息抜き時間(20分)を何度も使ってようやく完成…………。
まとまった時間を作れないのはやっぱ辛いですね…………
こんな感じであと2週間ほどはかなり投稿頻度は遅いですが、気長にお待ちいただけるととても助かります。
それとなんと嬉しいことに!新しいキャラ提案が3つ程届きました!!
キャラ提案についての説明を見てやってくれたという人も結構いたようで………改めて説明の大切さを思い知らされました。
この3つは採用しましたが、まだまだキャラ提案は受け付けているので、ご気軽に提案お願いします、(採用しない場合もあるので………そこはご了承を…………)
「わざと口頭で人を集めて混乱させた所を一気に叩く!?おいおいおい……そこまで考えた上で実行したって………それ何かの冗談か?」
「冗談で言うわけあるか。事前に仮免試験についての下調べをやっている時に、雄英潰しにがあると知ったらしくてな。学校規模でやることを止めるのは無理だろうから、いっそのこと利用してやろうっていう、話になったらしい」
「かなりの戦略家とは聞いてたが………まさか雄英潰しを知った上で利用するなんてな…………。…………お前には悪いが………はっきり言ってヒーローのやることじゃないぞ……あれ」
「魔王大魔王自体が………色んな意味で何処までも異質というか………おかしいというか………ヴィランっぽいというか…………えげつないヒーローだからな。あれも自然と影響受けてんだろ」
「魔王大魔王の娘は血が繋がっていようがいまいが………結局えげつないところを引き継いでるってわけね………。………ところでよ、イレイザーは息子と娘だったらどっちが────」
「どっちもいらん。そもそも付き合ってすらねぇからな」
「ええぇぇー!いいじゃんか答えてくれたって!どっち欲しいか聞いてるだけだろ!?」
「知らん。答たえるのも非合理的だ。あと暑苦しいから近寄ってくんな。面倒くさい」
こっちにやたら寄ってくるジョークを適当に払いながら、俺は改めて試験の状況を確認した。
6校程の他の高校がA組を取り囲んでおり、一見するとA組が圧倒的不利に見えるが、その実態は全くの真逆。
ヒミコや飯田、緑谷などの、近距離戦に長けたものが相手の密集している場所に突撃して、陣形を崩し。
常闇、瀬呂、芦戸などの、中距離戦に長けたものが追い打ちをし、更に場を混乱させ。
八百万や青山、口田などの遠距離戦に長けたものが更に追撃し、相手を完全に戦闘不能にする。
シンプルながらも強力な連携を前に、他校は何もさせてもらえず、自身のポインターを守りながら味方などお構いなしに逃亡するか、A組の攻撃をやられるがまま防戦を展開し続けるしかなくなっている。
このまま行くのであれば、A組全員は楽々1次試験を突破し、対した疲労もなく2次試験に挑めるだろう。
「………まぁ、このまま行くほど甘くはないだろうけどな。どう考えても」
「随分上から語ると思ってたけど、ちゃんとわかってるじゃないかイレイザー」
「ウチはずっと前から少し先を見据えてるが、ヒーローを目指すやつは星の数ほどいる。何より………こんな一方的な状況でも目が死んでいない奴が………あの中にまだいる」
「ヒーローの志の高さに有名も無名もない。主役面して他の奴見下しってと、返り討ちに遭うのはそっちかもよ」
「見下してんなら、あんな連携最初からやってないだろ。………彼奴等は常に真剣だ。強くなるのに必要だったら同い年の奴に頭だって下げるし………自身の過去とも向き合おうともする。…………例えその過去そのものが消え………罪の思いだけが………自らにあろうとも」
「過去そのものが消える………?それってどういう事だ?」
「………?今………俺そんな事言ったか?」
「いや………罪がどうこうって…………」
「逆にそんな事言ったとしたら………俺は一体何でそんな事をを口走ったんだ?罪を背負ってる奴なんて………うちのクラスには誰も………────」
