これにて2人の英雄編完結。次回からは林間合宿編がスタートです。長かった………!!実に長かった…………!!!
2人の英雄編はやろうと最初から決めてたものの、最後に見たのが数年前だったり、展開にどう熊らしさを足すのか迷っただったりでかなり迷い、何回も案を没にしたりしながらもどうにかいい感じで終わらせることができました。
そして皆さん重要な事です!!………やっぱり面白いので、映画『2人の英雄』と他2作もぜひ見てください!!!
『ちょっとデヴィット…………!こないだ作ったオートモービルなんて持ち出してどこ行くの…………!?もう式始まっちゃうよ……………!』
『ごめん栄一!教授の方にはまた適当に誤魔化しておいてくれ!!トシの奴がまた一人で突っ走って、銀行強盗をしたヴィランを現在進行系で追跡中なんだ。そんなお恐れた事を相棒が果敢にやってるってのに、相棒である僕が黙ってられるわけないだろ。なに。心配するな。ほんの5分程度で済ましてくるさ』
『そんなこと言って!こないだは頭に包帯巻いた状態でフラフラになりながら帰ってくるし!!一昨日なんて全身レモン臭くなって帰ってくるしで!!半日は帰ってこなかったでしょ!!今日の卒業式ばかりは絶対に駄目だからね!!絶対に行かせるつもりないからね!!』
『そんな事言わないでよマリーダ!!今回の事件ばっかりは僕が行かないと駄目なんだよ!!ああ………不味い!!早く行かないと逃げられちゃう!!ごめん!!もう行くね!!!』
『ちょっとデヴィット!!話は終わってないわよ!!』
『なるべく早く帰ってきてね………!!教授がカンカンになって君のこと探してるから…………!!!』
…………僕は………愚かだ……………。
間違った道を行っているのだとわかっているのにも関わらず立ち止まれず…………過去の彼のことばかり考えて………身近な人間が裏切っていたことすら気づけなかった…………。
…………僕は…………愚かだ………………。
『凄いじゃないか栄一!!マリーダ!!個性因子のエネルギー発生条件を突き止めて、個性因子の制御方法のこんな凄い仮説を立てるなんてさ!!』
『私はサポートばっかで、殆どは栄一の功績だけどね。この人ったら。あんたに負けてたまるかって子供みたいに必死になって、柄にもなくすんごい早口で情報処理してたのよ?とっくに惚れてたけど、更に惚れちゃいそう』
『やめてくれよマリーダ………。それにまだ…………空論の仮説を立てただけだし………この仮説を実現できる装置を作れるのはまだまだ先のことだ…………。…………もっと………頑張らないと………………』
『栄一?どこ行くんだよ?もうお店は予約してるんだよ?』
『ごめん…………なんかご飯食べる気分じゃなくなちゃった…………。せっかく会えたんだし………マリーダはデヴィット一緒に食べて来な………。僕は研究室に戻って…………もう少し研究することにするよ…………。じゃあまた…………』
『ちょっと栄一!………行っちゃた。私も………話したいことあったのに…………』
『話したいこと?一体何?』
『なんでもない!私も話す気分じゃなくなっちゃった!!あーもうっ!!今日はとことんまで飲むわよ!!』
『ちょっと待てよマリーダ!!君お酒弱いんだから程々にしてよね!!』
…………あの時………君を止めていれば……………こんな事にならなかったのかな?僕は………一人にならなかったのかな?
