鮮血少女と鮮血狼   作:熊田ラナムカ27

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 投稿が長期間遅れてすいません………!!とんでもない難産で普通に時間が掛かりました…………!!!
 
 一度は一応完成したんですけど………キャラが多すぎないか?ここまでキャラを増やして、後で熊自身はそれらを管理できるのか?と考えた結果………その完成品を一度没にし………!!もう一度書き直すという二度手間が発生しこの結果になりました…………!!!
 
 できるだけこのようなことがないようにしたいのですが、どうしてもなるべく良いものを書きたいと思ってしまうので、今後もこういうことが起きるかもしれません。
 
 どうか………生暖かい目で今後ともこの小説をお願いします…………。
 
 
 


45 命狩りの人形

 

 

 

「なんとか合流ポイントには来れましたけど………面倒なことに見張りが2人いますね」

 

「下手に見つかって私達のことが伝わったらまずいから早く倒したいけど………彼奴等のいるところのど真ん中に監視カメラがあるせいでいけないよ…………」

 

「アホ面。お前適当に喧嘩でも売って彼奴等の気散らせ。俺が隙をついてまとめてぶっ飛ばす」

 

「それ絶対俺巻き添えになるだろ!ってか戦闘は極力避けろって話だろうが!」

 

「馬鹿!!静かにしててよ上鳴!!私達がいることがばれるでしょ!!」

  

『今そっちのカメラをハッキングしてるから…………もう少しだけ待ってね………………。あと3分もしないうちに終わ────』

 

「あんっ?お前等何者だ?悪いが今ここは通行ど─────」

 

「ふんっ!!」

 

「なっ!?人の腹をいきなり殴るとはお前何を考え────」

 

「うるせぇ!!黙って寝てろアホが!!」

 

『…………らせる必要なかったね……………。なんというかめちゃくちゃだ………………』 

 

「つーか俺達………こそこそしてる必要なかったな……………」

 

「というかあれ………絶対にヒーローがやることじゃないでしょ………………」

 

 こんな感じで私は一時的に別行動を取っていた狼達と合流し、やはり起動しなかったエレベーターを他所に私達は階段を慎重に登っていった。

 

 メリッサの話によると、この植物ゾーンから上は重要研究区画であるため普通ならば関係者以外が立ち入る事ができない場所であり、その分当然警備も厚い。

 

『Iアイランド全体が緊急事態モードに入っちゃってるから当然……………エレーベーターとかの移動装置の電源は落とされちゃってるし………………それをこっちから起動させることは不可能………………。危ないしリスクばかりだけど引き続き……………階段を使って上がってもらうしかないね………………』

 

「本来は攻めてきたヴィランに対しての防衛何だけど…………今回ばかりはそれが裏目に出てるみたいね。Iアイランドがヴィランの襲撃を受けるなんて考えもしなかったから…………仕方ないことなのかもしれないけど」

 

「つーか解原さんは今どこにいるんだよ?狼達に続いて来ると思ってたらなかなか来ないし、そもそもこの通信はどこからやってんだ?発明品を回収したらすぐ来るって行ってたけど」

 

『ああ………僕は今貨物管理ルームに忍び込んでいてね……………。そこのパソコンからカメラの映像に細工が出来ないかとか…………色々試していたんだ…………。一応発明品は回収して…………組み立ては終わっているけど持ち運びがかなり大変だし………こいつを使わないことには事を課さないからね……………。…………それで話は変わるけど…………ここから先にある隔壁が…………何十にも重なっている上にセキュリティが厚すぎてハッキングにも時間がかかる…………。そっちでなんとかなりそう…………?』

 

「確か、メンテナンス用のハッチがここにあったはずなんですけど………上からでないと開きませんし、他に道は……………」

 

「…………いえ、ここに別ルートがあります。多少潜入経路の入口が小さいので行ける人は限られますが、ここからならば何とかなるかと」

 

 そう言うと百ちゃんは小型の爆弾を創り出し、廊下側の天井へとそれを投げつけた。

 

 煙が晴れるとともに入口が顕になっていく。

 

「通風口! そこから外に出るのか!」

 

