルヴァディ、そしてノアのシルヴァディを作りまたアローラに帰されたという設定に。
金色の毛のシルヴァディ、つまり色違いのシルヴァディはレベル100できんのおうかん持ちでプレシャスボールに入れて配布されたので1番古いガラルのコピー品のシルヴァディはプレシャスボールに入ってます。
ノアをGとシステムが呼称したのはグラジオの服装「ダメージジーンズに黒い服」が一致した為なのかそれとも偶然か。
番号的には1番ですが、グラジオのシルヴァディが1番最初なので数えて4番目の個体になります。

シンオウ関係、つまりはギンガ団のアカギですが、ロトム関係の技術が増えてきた昨今の作品なら出すにふさわしいとして登場させました。アカギならタイプ:ヌルを
生み出すヒントになるような事をまとめていた可能性があるでしょう。

2番目のシルヴァディ、3番目の色違いシルヴァディ、6番目のガラルのシルヴァディは主人公が手にしている事になります。1番目はグラジオ、5番目はNPC、6番目のノアのシルヴァディで打ち止めのはずでしょうが、ポリゴンのような人工のポケモンが広く一般に知れ渡るのかもしれません。ポケモンとしてでは無くの可能性もありますが。


次回はアローラに舞い戻るノアとシルヴァディを中心としたお話になります。
メインとしてグラジオ、リーリエも出てくるかもしれません。
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