……………いや………違うな。彼が苦しんだ姿を知っているのにも関わらず…………ここまで来たのは…………一人になるのを決めたのは…………僕自身だ。
『君の処分が決まったよ、栄一。処分として、君はIアイランドでの研究者資格を永久に剥奪。今後自らの意思でIアイランドを訪れることは禁止。今後何かを研究開発した時の成果と開発情報は全てIアイランドに提示することが、今後の君の義務となる。………マリーダは実家の墓で………眠っているよ』
『なんで秘匿処刑の処罰を帳消しにしたんだデヴィット…………!!!マリーダを殺したのは僕だ…………!!!僕は………死ななきゃいけない人間なんだぞ………!!!!』
『死ななきゃいけないなんて言うなよ栄一!!それじゃあ爆発から君を庇って死んだマリーダが浮かばれない!!彼女が命を賭けて守った命を散らすだなんてことを言わないで─────』
『言うに決まってるだろそんな事………!!!彼奴は僕が間違っていると何10回も………何100回も言って…………!!!最後には僕を殴ってでも止めようとしてくれた…………!!!それなのに僕は間違いを認めず…………あんな物を起動させてしまった………!!!そんな奴が………殺されないなんておかしいだろ…………!!!!』
『栄一………』
『ねぇデヴィット…………。死んだ彼奴のポケットから………こんな物が落ちてきたんだ………。それでわかるだろ………?僕がどれだけ罪を犯したかを…………』
『………こ、これは。母子………手帳…………』
『ああそうだ………!!僕はマリーダだけじゃない…………!!君の才能に嫉妬して…………近くにいた彼奴の変化すら気づかずに生まれてくるはずだった名前すらない子供も殺してしまったんだ………!!!そんな僕はもうヴィランですらない…………!!!人間ですらない…………!!!僕は…………化物だ……………!!!!頼む………デヴィット…………。僕を殺してくれ…………!!!僕を…………殺してくれ!!殺して…………くれよ……………』
今なら………あの時の君の苦しみがわかる………。わかって………しまった………。
あの時君は………マリーダを殺したから死にたがっていたんじゃない…………。
止まれたのに止まれなかった自分が…………憎くて………悔しくて………情けなくて……………苦しんでいたんだ…………。
「大丈夫かデイブ!?怪我はないかい!?」
「パパ大丈夫!?」
「博士大丈夫ですか!?」
「トシ………緑谷君………メリッサ……………」
「やってくれるじゃねぇの。流石はナンバーヒーローってところか」
「グハァッ!!!」
「オールマイト!!!」
「パパ!!!」
頼む………誰か教えてくれ……………。
暗闇を………1人で歩くにはどうしたらいい…………?僕が犯した罪を………どう1人で償えばいい…………?どうすれば…………僕は前に進めるんだ……………。
「さすがデヴィット・シールドの作品……“個性”が活性化していくのがわかる……ははは、いいぞこれは。いい装置だ!!」
「これが………パパの作った装置の力……………」
「さて、邪魔者にはそろそろ、ご退場を─────」
「退場すんのはお前じゃ馬鹿たれ!!4世代前のドラクエラスボス最終形態(汚物)みたいな見た目しやがって!!黙ってデヴィットさん返せ!!!」
「人の恩人に何をしているんですか!?!?さっさとデヴィットさんを放せ!!!デカブツが!!!」
「メリッサちゃんを泣かせて!!ただで済むと思わないでください!!触手の化物!!!」
僕が完全に閉じ込められそうになったその時、いつの間にか空中にいたエアトラックからヒスイや狼君、ヒミコちゃんの3人が完全に奇襲となる形で飛び降りて攻撃を仕掛け触手を引き剥がし、本体であるウォルフラム攻撃して捕まりかけていた僕を救出した。
静かに降りてきたエアトラックから、栄一は真っ直ぐ前を向いて降りてくる。
「君が………どうしてここに………?あの時………僕を見限ったんじゃ…………」
「見限ってないし………君が過ちを犯すのならば……………僕は必ず君を…………………引き止めるからって…………あの時そう言ったろ………?少し遅れちゃってけど………その約束を果たしに来たんだよ………」
「けど………僕は前も後ろも…………」
