鮮血少女と鮮血狼   作:熊田ラナムカ27

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 話が長くなって少し遅れました。
 
 ここから独自設定も結構出てくるので、コメントなどで不明点矛盾点などがあったら質問や指摘を是非してください。
 
 それではシリアス3話目、どうぞ。
 
 
 
 


51 激高の大鷹

 

 

 

  

 マンダレイからの戦闘許可の伝達がある数分前。

 

「…………一応は全部片付いたみたいだね………こいつ等。無駄に数がいて手こずったけど…………大して強い脳無じゃなかったのが幸いしたね」

 

「戦闘許可は出てませんが……………一応襲われて緊急事態でしたし………相手が脳無だからまだ弁解の余地はあると思います。………他のみんなの事が気になりますがとりあえず………マンダレイさんの言う通り早く宿に戻りましょう」

  

「もう宿に逃げ込んでるかもだし…………早くそうしよ」

 

 ルートに戻る直前で茂みから大量に現れ、私達を襲ってきた小型の昆虫型の脳無を片付けた私達は少し疲れた足取りながらも足を動かし、元来た道を戻っていった。

 

 肝試しの最中突如あちこちからから爆炎が上がった結果森は燃え、歩いていたルート一体は炎に囲まれてしまったのだが、私達は肝試しのルートからかなり離れた森の中に逃げ込無事が出来、どうにか炎から逃れたというわけだ

 

「けど………その結果があの昆虫脳無の群れとの戦いだなんてね………。私………しばらくは虫見ただけで気持ち悪くなりそう…………」

 

「切っても切っても切りなく湧いてくる上に………切ってもしばらくは動くから気持ち悪いことこの上なかったですからね……………。体というより…………メンタルにくる戦いでした………。もう二度とやりたくありません……………」

 

「溶かしたら溶かしたらで余計グロくなったし………何なの彼奴等?嫌がらせ目的のためにいたの?ほんと…………もう二度と見たくないよ…………」

 

「あれ?もしかしてヒミコちゃんと芦戸ちゃん?」

 

「何でそんなボロボロなん!?まさかヴィランに襲われたの!?!?」

 

「近くもなく………遠くもありません…………」

 

「とりあえず…………その事については深く聞かないで…………」

 

「本当に………何があったの?」

 

「大変だったって事はよくわかったわ」

 

 そう言いながら私はお互いの無事を確認し、今まで起きたことや他のみんな事を情報共有した。

 

「そっか。2人は他のみんなとは合わなかったんだ」

 

「残念ながら私達も人っ子一人見てないないわね」

 

「ここら一体は爆発と小型の脳無が大量発生したぐらいで、ヴィランの影も見えませんからもう既に、皆さん宿に逃げ込んでいるかもしれませんね。逆にこことは反対側のルートにはヴィランが集まってるということにもなりますから………一概にはいいと言えませんけど…………」

 

「けどなんでここの場所がバレたんだろう?急に合宿する場所変えたりしたし、今回は場所の情報が全然外に出てないんでしょ?」

 

「それはそうなんだよね」

 

「未来予知でも出来ない限り、知ることは限りなく不可能に近いと思います」

 

「だよね。じゃあ尚更どうしてなんだろう?」

 

「誰かがここの情報を………ヴィランに伝えた………とか?」

 

 梅雨ちゃんがそのような事を言ったことで、私達の空気は一瞬静まり返る。

 

「いやいやそれはないよ!だってヴィランに見方するような奴なんて私達の中にはいないし!!流石にそれは考えすぎじゃない!?」

 

「そうだよ!それは考えすぎだって!!状況が状況だからそういう風に頭が動いちゃってるだけだよ!!」

 

「そうよね………。私の考えすぎかもしれなかったわ。…………ごめんなさい。口が達者過ぎたわ…………」

 

「ここにいたら余計な事考えちゃいそうですし!!早く宿に戻りましょう!!早く戻ってみんなに顔を見せましょう!!」

 