そう言いながら首を傾げている最中、相澤は突如頭を抑え、言葉にならない苦悶の声を上げた。
あまりの痛みによって、目の前がの景色がうねり、相澤の意識が少しずつ遠くなっていく。
「おいイレイザー!!どうしたんだよ!?お前具合でも悪いのか!?」
「頭が…………割れる……………。意識が………もってかれる……………」
「誰か!!医療系のヒーローはいないのか!?オイしっかりしろよ相澤!!意識をしっかり持て!!イレイザー!!相澤!!!」
「俺は………俺は……………」
◆◆
「くっそ!!今度は蔡英高校の奴が逃げた!!このままじゃ数の有利がなくなって押し切られるぞ!!」
「おいおい!!俺等も逃げた方がいいんじゃねーのか!?」
「逃げるたって何処に!?下手に人が集まってるせいで逃げようにも逃げられないぞ!!!」
「何だよこれ!?体育祭の時の雄英と全然違うじゃねーか!!!」
仮免試験が始まって約2,3分程度。
この場は私達の完全独壇場となり、未だ混乱が収まらない対雄英同盟の人達は何かする前に気絶するか拘束されていき、開始直後は壁のようだった光景も明らかに割れ目見える程度には人の数が減っていった。
刀とナイフを持ち直し、今度は真堂君に狙いを付けて、私は再度突撃する。
「おいおい!!今度はこっちに来るのかよ!!!君大人しそうに見えて結構好戦的だね!!!」
「ここまで数で囲んでおいてあなたがそう言いますか!?あなたこそかなり策略家ですね!!!」
「その策略家が立てた策を楽々と突破しといてよく言ってくれるよ!!!」
「私を含めみんな強いと言ったはずです!!負けるつもりもありませんし!!手を抜くつもりもありません!!!血闘術2式!!『M9バヨネット』!!!血闘術3式!!『SAMスティンガー』!!!」
気を刀とナイフに流し込むと共に2本の武器による連撃を仕掛け、そのまま流れるように回し蹴りを真堂君に放った。
刀とナイフは咄嗟に後ろに下がって躱したものの、流れるようにして放たれた回し蹴りは防げなかったらしく、真堂君は軽く吹き飛び、蹴りが当たった足の部分を抑えた。
更に追撃して拘束しようとするが、横方向から傑物学園の人達のボールが飛んできたため回避に専念しなければならなくなり、私は一度後ろに下がる。
「あまり前に出るな真堂!!お前は既に一個ポインターが光っている!!!」
「強いとは最初から思ってたけど………予想の何倍も上だね………これは」
「けどまぁ……今ので見えて来た」
「こっちも出し惜しみなんてしていられない。少し本気で行くよ」
そう言いながらマスクをつけたような顔をした人はボールをこねて固くし、それを同じく傑物学園ののっぺりした顔の人に固くしたボールを渡した。
のっぺりとした人はボールを受け取り、狙いを定めて構える。
「これうっかり僕が一抜けする事になるかもだけど、とりあえず数減らさないとだから多めに見てくれよ。まずは一人仕留める。『”ブーメラン”軌道弦月』。ターゲットロックオン!!」
「ボールが地中に!!」
「皆下がって!ウチやる!」
響香ちゃんはそう言うと前に出て、両手の音響増幅装置に耳たぶのジャックを挿し込み、両手を地面につけた。
「
音響増幅装置のよって増幅されて放たれて地面に放たれた爆音は地面を軽く刳り、それによって地面潜っていった飛び出して来た。
「オイラの方に来てるう!!」
「これはほぼ間違いなく追尾弾!!避けてもまた追ってきます!!」
「なら今度は私に任せて!粘度溶解度MAX!『アシッドベール』!!」
三奈ちゃんは粘性の高い酸を放ち、ボールが向かう先にいた実君を守るような形で膜を張った。
追尾弾の特性上目の前の壁を避けられないボールはそのまま膜に突っ込み、ドロドロになって溶けていく。
「助かった!いい技だな!」
「ナイスガード!ナイスです!」
「ドロっドロにして壁を張る防御技だよー」
