Warning!!!Warning!!!Warning!!!
前回以上に一部の人にとっては受け入れられない内容であり!!人によっては見れないため!!!今回の話の閲覧も自己責任でお願いします!!!
腕が折れる描写や………紅葉おろしが嫌いな人は!!今直ぐブラウザバックをお願いします!!
また、最後の方は文字数がギリギリでわかりにくいかもしれませんが!!どうかご了承ください!!
…………覚悟ができた人のみ残りましたね?では、狂気の53話を………どうぞ…………
ヴィラン連合合流地点、狼襲来30分前。
「ようやく脳無は止まりましたね。再生個性を持っていたせいで時間は掛かりましたが、2人共怪我はないようですし、ようやく生徒の救助に迎えます」
「ガスも晴れたみたいだし!!これで自由に動けるってもんだよ!!」
「大人なのに助けるどころか………また助けられちゃったわね……………。ほんと………面目が立たないというか………何というか…………」
「こんな自体なんですから仕方ないでしょ黒影さん…………。何か悪い気持ちになりますから元気だしてくださいって……………。気にすることじゃないですから…………」
全身にいくつもの目を持ち、そこから眩しいばかりの光を放ってくる4つ腕の脳無を倒した俺と黒影さん、ラグドールさんは現状を確認しながら、少しばかり力を抜いていた。
時間稼ぎが目的だった為かわからないが、再生個性を持っていたため時間は掛かったが、プロヒーロー2人もいたお陰もあってこっちのダメージは疲労以外はゼロ。
ガスを操る個性を持つヴィランを誰かが倒したのか、周囲に渦巻いていたガスもいつの間にかに消えている。
ヒミコは大丈夫なのだろうかと思いながら、俺は付けていたガスマスクを外す。
「百と洋雪が多分もう動いてると思いますが、俺達も早く生徒の救助に向かいましょう。黒影さんとラグドールさんの個性で見つけた奴は俺がどんどん運んでいくので、2人は生徒の捜査に集中してください。仮に脳無が出たとしても基本的には俺が対処します」
「ここら辺にいる脳無は虫みたいな弱い奴だし、それで問題ないと思うよ。私としては賛成賛成」
「私もそれで問題ないと思うけど………今回のヴィラン連合の狙いである爆豪君達は大丈夫なのかしら?狼君には私達がいるから大丈夫だとしても、爆豪君達には誰も付いていないし、危険じゃないかしら」
「………ムカつきますが、それなら大丈夫です。もう既に魚頭が彼奴等の所行って…………もう合流してると思います…………。何か腹立ますし…………殴りたくなってきますが…………」
「な、殴ることはないんじゃないかな、とりあえず……………。殴る理由もないだろうしね……………」
「いいえ。彼奴の顔を見るだけで殴りたいと思ってくるから仕方ありません。理由といえばそれが理由ですし、大して問題はありませんよ」
「理由になってないよ絶対…………。喧嘩の理由も含めてキレる事じゃないよ………多分……………。そこは少しは抑えてね………ヒミコちゃんも止めるの大変だろうから……………」
「そんな事言ってる間に周りをチェーック!さて………動けない生徒は………………」
「何処にもおらんぞ、そんなもん。お陰で退屈してもうたわ。じゃが………お主等は爺の遊び相手になってくれそうじゃな……………」
俺と黒影さんが放してる間周りをサーチしていたラグドールさんの前に突如、並々ならぬ殺気を持った老人が現れ、持っていた杖をラグドールさんに向けた。
咄嗟にラグドールさんと黒影さんを遠くに投げて逃した直後、俺の体が見えない何かに引き寄せられて大岩に叩きつけられ、俺はその場から動けなくなった。
動こうとしても更なる力に押されて身動きを取れず、苦痛の声しか上げられない俺に、老人は地面まで伸びる長い白髭を弄りながら近づく。
「ほっ、ほっ、ほ。ここ50年近くこの仕事をやっているが、ワシの個性『念動力』の力の中でも動ける奴は始めて見たわい。流石は血影とフェンリルの息子といったところか」
「誰!?あなた!?ヴィラン連合の仲間!?!?」
「おっと。紹介が遅れてしまってすまない。ワシの名は【ぬらりひょん】。お主等を殺すために来たただのそこらにいる殺し屋よ。以後よろしくの」
「個性『念動力』……………。見たものを視界に入る範囲内で自由自在に操作する……………。…………私色んなヴィラン見てきたけど、そんなに真っ赤な人始めて」
