目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・   作:饅頭おとこ

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 エレベーターから出た……出た。

 

 

 あ、あの……ここどう見ても役所ですよね?

 なんかすごい見覚えあるんですけど。いや、まぁ所々メカメカしいけどさぁ……

 

 

 うーん。なんか、もう毎回驚くから逆に落ち着いちゃったよ。

 もしかして今までの場所は、役所の下で起きていたの?

 

 

 いや、意味わからんわ!

 も、もしかして俺は公務員だった?(震え声)

 

 

 俺は挙動不審に目をかっぴらいて、ギョロギョロしていると、メカさん達はのじゃロリに何か言って役所から出て行った。

 

 

 いや、え!?

 俺だけ驚いてる感じ?!

 ちょっと落ち着かせてくれませんかねぇ?

 

 

 なんでエレベーター出たら役所に出るんですか?!

 誰か説明してくれ!!

 

 

「あ! おかえりなさい! ダンジョン探索お疲れ様です!」

 

 えぇ……スーツ姿の綺麗なお姉さんが挨拶してくれるけど、なんか、おかしくない?

 俺たちの姿にびっくりしないの……? さっきまでいた場所はダンジョンなの?

 ていうか、今の日本ではダンジョン探索は一般的な仕事になったの……?

 

 

 ウガァァァ! 頭がおかしくなりそう!!!

 

 

 わんわんおをしようとしたらお姉さんがニッコリと圧力をかけてきた。

 

「こちらの端末へ皆様のダンジョンの進行状況や赴いた場所の記録をお願いします!」

 

 いや、あの……別にダンジョン探索してたわけじゃ……誘拐されてたんですが?

 

「私たちは先ほどのやつらの手伝いで潜っていたから探索者ではない。何か必要な書類などが入用ならあいつらに送りつけといてくれ。確か名前はゲールハルト・ステュッツマンだったかな。ま、お主の権限じゃ検索できないだろうから、上の者に言っといてくれ」

 

 のじゃロリが久しぶりにボインさんの時のように、顔をキリッと決めてかっこつけた。

 

「よし、やっと地上世界じゃ。お主も久しぶりの地上じゃろ? 私の口座が凍結される前に下ろしてパーッとするのじゃ!」

 

 俺に振り向くとすぐに、ふにゃけた顔になってわざとらしく、のじゃをつける。

 

 いや、もうわかってるから。別にのじゃを無理につけなくてもいいぞ。

 

 まぁ俺もこんなところでアワアワするよりは、早く外に行って地上を堪能したいので、じゃロリに適当に相槌してついていく。

 

 

 

 うーん。

 太陽がマブシイナー、空もキレイダナー。

 

 

 

 ……空のあれ全部、映像だよね?

 俺のスーパーアイを馬鹿にしてる......?

 

 

 

 ざっけんな!! 何回、俺を騙せばいいんだよ!!

 

 

 思わず遠吠えをしたら、近隣のビルや出てきた役場のガラスが粉々に割れ、壁に何本ものヒビが入った。

 

 

 あ、やっちまった……

 

 

「な、何してるんだ! このバカチン!! 早く隠れるぞ!!」

 

 のじゃロリが大慌てでワーム君に搭乗した。

 

 

 何してんだこいつ?

 

 キュイ?

 

 

 ワーム君はゆっくり、のじゃロリを見てから俺に振り向き頭を傾ける。

 

 いや、まぁ……

 俺もいきなり背に乗られたらそんな反応になるよ。

 

 このまま、また地下にぶちこまれるのもシャクだったから、俺は遠目に見えている公園だか林のところまで駆けた。

 

 

 

 

「く、この馬鹿狼!! なんで! いきなり吠えるんじゃ! せっかく、穏便に出れたって言うのに!!」

 

 のじゃロリがワーム君から降りて俺にポカポカ叩いてくる。

 

 えぇ……そんなこと言われましても、だって……ねぇ?

 

 普通に考えてさ。

 目が覚めて実験動物みたいな扱いされ、逃げられたと思ったら変な巨人と戦わされ、地上へ登ったら地下都市、そしてドームの中だもん……

 誰でもあぁなると、思いますが。

 

 悲しくなり耳と尻尾をヘタらせていると、のじゃロリがアワアワしながら俺の後ろに周りこんで尻尾を持ち上げて、フリフリする。

 

 ぼーと見てるとのじゃロリの手がプルプルしてきたので、のじゃロリの頭に手を置いてポンポンする。

 のじゃロリは目をうるうるしながら、こちらを見上げた。

 

 あざといな。

 

 一人ゴチていると、横にいた触手本が観葉植物さんの足を掴んで地面に叩きつけた。

 

 なんぞや!?

 反乱か!?

 

 

 びっくりして見ていると、触手本から悪魔の両腕? が飛び出して、指をワキワキすると何かの魔術が発動する。

 

 

 

 ピカッ!!

 

 

 

 ぐわぁ!! 

 

 目をぎゅっと瞑って少しずつ瞼を上げると……なぜか視線の位置がものすごい下がっていた。

 

 

 WHAT!?

 キョロキョロすると周りがすごい大きくなってた!!

 

 

 ……貴様誰だ!!

 

 

 お尻の方になんかモフモフの怪しいものがあったので、俺はその怪しいやつを追いかけるためにクルクル回る!!

 回った!!

 

 

 クゥ……手強い……

 

 

 捕まることができず俺は目が回ってしまい、地面に倒れ込み何度も呼吸をする。

 

 な、何が起きてるんだ……?

 

 周りを見ると、仲間の中に筋肉隆々のおっさんが仁王立ちしていた。

 

 

 えぇ。

 だ、誰ですか?

 

「ふん……****か。見苦しい……」

 

 いや、お前なんかカッコつけてるけど。

 フルチンだぞ……?

 

「お前が考えていることはわかっている。今起きていることだろ?」

 

 違いますが。

 

「綺麗なお嬢さんが困っていたからな。忌々しいクソ封印から飛び出てきてやった。その際に我が使った魔術によってお前とお前の配下を一時的に姿を変えている」

 

 何の話だよ……

 話の内容からロリコンにしか聞こえんが。

 

「お前とワームが一番注目されていたからな。お前を子犬の姿に変え、幻獣のワームはインコにしてやった」

 

 えぇ……

 確かに危なそうになったら俺も暴れたりするけどさぁ……なんで子犬?

 

 抗議のためにわんわんおしたら、キャンキャンと可愛い声が飛び出る。

 

 

「……か、かわいいのじゃ!」

 

 

 のじゃロリに抱えられた。

 

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