「マジか」
「今の割と自信あったんだけどね」
「隙が生じた。前に出て仕掛ける!『
「こっそり私も行っちゃうよ!!」
「声出してる時点で全然こっそりじゃないけどね!!」
踏影君は
即座にギザギザな歯の人は上半身を下半身に仕舞って攻撃躱し、他2人も攻撃とボールを躱すが、優雅君のレーザーや百ちゃんの砲撃などが追撃とばかりに襲いかかり、それを躱すように傑物学園の人達は全員後退気味で下がっていく。
「ふー……強い。下手に攻撃なんかしたら反撃でお陀仏だよ」
「体育祭で見てたA組じゃない………どころの話じゃないね。全員全くの別人だよ」
「無理に前進しなくていい!下手に前進したら数で囲われて終わりだ!!」
「ここまで数が多いとなれば何処に攻撃をしたとしても絶対に当たります!全員この状態を維持!!攻撃をし続けて場を混乱させ続けて!!」
「1対多数の状況では多数側は味方に攻撃を当てないよう!攻撃をする前に必ず躊躇します!!近距離戦をする人は必ず1対多数の状況で戦闘!!このアドバンテージを活してください!!」
「おいおい本当に敵に同情しちまうなこの状況!」
「ウチの中でも戦術に詳しい緑谷と八百万にヒミコが手を組んだ!マジで相手何も出来ねーな!!」
「3人が作ってくれた状況を活かしてこのまま押し切る!!全員気を抜かずこのまま行くぞ!!」
こちらの指揮も状況も完璧。普通であるのならば、このまま押し切れるのだろう。
だが、ヒーローとは不可能を可能にする者。
そんな者の目が死なない限り、状況はどうなるかわからない。
「ようやく痛みが………収まった!ここで一度場をリセットする!!」
「オイ!正気か!?」
「ここでやったら自分含め全員分断されるぞ!!」
「構わないさ!このまま雄英の思うがままの盤上の方が嫌だしね!!それに………無名とはいえ全員ヒーロー目指してるんだ!!このぐらいどうせどうにかするだろ!?」
「不味い………!!全員防御体制!!!」
「もう遅い!!君達のワンマンゲームはここで終わりさ!!………最大威力!!『震伝動地』!!!』
防御態勢を取る暇もなく、真堂君の個性によって地面に大きくヒビが入り、ここら一体の地形の全てが陥落した。
あまりの威力に全員がその場から放り出され、バラバラの場所に飛ばされていく。
「無茶苦茶するなぁオイ!!」
「グッ!!」
「デク君!!」
「皆さん!!」
自分を守る事で全員が手一杯であり、衝撃から逃れるため。私は一度その場から離脱した。
傑物学園も含めた全員が分断されたようで、下手に動いて誰かを探し出そうなんてしたら間違いなく囲まれてしまうだろう。
「とりあえず何処かの建物に身を潜めて………一度潜伏を─────」
「渡我 被身子発見。対象の排除を開始する」
突如後ろから声が聞こえるとともに、躱す暇もなく懐に飛び込まれ、背中に付けていた私のポインターの一つが点滅した。
ボールを当てた………というよりボールで殴って、ポインターを点滅させた黒いフードを被った士傑高校の制服を着た人を追撃するが、ボールもナイフも当たらず、かなり距離を取られてしまう。
「乱戦の状況ではあんた個人に狙いを定めづらかったけど、真堂 揺が全員を分断してお陰でどうにか1対1にすることが出来たよ。これでようやく任務を開始出来る」
「他の士傑高校の人はいないんですか?」
「いても邪魔だから連れて来るわけないし、全員自由人だから勝手に分散した。エリート校がどんなものか思ってたけど、思ってた以上に大したことないね。あんた等雄英と同様にね」
「言ってくれますね…………。悪いですが………みんなを馬鹿にした人に負けるつもりはありませんよ」
「そうじゃないと任務を遂行出来ない。やるのなら殺す気でやれ。こっちは………あんたを今直ぐにでも殺したいしね………!」