「前なんか最初からない………。一人じゃ暗闇の中にある前もわからないから誰かの声を頼りに前を探して…………それがやがて前になっていくだけなんだよ………。……………僕はあの日罪を背負ってから………この数10年間で色んな人を見て………聞いて………一人じゃたどり着けなかった………この答えに辿り着きいた…………。だから………罪を背負ってしまった君に………僕がまず前を見せてあげる…………。僕が………僕達が見たい………未来の片鱗を………!!!」
◆◆
「とりあえず、デヴィットさん救出完了。これで人質の心配はなくなったな」
「ヒスイ……狼……ヒミコちゃん………本当にありがとう…………。パパ………本当に良かった…………」
「恩人であり、親のような存在であるデヴィットさんを助けるのは当然の話です。もっとも、狼頭が揺れで酔わなければそもそも人質にされかけるなんて事は最初からありませんでしたが」
「誰が酔っただ。吐きかけてフラフラだったのはお前だろ魚頭。空飛べる癖にあんぐらいの揺れで酔うんじゃねぇよ馬鹿が」
「何のことですか?どこか頭を強くぶつけたんじゃないですかね?」
「はいはいそこまで。いい話があなた達のせいで台無しです。触手の化物もまだ生きてますし、まだ気は抜かないでください」
「触手剥いで本体に直接ダメージ与えたってのに、無駄に頑丈だな。流石は4世代前のドラクエラスボス最終形態(汚物)」
「ドラクエやったことない人には、そのあだ名はよくわからないでしょ。せめてFFで例えてください」
「FFの方がわからないだろどう考えても。つーか俺は完全なドラクエファンなんで、FFに浮気したことはありません。お前は大人しくザラキ喰らって棺桶入ってろ」
「あなたこそデス喰らって永眠していなさい。私はあなたを泉に放り込むつもりはないので、そのまま体ごと魂も腐っていってください」
「んだとやるのか?ドラクエの力見せてやろうか?」
「ならば、FFの圧倒的力見せてあげましょう。SPになるまでスマブラに参戦出来なかった勇者に勝ち目はありませんけどね」
「SPになったらなったらでストーカー着いてきたソルジャーにも勝ち目ねーだろうが!!!圧倒的マイナスポイントだろうが!!!」
「おい!!来たはいいがお前等ドラクエとFFの話でいつまで揉めてんだ!!ラスボスまだ生きてる!!最終形態でまだ生きてるよ!!!」
デヴィットさんを救出して少し安心していつも通りの会話をしていた俺達であったが、電気の言葉で後ろを振り返るとともに放たれていた攻撃を急いで躱し、俺達はメリッサとデヴィットさん、解原さんを連れて大急ぎで後ろに逃げた。
明らかに苛ついているラスボス?は、忌々しげにこちらを睨む。
「お前等よくも俺の顔に傷を付け………散々俺の事を罵ってくれたな…………!!貴様らだけは骨も残さんぞ……………!!!!」
「はいはい。今更悪役ぽっくしても、うちの大魔王と魔王の方がこえーし、人質救出した今お前に勝ち目ねーよ。汚物は汚物らしく、土に還って肥料にでもなってろ」
「うわー………凄い余裕と挑発…………。私ナンバー1だから色んなヒーロー見てるけど………こんな挑発するヒーロー始めて見た…………」
「そりゃあそうでしょ………。逆に見たほうが怖いですよ……………」
「みんな色々話したい事はあると思うけど………とりあえずあれを倒さないとね……………。ちゃちゃっとやって………早くご飯でも食べに行こう…………」
「けど………どうするんだ?僕が作ったからこそ言うが………あの個性増幅装置を止めない限り………僕達に勝ち目はないぞ?」
「だからこそ………こいつを持ってきたんだよ………。じゃあポッチとな…………」
解原さんがいつの間にか手に持っていたスイッチを押すとともに、トラックの荷台のコンテナが開き、大砲のような大型の機械が現れた。
皆が驚いているのを他所に、機械に設置されていた3つのコンソールの内1つに光を灯しながら、解原さんは口を開く。
「こいつは僕の研究の集大成となる発明品第一号…………!!個性制御装置Typeーα…………!!!こいつは対象の体内にある個性因子活動を一時的に停止させ…………対象の個性を一時的に封印することが出来る…………!!!これを使えば………奴の個性増幅装置を完全停止させることが可能だよ……………!!!!」
「おおっ!!なんか凄えぇ!!!なんかメチャクチャカッケェ!!!」
「これが話に聞いてた秘密兵器って奴か!!!メチャクチャテンション上がるやつじゃんかこれ!!!」
