鮮血少女と鮮血狼   作:熊田ラナムカ27

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 やばい……。書くことがなさすぎて前書きも後書きも思いつかない………。

 ……この際、ガンダムのはな(殴)
 
 



3 魔狼剛撃

 

 

 

 とある一室。

 

「今年はなかなか豊作じゃない?」

 

「そうだな。よく動けている子が多いな」

 

「この二人なんて誰よりも早く動いて誰よりもポイントを稼いでるぞ」

 

「片方に関してははまだ個性を見せず、自身の刀の腕だけでヴィランロボを一網打尽している。伊達に騒ぎを起こしたというわけではないか」

 

「あのコントは俺も驚いたぜ!すんげーキレのあるツッコミだったからな!!」

 

「いやいや、コントはあまり関係ないでしょ」

 

 モニターには映し出されたヒミコと狼が映し出されていた。

 

 そこにいた教師陣は思い思いのことを話し、二人を評価していた。

 

「んっ……?白髪の個性はどこかで見たような………。……あっ、思い出した。あいつ爪牙の息子だ。10年前に会ったきりだったが、こんなに大きくなっていたのか」

 

 つい先程まで首をかしげていたハウンドドッグは思い出したと言って少しばかり笑顔を見せた。

 

 ハウンドドッグはあくまでただ懐かしいと思い、それを口に出しただけであった。

 

 しかし、和気あいあいとしていた雰囲気は一転、物々しい雰囲気となる。

 

「えっ……爪牙ってあの爪牙………?狼ヒーロー【フェンリル】の………?」

 

「ブラッディーヒーロー【血影】の夫の………?じゃ、じゃあ彼は………」

 

 どうかその予想が違ってくれといった思いで、近くにいたプレゼント・マイクとミッドナイトは他の先生の気持ちを代弁する。

 

「ああ。彼は【真血 狼(しんけつ ろう)】。【真血 爪牙(しんけつ そうが)】君と【真血 刀花(しんけつ とうか)】君の息子だよ」

 

 そんな思いは校長根津の言葉に打ち破られ、辺りに静寂が訪れる。そして

 

 

 

 

 

 

「校長あいつは不合格にしましょう!ってかしてください!!というか、先輩の立ち入りを禁止してください!!」

 

 

「彼が雄英に来るってことは、殲滅女王(雄英のトラウマ製造機)がここに来るってことじゃないですか!!!私嫌です!!先輩に合うのだけは……!!」

 

 

 

 

 

 

 教師陣のトラウマは大爆発した。一部のものは空を仰ぎ、一部のものは絶叫し、一部のものは恐怖に体を震わせる。

 

「校長、体育祭と文化祭の日に休みをお願いします。有給じゃなくていいので」

 

「スナイプずるいぞお前!!俺も休ませろ!!」

 

「もうだめよ……おしまいよ……なにかもお終いよ……」

 

「ヒーロー人生……楽しかったな……」

 

「ええ……後悔はありません……」

 

  彼女と仲がいい、もしくは彼女の本性を知らない者達は頭の上でハテナを作りながらその地獄絵図を眺めていた。

 

 その日、雄英校舎から響く大絶叫を聞いたという人があとを絶たなかったという。

 

 

 

 

 

 

                                 ◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「………なんか、寒気しなかったか?」

 

「奇遇ですね……。私も……今したところです………」

 

 雄英校舎から遥かに離れるこの場所で教師陣の絶叫など聞こえるはずもないのだが、狼とヒミコはなにかを感じたらしく冷や汗をかいた。

 

「……背中の血、なめていいですか?個性使わず倒せそうではありますけど………なんか嫌な予感がするんです」

 

 冷や汗を吹きながら、ヒミコは俺に近づきそう言った。

 

 あと30機ほどではあるし、倒せそうではあるのだが、俺は迷わずヒミコの言葉に頷いた。

 

 

 『……個性使わず戦ったのか?なめているのか?それとも何だ?私のトレーニングをそんなに受けたいのか?』

 

  

 バレたら瞬間、母さんがそんなことを言いそうだなと体を震わせながら、俺は一度”人型”に戻った。その背中の流れる血をなぞり、ヒミコは指に血をつける。

 

「じゃあ私は左の15機を片付けます。なので狼は右の15機をお願いします」

 

「了解。あまり時間はかけたくないし、30秒でケリをつけるぞ」

 

「了解です」

 

 そう言うとともにヒミコは指にの血を舐め、目を強く見開く。

 