そう苛ついた口調とともに、黒いフードを被った人はボールを牽制とばかりに投げながら接近し、崩れた足場を使って細かく動きながらこちらに接近して攻撃を仕掛けてきた。
魔血開放をして身体能力向上させるとともにボールを躱し、寄ってきたフードの人の攻撃を捌きながらカウンターを仕掛けようとするが、刀の動く軌道を読まれて攻撃を躱され、逆に手刀によるカウンターを喰らってしまう。
「は、早い!まさか斬撃を見てから躱すなんて!」
「一応これが私の個性みたいなもんだからね。で?どうしたの?いつになったら殺す気でやるの?」
「本気ではやりますが………殺す気でだなんてできるわけないでしょ!ヒーローは人殺し何かじゃない!人を当たり前を守るためにあるんです!!」
「じゃあ何?人殺さないで生きることが出来るの?何もしないのなら踏み潰されて死ぬだけなのに、あんたは相手を殺さないの?どうして?教えてよ。どうやったら相手を殺さないで生きれるの?」
カウンターして1秒も待たず接近して、フードの人が攻撃を仕掛ける最中、突如としてそんな事を聞いてきた。
突然の問いかけに、私は押し黙ってしまう。
「答えられないの?あんな事言ったのに答えられないの?ねぇ、何とか言ってよ」
「相手を殺さなければ生きることが出来ない状況なんてわかりませんし……………私が人殺さない事に理由なんてありません。ただ…………普通に生きるために…………普通に生きて欲しいから人を─────」
「殺さないで欲しいって言いたいの?笑わせんな。誰も誰もが普通を持ってるわけじゃない。全部持ってない奴だっている。そんな奴等が生きるためには…………眼前の当たり前を壊してでも戦い続けるしかない」
「………何でそんな事を言いだしたのかはわかりませんが…………仮に目の前の当たり前を壊したとして………一体その先に何があるんですか?」
「知らないよ。そんな事考える暇があったら前に進む。進まなきゃ死ぬだけだからね」
「あなた…………ほんとに士傑の人?それにこの気配………やっぱり前に何処かで──────」
「おい!彼処に雄英の奴がいるぞ!」
「おまけに士傑の奴までいやがる。こうなったら先手必勝だな」
「また同士撃ちでポインター点滅なんて嫌だからな!これ以上何かやらせる前に!!彼奴をここで叩くぞ!!」
私が何処か迷いながらも言葉を発しようとした最中、比較的分断されなかったらしい他校の人達18人程が瓦礫の影から現れ、手刀と刀をぶつけ合っていた私達に向かって攻撃を放ってきた。
フードの人と私はお互いに別方向に跳躍して攻撃を躱し、次々と放たれる攻撃をそれぞれ躱していった。
何とか攻撃を躱して私は応戦体制取るが、フードの人はこれ以上戦うつもりはないらしく、周囲を確認すると離脱の構えを取る。
「ほんと………あんた嫌い。理想論ばっかで………現実見ようとしない理想論者は本当に嫌いだ。これならまだ………化物になってでも敵を排除しようとした『真血 狼』の方がまだ…………現実的だったよ」
「しん………け………つ…………ろ………う?…………うっ………ううぅっっ!頭が………また…………」
工房の時同様脳そのものを揺さぶるような痛みが起き、私は痛みのあまり膝を付いてその場に蹲ってしまった。
そんな私に同情するといういった視線を向けながら、フードの人は口を開く。
「………理想論者のエゴに突き合わされるあんた等も結構大変だね。まぁ、あんた等にとっては『裏切り者』みたいなもんなんだから、忘れたほうがいいのかもしんないし、私はどうでもいいけどね。じゃあ、適当に頑張って試験突破してね。そうじゃないとこっちも任務遂行出来ないから。じゃあ、また」
「な、何だこれ!?目眩ましか!?」
「あちこちに煙玉みたいなのを仕掛けてたみたいだな。ここまで煙が濃いんじゃ追いかけられないし、今追いかけても追いつけねーな」
「まぁ、何か雄英の奴が弱ってるし、別に問題ないだろ」
「あなた達………今直ぐそこをどいて…………。私は早く………今のフードの人を…………」
