【注意】
これは青馬白亜と南雲家が出会った小話と青馬白亜の設定を書いたものです。
小話、設定にはネタバレが含まれています。
小話の内容はいつ書くか分からないものなので、青馬白亜の人物像を崩壊させたくない人は読んでいただいて構いません。
設定の中に書かれているネタバレ部分は出来るだけ透明化しております。ただ、物語の進行によっては改変する場合がございます。現在の暫定的なものとして捉えて頂けると幸いです。
【注意】
2021/9/03:第3話投稿につき、一部情報を解放しました。
2021/9/05:第5話投稿につき、一部情報を解放しました。
2021/9/06:透過部分に情報を追記しました。
青馬白亜という者
目次
小話:南雲家と卵焼きと白亜
秋の暮れ。肌寒い風が肌を掠め冬の到来が間近に迫っていることを知らせてくれる時期。南雲ハジメが学校から帰ると、家の中に住人が1人増えていた。
「あ、お帰りなさい、ハジメ!」
「おお、今日は早かったな、ハジメ!」
「ただいま。今日は新刊の発売日じゃなかったから……」
「……?」
「……?」
「ねぇ、母さん、父さん。あの人は?」
居間にデンと置かれたソファーに顔を向けたまま固まるハジメ。その姿を両親は仲良く首を傾げ不思議そうに眺めた。しばらくして、ハジメは足音を立てないようにキッチンにいる両親に歩み寄り、まるで自分の家にいるかのようにソファーに深く腰掛けテレビのリモコンを弄っている人物を指さしながら耳打ちする。親戚だったら大声で尋ねるのはまずいという判断だろう。
「ああ、公園にいたから拾ってきたの」
ハジメの問いかけに、母である菫は簡素に答えた。まるで犬猫を拾ってきたかのような答えに、ハジメは口を開いたまま固まる。
「もうね、ベンチに座りながらドングリを頬張る姿は可愛かったんだけれど、見ていられなくて。『来る?』て聞いたら『行く』て言うもんだから、そのまま手を引いて連れてきちゃった」
どうやら段ボールに入っていたわけでも、母が可愛いもの欲しさにお持ち帰りしたわけでは無いらしい。黒に近いグレーといったところなのだろうか。法律に詳しいわけではないため、ハジメはどこからが法に触れるラインか分からない。ただ、強制的に連れてきた訳ではないことにホッと一息ついた。
「さ、ご飯できたから持って行って頂戴。ちょっと今日は豪勢にしてみたの!」
「夕飯に卵焼き?」
「おい、ハジメ。菫さんの料理にケチ付ける気か?」
「い、いえ! 誠心誠意運ばせていただきます! サー!!」
「……、よろしい」
父である愁の視線から悪寒を感じ取り大げさな反応を示すハジメ。きっとあのまま文句を垂れようものなら、A4用紙何十枚にも及ぶレポートを眼前に叩きつけられたあげく、『菫の料理がいかに美味しいか』から始まり『いかに自分が菫のことが大好きか』で締める講義が開始されていたことだろう。ハジメのそれは英断であった。
片手に一つずつ料理を持ってテーブルに運ぶ。その際、キッチンからでは見えなかった少女の顔を拝むことが出来た。絹糸のように繊細で、新雪のような輝きを持つ純白の髪。瞳は琥珀色で、その輝きはどこか気まぐれな猫を彷彿とさせる。間近に顔があるからこそ、潤いのある妖美な唇はよく目に入り、一瞬魅入られそうになる。
「あ……」
「おお、この前の。そうか、ここはお前の巣だったか」
「ひ、久しぶり。夏以来、かな? って、巣?」
生唾を飲み込む前に正気に戻ることが出来たのは、その凄艶ともいえる美貌を一度見たことがあるからに他ならない。ハジメの素っ頓狂な声の後、白髪の美女は心底再開を喜ぶようにクツクツと喉を鳴らしながらそんな言葉を口にした。
「ああ、いや。家、というんだったな。図書館まで案内してもらったこと、感謝する。あの場で私は有意義な時間を過ごすことが出来た。こうしてまた再開できたのは、何かの縁かもしれん。またあのような場所に連れて行ってくれると嬉しい」
「あら、ハジメと知り合いだったの?」
「ああ。とても心躍る場に居合わせてな。あれは素晴らしいものだった。やはり、人が人のために己の身を削ぎながら強者へと立ち向かおうとする姿は、いいものだよ」
「ちょっ! あの話はしないで、恥ずかしいから!」
話に加わろうとした菫だったが、話の内容を細部まで理解できず首をひねってしまう。それでも、ハジメがこの白髪の美女に何か親切を働いたのは理解することが出来たようで、揶揄うように肘で脇を突いて見せた。くすぐったさと気恥ずかしさからハジメが顔を赤く染め上げる。彼は大声で「手を洗うの忘れてた」と言うや否や、居間から洗面所へと走り去ってしまった。