「そうそうそう早く行こ行こ!!」

 

「早く戻ろ戻ろ!!」

 

 私達はその話題を避けるように進める足を早め、全員何も口を開かず歩き続けた。

 

 だが、梅雨ちゃんの言った事が頭から離れない。

 

「(否定しましたが………可能性としては一番それが高いんですよね…………。けど………だとしたら何のために?利益?………いや、それはない。ここの人達は皆そんな動く人達じゃない。元からヴィラン連合とつながりがあった?じゃあ、それは何故?何のためにそんな事……………。…………いやいや、何を考えてるの私は。そんな事あり得るはずがない………。それに………考えるだけの情報が圧倒的に少なすぎる……………。ヴィランが持っている情報に対して…………私達が持っている情報があまりにも─────)」

 

 ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!

 

 バンッ!!バンッ!!バンッ!!

 

 私がそんな事を考えている中、突如銃声と爆発音が辺りに響き、私達の間に緊張感が広がった。

 

 即座に草陰に体を隠し、私達は周囲の状況を確認する。

 

「銃声に爆発音!?まさか………誰かがヴィランに襲われてるの!?!?」

 

「けど一体何処で!?音的に少なくとも私達の近くじゃないよ!?!?」

 

「みんな上!!上で今爆発が起こったわ!!」

 

「上にいるのは……………寧人君に響香ちゃん!?!?」

 

 ヒミコ達が状況がわからず混乱している中、物間はというと必死に個性を操作し、爆発と銃弾を避けるので必死だった。

 

 銃弾が右腕と左足にかすって負傷した耳郎を抱えながら、物間は必死に飛ぶ。

 

「くっそ!!あとちょっとだってのにヴィランがいるのかよ!!おい大丈夫か!?攻撃躱すのにお前必要なんだから死ぬんじゃないぞ!!」

 

「あんたこそ………両足爆発でやってんだから無理しないでよね…………。あんたが死んだら………私まで巻き添えなんだから…………。………右にから銃弾!!………下から爆発来る!!急いで前に行って避けて!!」

 

「A組なんかに言われずともすぐやる!!くっそ!!くそっ!!!」

 

 物間は耳郎の指示の下慣れない風を操る個性をどうにか制御し、攻撃を避け続けた。

 

 だが、相手は数多の人間を殺してきたヴィラン。

 

 使いたての個性を使う相手の動きなど直ぐに見抜き、より攻撃は激しさを増していくとともに物間と響香はどんどん傷ついていき、遂には時間が来てしまった。

 

「不味い………時間切れだ!!!落ちるぞ!!!」

 

「まだ一発銃弾来る!!せめてそれ躱して!!!」

 

「無茶言うな!!僕はもう個性を使えないんだぞ!!!畜生!!!畜生!!!!」

  

 物間はそう叫びながら耳郎を庇う体制で落下し、迫る弾丸が自分を襲う衝撃を前に目を強く閉じた。

 

 しかし、銃弾が体を襲う衝撃はいつまでも自分を襲わず、目を開けるとそこでは飛び出した弾丸からヒミコが体を呈して弾丸を受け止めていた。

 

「ヒミコ!?何故ここに!?おい!?声は聞こえるんだろうな!?!?」

 

「はい一応は………。弾丸が体に当たったせいで多少息はしずらいですが………ドール対策に着ていた防弾チョッキのお陰でなんとか無傷です!!!」

 

「3人共!!一度降ろすわね!!」

 

 事前に木に登ってもらっていた梅雨ちゃんに、舌を使って落ちてくる私達をどうにか引き寄せて地面に下ろしてもらい、私達は負傷した寧人君と響香ちゃんを抱えて一目散に遮蔽物のある森の中に走った。

 