『確かにそこから侵入すれば彼処のハッチを開けられるし…………下手に隔壁を壊すよりは数倍静かに事を運べるね……………』

 

「けど、あんな小さい所に入り込めて尚且、通気口をこじ開けるパワーがある奴だなんて…………」

 

 鋭児君が言葉を発するとともに皆狼の方を向き、狼はというと後退りして目を晒した。

 

「………………嫌だぞ俺は。豆柴モードになるのは嫌だからな」

 

「けど…………時間ないしこれしかないよね」

 

「最近見てませんでしたし………仕方ありませんね」

 

「久々に触りたかったですし………いいんじゃないですかね」

 

「女子の皆々様…………?俺を壁に追い詰めてどうしたんですか……………?ちょっと……………?」

 

「ヒスイ。狼を抑えつけておいて。確かズボンに閉まってある尻尾を引っ張れば豆柴になるはずだから、無理矢理にでも引っ張るよ」

 

「了解です。メリッサさん」

 

「ちょっ!!俺のズボンを脱がさないで!!魚頭も俺の腕を離せ!!!なるならなるで自分でなるから!!!!」

 

「はいはい、暴れないの狼。誰もあんたのパンツなんて見たくないから」

 

「あっ!ほんとに尻尾ある!めっちゃフワフワしてるよ!これ!!」 

 

「ほぅ………これもなかなか…………」 

 

「ちょっと皆さん!!!完全に俺より獣の目になってるから!!!絵面が完全に逆だから!!俺にはそういう趣味ないから!!!つーかなんで魚頭はなんでこんなのに参加してんだ!?お前まさかそういう趣味あったのか!?!?」

 

「んなわけないでしょ。私はただ、犬頭が玩具にされるのを面白可笑しく見ていたいだけです」

 

「間違いなく性格歪んでるだろお前!!!ちょっと!!!!そこは触らないで!!!!やめてえぇぇ!!!!!!!!」

 

「うわっ………えげつない…………」

 

「緊急事態だから………多少は仕方ないが…………これはなんというか………………」

 

「女子全員に連れてかれたが、狼はあっち何やってんだ?爆豪?」

 

「うるせぇ…………俺に聞くな…………」

 

「女子に迫られている………女子に迫られている………女子に迫られているだと…………………!!!」

 

「あの野郎緊急事態っていう事を理由してなんちゅー羨ましいことしてんだ…………!!!後で絶対に殺す……………!!!!後で絶対に殺す……………!!!!!」

 

「お前等はお前等はで………どこに嫉妬してんだ?」

 

 私達の説得?も相まって狼は素早く排気口から上の階に行き、ハッチに設置されていた梯子を大急ぎで降ろしたくれたおかげで(梯子を降ろすときの狼の服はヨレヨレであり、どこかゲッソリしていた)130階の実験場に辿り着いた私達であったが、そこでもまた問題が発生した。

 

「何これ!?流石にロボの数多すぎでしょ!!」

 

 実験場という場所の性質と、他に守るところがないという敵の考えから大量のロボが眼前に立ちはだかったのだ。

 

 狼やヒスイ君、勝己君や焦凍君といった戦闘特化のメンバーが前に出て迎撃を行うが流石に数が多く、対処しきれていない。

 

「手を打たれているのではと考えてはいたが……………まさかここまでやってくるとはな!」

 

「解原さんのハッキングで僕達が雄英生って事はバレてないと思うけど!ここから先に通すつもりもないって感じだよ!」

 

「だが!所詮ロボはロボだろ!!ここは俺がまとめて片付けてやる!!八百万!!絶縁シート頼むぜ!!」

 

「ちょっと待ってください!!これ相手に電気は──────」

 

「いくぜ無差別放電!!!130万ボルトォ!!!!」

 

 群がろうとするロボの群れに一人突っ込んでいった電気君は自身に蓄積していた電気を一気に放出し、辺りを電光が輝いた。

 

 しかし、機械の弱点とも言える膨大な電力を浴びせられることとなった警備ロボットは、影響を受ける部分を隠すべく外装を閉じた上で電力供給回路を開いて発せられた電気を吸収し、更に勢いを増す形で私達に襲いかかることとなってしまう。

