鮮血少女と鮮血狼   作:熊田ラナムカ27

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 通常なら1話もかからない話を!!まさか1話分まで伸ばすだと!?何考えてんだよあの熊!!
 
 所要により今回は文字数少なめで、爆豪に対する風当たり(物理)が強いですが、どうにかご了承ください。
 
 
 


期末テスト編
38 とりあえず、話をしないと駄目だこりゃ


  

 

 

「ハイ、私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね、ハイ、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?」

 

「ヌルっと入ったな」

 

「久々なのにな」

 

「パターンが尽きたのかしら」

  

「相変わらず血が美味しそうですね」

 

「だからお前は噛みつこうとするな」

 

 なんだかんだで久しぶりに会ったオールマイトが担当するヒーロー基礎学で、俺達は運動場γを訪れていた。

 

 なんか前に会ったときよりオールマイトから漂う匂いが薄くなった気がするし、その分どっかからオールマイトと似た匂いが漂っているような違和感を俺は持ちつつも、俺は噛みつこうとするヒミコを抑え、オールマイトは苦笑いをしつつも話を続ける。

 

「職場体験直後って事で今回は、遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!」

 

「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!?」

 

「あそこは災害時の訓練になるからな。私は何て言ったかな?そうレース!!ここは運動場γ!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯!5人か6人のグループ4組に別れて1組ずつ訓練を行う!私がどこかで救難信号を出したら一斉にスタート!誰が1番に私を助けるかの競走だ!!勿論、建物への被害は最小にな!」

 

「だそうですよ。8:2ボンバー」

 

「もう壊すなよ。8:2」

 

「その名前で呼ぶなつってんだろ!!八重歯に犬顔!!!」

 

「では最初の組は位置について!それ以外はお座敷ゾーンに移動して観戦だ!皆!!この職場体験で得た力を目一杯披露してくれよ!!」

 

「そんで?誰がこのレース一位になると思う?たった一週間の職場体験で直ぐ変わるとは思えないけどさ、お前等どう思うよ?」

 

 いつも通りいい反応しながら噛み付いてくる勝己を抑えつつ、用意されていたお座敷ゾーンに移動している最中、電気がそんな事を言いだした。

  

 今回のメンバーは出久に、天哉に、三奈、猿夫、範太というなかなか機動力のあるメンバーだ。

 

「俺瀬呂が一位」

 

「俺の予想は尾白。割と大穴あると思うぜ」

 

「私はやっぱり三奈ちゃんがいいとこ行くと思います!」

 

「デクが最下位」

 

「怪我のハンデはあっても飯田君な気がするなぁ」

 

「うちのトップの意見としてはどうなんだ?」

 

「そりゃあ、トップぶっちぎりで出久に決まってるだろ。あいつの新技、見たらみんなビビるぜ」

 

「へー意外。ぶっちゃけアイツの評価って全然定まってないからさ」

 

「何か成す度大怪我してますからね……」

 

「おいおい犬顔!てめぇ死に過ぎで頭おかしくなったんじゃねえのか?そこの葡萄頭みてぇによ!」

 

「女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……」

 

「あんたが一番怖いよ。ヒミコと狼ばっかが目立ってて気づかなかったけど、峰田は峰田で何があったの?」

 

「確かオカマヒーロー、プリティーラブリーマンで職場体験したって話だけどよ。帰ってきたら帰ってきたらで、こいつが好きな女子近づけても」

 

「女怖い!!!!!」

 

「っていう有様だぜ?まさかヒミコ近づけて大泣きするとはな」

 

「おいちょっと待て電気。何さらっとヒミコの腰に手を当ててんだ?」

 

「これ殺らないと駄目だよね?とりあえず久々に殺らないと駄目だよね?」

 

「ちょ!ちょ!ちょ!ちょっとタイム!!ちょっと触っただけだし!!こういうのは峰田のやく────」

 

「問答無用じゃ!!!」

 

「さっさと死ね!!!」

 

「うん。いつも通りの感じですな」

 

「これをいつも通りにするのは物騒すぎると思うけどね」

 

「皆さん!!もう始まりますよ!!」

 

 いつも実ではなく電気にお約束を行っている間に、レースはスタート。現在のトップは範太で、セロファンを使って建物の上を上手く移動している。

 

「ホラ見ろ!!こんなごちゃついたとこは、上行くのが定石!」

 

「となると滞空性能の高い瀬呂が有利か」

 

「ざまぁねぇな犬顔!予想は大はず────」

 

