ソニア「ねぇねぇ、私の本どう思う?」
読み終えた本の感想を聞かれる。書いた本人に言うべきなのだろうか。
「…なんというか…独特?挿絵とか描こうか?」
ソニア「下手な小説みたいな評価やめてよね!シーソー兄弟みたいなこと言わないで!」
「誰だよシーソー兄弟って…。」
ソニア「あの変な頭の2人よ!全く…研究所に乗り込んで来たりしたし…。」
「悪かったって。というかそんなことされたんならそんとき呼べば良かったじゃん。ゴーストポケモン達で研究所囲んだよ?」
ソニア「確かに…走り回ってくれた2人とネズさんに甘えすぎたかも…。て、終わったことだからもういいの!」
元とはいえジムリーダー甘えたんかい。まあ、あの時はラテラルのジムリーダー2人が動けるように避難だったりをしていたから行けたか分からないが。
「まあいいや。それでまさか本の感想聞くためにここに呼んだわけじゃないよね?」
ソニア「おっ、鋭い!実はね……。」
「断る。」
ソニア「早いよ!何も言ってないよ!?」
「絶対面倒だもん。嫌だよ。ココ最近動き回ってたし。というか自分の意思で外に出たのゴーストカップだけだよ?他のは頼まれて出たりしてたからね?」
ソニア「確かに…。でも知り合いで今動けそうなの……ごめん、ノアくんもだった。」
ゴーストカップ、ガラルスタートーナメント以降の僕はジムリーダー程では無いがラテラル以外を歩くと声を掛けられたりする。他のジムチャレンジャーもそうらしいけど、組んだ相手がキバナなので変に人気が出てしまった。ファンができるのは良いが、墓地にまでわざわざ会いに来る人も居るのでちょっと困っている。最近は夜廻り以外の墓地の仕事をしていない。
「夜なら動けるんだけどね。キバナは夜動いても人集まるだろうし、ダンデは…リザードンでも帰って来れないところに行きそう…。」
ソニア「やっぱり君しかいないよ!」
「わかったよ…それで、何をすればいいんだい?」
ソニア「というわけで、巨人のポケモンや伝説の鳥ポケモンの事を調べて欲しいの!」
最近頻繁に見つかるサンダー、ファイヤー、フリーザの3匹に似たポケモン。これを調べて欲しい、というかピオニーさんからのお手伝い要請だったらようだ。
ピオニー「こちらで見つかったポケモン達は任せてくれ!!そちらにはカントー、ジョウト、シンオウ、イッシュに伝わる伝承を調べて欲しい!!」
ソニア「シンオウはシロナ博士、カントーはサクラギ博士が既に取り掛かってくれてるの。とはいってもシロナ博士は考古学者だからシンオウの方もサポートお願い!」
「要は、イッシュ、ジョウト、シンオウに行けって事ね。」
ルチカ「私たちの方でもなにかわかり次第お伝えします。」
リブット「カロス地方の伝説の鳥ポケモン達についてはプラターヌ博士からレポートが届いています。」
リブットさん、ルチカさんもいる。しかしプラターヌ博士とのコンタクトは…まさかガンピさんだろうか。というかジムはいいのだろうか。
ソニア「というわけでまずはシンオウによろしくっ!」
「はいはい。行ってくるよ。」
ソニア「準備するからちょっとこっち来て〜。」
ソニア「はい、ロトム図鑑の性能とか色々上げておいたから。」
連れられたのは作業部屋のような場所。そこで改造されたロトム図鑑やその他の装備を渡された。
「随分厳重だね。」
ソニア「伝説のポケモンに会うかもしれないんだよ?ちょっとは気をつけないと。…ノアくんは最近危ない目にあってるからね。頼んでる側からすれば心配でしかないから…。」
この腐れ縁の若いポケモン博士は自分の頼み事で何かしら怪我をしたりしてくる友人を気にかけていたらしい。そんな気遣いを僕にするのならあの2人にしてあげて欲しいが。
「ありがと。ちゃんと帰ってくるから気にしないで。」
ソニア「…約束だよ?」
「はいはい。それじゃ、行ってくるよ。」
ソニア「君にかかってるからね!!お願い!!」
切り替えが早すぎるのもさっきの雰囲気からだとどうかと思うが。
というわけでやってきたのはシンオウ地方。来るのはギラティナに会った時、家族旅行の時以来だろうか。
シロナ「久しぶり、ノアくん。活躍は見させて貰ったわよ。大きくなったのね。」
出迎えてくれたのは昔と変わらないシロナさん。当時からずっとチャンピオンなのだからとんでもない。
シロナ「さて、一応迎えはあるの。こっちよ。」