 

「なんで!?大抵のロボの弱点は電気だって辞書にも書いてあるだろ!!なんで更に勢い増してんの!?!?」

 

『最近のロボの電気系個性対策は進んでいてね…………割とそれくらいの装備は標準装備なんだよ……………。そんな相手に…………エネルギーとなる電気なんかぶつけたら……………そりゃあ勢いも増すよ……………』

 

「ヒミコそれ言おうとしてたでしょ上鳴!!っていうか!!あんたが馬鹿なんだからその辞書も間違ってるに決まってるでしょうが!!!」 

 

「つーか一人勝手に突っ込んだ上でなんで一人捕縛されてんだ!!こんな無駄に数がいる奴等の中に突っ込んだらそりゃあそうなるだろアホ!!!」

 

「なんでだよ!!俺最近こんな役回りばっか!!!」

 

「峰田さん!芦戸さん!あなた達の個性で一気にロボを攻撃してください!!流石に、接着弾や酸性の物質に対する対策装備などは装備されていないはずですから!!」

 

「けど!ここで下手に攻撃なんてしたら機材に被害が──────」

 

「安心してください、ヒミコさん。私は何処ぞの脳筋攻撃しかできない豆柴犬と違ってちゃんと、頭を使って攻撃できますので、そこは問題ありませんよ」

 

「誰が脳筋豆柴だ!!いいから黙ってさっさとやれ!!!」

 

 ヒスイ君か目を閉じて集中するとともに、ロボの周りにのみ鉄の機械すら吹き飛ばす勢いの暴風が吹き荒れ、半数近くのロボが壁に貼り付けられた。

 

 ロボもそれに対抗して関節をギシギシといわせながら暴風から脱出しようと藻掻いているものの、さらなる暴風が吹き荒れたことで身動きを完全に封じられ、動くことが不可能となる。

 

「OK!!これなら絶対に外しようがないね!!」

 

「ドチクショー!!やってやらあ!!」

 

 美奈ちゃんの酸と実君のもぎもきが風に運ばれるまま散弾のように降り注ぎ、ロボの外装を半分以上溶かしたり、関節の動きを封じた結果、ロボは風が止んでもなお身動きを取れず、その機能を停止した。

 

「30%……………SMASH!!!」

 

「血闘術5式…………!!『GAU-8アヴェンジャー』……………!!!」

 

「死ねやゴラァ!!」

 

「はあぁっ!!」

 

「ふんっ!!」

 

「オラッ!!オラッ!!」 

 

 狼達が相手取っていた残りのロボ達は右手をメリッサちゃんが作ったらしい赤いガントレットで覆った出久君の複数階のセメントを貫く勢いでの拳によって一網打尽にされ、それでも動こうとするロボ達も狼達によって容赦なく破壊された。

 

 これによりここにいるロボは全滅。一見危機に見えた状況も、結果とすれば数分という他愛ない戦闘で終わった。

 

「見たかオイラの活躍!!」

 

「めちゃくちゃビビってたけどな」

 

「終わってみればこれかよ。ちっ、つまんね」

 

「まぁまぁまぁ。無事に終わった分には問題ないだろ?」

 

「そうだぞ。あくまで戦闘は最終手段だからな」

 

「ちょっ………ちょっと待って皆さん…………俺の活躍の場は………………」

 

「すいません上鳴さん。もうありません」

 

「というか、この先に敵いたとしても多分ロボか大したことない奴だから、お前の出番多分ないぞ」

 

「下手にブッパしても馬鹿になるだけだし、元々活躍の場もないでしょあんた」 

 

「そ…………そんな…………………。俺の………俺の存在って………一体……………」

 

「完全にいいとこなしだったし、かなりきてるねあれは」 

 

「ま、まぁ………汚名挽回のチャンスも多分この先にあるんじゃ──────」

 

 苦笑いをしながら三奈ちゃんに言葉を発する直前、私は背後の排気口が何故か空いていることに気がついた。

 

 戦闘の余波で空いてしまったと考えれば簡単に説明こそはつくが、それにしては胸騒ぎが収まらない。

 

「ヒミコちゃん?どうしたの?ヒミコちゃん?なんか私の顔についてる?」

 