「おっと!そう簡単に行かせてたまるかよ!」
「弱った獲物が目の前にいるんだ!それについさっきの同士撃ちの恨みもあるしな!」
「ここで速攻で脱落させてやる!!」
幾つものボールや個性が迫るが、私は何故か体を上手く動かせず、攻撃をもろに喰らってしまった。
右足に付いてたポインターにボールが当たって点滅し、何とか守れたものの残るポインターは左腕の物のみ。
圧倒的に絶望的な状況。
そんな最中、何処からともなくテープと石礫のようなものが降り注いで相手の動きを止め、私は何かに抱えられる形でその場から離脱する。
「ヒミコさん大丈夫!?怪我とかしてない!?」
「その……声は……出久君?どうして……ここに…………」
「結構遠くに放り出されたみたいだったから、状況把握も兼ねて少し偵察をしていたんだ。その途中たまたま瀬呂君と麗日さんに会って、一緒に偵察をしてたらこんな事に」
「すいません………。工房の時以上に頭が痛くて………動きたくても動けなかったんです……………。ポインターは2つ点滅してますけど………何とか残り1つは光ってません」
「工房の時って………またフラッシュバック?」
「いえ………フラッシュバックはなかったんですけど…………ひたすら頭が痛くて…………」
「は!?ちょっと!?またとかフラッシュバックとかどゆこと!?俺全然知らないんだけどそれ!!」
「説明はあと!!今は早く後ろの人達をどうにかせんと!!」
どうにかその場からは1度離脱し、比較的大きな瓦礫に隠れる事ができたものの、周囲にはまだ私達を囲うように他校の人達が私達を探してる上、今から逃げたとしても数の暴力で追いつかれてしまうだろう。
そんな状況をどうにかするため、私は血を更に吸いながら何とか立ち上がる。
「範太君………お茶子ちゃん………出久君…………。まだ………個性を使えるだけの体力はありますよね…………?」
「うん。まだ幾らでも」
「私が気を散らして隙を作るので………そこを上手く突いてここにいる全員を捕縛してください。助けてもらって言うのはあれなのですが………このままじゃジリ貧でやられます…………」
「そんな状態で敵の気を引く!?無茶だ!!そこで座って休んでろって!!」
「そうだよ!また気絶しちゃうかも────」
「そんな事気にしてる場合じゃないんです…………!!休んで何かいられないんです………!!もしかしたら………忘れてるかもしれない何かを………思い出せるかもしれないんです…………!!大切な何かを忘れたことは怖いけど…………忘れた事にすら気づかないのはもっと嫌なんです…………!!!」
「ヒミコちゃん…………」
フードの人を追いかけるため、私が1人ででも場に飛び込もうする最中、出久君が私の手を掴んで私を止める。
「…………わかった。何とか………やれるだけはやってみるよ」
「緑谷!お前この状態のヒミコを行かせるつもりかよ!?」
「無茶だって事はわかってる………。………けど………ヒミコさん今ここで行かなきゃ一生後悔するって顔してた。そんな顔してる君を………僕は止めること出来ないよ」
「デク君………」
「出久君………」
「………けど………本当に無理だって思ったら………僕達を頬って置いてでも離脱して。忘れてる何かを………思い出せないままやられるってのは………もっと嫌だと思うから」
「…………わかりました。では作戦は………─────」
「くっそ!雄英の奴等何処に隠れやがった!」
「緑の奴に足場崩されたせいで動きにきーし!やり辛いったらありゃしないぜ!!」
「近くにいるはずだ!ってか………さっきから思ったけど効率悪く─────」
「おいっ!彼処の瓦礫から何か飛び出したぞ!!」
「あっ、あれ、真血 被身子か!?」
「何で翼生えてんだ!?」
攻撃が頭の痛みであまり強く出来なかった事や、
「痛って!何だこれ!?注射器!?」
