目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・   作:饅頭おとこ

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 のじゃロリはトテトテと擬音が出そうな感じで俺を抱えて、筋肉マッチョの脇を通りぬけようとする。

 が筋肉マッチョもといフルチン悪魔がのじゃロリの前をわざとらしく通せんぼをして腕組みをして睨む。

 

 のじゃロリが頭を傾け

 

「のじゃ?」

 

 と言うとフルチン悪魔の鼻息が荒くなり始め、目も血走ってきた。

 

 やべぇやつだ。

 おまわりさーん!!!

 

 

 キャンキャン!!

 

 

 

 精一杯のじゃロリの腕の中で吠え続けていると、公園を管理してる警備員さんだろう人がやってきた。

 警備員さんはのじゃロリと俺を見てから、続いてフルチンのやばいマッチョを見つけると……

 

「へ、へんしつしゃだぁぁぁ!! 幼女を誘拐しようとしてるやつがいる!! 応援を頼む!!」

 

 警備員さんは肩につけている機械にそう言って応援を呼んだ。数秒もせずに上空から強そうな装備をつけたメカ警備員がヒュンヒュンやってきた。

 

「おい! 貴様!! その見た目と魔力、魔人族か!? どうやって入ってきた!!」

 

 メカ警備員は青少年の心を鷲掴みにしようなカッコいい武器を向ける。

 

 魔人族? なんぞや。

 

 疑問に思ったがフルチン悪魔は指パッチンすると、一瞬にして警備員さんたちが崩れた。すわ、殺したのか?! と思ってよーく見ると上下に呼吸していたから眠らされているようだった。

 

「ふむ。弱すぎるな」

 

 えぇ……このフルチン悪魔すごすぎだろ。

 

 ドン引きしつつも驚く俺の後ろから触手本がガバッと飛びついて、フルチン悪魔を頭から喰らうようにして取り込む。

 

 うぉ、絵面がひどい。

 おい! あばれるな! お前の悪魔さんがぶるんぶるんしてるぞ!

 

 マッチョはジタバタするが意味はなくどんどん飲み込まれていく。

 

 ゲプッ

 

 触手本が再度悪魔を収納するとゲップをした。

 

 あれ、観葉植物さんは?

 

 辺りを見ると先ほどまでまだ地面に埋まっていたらしい。

 

 ウギャー!! オレサマハソンナシュミナイゾ!!!

 

 触手本を見ると本の中に触手と手を突っ込んでいた。

 

 な、なんか聞こえてきた気がするけど、気のせいだろ!!

 

「よくわからんが、気を取り直して街に繰り出すのじゃ!!」

 

 よくないぞ

 ていうかいつになったらこのワンコロから戻るんですかねぇ……?

 

 

 

 

 

 わー! ワーム君みてみて! 車が飛んでるよー!

 

 アハハ

 

 あっ! 観葉植物さん見て! あそこに三メートルぐらいある巨大妖精さんがサングラスかけて、なんか禍々しい機械みたいな装具つけてるよ!

 

 ウフフ

 

 アハハ、ウフフじゃねーよ!

 

 日本どうなってんだ! どんだけ科学力上がってんだよ!!

 

 いやまぁ車が空を飛ぶのは百歩譲っていいけどさ……

 なんで目の前に明らかにザ・虎とドワーフっぽい髭だるまのおっさんが談笑しながら歩いてるんだよ!!

 

 

 はぁはぁ……

 

 

 地下にいた時は、俺たちは相当な化け物だった雰囲気だったけど、全然やばくないじゃん……

 俺たち超馴染んちゃってますけど?

 

 俺を抱えているのじゃロリへ精一杯シワを寄せながら睨みつけた。

 

「あるぇー、四十年地上に出ないだけですっごい変わってるのじゃ!」

 

 変わってるのじゃって……

 えっ!? 四十年!?

 

 ギョッとして再度のじゃロリに振り向くとのじゃロリが俺を放り投げて、走り出していた。

 

 ウギャ!

 いきなり投げるな!!