 爆発の方は大威力であるものの逃げる私達の場所とは全然違う場所で爆発することが多いため、大した障害にはならないが、スナイパーと見られるヴィランが放つ弾丸はひたすらに正確であり、私達が歩む方向を確実にかつ、恐ろしいほどに正確に何度も撃ち抜いていった。

 

 防弾チョッキを着る私がなるべく頭を下げながら後方を走ったことで多少体に当たりにくくはなっているものの…………これがもしなかったらということは…………なるべく考えたくない。

 

 三奈ちゃんがいる場所にまで来ると流石に弾が届かなくなったのか銃声は止み、私達は大きな岩陰に隠れながら、抱えていた響香ちゃん達を降ろし、傷の様子を見ていく。

 

「ごめん2人共………危ない目に合わせちゃって…………」

 

「あと少しだったのに………。あと少しで………マンダレイの所に行けたのに…………」

 

「2人とも大丈夫!?死んじゃったりしないよね!?!?」

 

「弾丸による傷も、爆発による傷も急所に当たっていませんから死にはしません。…………ですが、ついさっきのような戦闘をするというのはまず無理です。持ち合わせの包帯とガーゼで応急処置はしますが…………歩けるのが関の山かと……………」

 

「ハハッ………それは情けないね…………。彼奴にあんな事言われたのに………伝言さえ出来ないだなんて……………本当に………情けない……………」

 

「伝言?誰から?」

 

「狼とヒスイから………戦闘許可とヴィランの目的についてをみんなに伝えてくれって………頼まれてたんだ…………。あいつの言うことを聞くのは癪だが…………やられっぱなしはもっと癪だがからね……………」

 

「そっか。狼君もヒスイ君も仮免持ってるから非常時は戦闘許可だせるもんね」

 

「早くみんなに伝えないとだけど…………こっちを撃ってきたヴィランと爆発を起こしたヴィランがいるし…………2人共足怪我してるからかなりキツイね……………」

 

「撃ってきたヴィランは普通見えない位置のはずの木々の中でも正確に撃ってきたから………私達の位置を正確に探れる何かがあるのかも」

 

「なら………僕を置いて………君達は早くマンダレイのところに行ってくれ………。耳郎さんよりは傷がひどくないから………多少は時間が稼げるはずだよ」

 

「けどそんな事したら物間君が!!」

 

「伝言を伝えなかったら…………もっと多くの奴が死ぬ…………!!それだけは………死んでも…………ぐっ…………」

 

「あまり無理をしないで。あなただけが死んで、私達だけが生きるだなんてことは…………私もっと嫌よ」

 

「けど…………このままじゃ……………」

 

「…………いえ。寧人君が行く必要はありません。私達が時間が稼ぎます」

 

 私がそう言うとともに、皆の視線が私に集まる。

 

「おいおい………それは勘弁だよ…………。君達が行って死ぬだなんて事になったら………僕は彼奴に殺されかねない…………。それは流石に……………勘弁だよ?」

 

「寧人君。私があなたを体育祭で完膚なきまでに負かしたことをもうお忘れですか?確かに時間が稼ぎはしますが、私は毛頭死ぬつもりはありません。皆で生きる方法を考えたんです」

 

「でも………どうやって?」

 

「ではまず寧人君。響香ちゃん。あなた達にはまず……………」

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一度死んでもらいます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

  

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「どう?飛んでたあの2人死んだ?」

 

「うん!オーラ消えたから多分死んだね!!だけどそう考えると余計残念残念。どんな風に死んでいくか見るのも楽しみ一つなのに……………それが見れないだなんて残念すぎるよ!!ドールちゃんは殺した時に何か感じたりしないの!?楽しいとかの感情とかさ!!!」 

 

「いえ、別に。命令の実行に感情なんて不要だ。私は命令されたことをただ確実にやるだけだよ」

 

「なんだつまんない。せっかくの目当ての相手が来るってのに」

 

「それで敵の数、人物、位置は?」

 