「んっ?どうしたヒミコ。蚊でもどっかに飛んでるのか」

 

「い、いえ………そういうわけじゃなくて……………。なんか嫌な予感が───────」

 

 そう言おうとした直前、私は美奈ちゃんの背後の位置に黒い影の存在がおり、それが静かにスナイパーライフルらしきものを構えているのを見つけた。

 

 そしてそれが弾丸を放とうとした瞬間、私は半場強引に美奈ちゃんの裾を引っ張って前に出て、勘のまま隠し持っていたナイフを顔付近で構えて防御の姿勢を取った瞬間、弾丸は構えたナイフの中心目掛けて飛んでいき、私の体は浮き上がるようにして大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「ヒミコちゃん!?大丈夫!?!?」

 

「えっ、ええ…………。ナイフは銃弾で壊れてしまいましたが………なんとか無事です……………」 

 

「野郎!!壊れていたロボの中に紛れ込んでいたのか!!よくも芦戸とヒミコを─────」

 

 

 

 

「あんた邪魔。さっさと消えろよ」

 

「てめぇこそよくもやってくれたな。なんだ?そんなに死にてぇか?ならさっさと死ね」

 

  

  

 

 

 

 他の誰かが口を開くも間もなく狼は今までに見たことのない表情で私を攻撃した相手に向かって突撃して拳を放ち、黒いフード被りながら赤い字の書かれたスナイパーライフルを持ったその人はただ淡々と弾丸数発を狼に向かって放った。

 

 弾丸は狼の腕を少しかすめて血を飛ばし、狼の拳はスナイパーライフルを吹き飛ばすがそれでもなお2人は止まろうとせず、殺意を込めたナイフと拳の応酬を互いにぶつけ合う。

 

「ターゲットナンバー01真血 狼。雄英高校所属のヒーロー志望生であり、実質的な1年トップ。ミッション達成のためには最も邪魔な相手だな」

 

「ターゲットナンバー?………お前、少なくとも表の世界の人間じゃないな」 

 

「誰だか知らねぇが邪魔しやがって!!大人しく死ねや!!」

 

「わりぃが梗塞させてもらうぞ!!」 

 

「ターゲットナンバー02爆豪 勝己。ターゲットナンバー03 轟 焦凍。どちらも01よりは対処可能なものの、戦略的障害になることは考えるまでもない。その他にも八百万 百に芦戸 三奈、切島 鋭児郎に上鳴 電気や峰田 実。麗日 お茶子に緑谷 出久。そして不明点が多すぎるヒスイに、私の邪魔をした真血 ヒミコ…………。…………どうも、消すべき相手が多すぎるな、ここは」

 

「あんっ!?誰が犬頭よりは対処しやすいだと!?舐めやがって!!」

 

「そんな事より、俺達のことについて随分と詳しいんだな。お前」

 

「敵対勢力の情報を知り、その排除を方法を考えるのが私の仕事だから当然でしょ。あんた達全員殺すのは面倒なんだけど、今回の依頼者の命令に背くわけにはいかないから、あんた達をこの場全員殺すね。その前に、上に報告はするけども」

 

『不味いぞ………これは…………!!みんな……速くそこから逃げて…………!!今回ばかりは相手が悪すぎる………!!』

 

「逃げるって解原さん!!こんなことやられて黙って見てろっていうのかよ!?」

 

『そんなこと言ってる暇はないんだ……………!!奴の名前は【ドール】……………!!各国の様々要人やヒーローを命令のまま殺してきた出身や年齢、個性の全てが不明の殺し屋……………!!!その断片的な特徴は黒いフードと赤い血文字付きのスナイパーライフルって言われてるんだけど…………その特徴が全てヒットしている……………!!!相手なんかしたら本当に殺されかれない相手だよ…………!!!!』

 

「じゃあ余計見逃すだなんて事──────」

 

「冷静になれ出久!!あいつは今上にこの事を報告するって言ってた!!つまり下の人質が今この瞬間危険ってことなんだ!!ここで行かないで誰が人質全員を助けられる!?」 

 

「ここは私達に任せて皆さん先に行ってください!!私達も倒し次第直ぐに皆さんを追います!!」

 