 それとともに体から蝋のような物が溢れるとともに姿みるみる変わり、俺の姿をとった。

 

 こいつの個性は【変身】。吸った血の持ち主の姿に変身することができる。

 

 2年前はそれで終わりの個性だったが、今のこいつはこれで終わりではない。

 

「さて、俺もいくか。……モード狼!」

 

 俺は四つん這いの体制となり、目を強く見開く。

 

 すると体が光り出し、全身の毛が伸びるとともに筋肉の配列が変わっていく。光が収まるときには俺は完全に灰色の大型の狼になっていた。

 

 俺の個性は【魔狼】。人型と狼、そして獣人の3種類の形態に変身できる。他者もしくは自身の血を取り込むことで色々できるのだが、それはまたおいおいに。

 

「じゃあ私も!」

 

 俺の姿に変身したヒミコもまた四つん這いになり光を発する。そして彼女もまた俺と同じ姿の狼になっていた。

 

 こいつの真骨頂は変身した相手の個性を劣化であるものの使うことができる点だ。そのコピーできる範囲は異形型や変形型にも及ぶため、こいつもなかなか壊れた個性だ。

 

 そのような事ができるまで何度も殺されかけたという経験があってこその壊れ個性なのだが、その過程は………うっぷ、思い出したくない………。

 

 トラウマは置いとくとして、そこからの俺達の行動は迅速だった。

 

 向かってくる弾丸をゆうゆうと避け、近づいたロボの装甲を噛み砕き、配線を食いちぎる。

 

 愚かにも突っ込んできたロボには体当たりと蹴りを繰り出し、動力部を粉々にする。

 

 30秒もした頃には全機戦闘不能となり、物言わぬ鉄屑へと成り果てた。

 

「これで全機終わりました!!変身時間ピッタリです!!」

 

 狼になっていたヒミコの体が人型に戻るともに蝋が剥がれ、ヒミコの変身が解けた。

 

 ヒミコによれば1滴で30秒、手のひら一杯分で3時間、コップ1杯分で丸1日変身できるらしい。

 

 置いていたヒミコの刀を回収し、俺はヒミコに渡す。

 

「これでお前が46点、俺が50点ってところか。合格圏内には無事入ったな」

 

「けどまだまだ倒し足りません!もっともっと倒していきましょう!!」

 

「それはもちろんだ。左の方向にロボが大量にいるが、それ以上に受験生の人数が多い。前方向の奴を倒しながら移動するぞ」

 

「了解です。じゃあ背中を失礼っと」

 

「……受験中も乗るのはどうかと思うんだが、そこはどう思ってます?」

 

「楽で快適なのでサイコーです!」

 

「……お前ならそういうと思ったよ」

 

 こいつを下ろすことは無理かな、などと思いながら、俺は移動を開始した。

 

 移動する過程で襲ってくる1、2点のロボを切り裂き、砕きながら二人は移動していく。

 

 そんな他愛もない状況に狼は違和感を持つ。

 

(柔らかい。柔らかすぎる。攻撃力の高い個性持ちの攻撃を受ければこんなロボ、一瞬で消し炭だ。そんなシンプルなことを雄英が見逃すのか?この試験が始まってからある不気味な気配……それはなんだ……?)

 

 この試験に隠された真意、それを狼はずっと考えていた。

 

 ただ攻撃力の高いだけであれば多くのものが簡単に雄英生になっている。だが、雄英生には非戦闘向きの者も多く在学していることからそれはまずありえない。だとすれば一体………

 

 俺がそんなことを考えていたからであろう。いつの間にかヒミコが背中からいなくなっていた。

 

 匂いからしてあまり遠くには行っていないようだが、あいつはどこに……?

 

「……んっ?何だあれ……?」

 

 

 

 

 

          

  

 

 

 

                                                ◆◆

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

「えっと……、確かここら辺にいたと思うのですが……」

 

 ビルの中から声がした気がして、私は狼から離れ単独行動をとっている。

 

 一応狼には一言入れたし、最悪匂いで探せるので多分大丈夫でしょう。彼、強いですし。

 

 そんなことを考えている内に私は群がっているロボの群れを見つけた。誰かに襲いかかっているらしい。

 

「だめですね弱い者いじめは。たっぷりお仕置きしないと!」

 

 刀を抜き、ピンクの女の子に飛び掛かっていたロボの1機を粉々にする。

 

 急に現れた私に反応したロボの不意を付き、ピンクの女の子が液体を発射した。

 