「数は全部で4人。お茶子ちゃんに!!梅雨ちゃんに!!美奈ちゃんに!!私も会いたかったヒミコちゃん!!!全員ついさっきのところから散会して真っ直ぐこっちに来てるから、もうそろそろスコープに映るかも」

 

「ならあんたは他の3人をお願い。彼奴は私が仕留める」

 

「えーっ!?!?ずるいずるい!!!私も遊びたい!!!遊びたい!!!」

 

「先に言ったろ。彼奴は私が殺す。彼奴は………徹底的に痛めつけてから私が殺す、って。それを邪魔するなら…………あんたから先に殺すよ?」

 

「うわー………銃口向けてマジじゃん…………マジじゃん…………わかったよ…………。…………ただ…………こっちにもし来れたその時は…………私とも遊ばせてよね」

 

「来れたらね。まぁ…………来る前に殺すから関係ないけど」

 

 そう言いながら私はスナイパーライフルの弾倉を入れ替え、よく狙いが見える岸壁からヒミコに向かって照準を合わせ、トリガー強く引いた。

 

 スコープから見えるヒミコは直様それに対応し、抜いた刀で木々を切り倒して弾丸を防ぎ、更にこちらに向かってくる。

 

「………さっきの銃撃で、流石にこっちの方向はバレてるか。他の3人もこっちに来てるし…………当然といえば当然だけど」

 

「ねぇいいの?私の助け無しで。ちょっと助けてあげよっか?」

 

「別にいらない。こっちの方向がわかっているならわかっているでやりようはあるし、防弾チョッキを着てるって言っても耐久度には限度がある。この程度の障害なら障害ですらない」

 

 そう言いながら私はスコープを外して自らの目に力を入れ、狙いを定めるとともに再びトリガーを引いた。

 

 放たれた弾丸は一瞬木に当たると跳弾し、一瞬ヒミコの体を掠めると更に跳弾して後ろから彼女を撃ち抜いた。

 

 私はそのまま目に力を入れたままトリガーを何度も引き、防弾チョッキを破壊しようと弾を次々と撃っていく。

 

「ほんとすごいよねドールちゃんは。スコープなしの方が敵の姿が見えて、敵を殺しやすいだなんて。目が良くなる個性とかだっけ?」

 

「いや、全然違う。私にはそもそも個性がありません(・・・・・・・・)。これは私の体が特殊(・・)だから出来る事だ。まぁ、特殊って言っても実際これが個性みたいなもんだし、これが実質個性みたいなところはあるけど」

 

「あっ、そうだった。そうだった。ドールちゃんにアラクネちゃん、【ぬらりひょん】君は体が少し特殊なんだった。忘れてた、忘れてた」

 

「そんな事より、そっちの方は片付いたの?」

 

「ううん。全然。というかあの子達の辺りに全然線が出ない」

 

「あんたの個性、確かエネルギーの線を指で辿って、発火や爆発とかが出来るけど、線が出る場所はランダムなんだっけ?」

 

「うんそーなんだよね。やりたいって思った時に殺れない時あるし、殺りたくないに殺れちゃうって時あるから、結構不便なんだよね。線なぞらなくても爆発起こせるけど、その分大した爆発も炎も出ないから実質使えないから、こればかりは運なんだよね」

 

「なら、そっちの3人も私が殺すよ。もう、こっちは片がつく」

 

 そう私が言うとともにヒミコの着ていた防弾チョッキが壊れて地面に落ち、彼女は完全に無防備になった。

 

 無防備になった奴の心臓を撃ち抜こうと、私はトリガーに指を掛ける。

 

「あんたにはついさっきの合わせて3度も邪魔されたけど…………これであんたも終わり…………。さっさと私の目の前から……………消えろ…………!!!」

 

 指に掛けていたトリガーを引き、奴は終わって排除完了。

 

 あとの3人も殺して命令完了する…………そのはずだった。

 