「メリッサちゃん!!隔壁の閉鎖を!!」

 

「わかった!!ここは3人に任せるわね!!!」

 

「くっそ!!絶対に死ぬんじゃねーぞ!!!」

 

「必ず助けてみせるから!!!」

 

 閉鎖のボタンを押したことで閉じつつある隔壁から先に行こうとする者を殺そうとするドールをがどうにか足止めしている間に隔壁は完全に閉じ、研究室の空間に残ったのは私と狼とヒスイ君。

 

 そして、殴り飛ばされたスナイパーライフルを明らかに苛ついた様子で回収し、私達に銃口を向けるドールのみとなった。

 

 背負っていたバクパックをパージしながら、ドールはこちらに睨む。

  

「最悪。本当に最悪。仕事邪魔されただけでも最悪なのに、あんた等のせいで何人も逃した。メインミッション失敗。本当に最悪」

 

「最悪最悪って、それ以外の事は言えないないのかよお前。少しは別のこと話そうとは思わないわけ?」 

 

「私はただボスの命令を果たすだけ。命令こそ全てであり絶対。命令こそ私の全て。それを果たすまでの余計なことなんて、全部どうでもいいんだよ」

 

「犬顔が脳筋なせいかは知りませんが、どうやら話が通じる相手ってわけじゃないみたいですね」

 

「3人がかりとはいえ気を抜けば一瞬でやられかねないほどの気迫ですし、解原さんの考えが正しいのならば本当に危険な相手です。…………安全策でいくのならばオールマイトが来るまでの時間稼ぎっていのが妥当な手ですが………どうしますか?」

 

「………誰かをあてにするのは性に合わねーし、安全策でいって勝てる相手じゃないだろ、あれは。…………ヒスイ、ヒミコ。短期決戦。最初から全力で行くぞ」

 

「あなたの考えに同意するのはしゃくですが、私も同じ考えです。足引っ張らないでくださいよ狼」

 

「兄弟弟子同士…………仲良く速攻で決めますよ…………!!」

 

 

「「了解…………!!」」

 

  

 アイコンタクトを交わすと共に狼とヒスイ君、そしてヒスイ君が創り出した赤い刀を持った私はドールがバックパックから取り出したサブマシンガンとスナイパーライフルの弾丸を躱し、防ぎながら懐に飛び込み、斬撃や手刀、槍の突きを放った。

 

 それら全ての攻撃はいなし、防がれてしまい、距離を取られて更なる弾丸を放たれてしまうが、ヒスイ君は盾を瞬時に創り出し前に出て弾丸を全て防ぎ、その後ろから私と狼が飛び出し、これ以上弾を撃たせまいと攻撃を仕掛けていく。

 

「お前の目的はなんだ?何が目的で三奈を殺そうとした?なんでここを襲った奴らに協力している?」

 

「仕事だから。命令されたからに決まってるじゃん。あの女がロボの撃破に参加したらすぐ戦闘が終わっちゃうし、私は命令を果たせない。命令遂行の邪魔となる相手はすべて排除する。それだけのことでしょ」

 

「そんなことで美奈ちゃんを殺そうとするだなんて………!!あなた人の命を何だと思っているんですか…………!?」

 

「今さら罪を数えろとでも言うつもり?人を殺すなと言うつもり?何を今さら。もう散々殺してきたんだから1、2もつも変わらないよ。そんなことよりあんた…………まだ私の邪魔をするつもり?ついさっきはあんたのせいで最優先撃破目標を殺し損ねたし…………まだ私の邪魔をしている……………。お前………早く消えろよ」

 

「顔合わせたのは最近ですが一応妹弟子ですし、死なせるわけにはいきません」

 

「邪魔をしてるお前がさっさと倒れろ」

 

 後ろでナイフ状の刃を幾つも創っていたヒスイ君はそれら全てを風で宙に浮べ、それを刃の嵐とばかりにドールに放った。

 

 上から降る刃の嵐をドールは後ろ飛びで躱し、サブマシンガンを放とうとするが、それをさせまいと狼が距離を詰めてサブマシンガンを拳で破壊。続いて取り出したナイフの攻撃を私が受け止め、更に距離を詰めていく。