「ラグドールといったかの?やはりお嬢さんには各仕事は無理なようじゃ。そんなお主に折り入って相談なんじゃが、実はうちのボスがお主を欲しがっておる。よければこちらに来る気は────」
「ない。あんた達みたいな道楽の為に人を沢山殺してきた人達と、一緒にいるつもりはない。私は、ここで大切な仲間達と楽しくヒーローをやるだけだよ」
「そうか。それは残念じゃ。やはり説得は無理か。ならば無理矢理────」
「そんな事…………俺がさせるわけないだろ!!お前の相手は………この俺だ!!」
モード獣人のパワーで無理矢理念動力のパワーを引きちぎった俺はぬらりひょんの顎元に突撃し、右大振りのアッパーを奴にお見舞いした。
奴は吹き飛んだものの、アッパー自体は頑丈な鉄の杖で防いでいたようで、ぬらりひょんは1回転して音も立てず静かに着地する。
「痛たいのう。老人に対してはもう少し優しく接しんか」
「お前が大人しく捕まるのなら、少し考えてやるよ。どちらにせよ…………とりあえずは倒させてもらうが」
「狼君怪我は!?」
「少し体が痛いだけで大丈夫です!モード獣人なら念動力も何とか振り切れます!!ラグドールさん!!奴に関する有益な情報は!?」
「…………わからない。何というか彼奴の情報………継ぎ接ぎだらけの作り物みたいで………上手く読み取ることが出来ない…………。ついさっき言った個性以外の事は何も」
「情報アドバンテージはほぼなしですね。わかりました」
「ヒーローが老人相手に3対1か。近頃のヒーローは落ちたものよの」
「落ちたどうこうなんて事はどうでもいい……………!!ヒミコ達が傷ついてるかもしれない以上…………悪いがあんたに付き合う時間はない…………!!!大人しくどいてもらうぞ…………!!!!」
「そうはいかん…………!!ヒーローとその卵がどんなうめき声を発するのかが楽しみで重い腰を上げてここまで来たんじゃ……………!!!悪いが老人の道楽の道具になってもらうぞ……………若造共………………!!!!」
ぬらりひょんの放つ念力を空気の揺らめきの音と匂いで感知して躱し、俺はモード獣人で攻撃を仕掛けた。
奇襲のような形だった初撃と違い、この攻撃は簡単にいなされ、カウンターの念力を喰らいそうになるが、直様ラグドールさんと黒影さんが隙をカバーするようにして攻撃し、相手に何もさせないようにしていく。
「ほう………お主はまだ仮免資格持っているだけだというのに………プロヒーロー顔負けの攻撃をするじゃないか。連携の方も即席にしては悪くないようだし…………中々悪くはない」
「一体あんたは何で殺し屋なんてやってる!?静かに平和に日々を過ごすだけじゃ気が済まないのか!!」
「若造が、いけしゃあしゃあと言うじゃないか。…………ワシの生まれたのは超常黎明期。個性持ちは化物と罵られ、生きる価値すらないと殺される………そんな時代じゃった」
「なら大切な人が傷つけられる苦しみも知っているはずでしょ!?なのに何でそんなに人を…………!!!」
「……………大切な人?それが自身を殺そうとしてもそんな事を言えるのか?」
俺の腕に杖を叩きつけながら、老人は不気味に笑う。
「人というのは愚かじゃ………!!力を持った奴を見た途端人としての常識という鎖を失い………!!ただ眼の前の異物を殺すだけの獣となる…………!!ワシの生まれた時代は全てのものが獣じゃったからな…………ワシも生きる残る為に獣になるしか道は無く…………そしていつしか触れた。狂気と言う名の圧倒的な力に…………!!!守るべきものがあるから強くなれるというが…………それは違う!!狂気こそが力であり…………意志や願いなんてものはただの飾り……………!!!………その狂気の代償として殺すしか何も感じなくはなったが…………それも構わん!!!苦しむ声こそがワシの腹と喉を満たし…………!!苦悶の顔をして相手が死ぬ姿がワシの心を満たす…………!!!ワシはワシの中に狂気に従っているだけじゃよ…………!!!」
「長ったらしい事言ってるが………お前はただ狂気という獣に食われただけだ!!そんなものは強さじゃない!!!」
「人を助けたいという狂気に従うヒーローという獣になろうとするものに………そんな事を言われるとは………とても侵害じゃな」
「誰もが自らの中に獣を飼っている!!それを手懐け!!自らの意思でその獣とともに生きる!!!それが強さというものだ!!!」
「ならばその飼い殺された獣でワシを殺せるとでも…………!?」
付近にあった俺の体を優に個性ている大きさの2つの石が、俺を押しつぶさんと迫る。