 どうやら酸性の液体のようで、ロボは全機ドロドロに崩れていく。

 

「ふーっ、これでひとまず安心ですね。怪我はありませんか?」

 

「うんっ、お陰様でピンピンしてるよ!」

 

「それはそれはなによりです。かなりの数に囲まれてたのでつい来ちゃったんですけど何かあったんですか?あなた個性ならロボごときに遅れは取らないと思うんですが」

 

「うん、実は奥に一人腕を負傷しちゃった子がいてね、その子の手当をどうすればいいか迷っている内に囲まれちゃったの。私の個性【酸】は当たれば最後、大怪我させちゃうからどうしようってなってたわけ」

 

「なるほど、その子の傷がどれくらいかわかります?包帯と医療用テープを持ってるので少し治療ができると思うのですがどうでしょう」

 

「ほんと!?じゃあ今すぐ案内するね!あっ、私【芦戸三奈】!よろしく!!」

 

「私は【真血被身子】!よろしくね三奈ちゃん!!」

 

 そんな和気あいあいとした会話をしながら、私は負傷し倒れいてた子の元に訪れた。

 

 命に別状はないようだが腕の骨にヒビが入っている。これ以上の戦闘は無理だろう。

 

「すごい慣れた手付き。家はお医者さんとかなの?」 

 

「お医者さんというわけではありませんね。私を引きっとてくれた家族がヒーローをやっているので少し治療法を習ったのですよ」

 

「へーっ、ヒーローが親なんだ。もしかして有名人だったりする?」

 

「……爪牙さんはともかく、義母の刀花さんはある意味有名かもしれません。ほんと……ある意味……」

 

「すんごい目を逸してるよ。ヒミコちゃん、戻ってこーい」

 

 私が苦苦しい顔する間に治療は終わり、私は腰を下ろした。今までの疲れがドッと出るかのようだ。

 

「流石に疲れました。対人戦ならともかく、ロボを壊すのには力を使うのでもうフラフラです」

 

「ヒミコちゃんが背負ってた刀重そうだもんね。よくあれを振り回せるよ」

 

「いつもは荷物運び兼乗り物がいるから楽なんですけどね。ここまで連れてくればよかったです」

 

「それってあんたの友達のこと?友達を荷物運び扱いはどう思うけど」

 

「友達にそんな事させるわけないじゃないですか。それは狼、私の義兄のことなので心配なく」

 

「お兄ちゃんをその扱いにするのもどうかと思うけどね」

 

 後方から、誰が荷物運び兼乗り物じゃ!、とツッコミが聞こえた気がするが多分気のせいだろう。

 

 三奈ちゃんのピンク色の腕を見る内に私の胸の鼓動は高まり、欲求が高まっていく。

 

 そして気づいた頃にはもう遅い。私は三奈ちゃんの腕に噛みつき、歯を立てていた。ハッとなりは私は腕から口を離し、距離を取る。

 

「その、三奈ちゃん、ごめんなさい……。つい欲求を抑えられなくて……」

 

「あっ、いや、別に大丈夫だよ。ほら、少し歯型がついただけだし──」

 

「三奈ちゃんが良くても私は良くないのです。……私、個性を抑えられなくてつい血を飲もうとしちゃうんです。ごめんなさい、気持ち悪いですよね。ほんと…ごめんなさい」

 

 そんな状況に耐えられなくなった。私はその場から立ち去ろうと刀を持つ。

 

 刀花さんや爪牙さん、そして狼のおかげもあって私は多少の我慢こそできるようになったものの、根本的な問題な欲求を抑えることは不可能だった。

 

 狼達は笑って許してくれこそしているが、他の人達は当然違う。個性のせいだと言っても気味がり、結局離れていく。

 

 私……ほんとだめだ……。いつも笑って許してくれる狼に甘えて面倒をかけて……結局全部自分で壊してしまう……。

 

 新しくできた友達もまた傷つけて……ほんと私──

 

 その場から立ち去ろうとした私を、一握りの手がそれを拒めた。その手の持ち主は私を拒むはずの三奈ちゃんだ。

 

「もう待ってよ、人話も聞かず勝手に決めつけちゃってさ。少しは私の話も聞きなさい」

 

「いやでも、気味が悪いですよ私なんて……。それに私は三奈ちゃんを……」

 

「そんくらい気にしてないってーの。あんたが好きでやったわけじゃないのは目を見れなわかるし、何より私達友達でしょ?」

 