 トリガーを引こうとした瞬間、大きな揺れが突如として起こり、私はトリガーから指を放してしまった。

 

 現状を確認しようと、辺りを確認する。

 

「痛い!!一体何!?せっかく気に入ってた服なのに転んで汚れちゃったじゃん!!一体何事よ!?」

 

「これは…………石?手のひらサイズの石がここにぶつかって………この岸壁を揺らした?けど………一体誰が?」

 

「あーーっ!!!響香ちゃんのオーラが復活してる!!!しかもその近くにいるオーラは狼君!?!?一体どゆこと!?どゆこと!?!?」

 

「真血 狼は報告によればつい先程からぬらりひょんと交戦中のはずなのに何故……………………一体ここに?何故…………耳郎 響香のオーラが────」

 

「よそ見をするとはいけませんね!!お陰でここまで来れちゃいましたよ!!血闘術4式!!『MGLダネル』!!!」

 

 私が状況に対処できていない間にヒミコは眼前に迫っており、手に持ったナイフをこちらに投げてきた。

 

 咄嗟にライフルを持ってナイフを躱したものの、フードに一線の傷がついた。

 

 別の場所から登ってきた3人とヒミコを、私は睨む。

 

「やっぱりここにいたのはあなたと、ショッピングモールにいたヴィランでしたか。下手に情報を教えたのが完全に裏目に出たようですね」

 

「なんで!?死んだはずの響香ちゃんのオーラがなんで復活してるの!?!?確かにオーラは消えたはずなのに!!!」

 

「まぁ………確かに1度死んだからね………2人とも…………」

 

「今回ばかりは…………流石にヒヤッとしたよ………………」

 

「作戦としては正しいんでしょううけど…………あまりに心臓には良くなかったわ…………」

 

「仕方ないでしょ!!これしか方法なかったんですから!!!」

 

 何故?一度死んだはずの響香が復活したのか。何故?狼のオーラが現れたのか。時は数分前に巻き戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

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「ヒ………ヒミコちゃんなんて事を………………」

 

「じ………耳郎ちゃん…………。耳郎ちゃん!!!」

 

「はい、2人ともどいてください。ほんとに死んじゃいますから」

 

「ほんと死んじゃう…………!?!?耳郎ちゃんは………今ヒミコちゃんが…………!!!」

 

「私が友達を殺すわけないでしょ。ナイフで切ったのは血が出にくいところですし、ちゃんとここに治療用ウイルスもあります。………よし、これで仮死状態の完成。これでオーラは一時的に消えたはずです」

 

「か、か、仮死状態?え、えっと………君は今何をしようとしてるんだい?オーラって、そもそも何?」

 

「オーラっていうのは、おそらく寧人君達を爆破したであろうマッドメン・ガールが持つ個性で見ることが出来る生物の生体反応の事で、このオーラによって彼女は相手の位置や人物を特定できるそうです」

 

「あっ!!マッドメン・ガールって確かショッピングモールで狼と接触したヴィランだ!!」

 

「確か自分の個性のこととかを自分からぺらぺら話したっていう、クレイジーな事してたらしいわね」

 

「じゃあ私達の位置…………最初からモロバレだったんだ………」

 

「道理でこそこそ飛んでたのに見つかったわけだ……………」 

 

「なので一度負傷してる響香ちゃんと寧人君を仮死状態にしてオーラを消し、一度相手に死んだと思わせます。仮死状態は通常心臓マッサージなどしないと蘇生できませんが、この治療用ウイルスを打てば2、3分ほどで蘇生できますし、治療用ウイルスは死に近い状態の方が効果を発揮するため、傷の回復も同時にできます。それと寧人君これを」

 

「こ、小瓶?中身はもしかして…………」

 

「緊急事用に持ち歩いてる狼の血です。時々血を取らせてもらって、それを瓶に詰めてるんです。これさえあれば血が飲みたくなる気持ちを抑えられますし、狼の個性って何かと便利ですから結構役立つんですよ」