「止めて………みせる…………!!」
それに対抗して俺は2式を発動。両側から迫る岩を切り裂き、その勢いのままぬらりひょんの体を切り裂いた。
命を揺るがす程ではないはずだが、かなり深くまで切り裂いたため、ぬらりひょんは痛みで腰を地面に付ける。
「まさかワシが傷を負うとはな…………。年は取りたくないものじゃ……………」
「………こいつが念動力を使うには腕を前に伸ばさないと駄目から………腕を縛っておけば大丈夫。これで何も出来ないわ」
「おいおい………まさかこれで勝ったつもりかい?お嬢さん」
「動かないで。何かするようなら峰打ちで気絶させる。何をしても無駄よ」
「まさか………まさか……ワシは何もせん……………。…………ところで狼といったか?お主には確か凛という妹がいたな…………」
「…………それがどうした」
「いや確かな………。ワシ等のボスがその名を時折嬉しそうに言いながら…………自らの顔の傷を撫でていてな…………。確か…………友以外に傷つけられた始めて傷だとか…………」
「傷………凛…………!!!!!まさかお前知っているのか……………!!!!!!!彼奴の事を…………あの化物の事を……………!!!!!!!」
「狼君落ち着いて!!一体どうしたの!?」
「そんなに焦らずとも近いうちに会えるじゃろうよ……………。ボスはお前さんと心底会いたがっていたからな…………………。…………さて、時間稼ぎはこれで終わりにしよう。ようやく援軍も着いたようじゃからな……………」
俺を含めた3人がハッとなってぬらりひょんから離れた瞬間、ぬらりひょんがいた所の木々や草木が捻れて壊れ、そこにいたぬらりひょんもまた………血を流しながら体の筋肉や骨が捻れ…………楽しそうな笑みを浮かべたまま死んだ……………。
今の事を行った奴らが、次々と森から現れる。
「何………これ…………?全部ぬらりひょん…………?」
「サーチしても全部本物って出てる…………。こいつ等全部…………ついさっきのぬらりひょんと同じ存在だ!!」
「馬鹿な!!そんなこと──────」
「ありえないじゃろうな、普通なら」
「じゃがワシは普通ではない」
「狂気に触れたものは…………一概の例外なく全て化物!!」
「ありえないことがありえなくなくなり…………」
「ありえないことが現実となる………………」
「貴様等が見てることは全て…………」
「ワシの中の狂気が生み出した現実よ………………!!!」
驚愕する俺達に言葉を発しながら、100は超えるぬらりひょんが獣に近しい匂いとともに森の影から現れ、全員が等しく狂気の笑みを浮かべた。
そんな中、今先程死んだぬらりひょんの体が突如真っ二つに分かれ、分かれた体がそれぞれ真っ白の球体となる。
「冥土の土産に教えてやろう。ワシは
「そして持つ因子と力はプラナリア。自らが体死ぬと2つに分裂し、同一の思考と考えを持ったコピーを作り出すことが出来る。つまり…………」
「自身を7回も殺したってことか………………。イカレ野郎め……………!!!」
「正解じゃ。やはり最近の若者は物わかりがよい。そして…………今死んで分裂したものを合わせ…………ワシの数は130……………!!そして分裂体は当然ワシの個性をも使える……………!!!」
そう言いながら放たれた念動力によって、俺達3人は俺がつい先程叩きつけられた大岩を突き破りながら、奥にある岸壁に叩きつけられ、全身の骨という骨と筋肉がミシミシと悲鳴を上げる。
「ワシの個性で放てる力の限界はつい先程の大岩2つを放り投げれる程度の力じゃが…………ここまで数が入ればそんな事は関係ない」
「ボスが生徒とは別での回収を望んでおるラグドールと狼は別として…………」
「回収する必要のない黒影でたっぷり遊ぶとするかの……………!!」
「や…………せ……………か………………」
「声を出すのすら苦痛じゃというのに…………まだ口を開くか。少し痛い目を……………」
「ま……………つ…………………55………………………開放………………!!!」
全身からみなぎる力と全身の赤い痣ともに、無理矢理念動力を振り切った俺は岸壁から離れ、一度構えを取って跳躍し、前方にいた10人のぬらりひょんの心臓をまとめて拳で貫いた。
それによりラグドールと黒影さんは激痛で気絶しながらも開放され、心臓を貫かれた10人のぬらりひょんは白い液体となって消えていく。
