目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・   作:饅頭おとこ

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本日は2話投稿です。
18時ごろに投稿予定ですので、よろしくお願いします。
少しシリアス成分がありますので、お気をつけてください。


ー12ー

12

 

 で、でけぇ……

 

 

 巨人の化け物かな?

 

 まず腕が全部で六本あった。一番手前にある両腕は偉そうに腕を組んでいる。

 

 次に真ん中の2本の手先は凶悪そうな狼と虎の頭部になっており、時折ガオガオ言っている。

 

 可愛くない。

 

 最後背中から伸びている2本は、それぞれ4mぐらいはあるだろうノコギリと剣を握っていた。

 

 なんで腕そんなにあるの? しかも筋肉がはち切れんばかりだし。

 

 顔を見ると、真っ黒の六つのお目目は全て閉じているのに、すごい量の血涙を流している。

 

 

 あの完全に魔王とかラスボスに出てきそうな感じなんですが(白目)

 本当にこれと戦わないといけない感じですか?

 

 

 のじゃロリを見ると、のじゃロリは俺の腕から足へ移動して、いそいそと降りてる途中だった。

 降りると胸を張って。

 

「あいつを倒すのじゃ! あいつがここで一番強いのじゃ! そうすればもっと強くなれるはずなのじゃ!」

 

 とわけわからないことを言うと、テテテと聞こえてきそうな走り方でドア付近に避難しにいった。

 

 えぇ……無責任すぎない?

 

 俺がのじゃロリから顔を戻して巨人を見る。

 

 巨人は相変わらずこちらを見ており、口の端を上げて嗤っていた、その姿に強烈な既視感を感じ……

 

 

 突如、自分でもわからないほどの憎悪が湧いて出てきた。

 

 

 心臓が口から飛び出そうになるぐらい、心臓が暴れ周り全身から沸騰するのではないほどの怒気によって蒸気が出てくる。

 

 憎悪と憤怒に包まれているはずなのに、頭の奥底は冷静であった。

 

 俺は一度落ち着くために、深呼吸をしようと口を開けると

 

 

GAAAAAAAAA!!!!!!!!!

 

 

 自分でも抑えきれないほどの咆哮を出した。

 それに釣られ仲間たちも咆哮する

 

キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!

ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!

ピギャァァァァァアアアアア!!!!!

 

のじゃーーー!

 

 のじゃロリだけふざけている声を出していたが、すでに体を制御できていなかった。

 

 俺は両目から大量の血涙を流し両足に力を入れる。

 

 巨人の手前にまで飛んでいく急ブレーキをかけて後方へ回り、俺は生えてる爪でやつの背中に突き立てるように振るう。

 

 

 その瞬間、強烈な金属音が響いた。

 

 

 巨人はまるで背中に目があったかのように、ノコギリを持っていた腕で防いでいた。

 

 すぐにワーム君がずっと口に溜めていただろう、ブレスを吐き出す。巨人の上半身を包み込むほどの範囲だったが、巨人は腕を組んでいる両手を前に伸ばし、聞いたこともない言葉を言うとブレスは消失した。

 続いて観葉植物さんが大砲から一メートルはあるだろう巨大な種子を発射する。

 

 

 しかしその種が届く前に巨人が剣を持っている腕を、振ると種が真っ二つに飛んで行った。

 

 

 最後にのじゃロリと触手本が今まで唱えていた呪文を発動させる。

 巨人がいる足元から尋常じゃないほどの火炎が、頭上からは周囲の光を吸うほど強烈な球が詠唱された。

 

 

 流石にこの二つに挟まれるのはまずいと思った巨人は横に避けようとする。

 俺たちの連続攻撃にやっと現れた隙に、俺は巨人の胴体へ思いっきり噛みついた。

 

 ペッ

 

 かなりの量を噛みちぎろうとしたが、やつの体表が硬すぎてほとんど皮しか剥げなかった。

 なんつう硬さだよ……

 

 今まで余裕綽々の巨人は少しとはいえ攻撃が当たったことに怒り咆哮をする

 

 

GAAAAAAAAAAA

 

 

 俺たちが叫んだ時より大きく憎悪を含んだ声が響き、今いる広場の地面や壁に亀裂が走る。

 巨人が足に力を入れ俺が構えた瞬間、ダァァンッ! と俺は壁に叩きつけられた。

 

 ゴホッ……なんつう速さだよ。

 

 口から大量の胃液と血を吐いてゆっくりと顔を上げる。

 

 いつのまにか巨人は観葉植物さんを両腕で鷲掴みをして大砲部分と本体部分を引き裂いでいた。

 わざわざ千切った本体の部分を狼の頭がついている腕で喰らう。

 

 巨人は観葉植物さんを甘く見ていたんだろう。狼の口を裂きながら大量の蔦と太い幹が生えてきて狼の頭部をおさつける。そして大砲の方も変態をやめ、腕に絡みつき寄生虫のように体内に入っていった。

 

 横を見ると血だらけで倒れていた、ワーム君が地面に倒れ伏しながら頭を上げ、口から高速で毒液を吐き出す。

 