 

「さらっととんでもないの出したな!!」

 

「寧人君は仮死状態になる前に私のコピーしてもらい、蘇生後狼の血を飲んでもらいます。これで狼に変身した後、モード獣人となってもらってそこら辺に落ちてる石をヴィランのいると思われる彼処に投擲。その後直様モード狼になって響香ちゃんを乗せてもらい、マンダレイのところに行ってもらえば無事目的達成!これで伝言を伝えられるというわけです。あっ、石は当てなくていいですからね。一瞬気をそらしてくれれば十分ですから」

 

「あの………ちょっと………1ついいかな…………?」

 

「はい。何か質問が?」

 

「つまり君の個性をコピーした後………僕1度死ぬってことだよね…………?それって………………」

 

「死ぬほど痛いですけどそれだけです!!頑張ってください!!!」

 

「嫌だ!!伝言は伝えるとは言ったけど死ぬのは嫌だ!!!数分でもなんか嫌だ!!!」

 

「そう言わず個性をコピーしてください。………これでコピー終わりましたよね?じゃあ一度チクッとしますね!!」

 

「チクッというかザクッとだろ!!!嫌だ!!!流石に死ぬのはいや─────」

 

「よし、これでよし。じゃあ、私達も早く行きましょ。早く行って、ヴィランの気を逸らさないとですからね」

 

「う、うん……そうだね……………。…………2人とも………今のどう思った?

 

「背筋ゾクッとした………。こないだヒミコちゃんが話してた狼君殺人未遂の話………今なら信じられるよ……………」

 

「とりあえず……………ヒミコちゃんは怒らせちゃ駄目ね……………」

 

「この事は…………私達3人だけの秘密にしよ……………」

 

 

「「賛成………賛成…………」」

 

 

「3人だけで何コソコソと話してるんですか?早く行きますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

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『A組B組総員!!プロヒーローイレイザーヘッド並び!!仮免保有者ヒスイ!!真血 狼の名に於いて戦闘許可を下す!!!ヴィランの目的は生徒の誘拐!!!特に狙いをつけているのは爆豪 勝己!!!轟 焦凍!!!常闇 踏影!!!真血 狼!!!全員なるべく戦闘は避けて!!!単独ではなるべく動かないで!!!』

 

「………どうやら、寧人君と響香ちゃんは無事どうにかマンダレイさんに伝言を伝えてくれたようですね」

 

「これで心おきなく戦えるよ」

 

「まさか私とドールちゃんの包囲網を突破してほんとにやるべきことをやっちゃうとはね。いやーほんと!!敵ながらあっぱれ!!あっぱれ!!」

 

「ヴィランに褒められても嬉しくはないけどね」

 

「そう言わないでよ!!これでようやく遊びに参加できるし!!楽しいこと仕方ないんだから!!!」

 

「楽しい!?人を殺すことが!?!?」

 

「うん、そうだよ。世界一楽しい遊びだよ。殺すのも殺されるのもドキドキして………本当に胸が高まってしょうがないの!!!この疼きを収めてくれるのは誰?お茶子ちゃん?梅雨ちゃん?三奈ちゃん?それともヒミコちゃん?」

 

「やめて。そう呼んでほしいのはお友達になりたい人だけなの」

 

「じゃあ私達もう友達だね!!たっぷり殺し合おう!!!」

 

「そうは言いますが、状況的には2対4であなた達のほうが圧倒的に不利。素直に投降したほうが身のためだと思いますけど」

 

「身のためなんてどうでもいいよ!!つまんないもん!!それに…………今日は私よりドールちゃんの方が…………殺る気みたいだしね」

 

 マッドメン・ガールがそう言うとほぼ同時に、ドールを包み込むようにして風が起こり、ドールの黒いフードが静かに外れた。

 

