今回………redappleさんが考えてくれた3人のキャラのうち、1人が出てくるのですが…………設定してもらったキャラとは全く違う別物になってしまったかもしれません(恐怖)。
作者としてもそのキャラ尊重したいですし………なるべく考えて貰ったようにはしているのですが………作者の馬鹿さ加減によって全く違う別物になってしまうかもしれませんので………提案する際はよく考えた上で提案してください。(イメージに合っていなかったら本当にすいません!!!)
42 魚と狼は会わすべからず
「………とまあそんな事があって敵ヴィランの動きを警戒し、例年使わせて頂いている合宿先を急遽キャンセル。行き先は当日まで明かさない運びとなった」
「「「えーー!!マジか!?」」」
「もう既に浮遊小型冷蔵庫を合宿先に送ったってのに何してくれてるの!?無駄にこれ配達料かかるやつじゃないですか!!」
「もう既に人工血液を購入してそのまま合宿先に送っちゃいましたよ!!無駄に配達料かかっちゃうじゃないですか!!」
「いや待て、そこの2人。なんでそもそも合宿先に冷蔵庫やら人工血液やらを送ってんだ。ドラキュラでも泊まりに来るのかって驚くだろうが。どう考えても」
貴重な小遣いが無駄な配達料に消えていく事に俺達が絶望しているなか、そんな俺達を呆れた様子で見つめながら相澤先生は無駄に大きなため息を付いた。
あの女が去った後、俺はツンデレ達と合流して死柄木がいたであろう出久の下に急行し、同じく駆けつけた警察官達の指示の下警察署に行って出久とともに事情徴収を受けたわけなのだが結局それらしき人物2人は見つからなかった。
警察とともに死柄木と彩子を探した父さんによると、死柄木と彩子ものらしき匂いはショッピングモールからそう離れていない廃屋の中で途切れていたらしく、恐らくではあるが黒霧という男が持っていたワープの個性で逃げたらしく、これ以上は探ろうにも探れないそうだ。
ヴィランと接触した2人が前回USJで襲撃を受けたA組のメンバーってことで、学校側も何かしらの対応はしてくるのだろうと考えていたのだが…………まさか合宿先を変えるとは………予想もしていなかった。
今回の合宿の荷物費と冷蔵庫を買ったせいで俺の財布の中身は殆ど空っぽだったというのに……………今回の無駄な運送費のせいで完全に財布の中身が空っぽになっちまったってのは笑い事どころの話じゃない…………。俺は一体…………明日からプロテインの代わりに何を飲めばいいんだよ…………。
「まぁ今回の会議で合宿自体はキャンセルはしないって話にはなったんだが、今後の対応をどうするかってのがまだ定まっていない。そのため、今日の午後からの数日間、雄英高校は臨時休業となる。詳しい事はこれに書いてあるから各自これを読んどいてくれ。じゃあこれでホームルーム終わり。授業の準備しておけよ」
「今日の午後から休みって急に言われても、やることなんて全くないや。狼はなんか予定ある?」
「いや全く。つーかどこかに行こうにも金がこの通り全くない………。というか母さんの地獄から逃げるためには休みに予定入れなきゃいけないってのに………どこにも行けないってのは完全に詰みだ。………うん。とりあえず、しばらくの間地獄旅行に行ってくるよ」
「お土産は買ってこれませんが、皆さんは元気でいてくださいね」
「気持ちはわかるけどその悟りを開いたかのような顔を今直ぐやめろ!!こっちが逆に罪悪感がとんでもない事になるだろうが!!」
「ま、まぁ、なるべく生きて帰って来れるように頑張ってね。じゃ、じゃあ、ヤオモモはこれから数日間何するつもり?何か予定あったりするの?」
「父のツテでIアイランドのプレオープンチケットを貰ったので、しばらくの間そちらに行こうと思っています。招待状がないとあちらにはなかなか入ることは出来ませんし、見聞を広げようと」
「Iアイランドかいいね!!………ところで、Iアイランドってなんだっけ?」
「ガクッ!!お前知らないでいいねとか言ったのかよ!!Iアイランドってのは世界中のヒーロー関連企業が出資し、個性の研究やヒーローアイテムの発明などを行うために作られた学術研究都市!!研究成果や発明品を守るため移動手段は飛行機のみだし、警備システムもタルタロスに相当する能力を備えているから、これまで一度もヴィランによる犯罪が発生したことがないとんでもないところだ!!そこでは身近に使われるサポートアイテムの開発から、国家規模での研究まで色々やってるから、確かに見聞を広げるって意味では間違いなくもってこいの場所だな」
「ただ、父と母は休みが取れなかったため、招待券のチケットが2枚余っているんです。良ければ誰かご一緒に────」
「はい!はい!はい!はい!」
