鮮血少女と鮮血狼   作:熊田ラナムカ27

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 2週間ほど投稿ペースが遅くなるかもしれません。作者の諸々の事情により投稿が遅くなること、誠に申し訳ありません。

 それとお気に入り登録300超え!!ありがとうございます!!!!
 
 


26 終わりがなんたらなとやら

 

「それではこれより!!表彰式に移ります!!皆様盛大な拍手をお願いします!!」

 

 ミッドナイトの声とともにカラフルな花火が打ち上がり、いかにも華やかな雰囲気だが、どの生徒も壇上の状況に思わず苦笑いをした。

 

「んんっーー!!んんっんーー!!!!!」

 

「ハーハッハ!!アイ・アムチャンピオン!!!!」

 

「…………」

 

「……もはや悪鬼羅刹」

 

 1位の狼は車椅子に座りながらかなり苛つくドヤ顔を披露してるし、爆豪はもう一度勝負だと襲いかかってきたために拘束されてるしでもうめちゃくちゃだ。更に言えば壇下の方でヒミコが狼に斬りかかろうとしてるのを全力で止められてる。

 

「なんつーか……最初から最後まで締まらない終わり方だな、こりゃ」 

 

「っていうかなんで狼は車椅子?」

 

「魔血開放の反動だと。今日中は車椅子なしで動けないらしい」

 

「なるほどな。……それにしても、苛つくドヤ顔だな、あれ」

 

「確かに……絶妙に殴りたくなってくるな……」

 

 生徒達になんとも言えない空気をよそに、ミッドナイトは話を進める。

 

「さぁ!待ちに待ったメダル授与よ!!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!」

 

「私がメダルをも────」

 

「我らがヒーロー!!オールマイトォ!!!」

 

 しーーーん。

 

「えーっと、とりあえず……どんまーいオールマイト……」

 

「ミッドナイト……今のはできれば合わせて欲しかったよ………」

 

「すみません!カブっちゃいました!!」

 

 何やってんだ教師陣。そこは事前に打ち合わせとかしなきゃだめでしょ。オールマイトも落ち込んで震えないでください。なんとも言えない空気になってますから。

 

 俺がそんなことを考えている間にどうにか立ち直ったらしく、メダル授与へと移った。まずは3位の二人からだ。

 

「二人とも実によく頑張った!!常闇少年、爆豪少年!!」

 

「恐悦至極。もったいないことお言葉、ありがとうございます」

 

「んんんっーー!!!んっーーんっ!!」

 

「あっ、君は拘束されたままだったね。じゃあ少し口枷を…………」

 

「うるせー黙ってろクソが!!!俺は負けたんだからここにいなくて十分なんだよ!!たとえ3位だろうがなんだろうが負けは負けなんだよクソがぁ!!」

 

「うぉっ!?すんごいぶち切れてるね!!君!!」

 

 一切納得できていない様子で勝己はすんごい形相でオールマイトを睨んだ。その顔に苦笑いを評しながらも、オールマイトは話を続ける。 

 

「確かに3位順位は君達の中で納得できていないのかもしれない。だが、その敗北を糧に、更に成長できるということでもある。君達の成長、楽しみにしているよ」

 

「………御意」

 

「勝ち続けるというのは死ぬほど難しい!だからこそ君も受け取ってくれ!このメダルを傷として!その負けを忘れぬよう!」

 

「要らねつってんだろうが!!」

 

「勝己、そこは受け取っておけよ。俺に負けた記念して。………ププッ」

 

「犬顔てめぇ殺すぞ!!なに笑ってんだ!?!?」

 

「まぁそういうわけだ。とりあえず!貰っといてくれ」

 

 口にメダルを無理矢理かけられ、勝己のメダル授与は終わった。続いては2位、焦凍の番だ。

 

「轟少年おめでとう。……心做しか、体育祭前よりいい顔になったじゃないか」

 

「……緑谷戦できっかけを貰って、狼戦で一応ふっきれました。あなたが奴を気にかける理由……わかった気がします。俺もあなたのようなヒーローになりたかった。けど、今は違う。いつか、誰かの当たり前の笑顔を守れるヒーローになる。これが俺の目標です。そしていつか、俺は俺の意思であなたを超えるヒーローになります」