「あんな子だけどよろしくね」
「ああ、こちらこそ。住む家を提供してくれたこと、感謝する」
「困ったことがあったらお互い様ってやつよ。過ごしてて困ったことがあったら言ってちょうだい」
「では、一つ。人に預けたまま取りに行っていない物があるのだ。そいつが何かをすると思っているわけではない。信用できる者ではある。だが、形見の品ゆえ私の手元に置いておきたい。こちらに置いてもいいだろうか」
「もちろんよ!」
形見の品。その言葉の意味を細部まで理解できているわけではないが、余程大切なものであることは事情を一切知らない人間でも把握することは出来た。菫は持っていた食器を机に置くと、瞳を潤ませながら白亜を抱きしめるのだった。
ハジメが戻ってきたのは、それから数分と経った頃。手を洗うだけならそこまでかからないだろうに。出ていった時程ではないにしろ僅かに頬を赤く染めた彼は、前髪の先端を僅かに濡らしながら居間に入ってきた。無言のまま食卓に着席し、白髪の美女の顔を除かないように努めている姿は両親の目から見て滑稽に映ったのだろう。菫と愁は笑い声を顰めながら肩を僅かに震わせていた。
「ッ! いただきます!!」
そんな両親の状態を見て、再び顔を赤く染めたハジメは勢いよく両手を合わせると、そう言ってすぐさま食事を始める。
「ふ、くく……。いただ、きます。ぶふぉ……!」
「あらあら、愁さんったらはしたな……ぶふっ!」
「いただきます」
笑いをこらえ続けているあまり食事を取ることすら出来ない愁と菫をおいて、白髪の美女はハジメを見習って挨拶をすると食事を始めようとする。しかし、箸を使い慣れていないのか、うまくつかむことが出来ない。そこで彼女が選択した行動は刺すというものだった。グーで箸を掴み、突き刺す。突き刺された獲物はハジメが文句を垂れていた卵焼きだった。
「!? 美味い! 美味いぞ、菫!」
「そう、ならよかったわ」
「ああ、久しい味わいだ。そうだ、甘味というやつだ。卵なんて生で割って食べるぐらいしか思いつかなかったが、こういう食べ方もあるのか」
「気に入ってくれたならよかったわ。ほら、私の分も食べていいのよ?」
「本当か!? ありがとう、菫!」
笑いをこらえる声は食卓に無かった。かわりに優しい声音が温かな食卓を彩る。愁と菫はまるで我が子を慈しむかのような表情で彼女の豪快な食事を見守っていた。
これが後に青馬白亜と名乗る白髪の美女と、彼女の居候先である南雲家の住人が初めて共にした食卓の風景であった。
◇◆これより下、青馬白亜の設定。ネタバラシも含みます。◆◇
設定:青馬白亜
戸籍上の名前:青馬 白亜/元の名前:なし
戸籍上のカナ:セイマ ハクア
戸籍上の年齢:17/本来の年齢:6141
戸籍上の誕生日:10月25日/本来の誕生日:秋のいつか
【性格・態度】
普段はおっとりとしていて、好意を持つ人物を困らせるような行動をとることが多い。好きな人物、好きな物事に対しては真摯に向き合う人物であり、ハジメや雫等のある程度の親交を持つ人物の言葉にはよく耳を傾け、剣道の修業は傍から見ればどんなに辛いものであっても文句ひとつ言わずにやり遂げようする。
傍観者の立ち位置を徹底し、弱いにも関わらず他者を守ろうと奔走する人物や気高くあろうとする人物を好んで観察対象として言葉で焚き付けるが、手助けはほとんどしない。焚き付けた後の相手の思考、行動、全てを受け入れた上で観察対象から外すかそのまま観察し続けるかを判断する。ちなみに、元々観察対象だったが外れた者や観察対象ですらなかった者でも琴線に触れれば後に観察対象とする。
【身体】
髪:闇夜も明るく照らす純白の髪をもつ。
瞳:見る者を引き付ける琥珀色の瞳をもつ。
目元:おっとりとした印象を与える垂れ目をもつ。しかし、観察対象の前では八重樫雫の凛々しい切れ長の目より鋭い、冷たい印象を与えるものへと変わる。
鼻:遠縁に海外の人間がいたことを匂わせる程度の僅かに高い鼻をもつ。
口:瑞々しく、男女問わず見続けていれば魅了されてしまう程に妖美な唇をもつ。
肌:病弱と思わせるほど真っ白な素肌をもつ。
身長:八重樫雫より少し高い程度の身長をもつ。
身体:左肩から右脇腹にかけて切られ、焼かれた傷跡がある。(男ハンターによって付けられた傷)
特殊:龍の姿、人間の雄や雌の姿にいつでもなれる。
【初期ステータス】
名前:繝溘Λ繝ォ繝シ繝 17fd歳 レベル:1
天職: 逾悶↑繧玖?