「地獄に行かなくていい手段があるのならば是非!是非!是非!」
「うわっ、予想はしてたけど凄い食いつきようだね。ただ、2人は悪いけど私も少し興味があるから行きたいな。ヤオモモがいいっていうなら立候補させてもらうよ」
「面白そうだから行きたい!私もちろん立候補するよ!」
「じゃあ、良ければうちも是非」
「新しい場所に行けば新たな出会い………」
「俺達も立候補するぜ」
「俺は立候補するけど、爆豪は立候補すんのか?」
「くだらねぇ。誰が立候補なんてするか」
「思った以上に立候補者が多いし!正々堂々じゃんけんで誰が決めない?それなら後腐れもないでしょ!」
「透ちゃんナイスアイデア!」
「よっしゃあ絶対に勝ってやる!!勝って絶対に地獄を脱出してやるぞ!!」
そして数分後
「神は死んだ!!この世に神はいない!!」
「せっかくの地獄から地獄から逃げるチャンスがぁ!!」
「勝ったけど……なんか申し訳ない気持ちでいっぱいだね」
「まぁこればかりは運だし、仕方ないけどね」
「狼君。ヒミコちゃん。君達に電話が………ってあれ?なんでそんなこんな事になってるの?」
俺達が本日2度目の絶望を味わっていると、受話器を持ったセメントス先生が扉を開けて、俺達が膝をついている姿に少し困惑した。
電話先の相手を待たせるわけにもいかないし、響香の言う通りこればかりは運なので仕方ないと割り切って廊下に出て受話器を耳元に当てると、予想外の声が飛んで来た。
『狼君………ヒミコちゃん………久しぶり………。元気にしてた…………?』
「解原さん!どうも、お久しぶりです」
電話先の相手は、日夜研究に没頭して、父さんか母さんが仕事場に来てスットプを掛けるまで徹夜を続けるMIPデックス社長兼フェンリル事務所で技術統括を担当している解析さんその人だった。
新しいサポートアイテムを開発した時以外電話することなんて珍しいし、開発した時特有のいつものスローペースの喋りとは違う早口な感じの喋りじゃないみたいだけど何のようだ?もしかして、職場体験の時にヒミコがなにかやらかしたのか?
「なんか今、私にとても失礼な事考えていませんでした?早く要件聞いたほうがいいのではないでしょうか」
「わ、わかった、わかった。わかったから首元にナイフ突きつけるのはやめような。殺傷能力ないとしても十分怖いからな。それで?要件の方はなんですか?」
『ああ実は………君達に今日から3日間の休みがないかの確認をどうしても…………したくてね…………。やっぱり………学校の方の予定があるかな…………?』
「いえ。今日の午後から臨時休業なので、3日間程度ならば問題ないです。もしかして、なにかそっちの方で手伝って欲しいことがあるとかの話ですか?」
『ああ………その通り………。実は明日から僕………とある発明品をIアイランドに持っていって………そこでデータを取る予定なんだ…………。それでその発明品を使った時のデータ収集や荷物運びといった手伝いを…………爪牙と刀花…………流ノ介に頼んだんだけど…………昨日のショッピングモールの騒ぎの調査で予定が入って………手伝いが出来そうにないって言われちゃったんだ…………。なるべく信用のおける人物に手伝いを頼みたいんだけど…………光良も操佳も忍さんもみんな予定があるって断られちゃってね………。あと残る信用できる人間は君達しかいなくなっちゃたんだ…………。手伝いっていっても難しいことはさせないし…………誰か一人友達を連れて行って合間の時間に観光もしていいから…………少し検討をしてほしいんだけどどうかな……………?…………?もしもし………?ちゃんと繋がって「行きます」
「んっ………?なんか言った…………?」
◆◆
「行くよ!!迷わず行くよ!!地獄から逃れられるんだったら迷わず行くよ!!!」
「これで無事地獄旅行回避!!地獄からなんとか逃れました!!改めて本当にありがとうございます!!!」
「私もじゃんけんに勝って行けるし!!改めてやったー!!!」
「……………断られると思っていたんだけど…………まさかここまで喜んでくれるとはね……………」
「血影さんからの休みはずっと地獄だったらしいですし、よほど嫌だったんだと思います」
「だとしても凄い盛り上がりよう」
「棚からぼた餅ってやつだね」
お茶子の言う通り、まさに棚からぼた餅状態の俺とヒミコ、そして梅雨ちゃんと透とのじゃんけんで勝って共に行く事となった三奈の3人は人目のある空港の駐車場であるのにも関わらず、飛び上がって喜びを噛み締めていた。
まさにここで、ショッピングモール事件の反動が俺達に飛んでくるとはまさに怪我の功名…………!!この功名を運んでくれた解原にはマジで頭が上がらない………!!