「また煙かよクソ!全然前が見えねー!!」
「また羽を出して飛ぶかもしんねー!全員密集して固っま─────グハッ!?おいっ!何すんだよ草加!!」
「俺は何も────グウゥッ!?ポインターが!!」
「おいどうなってんだ!?味方が攻撃してくんぞ!?」
「血だ!彼奴俺達の血を吸いやがったんだ!!しかも複数の血を飲んで自分が誰に変身してるかわからなくしてやがる!!」
「こいつ何でもありか!?」
多数側というのはどうしても有利に見えがちではあるが、その分1つの混乱で一気に不利になってしまうという圧倒的不利の一面も持っている。
明ちゃんが作ってくれた注射器型武器ならば1秒も待たず変身分に足りる血を採取できるし(当然致死量には満たない範囲で)、煙の中ならば姿を悟られることなく連続で変身を安全にすることが出来る。
この戦法はあくまで多数を一時的に混乱させるだけの戦法であり、戦闘を決め切る事ができるほどの攻撃力はない。
だが、他の誰かがいるのならば、決め手がないというのは話は別。
「よしっ!分散してた相手がある程度密集した!!」
「デク君!!瀬呂君!!行きます!!」
煙が晴れ、私がその場から離脱するとともに、範太君のテープが張り付いた幾つもの瓦礫が網のように敵を捕らえ、瓦礫の重さとテープの硬い強度によってに完全に敵を行動不能にした。
「テープ!?」
「瓦礫にくっつけて投げたのか!!」
「ヒミコが時間稼ぎと撹乱をしてる間に準備しておいたのさ!!」
「個性の使いすぎでヒミコちゃんが動けならないかが心配だったけど………何とか間に合ったみたいやね」
「こ、こんな所でやられて──────」
「すいません!全員拘束させてもらいます!!」
仕掛けで捕らえきれなかった敵もまた出久君の攻撃と範太君の発射するテープで無力化され、どうにか全員を捕縛することに成功した。
短時間での度重なる変身で大幅に体力を消費し、フラフラになりながらも、私は出久君達共に拘束した他校の人達に近づく。
『現在74名通過しておりますーー。間もなく25%を切りますよーー』
「時間もねぇし、直ぐに他の奴等も襲ってくるだろう」
「ヒミコちゃんの体力も限界だし………突破させてもらいます」
「………君等1年だろぉ?勘弁してくれよぉ………。俺等………ここで仮免取っとかないいけねーんだよ…………」
「…………すいません。僕達も同じです」
「私達も………やらなきゃいけないことがあるんです。ごめんなさいとは言いませんが…………あなた達の分まで………ヒーローになれるよう頑張ります」
「くそぉ………くそぉ………」
『現在78名!ガンガン進んでいい感じですよー』
相手のポインター全てにボールを当て、私達は一次試験を無事突破した。
だが………それは目の前の相手を倒したというだけであって………あのフードの人から『真血 狼』という人について何かを聞いたわけではない。
私はふらつく体を刀で無理矢理支えながら、煙の向こうに消えたフードの人を追おうとする。
「ちょっと待ってヒミコさん!もう動いちゃ駄目だ!」
「もうあかんよ!見ていられない!!」
「とりあえず医務室行こうって!お前が探してる奴は後で探せばいいだろ!!」
「誰………?あなたは誰………?私が忘れてるあなたは…………誰なの?『真血 狼』って…………だ…………れ…………───────」
「ヒミコちゃん!しっかりして!!ヒミコちゃん!!!」
「誰か!!状況見てる審査員とかそういう人!!早く来てくれ!!このままにしておくのやべーってオイ!!」
「しん………けつ………ろう…………?…………うっ!頭が………!!頭が…………!!!」
「デク君!?デク君!!!」
私達が………忘れてしまっているあなたは誰…………?
こんなにも………思い出したいあなたはどんな人……………?
ねぇ………誰なの…………?
私をあの暗闇から連れ出してくれたのは…………一体誰?