筋力:5f08
体力:61c4
耐性:529e
敏捷:6a67
魔力:5aa9
魔耐:6603
技能:逧?ウエ・莠コ蛹・險?隱樒炊隗」
文字化け解消後ステータス(透過しています)
名前:ミラルーツ 6141歳 レベル:1
天職:祖なる者
筋力:24328
体力:25028
耐性:21150
敏捷:27239
魔力:23209
魔耐:26115
技能:皇鳴・人化・言語理解
数値は全て範囲を決めた後で、乱数出力ソフトを用いて出しました。
【装身具】
・形見の長刀(エンプレスソード)
龍がひしめく時代から常に白亜の傍に在った者であり物。ハンターに討伐され長刀となったが心は離れていない。それを示すように興味本位で近づいてくる泥棒猫には彼女からの痛いお仕置きが待っている。
【服装】
簡単な服装を好むことが多い。良く着るのは白のワンピース。(自分が寝ていた洞窟近辺にあった廃屋から見つけた)
【家族】
両親はおらず、南雲ハジメの家に居候している。
母(仮):南雲菫
父(仮):南雲愁
弟(仮):南雲ハジメ
妻(故):ナナ・テスカトリ(ハンターによって討伐され、その後素材を使われ長刀へ姿を変えた)
人間への初恋?(故):強者であった男ハンター(塔での対峙により死去。ナナ・テスカトリの仇ではあったが白亜は彼の強者たる心に触れ、惚れた)
親戚:役場で白亜の戸籍登録を担当し、白亜の長刀を預かっていた老人
【印象】
・体の白さから病弱な印象を与える。
・久しぶりに目覚めた時は。年上、同年代、年下関係なく不遜な態度をとることが多く、容姿を目当てに近付いてきた者達からは煙たがれることが多かった。現在は雫のおかげで幾分か緩和されている、はず……。
【備考】
・嘘はつかない主義。
・南雲菫の卵焼きと八重樫雫の金平ごぼうが大好き。
・強者。だが、男ハンターとの約束を忠実に守り戦わない。
・呼称:目上の人間や関わりのない女性に対しては「さん」、関わりのない男に対しては「君」、一定の関りがある人物は名前を呼び捨てにする。(表)
・呼称:一定の関りがある人物は望む呼び名か下の名前を呼び捨てにする。後は名前を呼ばない以外適当。(本来)
・モンスターハンターより、ミラルーツ(ミラユニコーン)をモデルにしている。モンハンの中で擬人化できそうなのと言ったらミラルーツしか思い浮かばなかった。どこかで聞いた、ルーツが出てくるクエストを出したのがルーツ自身という説を採用した結果である。
・男にも女にもどちらにでもなれる。つまり、生やせる。だから男ハンターにも恋心を抱くし、ナナ・テスカトリを妻として娶り親戚だっている。
【観察対象】
・八重樫雫(~第9話)
理由:剣への執着と向上心や、彼女が扱う洗練された剣技に魅せられたため。
・南雲ハジメ
理由:人間の中でも力がない部類であるのに藻掻こうとする姿が気に入った。加えて、その姿の中にあの日対峙したハンターと同種の強さの片鱗を見たため。
・畑山愛子(第5話~)
理由:人の命を選択するのではなく、全てを助けようともがく姿が気に入ったため。
・天之河光輝
理由:他を守ろうとする気概とそのためなら何でもしようという傲慢さが気に入ったため。
・白崎香織
理由;人を一途に思い続ける愛情の深さと対象のためならなんでもこなそうとする姿が気に入ったため。
【上位観察対象】
・八重樫雫(第9話~)
理由:白亜からの言葉無しに、自ら今の自分に足りないものを自覚し、それを補完するため研鑽に明け暮れることを誓った。白亜からすればひな鳥が孵ったような気分だった。しかし、その後に続いた言葉で妻であったナナ・テスカトリを想起させ、誰よりも側に居たいと思うようになる。
青馬白亜という者を読んでいただきありがとうございます。
どれ程他に美味しい食べ物があっても、初めてを味わった食べ物は他のどんなものより格別ですよね。私も初めて食べたラーメンの味は色々なラーメンを食べた今も尚忘れることが出来ません。白亜にとってはそれが南雲菫の卵焼きであり、加えて母の味、または、おふくろの味といった立ち位置に値するんだと思います。
感想、評価etc.お待ちしております。
前書きでも申し上げた通り、第3話は本日の23時に投稿する予定です。