 勝己がそう言おうとした最中、緑色の火花を纏った出久が、どこか勝己の動きにも似た動きで一気にトップに駆け上がっていた。

 

 あまりの変化の様に、俺やヒミコや焦凍といったメンバー以外は全員目を見開く。

 

「な、なんだあの動き!?たった数日で変わりすぎだろ!!」

 

「上鳴、生きてたんだな」

 

「すごい…!ピョンピョン…何かまるで…」

 

「8:2ボンバーの動きを取り入れてますね、あれは」

 

「前見たときよりも安定してるし、動きも格段に良くなってやがる。あいつもあいつで、たっぷり鍛えてもらったみたいだな」

 

「だとしてもたった1週間で………変化ありすぎだろ…………」

 

「けど!!このままだったら狼の予想通りぶっちぎりで1位だぜ!!」

 

「ええ!!このままゴールに…………ってあ」

 

「足、思いっきり滑らしたな」

 

『ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』

 

 モニター越しでも響く声とともに盛大に落下音が響き、出久は大の字の状態で盛大に落下した。

 

 後少しっていう油断と、コントロールに意識を割きすぎたってのが、今回の落下の理由だろうな。鍛えてもらったはもらったが、あいつもまだまだってところだな。

 

「けど凄かったね緑谷。あの落下がなければ間違いなく一位だったよ」

 

「落下のダメージ以外怪我もしていないみたいですし………すごい成長の具合です。………だというのに私は………………」

 

「ヤオモモ?なんか言った?」

 

「い、いえ!なんでもありませんわ!!」

 

『1番は瀬呂少年だったが皆見事な成長具合だ!!次の組は真血 狼!!真血 被身子!!爆豪 勝己!!八百万 百!!峰田 実だ!!前の組に負けないよう!!君達も精一杯頑張ってくれ!!』

 

 出久の盛大な成長の迫力の余韻が収まっていない中、次は俺達の出番となった。

 

 俺達も何度も殺された分の成長を見せるため、スタートラインでストレッチをしているのだが…………

 

「私は八百万 百………。私なら出来る………私なら出来る……………私なら出来る…………私なら─────」

 

「デクの野郎俺が馬鹿みたいな時間を過ごしてる間に……………クソっ!!クソっ!!クソっ!!クソっ!!!」

 

「女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……女怖い……」

 

「……………隣の人達が気になって集中できません。本当に何があったんですか?」

 

「百は自信なくしてるし!!8:2はクソしか言ってないし!!実は女怖いしか言ってないしでめちゃくちゃすぎるだろこの組!!お前等マジで何があったんだよ!?!?」

 

「うるせぇ黙ってろクソがぁ!!!」

 

「わ、私なら出来る!!!」

 

「女怖い!!!」

 

「お前等は少し落ち着け!!それとそれ以外の言葉も喋れ!!!」

 

 本当にどうしたんだよこいつら!!実は叔母さんのところでどんな折檻をを受けた!?百はなんでこんなふうになった!?勝己は………割といつも通りか。

 

「とりあえず魔血開放はしときましょう。3人のことは気になりますが、高順位取れずまた殺されるなんてことは絶対に避けなければなりません!!」

 

「確かにそれはそうだな。………というか、お前いい加減その名前変えろよ。仕組み違うんだからさ」

 

「だから、これが定着しちゃったんですから仕方ないでしょ。スタートまで時間ないですし、とりあえずやるのが先です」

 

「いつか絶対に名前変えとけよな。…………魔血30%開放!!モード戦争狼(ウォーウルフ)!!!」

 

「魔血………開放………!!!」

 

 その声とともに自らの血を啜り、モード狼になった俺の周囲には赤い光が発生し、ヒミコの髪の一部が赤く染まった。

 

 構えを取ってスタートラインに立ち、俺達は合図を待つ。

 

『それでは!!!START!!!!』

 

 その声とともに俺達は隣を急激に引き離す勢いで走り、跳び、跳躍し、ものの数秒で俺の眼前に見えるのはヒミコとオールマイトのみとなった。

 

 ヒミコを完全に引き離そうと、俺は更に跳躍する。

 

「やっぱり魔血開放でのモード狼の速度は早いですね!!ですが!!今なら追いつくことが出来ます!!」

 

「元々身軽だし!!今回は重しとなる刀とナイフ外してるからこの速度についてきやがる!!………だが、お前はまだ、これは自由に使えないよな」

 

 意識を集中させて体内の気を足に集中し、俺はビルの一角で右足を深く踏み込んだ。

 