………どんな手伝いが来ようとも!!俺は必ずそれを完遂し!!完璧な結果を見せてみせる!!そして示すのだ………!!地獄に蜘蛛の糸を垂らしてくれたお釈迦様こと解原さんへの感謝を…………!!!!
「犬顔!!八重歯!!黒目!!てめぇ等いい加減突っ立てないでこっちも運べ!!ただでさえ犬顔と半分野郎と鳥頭のお零れで来たことで苛ついてるってのに!!俺をこれ以上苛つかせんじゃねぇ!!!まとめて全員ぶっ殺すぞ!!!!」
「爆豪君!!ヒーローを目指してるのにも関わらず死ねと言うのはやめた方がいいと思うぞ!!」
「黙ってろクソメガネ!!てめぇ等もまとめて殺したろか!?あんっ!?!?」
「つーか重いなこれ………。力には自信あったけど………こいつはそれ以上に重い…………」
「麗日の個性でも、流石にこれ全部はきついな」
「新たな出会いをと思ってアルバイトに応募して受かった時は喜んだけど…………まさかここに来て第一の試練がやって来るとは…………」
「上鳴………ここはどうにかプルス・ウルトラだ………………!!新たな出会いを前に試練があるのは当然の事…………!!そして試練を全て乗り越えて必ず掴むのだ…………!!セクハラではない至高のエロを…………!!!!」
「おおっよっしゃあ!!!!そう考えたらやる気出てきた!!!!更に向こうへ!!!!エロス・ウルト────グホッ!!!!!」
「よくやった響香。お前も蹴りがいい感じに身についてきたな。こっちはもう片付いた」
「もっと腰を入れて蹴った方が威力出るみたいだね。次はそこ意識してやってみるよ」
「峰田君!!上鳴君!!大丈夫か!?」
「安心しろ天哉。荷物はどっちも落ちる前にキャッチした」
「中の荷物が壊れるのは申し訳ないからね。壊れるのはこいつらだけで十分だから」
「どこにも安心出来る要素ないぞ!!!」
体育祭1位の景品であったIアイランド行きの招待状を俺は貰ったのだが、招待状は解原さんの物があった為その権利を断り、その権利は2位の焦凍へと移ったのだが、焦凍もエンデヴァーの代理として招待状を貰っていた為結果3位の勝己と踏陰の下へと移った。
勝己はやはり、お零れなどいらないと言って迷わず断ったのだが、踏影は既に家族と旅行に行く予定が会った為、権利は強制的に予定のなかった勝己へと移り、勝己も共に行くこととなったというわけだ。
ちなみに、鋭児は勝己の付き添い。天哉は両親の代理。電気と実新たな出会いを求めては応募したカフェのアルバイトの抽選が当たった為、共に行くという事になっている。
………改めて思うが、よくもまぁここまで、なかなか行けない場所への行く権利を俺の知り合いばかりが持つ事になったものだ。もはや運命のようなものでさえ………信じたくなってくるよ。
『本空港からIアイランドまで、これから約4時間ほどのフライトとなっています。機内食の注文や困ったことがあった場合はそこのボタンでキャビンアテンダントを呼ぶ事が出来ますので、御用があれば是非お呼びください』
「はい!俺の話し相手になってくだ────」
「はいこちら日本海で御座います。落ちれば落下死か水死を体験することが出来ますので、良ければ是非その恐怖をお味わいください」
「悪かった!!悪かった!!モード獣人になって俺を窓の方に近づけるな!!」
「つーかそれやったら俺まで巻き沿いになる!!マジでやめてください!!お願いします!!」
解原さんの発明品のパーツを運び終え、無事に離陸した飛行機であったが、乗って早々このアホ………キャビンアテンダントに手を出そうとしやがった。
ファティーグ伯母さんの更生の効果はセクハラしてないところから見て、一応は残っているようだが、殆ど効果がなくなっている…………。…………やはり、このアホは一度殺して地獄を文字通り見せないと駄目みたいだな。(上鳴の方は多分響香が殺すから、俺は別に手を出すつもりはない)