「魔血開放……………。…………そういえば、お主と血影はその技で身体強化が出来るんじゃったな。発動させるためには血を飲まなければならないと聞くが大方…………今のは自らの口を噛んで血を吸ったというところか」
「お陰で口の中血だらけだけどな………。クソジジイにいいようにされるよりは…………100倍気分がマシだが」
「それに加え………ワシを分裂させず殺す方法を直ぐに察知するとは……………中々頭も回る」
「仮にプラナリアの能力を持っていたとしても………結局の所ベースは人間。使える能力には必ず限界はある…………。そう考えて人間の核といえる心臓を破壊したら……………案の定だったってだけだ。そんな過剰な評価をもらうほどのことはしてないし…………お前なんかの評価もいらん…………!!あの化物の事を今直ぐにでも教えろ…………!!!」
「放していいと言われたこと以上のことを喋るほど…………ワシは人というものが出来ておらん。何よりこんな食いがいのある獲物を目の前にして…………ワシの中の獣が黙っておられるわけがなかろう…………!!!精々ワシを満たしてくれ……………!!!!」
「何としてでも…………聞き出してやる…………!!!!」
そう言いながら俺は四肢という四肢に気を可能な限り満たし、眼前の敵の心臓を破壊することにのみ意識を集中させた。
モード狼の素早い動きと嗅覚、聴覚で念動力を躱しながら接近して直様モード獣人になり、眼前の敵の心臓をひたすらに破壊していく。
時折ぬらりひょんは俺に心臓を破壊されそうになっている自身の分裂体を俺ごと攻撃し、俺を攻撃しながら数を増やしていくが、それも構わず俺は攻撃し続ける。
躱しては心臓を破壊し………体が動かずミシミシという度に念動力を振り切り…………完全に分裂する前に分裂体を破壊し…………体が徐々に徐々に壊れそうになりながらも…………ひたすら眼前の敵の心臓を破壊し…………体力が切れ掛ける辺りでようやく…………ぬらりひょんは本体を含め10数人程となった。
「まさか………あれ程の数をここまで減らすとはな…………。正直………お前さん事を見くびっていたわ」
「あと………14体と………本体…………!!まだ………まだ……………!!!」
「じゃが………お主は既にボロボロ…………。ワシを捕らえるだなんてことは………夢のまた夢じゃよ……………」
「まだ…………止まれない…………!!まだ…………何も知っていない…………!!まだ……………俺は……………!!!」
「威勢の言いことは結構じゃが…………もう少しお主は周りを見たほうがいい……………。ワシだけに意識を集中させて…………それでもよいのか?」
「黙れ………!!黙れ…………!!!お前だけは絶対に─────」
「なら…………あの2人は死ぬしかないの。友を2度も失くすとは心底同情するが………仕方ないの」
俺が本体に攻撃をぶつけようとした直前………知っている2つの匂いが脳無独特の匂いとともに近づき………俺は思わずそっちの方向を見てしまった。
「百…………洋雪…………!!どうして…………脳無なんかに捕まって─────」
「気にしたはいいがよそ見はいかんの………!!それでは隙だらけじゃろうてな……………!!!」
思考の追いつかないまま俺は上方向からの念動力を受け、その場に叩きつけられるようにして、体全体を強く地面に付けた。
地面は徐々に陥没していき、俺の内蔵までもが悲鳴を上げる。
「荼毘から脳無という物を貰っての。近頃のものは使い方がわからんし、そこらの森をウロウロさせておったんじゃ。その結果2人も獲物を取れるとは………近頃のものも捨てたもんじゃないの」
「すまねー…………。気づいたら………気絶させられて…………いつの間にか捕まってた…………。ごめん…………ドジ踏んじまって……………」
「そこの男の方は意識があるようじゃが………女の方はまだ意識が戻らないようじゃの。まぁ…………人質としては十分じゃが」
「まだ………まだ…………!!魔血………完全─────」
「人質がいるという事を忘れたか?なら………その苦しむ声を聞けば思い出すかの。脳無やれ」
「ネホヒャン!」
「わかった………!!抵抗しない……………!!だから今直ぐ脳無を止めろ……………!!!」
俺が必死になる顔を見れて満足とでもいうように、ぬらりひょんは幾つもの腕とチェーンソーなどの武器を持った脳無を止め、チェーンソーは百の首一歩手前で止まった。
「さて………気絶しておるがつい先程の2人と合わせてこちらの人質は4人。そうじゃな…………………少しゲームでもするか」