「血闘術3式………!!『SAMスティンガー』………!!移動特化!!」

 

 その声とともに俺は足に貯めた気を一気に開放して更に加速し、完全にヒミコを引き離した。

 

 3式は蹴り技であるが足に気を貯める関係上高速移動に応用でき、普段とは比べることが出来ない速度にまで体を加速させることが可能だ。

 

 母さんや父さん達のように常時これを使い、身体能力を日常的に底上げすることはできないが、今はレースという短期決戦。

 

 スピードの強化と考えるならまったくの問題はない。

 

「ちょっと!!それはずるいですよ!!移動特化の方は私まだ完全に使えないのに!!」

 

「1日分の死亡回数多さが勝敗をわけるってわけだ!!このまま勝たせてもらうぞ!!」

 

 ヒミコの声が聞こえない速度にまで俺は更に加速し、オールマイトが目と鼻の先の距離にまで迫ってきた。

 

 このまま行けば勝てる。俺がそう確信した最中、後ろ横からの衝撃が、俺を少し揺らした。

 

「痛って!!一体何…………だってちょ!?」

 

「死ねや犬顔!!!!」

 

 後ろを向いてみると地獄の鬼も真っ青な表情をした勝己がコスチュームの篭手による大規模威力の爆破を利用した加速で迫っており(何度も死んだ時に、地獄は見飽きるほど見た。意外と、閻魔大王様は優しい顔をしていた)、俺は大急ぎで勝己の右アッパーを躱した。

 

 勝己はもう一つの篭手を使って再び接近し、レースなどお構いなしで攻撃を仕掛けてくる。

 

「ちょっ!!勝己落ち着け!!8:2って呼んだのは悪かったから!!一旦落ち着けって!!」

 

「黙れ犬顔死ねぇ!!!!」

 

「これ一応レースであってバトルじゃないですからね!!私も8:2ボンバーって言ったのは謝りますから!!一旦落ち着いてくださいって!!」

 

「黙れ八重歯!!てめぇも死ねぇ!!!」

 

「私も標的にするんですか!?」

 

 爆発で浮遊して攻撃してくる勝己の攻撃を俺とヒミコはどうにか躱し、救助対象であるオールマイトから一度離れることで勝己から逃げ続けた。

 

 しかし、負けた間違いなくトレーニングをやらされるであろう状況である俺達は後ろの2人が迫ってることを確認し、勝己の手を少し捻って移動の方向を変え、オールマイトのところまで急ぐ。

 

「待てや犬顔に八重歯!!逃げるつもりか!?」

 

「逃げるも何もこれレースだろ!?お前が一度落ち着けよこのアホ!!!」

 

「大体なんでそんなキレてるんですか!?いつも変なあだ名つけてることは謝りますから!!今はゴールさせてくださいよ!!」

 

「黙れシスコンにアホ面女!!!てめぇ等もデクみたくちょっと調子いいからって調子に乗りやがって!!!俺の人生プランめちゃくちゃにした上に俺の神経逆撫ですんじゃ──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

「誰の事がシスコンだこの野郎!!!!!」「誰の事がアホ面女ですか!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 NGワードの登場に俺達は思いっきり反応し、向かって来た爆豪の顔面を二人して蹴りつけ、その勢いのままタッチ差で俺が1位、ヒミコが2位になる形でゴールした。

 

 モード獣人でようやく振り払えるパワーのヒミコの蹴りと、俺が怒りのあまり残りの気を全て威力に注ぎ込んだ蹴りを喰らった勝己はものの凄い勢いのまま飛んでいき、ビルに突き刺さる形でようやく動きを止めたようだ。

 

「爆豪少年!!!生きてるか!?!?」

 

「一体何だったんでしょうね?あれは」

 

「なんか言ってたけど、怒りのあまり聞きそびれたな…………。…………後で少し、話でも聞いてみるか」

 

「い、息をしてない!!AED!!AED持って来て!!」

 

「………つ、次はありますかね!?私達殺人の罪で逮捕されませんか!?!?」

 

「と、とりあえず!!AED持ってくぞ!!!」

 

「早くヒーローき───あっ。私がヒーローだった。ってそんな事やってる場合じゃない!!早く爆豪少年目を覚まして!!授業で死人は出したくないから!!!早く!!お願い!!!!」

 

 その後、AEDショックで勝己は無事意識を取り戻し、結果俺達は相澤先生の呼び出しを喰らったのだった。(実はやはり百を見るや震えており、試しにオールマイトが百を近づけるやいなや気絶し、保健室へと搬送された)

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 
 
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