まじで多すぎると思いますが多分これからもこんな感じです。ほんとすいません。
それでは14話どうぞ。
「おいおい、一体どうなってやがるんだこれは?」
「知るか!!俺に聞くな!!」
「近くにあった別口から出てきたはいいけどよ……一体どうなってるんだあれは……」
出久達が避難してきた場所に出てきた轟、爆豪、切島であったが、目の前で起きている事に理解が追いつかず、そんな言葉を述べるしかなかった。
「グルォォォォォォォッ!!!!!」
「ウオオォォーーーーーーンッ!!!!!」
脳味噌むき出しの怪物と真紅の獣が吠え合い、咬み付き合い、殴り合うのを高速で行われている様はあまりに理解し難く、獣と獣のぶつかり合いとしか表現できないものだった。
「爆豪ちゃん、切島ちゃん、轟ちゃん、大丈夫だった?」
「あ、ああ。大丈夫だけど目の前で一体何が起こってるんだ?あの赤い奴は一体?」
「わかんねーよ俺達だって!!突然投げられたかと思ったら狼が吹っ飛ばされて、ヒミコに避難させられたかと思ったら狼が急に赤くなってもう全然意味分かんねーよ!!!」
「何!?あの赤い奴が犬頭なのか!?どうなんだ葡萄頭!?!?」
「峰田の言ってることは間違いじゃない。全て本当のことだ。わけがわからない点も含めてな」
「相澤先生……その腕の包帯……」
「ただのかすり傷だ。ヒミコが念の為治療を施しただけで大した怪我じゃない。………それにしてもあのアホ!!一人で突っ走りやがって……!!」
相澤は感情のまま地面を思いっきり叩いた。漂っている感情に怒りというものは一切なく、自身に何もできないという悔しさ一色だ。
「……ヒミコさん、相澤先生、狼君は一体何をしたんですか?あの姿は一体?」
考え込んでいた緑谷が口を開き、二人に話しかけた。まずヒミコが口を開く。
「まず、狼の母親と父親がヒーローだということは知っていますよね?」
「ああ、狼がいつも怖いって言ってた」
「父の方のヒーローネームがフェンリル、母の方が血影で狼は二人の個性を受け継いでいます」
「狼ヒーローフェンリルにブラッディーヒーロー血影………。どちらも狼と血に纏わる個性を持つヒーローだ」
「その二人の内、父の方の個性を強く受け継いだ狼ですが、体の奥底には母の血に纏わる個性が宿っています。その母から遺伝した個性は、他者または自らの血を口から取り込み、飲んだ血の量だけ自身のあらゆる身体能力を強化するというものです。ここから先の理由は私も知らないのですが、4年前から狼は血を大量に摂取すると暴走するようになってしまうようになってしまったため、緊急時にのみ大量に血液を摂取を許されていたのです。まさかここまで理性を失うだなんて………」
「じゃああいつは理性を殆ど失った状態で戦ってんのか……」
「けど、このまま戦わせておけばあいつに勝てるかもしんないじゃん!!それにあいつを倒せれば狼も止まるだろ!!!」
「いや、それは無理だ。あいつはあの化物を倒す事はできない」
ヒミコが話している間、口を閉じていた相澤が口を開き、話を続ける。
「4年前のとある事件によって、あいつの個性因子は一部破損している。それ故に身体能力が強化された後の反動も通常の個性の倍大きく、あれは一種のドーピングみたいなもんだ。……俺が4年前見た限りではあの姿になったら最後、5分ほどで全身から血を吹き出し倒れてしまう。……たった5分じゃあいつを片付ける事はできない」
「それじゃあ狼は俺達を逃がすために命を………」
「それは違うよ峰田君」
今まで口を閉じていた緑谷がそう口を開いた。彼の目には悲観なんて文字は宿っていない。
「デク!!なんでそんな事がわかんだよ!?」
「彼が僕達を見た最後の目、僕達を信じてるって目だった。狼君は最初から諦めてなんかいない、僕達を信じて待ってるんだ」
「そうです。狼は絶対に諦めるなんて事はしません。今も理性と本能の間でずっと戦っているはずです。私達できることを考えないと………」
「何か手は………」
緑谷とヒミコは必死に考え、これまでに起きたことを分析する。たった一筋の光を見つけるために…………
「そういえばあの脳味噌むき出しのヴィラン、あの手袋の男の言うことにやたら忠実に従っていたわね。それも気味が悪いくらいに」