「ただし………こいつには重大な欠陥が3つ……………。一つ目はみんなが知っている通り、本体の重力が異常なまでに重いこと……………。2つ目はこいつを起動させるのに異常なまでの電力を必要とすること…………。3つ目はエネルギーチャージの時に発生する熱の冷却が冷却装置だけじゃ追いつかないってことなんだ……………」
「えっと………つまり…………?」
「要は、アホ面と半分野郎がこいつ使うのに必要ってことだ」
「それと………八百万ちゃんはありったけの発電装置を作って………片っ端からこいつに繋げて………上鳴君のサポート…………。僕とメリッサちゃん………それとデヴィットはこいつを起動させるまでの情報処理をして…………少しでも起動時間の短縮を────」
「そんな装置使わせると思うか!?こんな物粉々に──────」
「
迫った巨大な拳をオールマイトはパンチの風圧で無理矢理押し返し、その勢いのままウォルフラムを大きく吹き飛ばした。
風圧なのにも関わらず、辺りから火花が散る。
「なるほど!!大体は理解した!!残りの私達はこいつが破壊されないようにしながら時間を稼ぐって感じだな!!!わかりやすいこと結構だ!!!」
「トシ!!その体で────」
「何心配するな!!そう時間は掛けないさ!!今回は君も手伝ってくれるようだし!!ここで尻すごみしてる良い子はいないようだからね!!!」
「あんなクソだせぇラスボスにこのまま好き勝手にやらせっか!!こいつは俺がぶ殺っす!!!」
「殺すじゃなくて時間稼ぎだけどな!!まぁ確かに!!好き勝手に性には合わねぇけどな!!!」
「ああもうっ!!俺はどう考えても非戦闘向きなのに何でこんな事ばっかに巻き込まれてるんだよちくしょう!!!」
「そんな事言ったら私だって似たようなもんだけどね!!まぁ引くつもりなんて最初からないけど!!!」
「本来ならば戦闘などご法度だが!!ここまでやられては仕方ないな!!!」
「こんなの相手で黙ってったらヒーロー志望じゃないし!!飛び出して当然だよね!!!」
「というより!!このメンツなら!!!」
「負ける気がしない!!!」
そんな言葉を口にしながら、オールマイトが攻撃したのに続くようにして、勝己達は我先に各自触手や本体を叩き、ウォルフラムはその攻撃の猛襲のあまり更に後ろに下がっていった。
一ヒーロー志望生であるのにも関わらず、果敢に立ち向かっていく姿に、デヴィットさんは驚きを隠せない。
「デヴィットさん。なんであなたがこんな大それた事をしたのかはわかりませんし、その罪は償わなきゃいけません。けど……あなたが心配するほど………僕達は弱くありません」
「私達は確かにまだ弱いですし、未熟だし、足らない事だらけです。ですが1人ではなく、みんなでならば、出来ることも沢山あるんです」
「だからあんたは真っ直ぐ自分の進むべき方向に進め!間違ったなら俺達が殴ってでも止める!!これがヒーローの仕事だからな!!さぁ!!さっさと片付けるぞ!!!」
「「了解!!!」」
「パパやろう。私達の出来ること。最大限やってみよ。考えるのは、それから後でもいいでしょ?」
「娘にまでここまで言われて、面目ないかもしれないけど、だからこそいいんだ。だからこそ、前に進めるんだ。………少しは決心着いた?」
「………ああ着いたさ。つけるしかなくなったよ!やろう!!前に進むためにやろう!!!」
その言葉とともに、デヴィットさんは完全に吹っ切れった表情でコンソールに触り、一気に表示されていく情報を処理していった。
秒単位で変わりゆく戦況についていけていない、ウォルフラムは焦る。
「(何故だ!?俺は個性増幅装置を得て絶対的な力を手に入れた!!あの方から力を貰った!!なのに何故こんな小虫如きが倒せない!?こんな押されている!?)認めん!!認めんぞ!!!」
「うおっと!?何だこの揺れ!?地震か!?」
「いや!この音は違う!!あいつ!!根本から無理矢理タワーを倒すつもりだよ!!」
「そんなされたらここにまだ残ってる人達は…………」
「それどころか私達もおしまいだよ!!」
「くっそ!!なんて量の触手だ!!これじゃああいつを攻撃できないぞ!!」
「お前等如きの小虫にこの俺を止める事はできない!!できるはずないんだ!!!そんな装置などこのタワーごと海の藻屑にして──────」
バンッ!!バンッ!!バンッ!!
