目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・ 作:饅頭おとこ
ドアを潜ると、地下都市でした。
え? え、えー……
頭がおかしくなりそう、さっきまで地下にいたのになんでまた地下に出るんですか?
あの……いつになったら地上に出られるんですかねぇ?(震え声)
「あとはここで紛れて地上へ早くいったほうがいいのじゃ。多分ここらにいるやつらは、まだ地下で起きたことを知らされてないのじゃ。戦闘関係のめんどくさいのが出張ってきたら、すごーくめんどくさいのじゃ! 多分全員拘束か口止めか抹消なのじゃ」
ワーム君がキュイキュイ鳴く。
「ここがどこだって? 日本の首都にある地下都市なのじゃ! まぁ言っても研究員の人質として家族や関係者が住んでいる場所だがね……あっ、のじゃ!」
ふーん、よくわからんがやばい実験してる自覚はあったんなぁ。
それなら早く脱出した方がいいな。
まぁ非道な実験してるし、彼らの家族たちも可哀想に思うが、俺も自分と仲間の命が大事だからね。
「早くいくのじゃ!」
早くいくのじゃって、俺らそうとうヤバイ見た目してるの忘れてる?
街のような場所にある大通りを歩く俺はお上りさんのように回りをキョロキョロしていた。
なぜかって?
そのへんをオークやゴブリン、オーガとかファンタジー感溢れる光景だからだよ!
あっ、今メカメカしい蜘蛛がカサカサ走って行った。
SFも入ってたね。
……ひぇぇ!!
俺が寝ている間に世界いや、日本の地下はいつのまにこんなすごいことになったの?
ていうかどいつもこいつもおっかない顔しているのに、俺たちを見ると二度見してクスクス笑うんだけど……
普通驚いて逃げるんじゃない?
やっぱり日本人の異文化カルチャーというか、物怖じしない性格は変わってないのね。
あ、ファンタジーの異世界にありそうな酒場があった。
いや、えぇ……ここは観光地域かよ。
「確かどっかのお偉いさんが地上を真似て作ったって報告書を見たことがあるのじゃ。最初期はいかにも人質感満載でよく暴動とか起きたから、最近は徐々に近づけてるみたいなのじゃ」
のじゃロリが説明してくれる。
お、おう。地上の真似って、もうなんか理解が追いついていけねぇよ……
「とりあえず酒場に言って、今この地下都市の情報とIPパスをくすねるのじゃ!」
くすねるのじゃって堂々と犯罪行為しないでくれません? と突っ込むが俺は内心ワクワクしながら酒場へ入っていく。
ー酒場のマスター
ふー、ここへ配属されてから10年近くになったが、最近はめっきり暴動がなくなった。
やはり以前は娯楽すらなく、鬱屈していたからな……
最近は、研究員の家族の小さい子供達も近場の公園や大通りで走り回り、雰囲気もよくなった。
やはり、小さい子供が笑顔で遊んでいれば、大人達も多少の不便も我慢できる。
しかしさっきから、酒場に入ってきた客たちが、すごい見た目をした一行がいたと話しているが、どういうことだろう。
最後に入ってきたやつらなんて、下半身が触手の男性と身体半分が魔導機械だし、お前らも大概だと思うが……
そしてその一行らしき人たちが入ってきた。
な、んだ……
最初に入ってきたのは白衣をダボダボきている幼女だが、不審に思い右目の魔眼を通してみると、まるでいくつもの魔獣を切り取って縫い付けたような魔力が出ている。
見ていると右目が犯されるように、血涙が流れたので急いで目を閉じる。
その後ろにはその幼女を少し大きくし頭に花が生えてる少女が六本の腕が生えている本の上で手を組んで仁王立ちをしていた。
……確かにあれを見たら意味がわからないだろう。
その横に恐らく竜種のワームがいた。こちらも突然変異か真っ黒羽毛に包まれで鳥の顔をしている。
最後に三メートル近い人狼のような生物が申し訳なさそうに眉尻を下げながら、少し背を丸めながら入ってくる。
なんつう大きさだ……
人狼が歩くたびに床がミシミシ言う。いつもの俺なら注意するが、さすがの俺も固まった。そんな俺を他所に幼女が近づいてきた。
俺がいるカウンターは椅子がかなり高いため、幼女には苦戦するんだろう。フンスフンス! 言いながら顔をひょっこり出して口を開いた。
「マスター、ミルクを1つなのじゃ! 後ろのやつらにはなんかこう、おすすめをよろしくなのじゃ!」
……警戒して損した。
見た目と魔力はいかれてるがすごい普通の客だった。恐らく新しく配属された戦闘関係のチームなのだろう。
俺らのやりとりをおっかなびっくりで見ていた、他の客も一安心したようで、また普段通りにザワザワと会話を始める。
しかし、後ろの仲間? になんかこうおすすめって何を用意すればいいんだ……?
俺は頭をひねりながら、酒や料理をいくつか用意し始めた。
おおー、いかにも異世界っぽい酒場やん!
ただ、ちょっと狭くない? 背を丸めないといけないっていう・・・
もっと大きくしたほうがいいヨ!
俺が心の中でアドバイスしながら開いている地面へ腰掛ける。のじゃロリを見ていると、恐らくここのマスターぽいところへ行き話し込んでいた。
手持ち無沙汰になったので俺はあぐらをかいて、その中にワーム君を入れて毛繕いをする。
うむうむ! キュイキュイと気持ちよさそうに鳴く。
ういやつめ。
ワシャワシャしてやる!
……チラチラ、観葉植物さんと触手本が目に入るんだけどさ。
なんでドアの付近で立ち止まってオブジェクト化してるんですかねぇ?
あっ、ほら。今、店に入ってきたお客さんが最初俺の大きさに二度見して、次にお前らにびっくりしてるよ……
店の中をキョロキョロしていると、店員さんらしき人が近づいて来た。
猫っぽい猫耳と尻尾が生えてる可愛らしい女性が、重そうに何かを持ってくる。
かわいい。
俺が見とれているとワーム君が俺の腕を甘噛みしてきた。
嫉妬してるのか?
店員さんはおっかなびっくりで俺に近づき、樽いっぱいに入っている酒とビーフジャーキーっぽい大量の肉を俺に渡してきた。
お、おう。
よく持ってこれたね。
俺はそれで両手それらを受け取り感謝をする。
店員さんはおずおずと俺に会釈をすると、再度裏へ戻った。多分、次にワーム君と観葉植物さん、触手本用の料理を取りに行ったんだろう。
クンクン、うーん。
酒なんてすごい久しぶりだから酔っ払わないかな?
悩んでいると、ワーム君がキュイキュイ鳴くのでビーフジャーキーっぽい肉をワーム君にあげる。
キュイキュイ旨そうに食べるので、俺もビーフジャーキーを食べてみる。
うっま!!
俺が今まで地下で食った物がまるでゴミのように感じれる……
あ、当たり前だな……何が悲しくて薬品漬けの肉や化物を食べて美味しい美味しいって言ってたんだろ。
久しぶりの文明の食べ物を食べて、俺は目尻に涙がこぼれた。
う、うぅ……
よっしゃ!
景気として一口で、樽の酒を飲んじまうぜ!!
うぇ……き、気持ち悪い……き、記憶がない……
な……なんで、当たり一体更地になってるの……?
書きだめのストックが尽きかけているので、隔日になります。