「狼、仮に大穴空いたら間違いなく私達も巻き沿いで海に落ちる事になりますから、早くモード獣人解いてくださいよ。やらないとわかっていても、見ていてなんか怖いです」
「何故注意されたのかは不服だが、ヒミコがそう言うならひとまず許してやろう」
「た、助かった………」
「第2の試練クリア………」
「君達はほんと楽しそうでなりよりだね…………。狼君とヒミコちゃんが雄英で楽しく過ごしているみたいで………僕としては嬉しい限りだよ…………」
「そういえば、解原さんはフェンリル事務所の創立から血影さんとフェンリルさんと一緒にいますから、狼さんとヒミコさんを昔から知っているんでしたね」
「ヒミコちゃんがうちに来たのは3年前だから………狼君ほどヒミコちゃんの事は深く知らないけどね…………。僕からすれば………2人は友達の孫みたいな存在だよ………」
「おじちゃんでもないのに孫って!!そこまで年はとっていないでしょ!!!」
「解原さん!!一つ質問よろしいですか!?」
「うん………。いいよ…………」
「つい先程僕達が運んだ発明品のパーツについて、僕達は何も聞かされていないんですが、その発明品とはどの様なものなのでしょうか!?良ければ!!教えてください!!」
天哉の言葉に解析さんは少し考えた素振りを見せた後、ペットボトルの緑茶を飲んで口を開く。
「結構企業秘密があるし………話してもわからないだろうから全部は話せないけど…………少しだけだったら構わないよ…………。………まず………君達はヴィランを拘束するメイデンはどの様な仕組みで動いているか知っているかい?」
「メイデンってあれか。警察がヴィラン運ぶ時に持ってくるやつ」
「タルタロスでも使われてるやつだな」
「確か、体に特殊な電流を流して個性因子の個性を使う仕組みを使えないようにして個性封印する、という仕組みだったと思います」
「うん………満点の回答だよ………」
「あっ!!わかった!!もしかしてその改良品とか!?」
「サポートアイテムの会社の社長って言ってたし!!間違いなくそれ────」
「じゃないよ…………。改良程度ならIアイランドに持ってく必要もないしね…………」
「黒目にアホ面。てめぇ等アホか」
「メイデンに関連して、Iアイランドに運ぶほどのもんってことは、個性を使えないようにする為のメイデンとは違う新たな装置、ってところですか?結構大雑把な答えですけど」
「いや………それで殆ど正解だ………。………僕は元々Iアイランドの職員で……………そこで個性増幅装置の研究を行っていたんだ…………。その研究過程で大失敗して…………研究所一つが大爆発するわ…………妻に逃げられるわ…………職員をクビになるわで………結構大変だった訳だけど…………」
「ちょっと待てください!!個性の増幅なんてもの、現実的に可能なんですか!?私が前に見た本では多くの科学者にそんな事は不可能と言われているはずです!!理論的に………そんなもの…………」
「それが案外できちゃうものなんだよ…………。僕みたいな個性因子を研究して…………技術もそれなりにある科学者なら…………案外簡単に作ることができる…………。まぁ………そんなもの作ったら国家どころか世界がひっくり返るから科学者間でその存在は否定されてるし……………それを研究することも禁止されてるから…………僕も若い頃の過ちだと思って…………もうその研究はやめてるけどね…………」
「やめてるって………研究自体が不味いもののようですし………罪に問われたのでは?」
「いや………全く………。その理論は完成していなかったし…………技術自体に罪はないからね…………。現に…………今回僕が発明したもののには…………その過程で得ることが出来た細胞にある個性因子のみの発生を完全な停止をさせるという技術が使われてるし…………その技術の使用もIアイランドに認可してもらっている……………。…………人も技術も生まれた事自体に罪はないし………結局何をするか………何に使うかで………正しいか正しくないかが決まってくるんだよ……………。存在自体が危険だなんていったらどの科学もどの人間も…………あっちゃいけないものになっちゃうからね………………」