そう言いながらぬらりひょんは影で分裂していた30人ほどの分裂体に指示を出し、付近の適当な巨木4本を抜いて宙に浮かべるとともに、それぞれの木に百達を念動力で貼り付けにした。
狂気的な笑みを浮かべながら、上からの念動力で動けない俺に奴は近づく。
「何を…………する気だ……………。何を…………考えている……………」
「言ったじゃろ、ゲームでもするかと。今からやるゲームの内容は至ってシンプル。ワシが身体のパーツの名前を書かれたカードを引いてその部位の名前を言い…………お前さんはそれに対して自らの名前を含めたここにいる人間の名前を言う。そしてワシはお前さんの言った名前の人物のパーツを破壊し……………カードを全て引き終えたらゲーム終了。それまでに生きてた人間を開放するという………内容のものじゃ。要は…………お主の善悪を図るゲームじゃよ」
「……………要は、俺以外は無傷で逃がすことも出来るってことか………………」
「まぁ………上手くいけばの話じゃがな」
「狼やめろ!!そんなゲームに乗る必要なんて────」
「うるさいの。お主に選択権は与えられておらん。選ぶのは全てこいつじゃ。それとももう………………」
「ネホヒャン!!」
「洋雪………黙ってろ。俺が傷つけば………お前等は無傷でいられるかもしれない。…………それに………もしかしたら…………誰かの助けが来るかもしれないしな」
「狼お前……………」
「このゲームで選択権を持った奴は全員そう言うが………最終的に半分は痛みに耐えられずショック死するか…………半分は自らの仲間を売って殺し…………生き延びた。お主はどちらになるかの…………?」
「どちらになる気も…………死ぬ気もない…………。ゲームに勝つのは俺だ……………」
「では早速始めよう。まず最初のカードは…………右尺骨」
「真血 狼が………痛みを受ける」
「よろしい。では」
「……………!?!!?!?グッウゥゥゥゥゥゥゥッッッガアアァァァァァァッ!!!!!!!」
「では次…………左上腕骨………………」
「ハアァッ…………真血…………狼………………」
「では」
「ガアアアアアァァァァァァァァァルルルルルルッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
「では…………」
………………正直な話………ここに誰も助けが来ないことは………俺が誰よりも理解していた。
どいつも脳無相手で手一杯だろうし…………宿から一番離れているここは…………一番誰かが来ない場所だ………………。
ああは言ったが……………俺は……………………
「カードの残りは残りもう半分切ったわけじゃが………彼奴の意識はもうないようじゃな。これではゲームが成り立たんし……………どうしたものか」
「なら俺が変わる………!!俺が代わりに痛みを受ける………!!だから─────」
「黙って……………ろ……………。ゲームは……………こ…………まま…………する………………」
「ほう。まだ意識があったのか。ならばわかった」
「もう止めてくれ…………。このままじゃ…………お前はショック死する………………。お前が…………これ以上傷つく必要は……………」
「いい………だ……………………。でき………そこ………ないのいのちで…………命を繋げるなら……………それで……………いい……………」
「ならば…………いいのじゃな?」
「ああ…………やれ」
「ワシの引いたカードは胸骨柄………!!」
「真血…………狼……………!!!」
「では……………!!」
「あ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛!!!!!!!」
「では次………!!」
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「はあぁ……はあぁ……はあぁ……はあぁ…はあぁ……はあぁ……はあぁ……はあぁ……はあぁ……はあぁ……はあぁ…はあぁ……はあぁ……はあぁ……はあぁ……」
「まさか………ショック死することも仲間を売ることもなく…………最後のカードに行き着くとはな。まったく…………お前さんの生命力と精神力には驚愕を通り越して呆れてしまうわい」
「痛みには………耐性があるんでね…………。さぁ……………最後のカードを早く言え…………!!!」
「わかった……わかったが…………ここで少しゲームのルールを変えさせてもらう」