 

 少し迷いながらも焦凍はそう言い切った。フッと微笑み、オールマイトは口を開く。

 

「…………ほんと、体育祭を乗り越えた君は何倍成長したんだろうね。顔つきが全然違うじゃないか」

 

「そのために清算しなきゃいけないものだってある。俺だけがふっ切れて、それで終わりじゃ駄目だと思うから」

 

「ふむ………深くは聞くまいよ。きっと今の君ならその清算とやらもできる。そしていつか、君のなりたいヒーローになれるよう、その惜しまぬ努力を続けていってくれ」

 

「………はい」

 

 こうして焦凍のメダル授与は終了、最後である俺の番だ。

 

「見事な伏線回収だったな狼少年!!特に最後の戦いは私の心をも熱くさせる素晴らしいものだったよ!!」

 

「ありがたいお言葉、ありがとうございます。あと俺は来年も再来年も優勝するのでそこはお忘れなく」

 

「ハーハッハッ!!もう来年に再来年の優勝宣言か!!気が早いことなりよりだ!!!」

 

「俺は誰が相手だろうと絶対に勝ちます。それが……俺がここに来たときに立てた誓いですから」

 

「なるほどな。その硬い意志とその身に秘めた圧倒的力、これが君の強さの根幹か。だがな、他の生徒も来年や再来年には更に更に強くなっていく!それでも、君は優勝を宣言するかい?」

 

「当然です。それが俺というものを足らしめている以上、その言葉を曲げるつもりはありません」

 

「それでこそヒーローだ!!何があっても曲がらない意志!!それがヒーローをヒーロー足らしめているものの一つだからね!!その意志の通り、君は君の道を突き進んでいってくれ!!」

 

「………はい、オールマイト」

 

 その言葉を聞けて満足といった様子で、オールマイトはカメラの方を向いた。

 

「さぁ!!今回は彼らだった!!しかし皆さん!この場の誰にもここに立つ可能性があった!!ご覧いただいた通りだ!競い!高め合い!更に先へと登っていくその姿!!次代のヒーローの芽は確実にその芽を伸ばしている!!手な感じ最後に一言!!!皆さんご唱和下さい!!せーの」

 

 

 

「「「プルスウル」」」

 

 

 

 

「おつかれさまでした!!!!」

 

 

 

 

「「えーー!?!?そこはプルスウルトラでしょ!!オールマイト!!!!」」」

 

 

 

 最後の挨拶までしまらない感じで、俺達の雄英体育祭はこうして幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              ◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中部地方 某所

 

 

 

「なるほど……仮面の男の目撃情報については一切情報はなし、路地裏での無差別殺人に容疑者の可能性大か。よくここまで調べ上げてくれたね。礼を言うよ」

 

「いえいえ、こういった情報は裏世界にいくらでも転がってますからね。そんな情報を洗い出していけば嫌でもたどり着きますよ」

 

「だがこれは考えていた何倍も危険な事案だ。最悪、ヴィラン対ヒーローの全面戦争が起こる可能性だってある。あんたがこれ以上関わる必要はない。今すぐ手を引きな」

 

「言われずともそのつもりです。一度は足を汚した人間である以上、下手な行動は慎むべきだってことは誰よりも理解しています。………それに、一応家族もいることですしね」

 

「そういうことだ。あんたは自分の家族の事だけを考えてればいい。………公安の連中に見つかると面倒だ。早く行きな」

 

「へいっ。姐さんも気をつけて」

 

 密談相手の男はこちらに少しお辞儀をすると繁華街の人出に紛れ、そのまま行ってしまった。

 

 誰もいなくなった路地裏で、私はスマホの着信履歴を確認する。

 

「……あの子達の戦績はまぁまぁ、まだまだ修行が足りないね。こりゃ帰ったら厳し目に絞めてやらないと駄目だねこりゃ。……またヒーロー殺しの被害拡大、インゲニウムがやられたか。命に別状がなければいいんだけど」

 

 背中のバックを背負い、私も腰を上げた。

 

「さてと……こっちの情報も集まったし帰るとするかね。………ヴィラン連合、私達の息子と娘に手を出しておいて……ただで済むと思うなよ」

 

 

 

 

 

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