 イテテ……

 

 

「おー! 最新鋭の魔導具がいっぱい売ってるのじゃ! おー!! 素晴らしいのじゃー!!」

 

 メカメカしい武具が売られているショーウィンドウのガラスケースに張り付いていた。

 

 

 や、やめてくれ……

 さっきいた虎がこっちを見てクスクス笑ってるぞ……恥ずかしい。

 

 

 俺の心の声を代弁するように、ワーム君verインコちゃんがのじゃロリの横へ飛んでいき、髪を引っ張る。

 

「い、いたいのじゃ!! なんなのじゃ!! まったくもう!!」

 

 のじゃロリは引っ張られた頭皮をスリスリしながら、戻ってきた。

 

 ぴーぴー!

 

 ワーム君が可愛らしい鳥声で何かを聞く。

 

「さっきの警備兵が言ってた魔人族がなんだって? あぁ、あれらは魔力汚染の影響で世界が荒廃と汚染により、突如生まれた突然変異だ。正直あれの元の種族が何かは、現状未だ私たちの科学力を持ってしてもわからんよ。戦闘チームがたまに捕獲してくるが……何体解剖しても、どんなたくさんの薬品、劇毒問わず投入しても私たちと反応が違いすぎるから、な。いや唯一違うことがあるな。人族の多くは****に対して無関心を貫き通すか、その反面烈火のごとく嫌悪をしているが、やつらは****を心の奥底から信望している狂信者たちだな。本当ロクでもないやつらだよ。そういえば、先ほど警備兵が太古の悪魔を見て魔人族だと勘違いしていたが、まぁわからんでもない。魔力が似通っているからな、しかし悪魔の動作や魔術を見ただろ、外の魔人族も確かに恐ろしく、強力で残忍の上、狡猾極まりない畜生だがそこまではいかんよ。しかもやつらとは話が通じない......いや訂正しよう、こちらとまともに対話をしようとしないが正解かな? まぁ……悪魔ほどの強さがあったら、私たちはすでに全員が滅ぼされているか、檻に入れられ飼育されているよ」

 

 ほうほう、魔人族ねぇ……

 ていうか相変わらず認識できない単語あるんですけど……

 いつになったら僕は理解できるんですか?

 

 のじゃロリの話に耳を傾けながら大通りを進んでいると、ペット……ショップ? を見つけた。

 なんでハテナがついてるかって?

 スライムやゴブリンがゲージにいるからだよ!!

 

 いや意味わからん。

 さっき明らかに服を着てたゴブリンがオークと談笑しながら通り過ぎたけど……

 

 ぴーっぴーっ!!

 

「今さっき通って行ったのは知性あるゴブリン族だ、この中にいるのはおそらく外で生まれ変異を何代にも続けたやつだろ。見てみろ、この知性のかけらもない間抜けづら。気持ち悪い、反吐が出る」

 

 く、口が悪いぞ。のじゃロリ……

 

 ゴブリンは檻を両手で掴み、暴れまくっている。

 

 ぴーぴー!

 

「ん? あぁこいつは外にいる魔人族から引き取った個体じゃないか? あぁ、先ほど対話しないといったが、全てが全てじゃない、と補足していなかったな、すまないな。****を特に信望してる魔人族は、私たちを執拗に襲ってくるからな。多くの個体は外にいる巨大のおぞましい生物と気狂いと日夜、喰い喰われといった戦いを延々とおこなっている。まぁ、その中でとりわけ比較的まともなやつがいてな。そいつらは私たちが作った食事や衣服、武器に興味があり取引をしているわけさ。しかしなぁ……魔人族はどの個体でも内包している魔力が莫大のせいで、常に周囲から魔力を吸収しないといけない体の構造になっている。だから奴らは私たちが住んでいるところでは適さないようでな。弱い奴をここへ連れてくるとすぐに魔力不足になり衰弱して、消滅する。まぁ、こんなところで長々と立ち話もあれだし今度また説明しよう」

 

 神妙な顔になったのじゃロリは近くにあった喫茶店に吸い込まれるようにして入った。

 

 

 ……よだれ出てるぞ。

 




説明乙!!
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