「嘘だろ…………負けそうだからってきたねーぞそんなの!!!!」
「死を待つお主達に生きる道をくれてやったんじゃ。このくらいは当然じゃろ」
「変更内容は何だ………………!?!?」
「最後のカードは心臓。破壊すれば間違いなくそいつは死ぬ部位じゃ。じゃが………このままではお主が死にかねん。ボスがお主とラグドールを欲しがっている以上…………殺すわけにはいかん」
「まさか…………!!!」
「そうじゃ………!!次の選択肢は黒江 忍………!!泡瀬 洋雪………!!八百万 百…………の3人から選んでもらう!!選択権はお前にある!!さぁ選ぶがいい!!!」
バキンッ………バキンッ…………
ぬらりひょんがその言葉を発する度に…………俺の中の鎖が1本ずつ壊れていくのがわかった。
俺が…………俺でなくなる…………コワセ………………。
「最初から俺達を生かすつもりなんてなかったんじゃねーか!!!ふざけるな!!!狼があんなになってでも命を繋ごうとしたのに…………こんな事!!!!」
「ワシはな………お主が今見せてるその表情が見たくてこの仕事をやっているんじゃよ…………!!僅かな希望を求めて絶望へと歩き…………そして絶望しながら死んでいく姿がたまらないんじゃよ………!!!ワシが悪い大人で………残念じゃったな…………!!!…………それで?どうする?誰から殺す?誰を生かす?選ぶのはお前じゃ。真血 狼」
「ふざ………けるな………。さっさと………全員を放…………せ…………」
「無理な話じゃな。それを選ぶなら全員が死ぬこととなる。もし先に誰かを殺すのなら………誰かの助けが間に合うかもしれんぞ?さぁ………選べ!!真血 狼…………!!!」
駄目だ………駄目ダ………ウバエ……………!!
誰かが……マタメノマエで死ぬ……………ニクメ……………!!!
また………ダレカガ零れオチル……………ナクセ……………!!!!
また………ナニモデキナイ……………コロセ…………………!!!!!
オレガ…………オレデ………………………
コロセ…………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ………………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ………………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!! コロセ…………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ………………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ………………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ………………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!コロセ………………!!!コロセ……………!!!コロセ…………!!!!コロセ……!!!!!!!
バキンッ!!!!!
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「………何じゃ?いい所ででショック死か?なら………今直ぐこいつ等を──────」
「コワセ………………」
「(………?どういうことじゃ…………?彼奴の周囲には100倍の重力に匹敵する圧がある上………全身の骨は砕け散っているはず……………。なのに何故立ち上がることが─────)」
「ウバエ………………」
「…………!?何じゃと………!?腕を軽く降った風圧で4人を貼り付けていた巨木と脳無を破壊したじゃと…………!?それに何じゃ………彼奴の全身から吹き出している赤黒い血のようなエネルギーは………!?」
「狼…………?」
「ニクメ………………」
「ならば再び拘束するまで………!!ワシ含めた190人の念動力を喰らえばさしものお前さんも──────」
「ナクセ………………」
そう呟きながら狼は左腕を振りかぶって放ち…………次の瞬間70人ほどの分裂体のぬらりひょんと本体のぬらりひょんが全身から血を流しながら10メートル程吹き飛び…………俺の肩からも鮮血が走った。
今のは………間違いなく俺達を巻き込んでも構わないって攻撃だった……………。
何だ………彼奴に何が起きてるんだ…………!?