シロナさんはチャンピオンということもあって、時々勝負を仕掛けられる。リーグに居ないことが多いので仕事中はそれが多い。迎えというのはシロナさんが仕事を進めるために手伝ってくれている研究者仲間のことだろう。
シロナ「ねぇ、ちょっと質問していいかしら?」
「どうしました?」
シロナ「ノアくんって、もどりのいずみに行った数年後、1人でシンオウに旅行に来てた?」
「いえ、行ってませんよ?」
シロナ「…やっぱり夢だったのかしら?」
「どういうことです?」
シロナ「ギンガ団がパルキア、ディアルガを利用しようとしていた時、助けてくれなかった?その後直ぐにどこかに行っちゃったみたいだけど。」
やはり数年前のあのバトルはシロナさんにがっつり認識されていたようだ。言ってもいいのだろうか。
「……その時、確実に僕は旅行に行っていませんよ。」
シロナ「…でしょうね。どう見ても歳をとってなかったもの…。ねぇ、もどりのいずみで何があったの?」
「…詳しくはここでは言えません。ただ、ギンガ団を止めるのに僕が必要とされた事は言えます。詳しい話は誰にも聞かれたくありません。」
シロナ「…わかったわ。また後で聞きましょう。」
シロナさんの研究室。話をする前に片付ける必要がありそうだ。
シロナ「ごめんなさいね。最近帰って来れてなくて。」
そういう問題じゃない気がする。
「まずは片付けましょうか。手伝いますよ。」
シロナ「ごめんなさいね。ガブリアス、それはそっちに持っていって。」
なぜガブリアスにさせるのか。ルカリオでいい気がするが、シロナさんのガブリアスはテキパキと動いていく。
「ジュペッタ、ちょっと手伝ってね?」
ジュペッタ「ペッタ〜ン!」
シロナ「本当にごめんなさいね。手伝ってもらって。」
結局2時間ほど片付けてようやく話ができそうだ。
シロナ「…それじゃあ、早速聞かせてもらってもいいかしら?」
「もどりのいずみを調べていた時、変な通路を見つけたんです。そこを通るとギラティナの世界、反転世界に着きました。」
シロナ「反転世界…あの暗い世界のこと?ヒカリちゃんから少し話を聞いたけど、綺麗で鏡を通して行く場所って聞いたわよ。」
きっとシロナさんはあの場にシェイミとそしてギンガ団と対決していた女の子から話を聞いたのだろう。僕があの世界に着く前に彼女は空の破れた世界と反転世界のどちらも見ていたようだ。
「反転世界が不安定になると空が破れてああなるみたいなんです。シロナさんが会った僕はもどりのいずみにいたあの時代より前の僕になるはずです。」
もちろん記憶が世界の都合に合うように変えられて、本来は来ていたのに来ていないことになっていたり、その時代の僕が一時的に昔の姿に戻った可能性もある。
シロナ「やっぱり……なら今ここでお礼を言っておくわ。入っていいわよ。」
ヒカリ「あの…はじめまして!」
ポッチャマ「ポチャ!」
シロナ「ごめんなさいね。ヒカリちゃんを隠れさせる為にいつも以上に汚させてもらったの。」
ヒカリ「シェイミやギンガ団の時に助けてくれたんですよね?ありがとうございました!!」
ポッチャマ「ポチャ!」
「あんまり知られちゃイケナイことなんだけどね…。」
シロナ「話を戻しましょう。ギラティナの世界に行った後…ギンガ団との決戦より前やその後はどうしていたの?」
ヒカリ「やっぱりムゲンさんと?」
「確かにムゲンさんと会ったさ。反転世界を調べ始めたムゲンさんや、君たちに会う少し前のムゲンさんにも。」
シロナ「ギラティナがそれぞれの時間に貴方を送っていたの?」
「もしくは、世界のルールそのものか…。未来の存在が過去を改変するのは過去の存在が未来を改変することより良くないのでしょう。実際、僕は何回も未来の事をみましたが、その時見た未来には全く関わりませんでした。僕がシンオウで現れたのはあの時見た未来の分岐がギラティナがパルキア、ディアルガを助けるのに間に合わなかったからです。時間軸が歪んでしまってひとつの世界に2匹のギラティナが存在してしまった。それでギラティナが本来勝てる2匹に勝てなくなってしまったんだと思います。」
シロナ「でもノアくんはギンガ団と対決していたわよ?」
「それはギラティナの力以外にギンガ団の妨害が本来より強かったのもあるみたいなんです。そうでないのなら僕がパルキア、ディアルガの前にギラティナと出てきていたはずですから。」
ヒカリ「シェイミの時、やっぱり貴方が…。シェイミが言ってました。危ないところを別の人に助けて貰ったって。」
「…口止めするの忘れてた…。」