 なんてことはないといった様子で、三奈ちゃんは笑った。

 

 こんなこと言ってくれたのは狼達だけだった。こんなこと言われたのは初めてだった。

 

「あっ、あの、私──」

 

 

 

 

 

 

 

  

                                             ◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うんっ、みんな頑張ってくれているみたいで何よりだ。この入試は敵の総数も配置も伝えていない。限られた時間と広大な敷地…そこからあぶり出されるのさ」

 

 

 

 状況を早く補足するための 情報力

 

 

 遅れて登場じゃ話にならない 機動力

 

 

 どんな状況でも冷静でいられるか 判断力

 

 

 そして純然たる 戦闘力

 

 

「市井の平和を守るための基礎能力がポイント数という形でね」

 

「今回の試験、それらの条件を満たすものが多くいると見れる。かなりの豊作では?」

 

「いやー、まだわからんよ真価が問われるのは…」

 

 

これからさ!!

 

 

 一室の中央に置かれたYARUKI SWITCH(やる気 システム)スイッチが押された。

 

 

 

 

 

                                                 

                                             ◆◆

 

 

 

 

 

 

「おいっ!何やってるヒミコ!!早く行くぞ!!」

 

「狼!?しかもなんで背中に人!?」

 

「三奈ちゃんは私の友達です!彼女も連れてってください!」

 

「友達?お前が?まぁ何でもいい!そのけが人もピンクのお前も乗れ!!巻き込まれるぞ!!」

 

 ヒミコとヒミコの友達?とけが人を乗せると俺は建物を出る。それとともに、俺がいた建物は粉々に砕け散った。

 

「ゼ、0ポイントロボ!?なんで!?あれは襲いかからないんじゃないの!?」

 

「大方危険時の反応を見るためだ。各エリアに数機配備されている0ポイントの巨大ロボ、あれがさっき激しく暴れだして受験者を襲い始めた。ぼさっとしてたらミンチだぞ」

 

「ミンチですか……。それって血は飲めますかね……?」

 

「ミンチになったらそれどころじゃないでしょ!?てか死ぬ!!」

 

「おおおっ……。俺のツッコミの速さを上回るとはやるな。流石ヒミコの友達になっただけはある」

 

「そうです!三奈ちゃん凄いのです!」

 

「そ、それって今言うこ────うわあぁぁぁぁぁ!?」

 

 ロボの攻撃で落ちそうになった三奈をヒミコが掴み、元の体制に戻す。

 

 こいつら本当に友達になったみたいだな……。……そうか。こいつにも友達が……

 

「冗談はこのくらいにしてこれからどうします?私が治療した怪我人と狼が運んできた怪我人がいては戦えませんよ?」

 

 涙ぐんでいた思考を投げ出し、俺は打開策を言う。

 

「ヒミコ、お前は狼に変身して怪我人を運んでくれ。あれは俺が相手する」

 

「あれを一人で!?冗談でしょ!?」

 

「残念ながらNOジョークだ。少し疲れるだろうがうまくやるよ。じゃあ三奈、こいつをよろしく頼むぞ」

 

「じゃああとはよろしくお願いします」

 

 そう言うとヒミコは俺の血を舐め狼に変身し、三奈と怪我人を乗せるといってしまった。

 

 彼女がいるのならばヒミコは大丈夫だろう。

 

「じゃあ、俺もやるとするか。………モード獣人!」

 

 光とともに俺の体は狼と人を2で割った大男になり、俺はロボに向き直る。

 

 

「危機的状況での行動を見て、合格判断をしているってわけか。それなら戦闘向きじゃない奴らが合格すんのも納得だ。もっとも、やりすぎだがなぁ!!

 

 

 踏み潰そうとしたロボの足を殴りつけ、まずは足を一本潰す。

 

 

「次はその胸ぐらだぁ!!

 

 

 倒れたそいつの胸ぐらに突撃し、巨大なクレーターを生成する。

 

 

「まだ動くのか?なら動かなくなるまで殴るだけだぁぁ!!!」 

 

 

 辺りに轟音が鳴り響き、ロボがスクラップになっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                 

「すごい………。あのロボがボコボコに………」

 

「当然ですよ。狼は私の何倍も強いですから」

  

 轟音鳴りやみ、スクラップの中から男が出てくる。その姿はまさに

 

「流石私の義兄ちゃん(ヒーロー)です」

 

 そうヒミコが笑うとともに試験は終了、終わりの合図が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

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