「………なるほど。わかりました」
「つーか小難しい話題はそんぐらいにしね?俺実は最初から最後まで、チンプンカンプンなんだわ」
「私も狼が説明した時みたいにチンプンカンプン」
「ウェイウェーイ」
「なら君達が喜ぶであろう…………転校生の話でもしようか…………。僕が行く目的のもう一つの理由は…………Iアイランドにいるその転校生を引き取るためなんだ…………。まぁ人数の関係で間違いなく………B組に入るみたいだけど…………」
「転校生!?もしかして金髪美女!?」
「いや………半魚人っぽい見た目の男の子だよ…………」
「Iアイランドにいる半魚人って………もしかしなくても魚頭のことか…………。これからずっとあの生魚臭い匂いを嗅ぐと思うと…………本当に嫌だ………………」
「もしかして狼の知り合い?それと魚頭って………」
「爆豪君みたいな事をしっかり言ったね」
「名前を【ヒスイ】っていうんだけど…………狼君とどうも犬猿の仲でね…………。別に悪い子ってわけでもないし…………むしろ優秀で真面目でいい子なんだけどね…………」
「生魚臭くて………半魚人で」
「いい子で………真面目で………優秀」
「………まったく想像が出来ませんね。その人」
「特徴的な見た目と個性だから………行けば直ぐにわかると思うよ…………。じゃあ僕は少し寝るから………みんな喧嘩しないようしながら………ワイワイしていてね……………」
そう言って目を閉じるとともに、解原さんは直様寝てしまった。
そして数時間後。俺達がUNOやトランプなどで時間を潰している内に飛行機はIアイランドに無事着陸し、俺達はIアイランドへと足を踏み入れた。
久しぶりに感じるIアイランド特有の騒がしい空気をよそに、俺は少し顔をしかめる。
「これで荷物は全部ですが狼。どうにかしましたか?飛行機の中の時みたいに、しかめっ面の変な顔をして」
「いや別に………。俺はもうい──────」
「師匠!!!!会いたかったです!!!!!」
特徴的な生魚臭い匂いと見た目通りの半魚人の姿ともにやって来た男は、俺達などどうでもいいという感じで飛行機に乗り込み、中で何かを探すような仕草をした後トボトボと飛行機から出てきた。
俺同様に顔を向けず、男は外にいた解原に近づく。
「解原さん、ご無沙汰しています。お体の方はお変わりなどありませんか?」
「うん………この通り元気だ………。君も相変わらず…………元気にここでやっているみたいだね…………」
「師匠達と解原さん。そして僕を引き取ってくれたデヴィットさんと、僕と仲良くしてくれているメリッサさんのお陰です。ところで………師匠達はこの飛行機に乗っていないんですか?この時間帯の飛行機に乗ってくるって…………話を聞いていたのですが」
「実は少し急用ができちゃってね…………。代わりに狼君とヒミコちゃん………そしてその友達の芦戸ちゃんが一緒に来てくれた…………。皆………君が転校する雄英高校の生徒だよ…………」
「もしかして君が転校するっていうヒスイって子?」
「確かに、半魚人で優しい子って感じはしていますね」
「けど、生魚臭くはないよ?」
「それはそこの犬頭が、無駄に鼻が良くて、アホで、馬鹿だからそう言いっているだけです。僕は別に、生魚臭くはありませんよ」
「誰がの事が犬頭だよ魚頭。てめぇ来た途端師匠、師匠って言いながら大魔王と魔王を探すって、完全に犬の習性そのものじゃねーか。俺の何倍も犬ってどういうことなんだよおい?相変わらず駄魚なようでなりよりだ」
「狼が爆豪みたいになってる」
「師匠って、血影さんとフェンリルさんの事だったんですね」