またしても、あいつの言葉を遮るようにして攻撃が後方から放たれ、ウォルフラムは大きく体を揺らした。
幾度に渡る創造でフラフラになりながらも、百は賢明に大砲を放つ。
「何度も話の邪魔をして申し訳ありません。ですが、流石にタワーを倒されては不味いので邪魔はさせてもらいます」
「大砲など今の俺に効くか!!こんなもの─────」
「なら炎と氷、どっちも喰らっておけ。あと、また話を邪魔して悪いな。こっちも、やらなきゃならねぇからな」
「それと氷に炎で全身ずぶ濡れだよな!?出血大サービスの大放電だ!!!たっぷり浴びて痺れな!!!無差別放電……30万ボルト!!!!」
「ぐうぅぅっ…………………!!!!」
「おおっ!!一気にダメージ入った!!」
「けど…………あれやったって事は………………」
「ウェイウェーーーーーイ!!」
「やっぱりああなったか…………締まらねぇなあいつ………………」
「普通はかっこいいんだろうけど………上鳴がやるとやっぱりかっこよくないわ………………」
「だけど今のでエネルギーフルチャージ完了!!こっちの情報処理は終わったぞ!!」
「こっちの処理も終わりました!!」
「個性制御装置Typeーα起動!!!個性因子強制停止波!!!放て!!!!」
自らの個性『解析』フル活動して情報処理をしていたことで目が青く輝いている解原がそう宣言するとともに、砲から白銀の光がウォルフラムに向かって放たれ、ウォルフラムは驚愕の表情とともにのたうち回った。
体に纏っていた鉄の塊が徐々に剥がれ落ち、触手の動きもまた停止していく。
「よしっ!!個性がどんどん弱まっていく!!」
「決めるぞ!!緑谷少年!!!」
「はいっ!!オールマイト!!!」
「こんな所で終われるか…………!!!せめて貴様らだけでも道連れに……………!!!!」
「野郎まだ動けるのか!?」
「デク君!!!」
「オールマイト!!!」
「させません!!血闘術1式!!『D-101デリンジャー』!!!」
ウォルフラムの残す全て力で放たれた大質量の瓦礫は飛び出したヒミコの一撃によって破壊され、目の前にある障害物は全て排除された。
だが、その背後には更に大質量の瓦礫がまだ残っている。
「残念だったな女………!!まだこいつは残っている………!!!貴様もまとめて────」
「最後まで悪いが、ここでお前の話は終わりだ」
「残念ながらこちらにまだ放てる攻撃は残っています!!ミスらないでくださいよ犬顔!!!」
「お前こそミスんなよ魚頭!!!」
「「合体必殺!!!爪嵐牙連刃!!!!」」
俺がモード狼の姿で回転しながら突撃するとともに、ヒスイが1方向に集約した大威力の竜巻を俺に放った結果、俺は弾丸の速度すら超える速さにまで加速し、ソニックブームを放ちながら目の前に立ちはだかる残る全ての瓦礫を礫すら残さず完全に破壊した。
もう、2人を阻むものは何もない。
「
「
「「
「「「行けぇぇぇぇ!!!」」」
「「更に、向こうへ!!!