梅雨ちゃんはただ思った事を言っただけだった。だが、二人の脳裏にとある仮説が思い浮かぶ。
「私、思った事を何でも言っちゃうの。何か役に立ったかしら?」
「役に立つどころじゃありませんよ梅雨ちゃん!!言われてみればその通りです!!あの男は手袋の男の言った事にのみ従い、自身では動こうとしなかった」
「それがもし動かないのではなく、動けないだとすれば全てに合致がいく。つまり、あのヴィランは手袋の男の言うことでのみ行動決定ができる……!!」
「出久君!!」「ヒミコさん!!」
「「あなたの力が必要だ!!!」」
◆◆
「グリュロロォォォォォッ!!!!」
「ワオォォォォッ!!!!!(抑え込め本能を!!理性を保ち続けろ!!ヒミコ達が来るまで耐え続けるんだ!!!)」
脳無の関節、腱、脊髄などを徹底的に攻撃しながら、俺は暴走する本能を抑え込むのにやっけだった。
血液の大量摂取はこうなる危険性を秘めていたためなるべく避けていたのだが、これを使えば勝てるという確信はあった。だが、そのを確信を凌駕する化物の攻撃力と耐久力は異常すぎる。まるでいくつもの個性が混ざっているかのようだ。
「(それに加えあの黒い靄の男のワープによる妨害!どこから来るかわからない当たれば敗北必須の手袋の男の攻撃!これが邪魔すぎる!!)」
「またこれを躱すのか………。クソチート野郎が」
「まぁそれもいいでしょう。我々が奴の命を奪う必要はない。我々が援護している間に脳無が奴を殺せればいい。このまま援護を続けましょう」
「それもそうだな。後衛のメンバーが前衛のメンバーを援護するのは当然だもんな。じっくり気長にやろう」
そう言いながら男達は再び攻撃を続け、俺はそこに意識を割くことになったことで上手く攻撃が入らない。一度スピードがあるモード狼に変身し、ワープ男に攻撃を試みる。
「脳無、こいつを近づけさせるな」
男の声とともに脳無は道を塞ぎ、残りのルートにはワープホールが展開される。
脳無に掴まれる直前、どうにか体を捻り攻撃を躱し、腹元をえぐるとともに一度下がった。
「(えぐるのは多少効果があるみたいだがその分掴まれる危険が増えちまう。何より瞬時回復ってどんなチートだよ!?一撃で決めないと意味ね−じゃね−か!!)」
脳内でそうぼやきながらモード獣人になり、脳無の攻撃を受け止める。今ので左腕が少しイカれた。
「(魔血開放が解除されるまであと1分30秒。一瞬でいい………。一瞬で………全ては終わる……。一瞬……奴の動きを止める事ができれば………!!)」
「よし、このまま──」
「お待ち下さい、死柄木 弔。つい先程逃げた生徒達に妙な動きが。何かをするつもりです」
「あんっ?生徒が?」
◆◆
「いくぞテメーら!!遅れんじゃねーぞ!!」
「おうっ!!」
「言われなくとも………!!」
静かに接近していた爆豪、切島、轟は黒い靄の男に接近し、攻撃を仕掛けた。
「学生が……無駄なことを……!!」
「無駄なんかじゃねーよ」
更にその背後から相澤が飛び出し個性を発動、黒い靄の男の個性を抹消する。
「脳無!こいつらを止めろ!!」
「グリュロ───」
「アオーーーーーーーンッ!!!」
動き出そうとする脳無をモード狼の狼が肩部を食いちぎって動きを妨害、脳無は距離的に間に合わない。
「(だがイレイザーヘッドの個性の発動時間は約6秒、私のワープなら動きが間に合う。全ては無駄ですよ………!!)」
個性が発動できる瞬間、黒い靄の男と手袋の男はワープ、爆豪達の攻撃が届かない。
「いくぞヒゲモジャ!!間違えんじゃね−ぞ!!」
「何度も間違えるかよ………!!」
相澤の捕縛武器が爆豪と切島の足をキャッチ、二人をそのままぶん投げた。
「お前のワープ先はマーキングした場所、もしくは自身の視線の先!!そしてヒゲモジャの個性でワープ使えねーのならワープ先は視線の先に限られる!!!」
「そして靄上以外の場所には攻撃が当たる!!つまり!!」
「「お前等の動きは無駄だ!!!!」」
ワープ先にピンポイントで跳んできた二人の攻撃など躱せるはずもなく攻撃は直撃、二人の体を大きく揺らす。
「くっ……………。だが私はまだうごけ─」
パキパキパキンッ!!
