目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・   作:饅頭おとこ

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プロローグ

 

 家に帰ってる途中、交差点を歩いていたらトラックに突っ込まれました。

 これが流行りのトラック転生か、とか考えてバカなことを考えていると、突如ブレーカーが落ちるように意識がなくなった。

 

 

 

 

 目を開けたら、拘束具に雁字搦めにされて真っ白いメカメカしい部屋にいたんですが……

 

 

 

 

 検体番号:0-012

 学生時代は至って真面目、授業態度は可も不可もない平凡な学生。卒業後、一般企業へ就職し営業マンとして活躍。帰宅途中にトラックとの事故により右腕と左足が千切れる。救急搬送され医師が千切れた部位を近づけたところ、神経同士が突如接合する。数秒足らずで傷跡すらない状態へ。担当した医師が急遽、上の者へ連絡しここへ収容された。その後長い間昏睡状態になっており、それの覚醒を促すため特殊な薬品や劇薬を投与するが全く反応なく、バイタルサインは常に正常値であった。

 

 

 

 

 

 数日経ちました、俺は今日も元気に過ごしております。

 ただ数時間ごとにお医者さんが毒々しい薬品を注入しては意味深に頷いて去っていくんですが、怖いので説明してくれませんかね。

 

 そんなよくわからん時間を過ごしていると、ものすごいボインボインな白衣を着たお医者さんがやってきて話しかけてきた。

 

「今の状況はわかるかね?

 どこか痛みは?

 手足の痺れは?

 何か体の変化は?

 食欲は?

 気分は?」

 

 って感じですっごい質問攻めしてくるんですけど。

 

 俺はまだMを極めていない初心者なので質問攻めじゃ興奮できませんよ……

 

 強いて言えばこのメカメカしい拘束具外してくれませんか?

 って言ったらボインちゃんが苦笑して帰っちゃいました。

 

 えぇ……人の話聞いてました?

 

 

 

 

 ー主任ー

 検体番号0-012が目を覚ましたと言うので、私は部下を引き連れて直接隔離室に入ろうとしたら止められてしまった。

 血相変えた部下から「ガラス越しに見てください!いきなり暴れる可能性もあります!」と嗜められた。私がすぐに「研究者の性として、研究対象はこの目で見ないとわからないだろ?」と言うと、「でしたら護衛として数名の人間も立ち入りさせていただきます」と部下が言うので鷹揚に頷いてから入室した。

 

 そうして隔離室に入り、昏睡状態以外の検体を見ると、それはとてもじゃないが今まで致死性の薬品を大量に投入されて死にかけている姿ではなく、正常な身体であった。

 

 やはり人間ではなく****の影響で変異したのか、それとも元からなのか……

 検体に近づくと、そいつは無機質にこちらを見ており、まるで私たちが実験動物のような目で見ていた。

 その視線の圧に後ろにいる護衛の奴らがたじろぐのが聞こえる。

 私は嗤いながら検体に話しかける。

 

「体はどうかね? いや、失礼初めましてだったね。君は今までずっと昏睡状態だったからね、ついつい挨拶を忘れてしまったよ。私はここの主任のものだ」

 

 私がそう話しかけると

 

「GAAAAaaaAAA!!」

 

 まるで獣のように、いや訂正。獣が吠えた。

 

 あまりにも大きく吠えるので私は片耳を塞ぎながらさらに質問をしてみる。

 しかし相変わらず、どの質問にも吠えてくるので半諦めて最後に何かしてほしいことがないか聞くと、

 

「kou……ソウグ……を外せ」

 

 今までと同じように獣のように吠えるのかと見ていると、聞き取りづらいが人の言葉で話し始め、最後には流暢になった。

 

 私が驚きそれを見ていると、それも私の目をジッと見ていた。

 私はもしお前が暴れないと言うのであれば検討しよう、と言うと後ろにいた護衛の奴らがうるさく騒ぎはじめた。私が彼らを無視してそれを見ていると

 

 フンッ

 

 とこちらを小馬鹿にするように鼻息を浴びせてくる。私は苦笑をして、後で外すから大人しく待ってろと言って隔離室を出た。

 

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