鮮血少女と鮮血狼   作:熊田ラナムカ27

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職場体験編
27 名前というのはよく考えて


 

 

 

 体育祭が終了して少し日数を挟み、俺達は久々の登校をした。

 

 あまり絡まねないよう念の為モード狼(豆柴モード)で登校してきたわけなのだが、やはりあちこちで体育祭の事についてで雄英生が色んな人に話しかけられており、目立たないようにして正解だったと心の奥底から思った。

 

 モード狼から人型に戻った俺とヒミコはいつも通り教室に入った。案の定こちらも体育祭の話でごった返している。

 

「おはようさーん。全員元気だったか?」

 

「元気は元気だったけど凄かったぜ!めっちゃ道中話しかけられんだもん!!」

 

「俺なんか、いきなり小学生にドンマイコールされたぜ?」 

 

「俺もそれやられた……。たった一日のやらかしが……こんなにも言われるとは思ってなかったぜ………」

 

「てめーら二人まだはいいじゃねーか……。俺なんか道行く女という女に白い目で見られながらここまで来たんだぞ!!マジで意味わかんねーと思わないか!?!?」

 

「いやまったく」「妥当なところです」「人として扱われるだけマシだと思う」

 

「なんでだ!?俺は何もしてないんだぞ!!!」

 

「あの発言は私でも引きますよ……実君……。正直……キモかったです……」

 

「グハッ!!」

 

「あんなやばいことを全国中継の場でやったらそりゃそうなるわ。むしろ警察呼ばれないだけましじゃない?」

 

「グサッ!!!」

 

「つーかあの発言は全女子に対しての最大の不敬だろ。今すぐ腹切った上で土下座しろ。でないとお前は永遠にモテることはない」

 

「ワァーーーンッ!!!!」

 

 響香とヒミコ、そして俺の容赦がない言葉の攻撃でライフがゼロがなった実は泣き叫びながら教室から出ていった。

 

 まぁぶっちゃっけ、あの仕打ちは妥当なところだな。散々ヒミコと全雄英女子に迷惑かけてんだからな、あいつは。

 

 腹切れと本気で言うつもりはないが、とりあえず全国中継で土下座しない限りは一生モテないだろう。まぁ………多分直ぐに立ち直ってセクハラするだろうから結局意味ないと思うけど。

 

「おはよう。それとともに聞いておくが、なんで峰田は泣き叫びながら廊下を疾走してたんだ?俺はエロを捨てることはできないんだ、だとかなんとか呟いていたが」

 

「自業自得です」「話すだけ無駄です」「頬って置けば元に戻ると思います」

 

「そうか。ならとりあえずここに置いておくぞ。じゃあ話は変わっていきなりお前らにニュースだ。今回のヒーロー基礎学は特別だ」

 

 相澤先生の言葉に、教室はしんっと冷え切った。

 

 特別という恐ろしい単語に……鋭児と電気はすっかりビビりきっている。

 

 今度はなんだ?まさか絨毯爆撃に当たらぬよう走り続けろとか言うつもりじゃないよな!?それともなんだ!?巨大鉄球クレーンの鉄球を受け止めるとかじゃ……………

 

 

「コードネーム、つまりヒーロー名の考案だ」

 

 

「「「胸膨らむヤツきたぁぁぁ!!!」」

 

 

 

「じゃあ鉄球も爆撃もなしでいいんですね!?」

 

「お前は何を言ってるんだ。あの人じゃあるまいし、そんなことやるわけないだろ」

 

 相澤先生の言葉に、俺は深く撫で下ろした。

 

 相澤さんが特別って言うくらいだからそんぐらいやると思いこんでたよ。ほんと、うちのやってることがただただ常軌を逸っしてるってだけか。ほんと………よかったわ…………(白目)。

 

「と言うのも、先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる。指名が本格化するのは、経験を積み即戦力として判断される2~3年から…つまり今回の指名は、将来性に対した興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセル、なんてのもよくある」

 

「大人は勝手だ!」

 

「お前のキャンセル理由は多分妥当な理由だけどな」

 

「で、その指名の集計結果がコレだ」

 

 ドンッといった感じで、指名数のグラフが黒板に表示された。

 

「例年はもっとバラけるんだが、今年は4人に多く指名が集まった」

 

「おいおいおい!!爆豪とヒミコが2000、轟が3000に狼が4000って!!!比率おかしいいだろ!!!!」

 

「ちょっと待て!!なんで俺の指名数が八重歯と殆ど同じなんだ!?そこんとこおかしいいだろ!?!?」

 

「ヒミコは一回戦落ちだが多くのヒーローにその戦術眼と体術を評価された。狼に大きな一撃を与えたってのとB組殲滅の指揮をとったってのが大きな要因だな」

 

「それで私も票がちらほら入ってるってわけね」

 

「つーかヒミコ指名と爆豪の指名数、結果と逆転してね?」

 

「表彰台で拘束されてた奴とかビビるもんな……」

 

「ただでさえ顔面で怖がられてるっていえのに、あんな姿全国に晒したらそりゃそうなりますよ」

 

「ビビってんじゃねーよプロが!!!!」

 

 それぞれが反応しめている間にも相澤先生は話を続ける。

 

「これを踏まえ……指名の有無関係なく、所謂職場体験ってのに行ってもらう。お前等は一足先に経験しちまったが、プロの活動を実際に体験して、より実りある訓練にしようってこった」

 

 プロの仕事を直で見る機会なんてなかなかないしな。流石に下手な行動は駄目だろうけど。

 

「それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになってきたァ!」 

 

「まぁ、仮ではあるが、適当なモンは……」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」

 

 待ってましたといった様子でミッドナイトが教室へと入ってきた。どうでもいいけど、この人も母さんのトラウマ被害者だったけ。

 

「この時の名が世に認知されて、そのままプロ名になってる人多いからね!」

 

「将来どうなるか、名を付けることでイメージが固まりそこに近付いてく。『名は体を表す』ってのはこう言う事だ。”オールマイト”とかな。じゃあ今から15分、しっかり考えとけ」

 

 そう言うと相澤先生はいつも通り寝袋の中に入ってしまった。

 

 

 

 そして、15分後

 

 

 

 

「それじゃあ、出来た人から発表ね。」

 

 んげぇ……発表方式かよ。これ、下手な奴出したらクソ滑って誰もヒーロー名出せなくなるやつじゃん……。さて……全てを決める一人目は………

 

「輝きヒーロー『I can not stop twinkling』訳して、キラキラが止められないよ!」

 

「短文じゃねーか!!ヒーロー名にしろ!!ヒーロー名に!!」

 

「そこはIを取ってcan'tにした方が呼びやすいわね。」

 

「それね、マドモアゼル」

 

「呼びにくさ以外はOKなの!?判断基準どうなってんだ!?!?」

 

「じゃあ次私ね!!」

 

 頼むぞ三奈!!とんでもなく明るいお前ならこの空気を打破できるはずだ!!いい感じのやつを────

 

「『エイリアンクイーン』!!」

 

「アウトォォ!!強酸的な奴はヤバいって!!却下!!却下!!」

 

「じゃあ次は私です!!」

 

 おいおいおい!!大丈夫なのかヒミコ!?二度あることは三度あるっていうが大丈夫なのか!?ちゃんとしたやつなのか!?

 

「『キラーク────』」

 

 

「「強制中断!!!」」

 

 

「その名前は色々ヤバいから!!ジャンプ的に色々アウトだから!!」

 

「三度目のお約束をなにを律儀に守ってんだ!?そういうのは守らなくていいんだよ馬鹿野郎!!」

 

 3回のクセがすごい爆弾攻撃を受け、教室中に大喜利の空気が流れた。

 

 駄目だ……今何言っても大喜利の雰囲気になっちまう……。つーか初手3人は何を考えたらそんな案になるんだよ!?ああもう誰でもいい………。この空気を変えてくれ……………。

 

「それじゃあ次、私いいかしら?」

 

 梅雨ちゃん頼む!ここで空気を変えてくれ!!

 

「小学生の時から決めてたの、梅雨入りヒーロー『フロッピー』!」

 

「そういうのでいいんだよヒーロー名は!!めっちゃナイスだフロッピー!!」

 

「かわいい!親しみやすくていいわ!」

 

 マジでナイスだフロッピー!お陰で空気が一気に変わった!!最高のヒーローだよフロッピー!!

 

「んじゃあ俺のヒーロー名だ。狼ヒーロー『ルプス•バレト』!」

 

「狼の弾丸!なかなかオシャレなヒーロー名じゃない!!」

 

 その後は鋭児の熱いヒーロー名、『烈怒頼雄斗(レッドライオット)』に始まり、皆順調に発表終えていった。初手の3人のインパクトが強すぎただけで、みんないいヒーロー名だ。このまま直ぐに終わる

 

「『爆殺王』!」

 

「『ブラッドウーマン』!」

 

 とは思えないな。あの二人はクセがすごすぎる。あと5時間くらいは掛かりそう。

 

「思ったよりずっとスムーズ!残っているのは再考中の爆豪君とヒミコちゃん、飯田君、そして緑谷君ね」

 

 皆がさくさくと進んでいく中(2名例外はいるが)、二人はどうにも浮かない顔をしていた。

 

 出久は普通に思いつかないだけだろうが天哉の方は違う。先日負傷した兄、インゲニウムのことが頭から離れていないって顔だ。ああいう風になって、最終的に復讐に取り憑かれた奴の最後ってのはどれもろくなものではない。早く立ち直ればいいのだが………。

 

「飯田君も名前ね。次、緑谷君いける?」

 

「はいっ。もう決まりました」

 

 他の奴等同様前に立ってボードを掲げた出久であったが、この教室にいる多くがそのボードに書かれている名前に驚きを隠せなかった。

 

「えぇ緑谷!?いいのかそれぇ!?」

 

「うん。今まで好きじゃなかった。けど……ある人に意味を変えられて……僕には結構な衝撃で……嬉しかったんだ。これが僕のヒーロネーム、『デク』です」

 

 どこか誇らしげに、出久は一見マイナスな意味で取られる言葉をヒーロネームにすることを宣言した。

 

 ……轟同様、あいつもなにか一つ、乗り越えたのかもな。自分が嫌がっていた名前をヒーロネームにするなんて……。まったく……人の生長は早いというかなんというか………。

 

 こうしてA組皆のヒーロネーム決めは終了。それぞれが新たな思いを胸に、進むことを誓ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「『爆殺卿』!!」

 

「『キラーダイヤモンド』!!」

 

「違う、そうじゃない」

 

「お前等はネーミングセンスというものを一から学び直してこい」

 

 名無し二人のヒーロネームは現在未定である。(どっちも何やってんだ)

 

 

 

 





 元ネタはシルヴァ・バレト、ガンダムバルバトスルプスとなっております。……もう一個の小説、いつ編集しよう。
 
 
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