ヒカリ「それにレジギガスが助けに来てくれた時…ムゲンさんが湖の方を見てました。助かったぞ、坊主って。」
「レジギガス…巨人か。確かに僕が動かしたかもしれない。さて、そろそろこの話は終わらないかい?」
なんだかこのまま話を続けるべきじゃない気がした。ギラティナに見られたとかじゃなく、本当に何となく。
シロナ「…そうね。本題の巨人、レジギガスの話も出たところだし。」
ヒカリ「…?いいですけど…。」
「レジギガスについて僕は余り覚えてないんだ。教えてくれませんか?」
シロナ「レジギガスはレジロック、レジアイス、レジスチルを作り出したとされるわ。そちらにもこれに似た模様があったそうね?」
見せられたのは点字のようなものとポケモンの絵。それぞれの顔に点字のようなマークがある。
「はい。これと…これです。ひとつの遺跡にふたつ。」
見せたのは雪原で見つかった遺跡の点字。3匹の他に2匹いるということだろうか。
「イッシュにもこんな石像が見つかったって騒ぎになりました。調べるとレジギガスそっくりの石像も。ホウエンにもレジギガス以外の3匹は存在が示唆されてました。もしかしたらシンオウ地方が世界中のある場所と距離を無視して繋がっているのかもしれません。」
ヒカリ「イッシュにも…そうだ!ノアさんってゾロアとゾロアークってポケモン知ってますか?」
ゾロアとゾロアークはばけぎつねポケモンと呼ばれる変身能力のあるポケモン。連れている人は珍しいが見たことはある。映画を撮っていたり、リーグ殿堂入りのトレーナーだったりと限られた人ではあるが。
ヒカリ「密猟されたしゃべるゾロアとゾロアークの親子が運ばれてきたって話は聞きましたか?」
シロナ「ヒカリちゃん、いくらイッシュの人だと言っても彼は生まれはガラルよ?いつイッシュにいるかも分からないのに…。」
「…!思い当たる節ならあるよ。親が貿易の会社をしていてね。そのコンテナを間借りしてポケモンを運びたいって連絡があったみたい。たぶん、その2匹じゃないかな?」
ヒカリ「良かった…!これで大丈夫だね!ポッチャマ!」
ポッチャマ「ポチャ〜!!」
シロナ「イッシュ、シンオウ、ホウエンそしてガラル…。なんでそんなに同じポケモンが?」
「もしかしたら…この前の?」
シロナ「確かにあの騒ぎで何かしら歪んでしまったのだとしたら…それを当事者たる君に修正して貰いたかったのなら辻褄が合うわね。」
「となると、巨人のポケモン達が各地にいるのは…。」
シロナ「あなたのせいと決まった訳じゃないわ。どうであれ、あなたはやるべきことをしっかりとやったのだから。」
ヒカリ「そうですよ!ノアさんのおかげで今があるって考えたら大丈夫!!」
「ありがとう。さて、脱線しまくりましたが、導き出される結論は…。」
シロナ「巨人のポケモンはシンオウの文献によると神たるポケモン、アルセウスが作り出したポケモン。そしてレジスチル、レジロック、レジアイス達はレジギガスが作り出したポケモン。複数体存在するのはそれが理由でしょう。シンオウのポケモン、ユクシー、アグノム、エムリットもイッシュに居た。それはきっとイッシュとシンオウが繋がっているからでしょう。」
ヒカリ「なんだか、ロマンチックですね!遠くの場所とシンオウが繋がってるなんて!」
「残る2匹についてはこちらで調べます。ありがとうございました。」
ヒカリ「色々とありがとうございました。初めて会いましたけど…ずっと私達の旅を見守ってくださったんですね。」
「御礼を言われるような事をしてはいないさ。」
シロナ「今日はありがとう。これからどうするのかしら?」
そういえば、外はもう暗くなっている。
「シンオウに泊まりますよ。」
コォォォォォォン……
シロナさんの家の窓ガラスから音が響く。
ヒカリ「ギラティナ!」
シロナ「一体どうして…?」
「…会いに来いってことでしょうね。」
ヒカリ「行きましょう!ノアさん!!」
そう言うが早いか、少女と思えない力で窓ガラスの方へ押し込まれる。
「ちょっと!?」
シロナ「私もお邪魔しましょうかしら。」
ヒカリ「私達も居るからダイジョーブ!」
ポッチャマ「ポチャ!!」
ギラティナ「キュイァ!」
少し前に会ったばかりだが変わらず迎えてくれるようだ。ムゲンさんの姿は見えない。
「また会ったね。元気だったかい?」
ギラティナに触れるといつも持ち歩いている玉が少し暖かくなる気がする。
ヒカリ「サトシとピカチュウもだけれど、ノアさんも友達なんですね。」
ギラティナ「キィィ〜!」