「泡瀬さん………ここは…………?……………狼さん?」
「八百万………これは……………」
「貴様よくもやってくれたな………!!じゃが今のでワシの数は330にも増えた…………!!!貴様なんぞ──────」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ………………………コロセ………………」
「狼が………自分の血を飲んだ」
「けど………いつもの赤い色じゃない………。それに目が………金色に…………」
狼の動き自体はいつも魔血開放をする時のように腕を噛んで血を啜っているが………髪が赤ではなく黒に染まっており…………目の色が黒からドス黒い金色に変わった。
その姿を見ているだけで体が震え………今直ぐここから逃げ出したいという感情で頭が塗りつぶされていく………。
「マケツ…………
その声とともに狼の体が3メートル程に巨大化し、金色の目を持った黒い狼の頭から放たれる遠吠えで、狼以外は全員3メートル程吹き飛ばされた。
今にも腰が抜けそうになるのをどうにか抑えながら、俺はラグドールさん、八百万は黒影さんを背中に担いで一歩後ろに下がる。
「何じゃこれは……………こんなの話に聞いておらんぞ」
「じゃが数では圧倒的にワシ等の方が上………!!」
「こんな奴…………圧殺してくれるわ…………!!」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ……………」
「八百万………黒影さんは持ったな」
「はい………背中に」
「コロセ……………!!!!!」
「今直ぐここから逃げろ!!!!!」
俺が叫びながら全力で走り出すのに1歩遅れて八百万が走り出した瞬間…………辺りは爆撃を受けたような轟音と高熱に襲われ…………今ので50を超えるぬらりひょんが炎の中に消えた。
「何じゃと!?全身の体毛を針のように飛ばし………それを小型ミサイルのように爆破したじゃ───────」
「ひ、怯むな………!!核である心臓が壊されていない以上今殺られた奴も直ぐ復活する………!!!」
「こんなガキ如きに負けてたまるか…………!!!」
必死になって逃げ出していく俺達とは対象的に………ぬらりひょんとその分裂体は果敢に狼だった何かに向かっていくが………その半分以上は瞬きをする間に消えて死んでいった…………。
モード獣人になっている狼は全身の毛を辺り構わず飛ばしながら、迫りくるぬらりひょん全てを爆破し、眼前に迫った30人を左腕の一撃で圧殺。
近づいては勝てないと思ったのか、分裂して復活した分裂体とまだ残っていた分裂体は6メートル程距離を取って念動力を浴びせるが、何ともないとばかりに狼はモード狼となり、念動力を放った全員の心臓を刃のような形状と硬さに変化した尻尾で頭から真っ二つに切り裂いていく。
「くそっ!!畜生!!何なんだよ!!!何なんだよ!!!」
「狼さんはUSJでも暴走したと聞いていましたが…………こんな風にはなっていなはずです!!」
「なんかもうわけわかんねえ!!!どうして…………どうして…………どうして狼はあんな風になってるんだよ!!!!」
「逃さんぞガキ共………!!!」
「ぬらりひょん!?」
降り注ぐミサイルを躱しながら走る俺達の目の前に突如、20人程のぬらりひょんの分裂体と杖を持った本体が現れ、俺達の行く手を阻む。
「こうなればヤケクソじゃ………!!貴様等だけでも殺して………地獄へと道連れにしてくれるわぁぁぁ!!!」
「念動力………!!体が木から動かない………!!!」
「おい!!止まってたらお前達まで死ぬぞ!!!」
「知ったことか………!!ここにいる20人以外の全てにあの化物の足止めをさせてる以上………お主等程度を殺せる時間ならある…………!!!首の骨をへし折って───────」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ……………!!!!!」
首の骨がミシミシといい出した瞬間、突如咆哮のようなものがこちらに放たれるとともに、俺達を木に貼り付けていた分裂体のぬらりひょん全ての上半身が粉々になって消えた。
今の攻撃で足を怪我したのか………本体のぬらりひょんは迫る狼から逃げることも叶わない。
「骨を折ったというのに動き…………100を超える分裂体を一瞬で殺すとは………この化物め!!!来るな!!!来るな!!!」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ…………………………」
「狼!!もういい!!もう十分だ!!!」
「これ以上そんな戦闘をしたらあなたの体が保ちません!!今直ぐいつもの狼さんに戻って!!!」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ…………………コロセ……………」
狼は俺達の声を一切聞かないまま、モード獣人のパワーで暴れるぬらりひょん本体を地面に叩きつけ、奴の全身の骨を粉々に破壊した。
そのまま狼はぬらりひょんを地面に押し付けながら、彼奴の背中を強く掴み、モード狼となる。
「まさか………これはまさか…………!?!?やめろ…………やめてくれ……………!!!!ワシが悪かった…………!!!!だから今直ぐやめてくれ……………!!!」