 

「あなたが何故そんな命令に従っているかなんてことは知りませんし!!何故そんな命令を言われたなんてことも知りません!!ですが私はあなたを許さない!!私の大切な友達を傷つけようとし!!人の命をそんなものと言うあなたを私は絶対に許さない!!」

 

「許されるつもりも、懺悔するつもりも最初からない。命令に従い続ける道具。それが私だから」 

 

「なら私はあなたを止める!!そんなことをこれ以上やらせぬよう!!私はあなたを止める!!血闘術2式……………!!『M9バヨネット』……………!!!」

 

「止まるつもりなんてない。止められる必要なんてない。命令を………果たすだけだ…………!!さっさと消えろ…………!!!」 

 

 私が放つ2式とドールが放つナイフの斬撃がぶつかり合い、一瞬火花が散ったと思うとお互いに衝撃で弾き飛ばされ、私の持つ刀とドールの持つナイフはほぼ同時に砕け散った。

 

 お互いに武器を失いながらも、私達はお互いを睨み合う。

 

「あんた等………本当に面倒だね。さっさと消えないだなんて…………本当に面倒だね」 

 

「あなたはそのスナイパーライフル以外の武器を失い、ライフルの残り弾数が僅かなのに対して、私達にはまだ十分な戦力があり、人数の差も十分あります。もう、戦うだけ無駄です」 

 

「時期にあなたの依頼者であろう今回の事件の首謀者も捕縛されるでしょうし、他のヒーローも駆けつけます」 

 

「ここは大人しく拘束されるってのが、一番賢い手だ。もう、何をしても─────」

 

「無駄とでも言うつもり?あんた。こっちが命令で殺さないようにしてるのにいいように言って…………本当にうざいんだよあんた等。命令だから殺しちゃあ駄目だけど…………半殺しぐらいだった許されるかな?ほんと………最初からこうしてればよかったよ」

 

 ドールが何かをしようと構えるのに相対して私達も構えを取ろうとした瞬間、タワーの上層階あたりが大きく揺れ、私達は少し体制を崩した。

 

 出久君達になにかあったのかと、私達は少し身構える。

 

「何だこの揺れ!?上で何が起こってやがる!?」 

 

「美奈ちゃん!!聞こえますか!?美奈ちゃん!!こちらの声が聞こえますか!?」

 

『うん!!一応聞こえるけど、先に上に行ったメリッサと緑谷との通信ができないよ!!そっちの方に何か連絡は来てない!?あとこの揺れは一体何!?』

 

「こっちには連絡は来てませんし………揺れの原因が何なのかはわかりません。ですが………冷静に考えるとすれば恐らく………メリッサさん達の身に何かかが起こったとしか………考えられません…………」

 

「………了解(ヤー)。わかりました。依頼主ウォルフラムの依頼を破棄。急ぎ、Iアイランドからの退却を開始します」

 

「おい待て!!逃げるのか!?」 

 

「ボスからの命令が絶対だし、そのボスが撤退といった以上私はそれに従うだけ。………2回も邪魔をしたその女だけでも半殺しにしたいけど、命令じゃ仕方ないからね。そんなことよりいいの?上の方に行かなくて」 

 

「おい待て!!」

 

『狼君………!!ヒスイ君………!!ヒミコちゃん………!!ドールのことは気になるけど…………今は上の方が大変だ……………!!研究室の奥にあるヘリポートにエアトラックを待機させてるから…………今は早くそっちに行ってくれ………!!出久君達の所に早く向かうよ…………!!』 

 

 窓を小型爆弾を爆破して穴を開け、そこから飛び降りて行ってしまったドールの事が気になりつつも、私達は大急ぎで解原さんのエアトラックが待つヘリポートに走った。

 

 

 

 

 

 

 

 だが、この時。もしドールを追っていれば、私は後悔せずに済んだのかもしれない。助けを求める人の手を………掴めたのかもしれない。

 

 しかし、それでも、時はただ淡々と流れていく。決まった未来に人を導く為、ただ静かに………時は流れていった。

 

 

 

 

 

 

 

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