「君達もだってさ。」
ヒカリ「ありがとう!!ギラティナ!!」
シロナ「ギンガ団の騒ぎ以来かしら?元気そうね。」
ギラティナ「キュイァ〜。」
優しい声で鳴くギラティナ。人に忘れ去られた神様は少しずつ人との距離を戻しつつあるのだろうか。
ヒカリ「…グラシデアの花畑も見えるかな?」
「行きたいのならここからじゃなくてちゃんと行きなよ?」
ヒカリ「分かってます!それじゃ、そろそろ戻りましょ?バイバイ!ギラティナ!!」
ポッチャマ「ポチャポ〜チャ〜!!」
ギラティナ「キュイァ〜〜!!」
一声鳴くと飛び去るギラティナ。残されたのは人間だけ。
「さて、ホテル探さないといけませんね。」
シロナ「ホテルなら紹介するわ。」
ヒカリ「私達もコンテストに向けて最終調整よ、ポッチャマ!」
「コンテストか…あ。メリッサさんに顔出ししないとな〜…。」
ヒカリ「メリッサさんならコンテストに審査員として来られますよ?一緒に来ませんか?」
「ならご一緒させて貰おうかな。それじゃあ、また明日。」
ヒカリ「はい!おやすみなさい!!」
ホテルグランドレイクに泊まり、明日はヨスガシティに向かう。予定は固まった。コンテストはどうしようか。チケットなどは無い。観れるのだろうか。見れなければ、メリッサさんが出てくるまで待てばいいだろうか。
ロトム「レポート、送り終わったロト!」
ソニア「お疲れ様!それにしても…よく調べたね。」
「何となく巨人ポケモンについては思い当たる節があってね。」
ソニア「明日はどうするの?」
「メリッサさんがコンテストに出るらしいからね。挨拶ぐらいはしろって催促されたんだ。そっちに顔だして次はジョウトかな?」
ソニア「りょーかい。そうだ!これみて。」
見せられたのは雪原に佇むライコウ、エンテイ、スイクンの写真。どこか色が違うような…
ソニア「そしてこの写真。これはそっちで撮られたもの。」
同じ色の3匹のゾロアーク。これがヒカリちゃんの言っていたゾロアークなのだろう。
ソニア「ゾロアークをこの3匹のポケモンに化けさせて人を騙そうとした人がいたの。その時に本物のこの3匹が現れたらしいわ。そしてそれが雪原でも見つかった。」
「…シンオウと繋がってるって言いたいのかい?地下かどこかで?」
ソニア「地下かは分からない。でもジョウトに行くのならこの3匹も調べて欲しいの。」
「わかった。とりあえず、こっちは夜だから寝るよ。おやすみ。」
ソニア「そっか、時差があるんだった。レポートありがとう!!おやすみ!!」
こちらは夜なのだから勘弁して欲しい。
ジュペッタ「ペ〜タ〜。」
「確かに疲れたね。おやすみ。」
そうは言ったものの、時差でやはり寝付けない。メリッサさんとはトレーナーとしてしか戦ったことがない。ジムリーダーとして、コンテストスターとしての彼女はどうなのだろうか。
今回からガラルでゆっくりすると思いきや結局遠征です。でも、そうすることでノアが雪原に行く口実が作れるのです。
設定的なお話
ヒカリ
16.5話を見た方はお分かりでしょうが「ヒカリ(ゲーム)」と表記されていたのに今回は「ヒカリ」のみの表記、そしてゲームの世界線を知っていると言うことは…。
やっぱりこちらとあちらを繋ぐほどの影響が出たのですからこういったところで辻褄合わせがあるのでしょうね。
シロナの家
本来は分かりませんが、今回は実家ではない本当のシロナの家なのでどこかは表記せず。ヒカリが居るのは特例です。主人公だとしても教えてくれません。
プラターヌ博士
シロナの兄弟子ということで。ガンピさんは関係ありません。ノアが勝手に深く考えてるだけです。
メリッサ
ヨスガシティのジムリーダー。不在がちなのはご存知の通り。この作品では必要な時ちゃんと居るので大丈夫です。
映画のゾロア、ゾロアーク
ラストで2匹を運んでいたのはノアの両親の会社という設定。ちょうどいいので後付け設定として。
帽子にコロモリいる辺、なかなか粋な隠し方してましたね〜あの映画。トゲキッスが手持ちというのは強すぎる気もしますが。
レジ系
ゲーム通り、各地に居ます。
三犬
色違い個体が主に登場。幻影の覇者ゾロアークと同じ個体という設定。今でも彼らを対戦で使ってます。
ライバルや男主人公
ライバルはともかく、男主人公は名前ださないつもりです。一応手持ちはアニメヒカリ、ジュンを元にしてあるので御三家の被りもなし。
次回はヨスガシティ。「縁」とあるように何か不思議な縁があるようです。