「コロセ…………!!!コロセ…………!!!コロセ……………!!!コロセ……………!!!!コロセ…………!!!!!」
「や、やめてくれぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「コロセェェェェェェェェェェ………………!!!!!」
必死な形相で懇願するぬらりひょんを足に掴んだまま…………狼は森の木々を破壊しながら突撃して…………地面に擦り付けているぬらりひょんを原型を止めないまでに磨り潰していき…………俺達に残ったのは陥没した地面の道と…………それに沿って滴る赤黒い血の跡のみとなった……………。
脳無に気絶させられた時以外の怪我以外はないものの………俺達は体に力が入らず………つい先程まで貼り付けられていた木に寄りかかるようにして座り込む。
「そんな………狼さんがあんな風になるだなんて…………。私が………人質ならなければ……………」
「言うな!!何も言うな!!あんなのは狼じゃない!!!」
「泡瀬さん…………」
「彼奴は…………誰よりも強がりだけど優しくて………誰よりも命を大切にしてる奴だ…………!!あんなの………あんなの彼奴じゃない…………。くっそ………くっそ…………何がどうなってるんだよ!!!!!!」
俺の虚しい叫びは月のない暗い夜に消えていき………ただただ虚しさと情けなさが…………俺の中に残っていった。
◆◆
肝試し第一ポイント。ヴィラン連合合流地点、狼襲来5分前。
「な、何あれ!?狼君!?手に持っているのはヴィラン!?!?」
「森の木々をなぎ倒してここに来たのか!?しかも理性を完全に失っている………!!くっそ………こっちは脳無で手一杯だというのに…………!!」
「ほう………脳無6体を回収しに来たらまさかあの時のように真血 狼が暴走しているとは…………」
「黒霧!!ヴィラン連合の!!」
「悪いですが………あなた達プロを相手も………あの化物のしている暇はありません。脳無を回収しましたし……私はこれで帰らせてもらいます」
「くっそ!!逃げられたか!!!」
「けどまだ暴走してる狼君が残っています!!」
「全員が消耗というのに…………このままでは……………!!!」
マンダレイ達4人のヒーロー全員が死を覚悟したその時、狼は上空に視線を向けた。
「コワセ………ウバエ………ニクメ………ナクセ…………コロセ…………」
そう呟くと、狼は視線を向けた方向に跳んで行き、その場には死にかけているヴィランと、狼の残したクレーターのみが、そこには残った。
自分達を放置して突如狼が起こした謎の行動に、4人は不安の表情を顕にする。
「何故……あの方向に?向こうには森しかないぞ?」
「いや………確かあっちの方向にヴィランが3人くらい飛んでいった気配がしました…………」
「それを追ってヒミコちゃん達の気配もあっちに…………」
「まさか………狼君はそれに追って!?!?」
「マンダレイ!!向こうの全員に警告しろ!!ここのままでは死者が出るぞ!!!」
◆◆
ヴィラン連合合流地点、狼襲来3分後
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ………………………コロセ………………!!!!!!」
「狼……何でこんな…………」
「狼君………完全に理性を失ってる。USJの時にギリギリあった思考も完全に飛んで………もうただ目の前の壊すことしか考えてない!!」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ…………………」
「腕が……腕が………」
「コンプレス大丈夫か!?あーくっそ!!何がどうなってるんだよ!?」
「あれ見た人は、全員そう言ってるでしょうね。ほんと………びっくりするくらい黒いオーラ。私達を殺したくてたまらないみたい」
「へー……そうですか」
「ならこっちも殺す気でやんないと駄目か」
「真血 狼の排除を…………」
『待てよ。あれは俺の獲物だ。誰にもよこすつもりはない。お前等はさっさとどきな』
突如辺りに響いた声とともに、ヴィラン達はUSJで見た泥のようなものと共に消え、この場には1度私達以外誰もいなくなった。
そしてその直後、USJ同様泥のようなものが溢れるとともにUSJの時にいた仮面の男が現れる。
「また会えたな真血 狼…………。…………いや、ここではお兄ちゃんとでも呼んだほうがいいのか?」
「コワセ……………ウバエ…………ニクメ……………ナクセ…………………」
「おいおい……それはないだろ。俺が誰かわからないのか?なら………これならわかるか?」
男がそう言うとともに仮面を取った直後、狼の気配が怨念のようなもので溢れる。
「カエセ………!!カエセ………!!カエセ………!!カエセ………!!カエセ…………!!」
「おう……俺のことがようやくわかったみたいだな。そりゃそうか………この顔の傷の匂いだけは………忘れられるわけないもんな…………!!!」
「カエセ………!!カエセ………!!カエセ………!!!カエセ………!!!!カエセ…………!!!!!」
「さぁ遊ぼうぜ化物同士…………!!!あの夜の続きをな………!!!!」
魔を呼ぶ夜に揃った獣2匹。
狂気に食われた獣と獣の戦いの夜は…………まだ…………終わらない。