 巨人の右足に当たり、ジュウジュウと蒸気を上げながら表面を溶かす。

 巨人は右足でワーム君をふみ潰そうと足をあげると、遠くにいた触手本が触手を使い左足に巻きつく。

 そこから悪魔の片腕があらわれ、左足を急速に腐食させた。

 

 俺はやっと痛さを我慢できるぐらいまでに戻ったので、やつの胴体に目掛けてタックルをする。

 が、少し揺れるぐらいで、まったく意味がなかった。

 巨人は虎の頭で俺の左腕に噛みつき、開いている右腕で俺の首を掴む。

 

 離そうと、両手でやつの腕と虎を掴むが巨人のふざけた万力のような握力のせいでまったく逃げれない。

 呼吸できずに口をパクパクしていると、のじゃロリの左腕がいつのまにか変異しており、そこから黒い雷のようなものを発生させ巨人に飛ばす。

 

 巨人はすかさず背中の腕で剣を振ると、黒い雷が霧散させた。

 

 のじゃロリは消されることを知っていたかのように、すぐさま普通の人間ではありえないぐらい口を開くと、そこから数メートルはあるだろう悍しい(おぞましい)ムカデを飛ばして巨人の体にくっつける。

 

 ムカデが這った場所は焼け爛れたように蒸気を発した。

 巨人はムカデに苛つき俺を壁に馬鹿力で投げつける。

 

 いくらなんでも化け物すぎるだろ……

 

 俺は腕の痛さと壁に当たった衝撃によって、一瞬頭が真っ白になりチカチカする。すぐに頭を振って意識を戻す。

 

 そんな僅かの時に、のじゃロリの両足がめちゃくちゃな曲がり方をしており、地面に突っ伏していた。

 そして巨人は観葉植物さんに侵された狼の腕と右腕を自身で切り落としており、触手本を掴み、生えてる触手とトカゲもどきの足を毟っている最中であった。

 

 そこに瀕死状態のワーム君が再度巨人に目掛けて口からブレスを出そうと口に溜める。

 

 俺はそれの援護をしようと両足に力を入れて走る。その時、巨人は突然俺に顔を向けて、今まで閉じていた全ての目を開き俺を見た。

 

 

 ヘビに睨まれたカエルのように、全身が硬直する。

 

 

 巨人は俺に嫌らしい笑みを浮かべ、ブレスを吐き出そうとしたワーム君を踏み潰そうと爛れた右足を振り上げ……俺は懇願しようと口を動かそうとするが、全く動かず目だけがぎょろぎょろ動く。

 

 

や、やめてくれ俺の、俺の仲間(家族)を殺さないでくれ!!

お願いだ!! 頼む、なんでもするから!!

 

 

 動くこともできず、目から血涙だけを出していると、ワーム君が頭から潰され、当たり一面青い血が溢れていた。

 

 

 …………アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!

 

 

 巨人は触手本の触手もあらかたちぎり終わったようで壁に放り投げ、わざとらしく足音を鳴らして俺の方に近づいてきた。

 

ドンッ……ドンッ………ドンッ……

 

 俺の目の前まで来ると、ゆっくりと屈み俺の目を見ながら、ネチャリと気持ち悪い音が聞こえるように口を開いた。

 

「あぁ、お前も……****によって犯された元人間か? わかるさ、お前と同じ同類だからな。見ただけで感じるし、理解ができる。だが……なぜお前はまだそんな、中途半端な姿なんだ? なぜ思い出さない、なぜ思い出そうとしない。あんな化け物たちと家族ごっこがしたいだけなのか!!俺らをこんな姿にした****を!! 世界を!! お前には怒りがないのか!!」

 

 流暢な言葉で喋る巨人だったが、途中途中に発せられる単語をなぜだか認識できない。

 後悔と憤怒、憎悪、狂気に頭が襲われている中、巨人はまた口を開いた。

 

「お前……。****を理解できていないのか? どういうことだ……俺と同じ****に犯されたやつらを見たことあるが……。やつらは全員が全員、憎悪と狂気を振りまいていたぞ? なぜだ? なぜお前は仲間なんて作る。お前は違うのか?」

 

 巨人がまた俺が知らないことを言った。

 

 やめてくれ、もう喋らないでくれ!

 殺すなら早く殺してくれ!!!!!!!

 

「ふん、所詮は半端者か気持ちが悪い。何も理解しようとしない、現状を打破しようともしない、惰性でしか生きられない、与えられた物でしか生きようとしない。あぁ心底反吐が出る、見てるだけで虫唾が走る……死ね」

 

 巨人は呆れたよう口調になりながら、剣を俺の首に振り落とす。

 

ドン!!

 

 頭が吹き飛び、くるくる周り急激に灰色になっていく世界を見る。

 

 ゆっくり首は地面に落ちていき、目の前にある首がない自分の体を見て****に襲われた。

 

 

 

 あぁ、どこ……で……見……黒…………。

 

 

 

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