「調子に乗っている?何を馬鹿な事を言っているんですか犬頭。僕はまず感謝してもしたりない師匠達に挨拶とこれから家で厄介になる事に関してお礼を言いに来ただけであって、君のような駄犬と一緒にされては困ります。生臭いと感じるということは、君まだ生魚嫌いなんですね。相変わらず残念な人だとこと」
「ヒスイって奴も、狼に負けじと丁寧な口調で言い返しやがった」
「ってか、狼って生魚嫌いだったんだな」
「クソどうでもいい」
「君達!!ここは公共の場であって喧嘩の場ではない!!ここは握手して、仲直りを────」
「黙れ天哉。うるさい」
「うるさいですよ。黙ってください」
「狼が今までにない顔と口調で飯田に対して反論した!?ヒスイってやつも丁寧語だけどとんでもない口調と顔で反論したぞ!!」
「ってか飯田石みたいに感じになって固まってない!?大丈夫なの!?あれ!!」
「おいおい言わせておけばマジで調子に乗ってんな魚頭……………。久々に立場って奴を教えてやろうか…………?」
「そちらこそ言わせておけば調子に乗っていますね犬頭……………。久々に立場って奴を教えて上げましょうか…………?」
「立場つっても、お前と俺の戦績は51戦中26勝25敗で、俺の方が俺の上になってるじゃねぇか。遂に記憶力まで中身スカスカの日干しにでもなったんですか?」
「君こそ元からなかった脳味噌を、どこかに置いてきたんですかね?僕と君の正しい戦績は、51戦中26勝25敗で、僕の方が上になっています。生魚でも食べて、頭良くしたらどうなんですかね?」
「実際のところは、どうなんですか?」
「確か51戦中25勝25敗1分けだった思うんだけど…………1分け分はメリッサちゃんが変なタイミングで止めちゃったから…………勝敗がかなり微妙なものなんだよね……………。…………まぁ………同格って考えてくれれば問題はないよ……………」
「そんなに勝敗に不満があるっていうんなら、ここで決着付けてやってもいいんだぜ?間違いなく俺が勝つけどな」
「そんな事を言うってことは、やはり君自身が1敗したという事認めている証拠だね。まぁやっても、僕が勝ちますが」
「ねぇヒミコちゃん。あれ………止めたほうがいいんじゃないの?喧嘩になるんじゃないの?あれ」
「いや、ですが、狼って案外真面目ですし、ヒスイ君も真面目らしいですし、流石に公共の場では喧嘩しないはずです。ですよね。そうですよね。解原さん」
「いや多分……………」
「上等だおい!!!ここで3年前の決着付けてやるよ!!!!」
「上等ですよ!!!3年前の決着をここで付けてあげましょう!!!!」
「喧嘩になるね…………あれは…………」
「「「冗談だろ!?!?犬猿の仲どころの仲じゃないぞ!!!!あの2人!!!!!」」」
他の奴等の声など一切興味を持たず俺はモード獣人となって突撃し、魚頭は自らの血を消費して3つ又の槍を作り出して突撃し、互いの顔に拳と槍をぶつけようと全力で腕を伸ばすが、お互いに武術をやっているということで攻撃は当たらず、駆けつけた実と電気にその攻撃は当たり、実は海へ、電気は建物に吹っ飛んでいった。
そんなどうでもいい事は他所に、俺と魚頭は跳躍して、拳と槍を何度もぶつけ続ける。
「おら死ねや魚頭!!!世界一不味い刺し身にでもなってろ!!!!」
「あなたが死ね犬頭!!!誰も食うことがない犬の餌にでもなっていなさい!!!!」
「狼!!一旦落ち着け!!流石にここでやるのはヤバいって!!!」
「ヒスイ君も一旦落ち着いてください!!ここ一応公共の場ですから暴れるのはヤバいですって!!!」
「ああ確かにそうだな!!!さっさとこいつを殺す!!!!」
「確かに迷惑は掛けられませんね!!!さっさとこいつ殺します!!!!」
「「そう言うことじゃない!!!今直ぐ喧嘩をやめろ!!!」」
鋭児とヒミコの言う通り、迷惑を掛けないようさっさと殺せるようにすため、俺は55%の魔血開放を発動。魚頭は体の周囲に暴風を発生させた。