轟の放った氷が二人の下半身を凍らせる。これにより二人は完全に動きを止めた。
「そう簡単に逃してたまるかよ」
「(氷を壊すことができない!?イレイザーヘッドの個性か!?だが脳無が、脳無さえ生きていればこっちの───)」
◆◆
「距離角度よし……!実君!梅雨ちゃん!絶対に離さないで下さい!!」
「ちくしょー!!こうなったらヤケクソだ!!思いっきりやれ!!!」
「言われなくとも!!」
「じゃあいくよ!!」
ヒミコを投げる体制をとった緑谷を蛙吹と峰田が両サイドから強く掴み、体が可能なだけぶれないようにする。そして、緑谷は右腕に力を込める。
「DETORIT ………SMASH…………!!!!!」
その緑谷の叫びとともに右腕は振るわれ、ヒミコは思いっきり投げられた。
「!?!?なんだ!?!?お前は!?!?」
「もう遅い!!!」
ヒミコの振るったナイフが手袋の男に当たり、男を大きく揺らした。だが、振るわれたのは切断性ゼロのナイフ。血を飛ばすには至らない。
「はっ、ははははっ………。なんだよ……これで終わりか?こんな事しても!!全ては───」
「無駄じゃない!!私の個性は血を取り込むことで発動される!!つまりあなたを倒す必要はない!!これで私はあの化物の一瞬の隙を作ることができる!!!」
「一体なにを!?やらせ──」
「逃さないと言ったはずだ……!!」
「やれヒミコ!!思いっきりやれ!!!」
ヒミコはナイフについた血を舐め手袋の男に変身。そして
「脳無!!!!動きを止めろ!!!!!!」
◆◆
ヒミコの声とともに脳無は動きを停止、腕を振り下げる体制で固まった。
「ヨウヤク止まっタナ………こレでスベてオワわせる………!!!」
腰を深く落とし、右腕全てに全神経と残った力を集中させる。
「脳無動け!!!あいつを今直ぐ殺せ!!!」
氷の中でもがき、叫んだあいつの言葉はこいつに届いた。振り下げる体制で止まった腕が動き、俺へと振り下ろされた。
だが、俺の動きはもう止まらない。
「ヒミコ達がPLUSULTRAシタンダ!!ならオレもゲンカイを超エないといけなイよな……!!! 」
ガァァンッ!!!
俺と奴の拳がぶつかり合うが、それでも俺の拳は止まらない。
「更二向こうへ……………PLUSULTRA………………!!!!!!!!」
その声とともに、回転を加えた俺の拳が奴の拳を打ち破って心臓部にぶつかり、奴は大爆発にも似た音を立てて跳んでいった。
「……もうこれで満足かなヴィラン共。これがお前達が舐めていたヒーロー達の力だ……馬鹿野郎」
人型に戻った俺は高く腕を振り上げ、そう高らかに宣言した。
◆◆
「……さてと、そろそろ俺の出番かな?」