全員の願い共に放たれた2つの拳はウォルフラムごと
雲が晴れた空から射し込む朝日が、金属片となって落ちてゆく
「終わったね………ようやく…………。これで全部元通りだ…………」
「全部が元通りってわけじゃない。………いや。みんなが変わってゆくんだから、元通りなるだなんてことは最初からありえないか」
「その様子なら………もう君は大丈夫そうだね…………。………もう、あれはいらないのかい?」
「…………ああ。もういらない。暗闇を照らしてくれる光なら………もう見つけた」
デヴィットさんがそう言うとともに、
◆◆
「ここ数日の間、本当にありがとうございました!!ここ数年の中で一番楽しかったです!!!」
「うん。私も久しぶりにとても楽しかったわ。またいつでも来てね。招待状いくらでも送るから」
「別口で来た出久は別として………大体の奴等は乗り終えたみたいだな。あと乗ってないのは…………」
「あれだけ試練乗り越えたのになんでご褒美はないんだよ!!!ピチピチのねえちゃん達に俺達はまだ出会えてないんだ!!!!放せ爆豪!!!!俺はまだここにいる!!!!」
「てめぇのクソみてーな理由なんて知らねーんだよ!さっさと乗ってろ葡萄頭!!」
「上鳴も駄々こねてないで早く行くよ!!少しは見直したのにこの調子じゃ見直した私が馬鹿みたいじゃない!!!」
「嫌だ放せ耳郎!!なんで俺には出会いがないんだよ!!!ちくしょう!!!!」
意地でも日本行きに乗ろうとしない上鳴を無理矢理飛行機内に押し込み、俺達もまた、飛行機内に乗り込んだ。
Iアイランドが壊滅状態になるかもしれないというとんでもない騒動は全員の頑張りでどうにか防がれたものの騒動による影響で、I・エキスポの開催は延期。
また、今回の騒動の原因の1要因であるデヴィットさんと助手のサムさんもIアイランドを警備する警察によって身柄を拘束。結局、帰国の今日に至るまで顔を合わせる事も、話すことも出来なかった。
「デヴィットさん……どうなるんでしょうね?自分から罪を償うって言って自首してから全く連絡取れませんでしたし………メリッサちゃんの表情もどこか寂しそうでした。仕方ないことなんでしょうけど何というか…………モヤモヤします」
「俺達はヒーローであって、法を守る警察官でもなければ、人を裁く裁判官でもない。こればかりはどうしよもねーよ」
「けど………これじゃあメリッサちゃんが…………」
「遅れて申し訳ありません。部屋の荷物の片付けが、少し時間がかかりました」
「僕も………今回Iアイランドに対しての報告無しで無断に個性制御装置を使ったことに関する始末書の処理に少し時間が掛かってね…………。ちょっと遅れてしまったよ…………」
「じゃあこれで全員か?早く出発しようぜ」
「出発………?何言ってるの………?まだ一人足りないよ…………」
「あと一人?一体誰?」
「ごめん!!遅くなった!!!ここを出るだなんて数年ぶりだから時間掛かった上に渋滞に巻き込まれちゃった!!!やっぱり………若い頃のように体は動かないな…………」
「あなたは…………!!」
「パパ……………!!」
全力で走ってきたせいか、息を何度も端的に切らしながらデヴィットさんは飛行機の入口の前で膝に手を付き、息を何度も吐きながら息を整えた。
皆が驚いている中、解原さんは口を開く。
「Iアイランドとの交渉の結果………デヴィットは今回の事件の主犯であるウォルフラム撃退に尽力したとして罪を軽減…………。監視付きではあるが………数少ない個性制御装置の開発協力者としてこれからもIアイランドで研究してもらうことになった…………。…………まぁ、もっとも、半年の間はIアイランドの立入りは禁止だけど…………」
「だからその半年の間、僕はMIPデックスの特別技術顧問として解原の下で働くことにしたんだ。………半年の間、メリッサを一人にするのは申し訳ないけど、どうか許してくれ」
「うんうん………!!パパが元気ならそれで良かった………………!!!本当に………良かった…………!!!!」
「メリッサちゃん………笑顔になった…………!!」
「確かに俺達に出来ないことは多いが、何もできないってうわけじゃない。俺達のあがきが、時に人の運命を変えることだってある」
「何が起こるかわからないってことは、奇跡が起こる可能性もゼロじゃないってことですからね。……………その奇跡の分、犬頭は苦しんで死ねば文句はないんですけどね」
「その言葉そのまま返してやるよ!!表出ろ!!!」
「はいはい、2人とも落ち着いて。またいい話が台無しです」
『本機は、間もなくIアイランドを出発します。危険ですので入口近くにいる人は飛行機の後ろに下がり、飛行機内で立っているお客様はお座りください』
「じゃあメリッサさん私はこれで!!週に一度は手紙を出します!!!」
「僕も一緒に出すから戸締まりに気をつけるんだよ!!!」
「また会いに来ます!!また遊びに来ますね!!!」
「体には気をつけろよ!!!」
「うんじゃあみんなまたね!!また会おうね!!!」
飛行機が空高くに飛び上がってその影が見えなくなるまでメリッサはずっと手を振り、俺達もまた手を振り続けた。
空に浮かぶ太陽は俺達の行く未来を照らすかのように明るく、前を照らし続けた。