お互いに強化された攻撃を放ち、その攻撃は何度もお互いの体にヒットするが、俺の攻撃は魚頭が発生させた風の鎧によってインパクトが伝わらず、魚頭の攻撃は魔血開放とモード獣人の防御力もあってインパクトが伝わっていない。
「相変わらず鬱陶しい風だな!!!その無駄な防御ごと1撃で粉々にしてやる!!!血闘術6式!!!!」
「相変わらず師匠と同じ技を使って腹が立つ!!!そんな偽物の魔血開放など1撃で粉々にして粉々にしてあげましょう!!!血闘術6式!!!!」
「け、血闘術って!!ヒミコちゃんとか血影さん達が使う技!?あいつもあれ使えるの!?」
「し、師匠と言っていましたし!!使えてもなんのおかしいところはありません!!ですが6式って!!」
「いかなる防御を貫通する技ですからから!!辺りの被害大変な事になります!!!狼!!ヒスイ君!!やめてください!!!それ放ったらとんでもないことになります!!!!」
「「うるさい!!黙ってろ!!!M82!!!」」
「駄目だ!!ヒミコちゃんの声も届いていてない!!そして解原さんはなんで穏やかな表情で緑茶を飲んでいるんですか!?どう考えてもヤバいですよあれは!!!」
「大丈夫…………大丈夫……………。そろそろ抑止力が……………あっ……………。来た……………」
「狼!!!ヒスイ!!!何やっているの!?!?いい加減にしなさい!!!!この大馬鹿!!!!!」
「グハッ!!!」
「ペップシ!!!」
久々に見た金髪の眼鏡女子が放ったアイアングローブランチャーの砲撃によって、俺は実同様海へと吹っ飛ばされ、魚頭は電気同様建物に叩きつけられた。
少し互いに意識を失うが、俺の方が早く意識を取り戻してモード狼になり、実を回収して陸地に戻り、魚頭は電気を回収して建物の壁から風を使って静かに地面へと戻ってきた。
人型に戻りながら久しぶり喰らった鉄拳の痛みを感じつつ、それを放った張本人である金髪眼鏡女子こと【メリッサ•シールド】に俺近づき、なんとも言えない表情で彼女を見る。
「久しぶりだなメリッサ。魚頭はさっさと死ねばいいが、元気だったか?」
「ついさっきぶりですねメリッサさん。犬頭はさっさと死ねばいいですが、元気でしたか?」
「2人共!!元気してたって言って私をごまかすんじゃないわよ!!3年前に次会う時は喧嘩しないって約束したはずでしょ!!体は大きくなったっていうのに、なんでそんなところは変わってないのよ!!この大馬鹿!!!」
「だそうだぜ。魚頭。お前メリッサに大馬鹿って言われちゃあ、お前の馬鹿さ加減は間違いないな」
「だそうですよ。犬頭。メリッサさんにそんな事言われた以上、あなたの馬鹿さ加減は間違いありませんね」
「「おいちょっと待て。決着付けてやろうか?」」
「そんなものの決着付けなくていいから!!!この大馬鹿2人組!!!どっちも大馬鹿で間違いないわよ!!!」
「おいちょっと待て!!ふざけるな!!」
「誰がこいつと2人組なんて組んでたまりますか!!そんな事死んでも御免です!!」
「こっちこそこんなクソみたいな奴と2人組だなんて願い下げだね!!俺の相棒はヒミコだけだ!!そこんとこ間違えるんじゃあ、魚頭と同様の脳味噌日干しになっちまうぞ!!そうなりたくなかったら気をつけろ!!!」
「私の相棒となりえる人物といえば、メリッサさんおいて他ありません!!そのようなことを間違えては、この犬頭同様の脳味噌なしになってしまいます!!そうならないように気をつけてください!!!」
「ちょっと待て!!!誰の事が脳味噌なしだよ!!!魚頭!!!!」
「誰の事が脳味噌日干しですか!!!このどうしようもない駄犬が!!!!」
「どちらもどうしようもないわよ!!!いい加減にしなさい!!!!」
Iアイランドに着いて早々の不穏な雰囲気のまま、無事?別口で来ていた出久とここに住んでいるメリッサと合流し、俺達は改めてIアイランドの中へと足を進めるのだった。