「わ、私達と同じくらいの、お、女の子?あなたが………今まで私達を殺そうとしてたんですか?」

 

「女の子ってのは関係ないでしょ。武器を持ったら全ての人間が脅威。私達も似たようなもんなんだから。…………それにドールちゃんはとっくの昔から人間じゃない。敵を殺すために作られた人間と動物を掛け合わせて出来た戦闘マシーン…………【合成獣(キメラ)】何だから」

 

 フードに下にあったのは私達と同じくらいの年の黒髪の小柄な女の子の姿であり、彼女は着ていたフード付きのジャケットを剥ぎ取って、背中の巨大な赤黒い翼を私達に見せた。

 

 猛禽類の鋭い爪で靴を内側から破りながら、鷹のような鋭い虚ろな目で、ドールは私を睨む。

 

「4回目………4回目だ…………私の仕事を邪魔されたのは……………!!!あんたがいるせいで……あんたがいるせいで私は命令を達成出来なかった…………!!!!真血 被身子…………!!!!あんたがいるせいで…………あんたがいるせいで…………………!!!!」

 

「はいはい。落ち着いて。殺るなら殺るで楽しまないと駄目だよ。それにまだ、命令を下してないでしょ」

 

「マッドメン・ガール…………。……………いや、源 彩子!!!命令を私に下せ…………!!!彼奴を私に殺せと私に命じろ……………!!!!」

 

「そこは自分の気持に正直になって、自分から殺しに行った方がいいと思うけどね。…………けどわかった。命令をあげる。真血 被身子を…………殺して頂戴

 

 

「命令承認…………!!!抹殺を開始する…………!!!!」

 

  

 ドールはそう言うと俊雷君の個性神速に匹敵するのではという速度で私の眼前に接近し、懐から取り出したナイフを私の首元に振るった。

 

 咄嗟に私もナイフを左手で抜いてドールの振るったナイフを受け止めるが、勢いに押されて大きく吹き飛ばされてしまい、三奈ちゃん達から完全に隔絶されてしまう。

 

「ヒミコちゃん!!今助け──────」

 

「そんなつまんないことはさせないよ。あなた達の相手は私。言ったでしょ?たっぷり殺し合おうって…………!!!」

 

「お茶子ちゃん!!みんな!!!」

 

「よそ見なんかしてていいの?直ぐに死んじゃうかもよ?」

 

「あなたの目的は何!?何で人殺しなんてしてるの!?」

 

「その事ならIアイランドでもう言ったはずだ。命令に従い続ける道具こそが私であり………!!止まるつもりも………止められる必要なく………命令を果たすだけだと…………!!!それを邪魔するのならあんたも消す…………!!!さっさと消えろ…………!!!!」

 

「なら私も何度も言います!!私はあなたを止める!!そんなことをこれ以上やらせぬよう!!私はあなたを止める!!!誰も………殺させないと!!!魔血………開放!!!」

 

 右手で刀を抜きながら魔血開放を行い、私の髪の一部が赤く染まった。

 

 それに対応してドールも持っていたスナイパーライフルを構えてこちらを撃ち、それが戦いの合図とばかりに私とドールの戦いが始まった。

 

 月なき夜は終わらず、夜は魔を呼び続ける。

 

 その夜に免れた化物は何をなし?何を壊していくのか?

 

 神なき夜は………まだ終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                               ◆◆

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

「それで?どうする?誰から殺す?誰を生かす?選ぶのはお前じゃ。真血 狼」

 

「ふざ………けるな………。さっさと………全員を放…………せ…………」

 

「無理な話じゃな。それを選ぶなら全員が死ぬこととなる。もし先に誰かを殺すのなら………誰かの助けが間に合うかもしれんぞ?さぁ………選べ!!真血 狼…………!!!」

 

 鎖の崩壊の時は……………悪魔が放たれる時は…………もう近い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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