目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・   作:饅頭おとこ

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「天から舞い降りた華麗なる獣人のルークだ、ぴょん!」

 

 オークさんが兎の耳をつけていた。もふもふしていて、にゅーぼでぃは兎の耳を見てしまう。

 

 だけど、一人でに生きているように動いているのは端的に言って、気持ち悪……げふんげふん。

 

 

 

 そんな俺たちは最後の動画だという飛行機を作っていた。

 意味はわからんが、そういうことだ。好きにしてくれ。

 

 のじゃロリはツナギを着て顔を黒くしながらカチャカチャしている。研究者だというのにメカにも強いのじゃロリ。すごすぎない?

 

「ペンチなのじゃ」

 

 あ、はい。

 

 ぼけぇっと見ていたらのじゃロリに催促された。俺は急いで横にある工具ボックスからペンチを咥えて持っていく。

 

 ふふ、俺は可愛いな。

 

「スパナなのじゃ」

 

 はいはい。たくっ、子犬を酷使するのじゃロリだぜ。

 

 足をワチャワチャさせ、工具ボックスからスパナを引っ張っていく。

 

「六角レンチなのじゃ」

 

 最初から工具ボックス横に置いといたら?

 

 イラッとしたが俺は可愛いワンコロ。文句を言う声帯はない。きゃんきゃんしかできない。

 

 工具ボックスに目を向けて六角レンチを探す。探すが見当たらない。

 

 

「……六角レンチはまだなのじゃ?」

 

 あ、あのどこにあるんでしょうか?

 

 

 き、きゃんきゃん

 

 

 か細い鳴き声をあげると、のじゃロリがゴミを見るような目で見てきた。

 

 こ、心が痛い

 子犬にその目は酷くない? あなたに良心はないんですか!!

 

 ちょっともやっとした俺はそっぽ向いて尻をのじゃロリに向ける。

 

 ふん! もう知らないんだからね! 勝手に一人でしてちょうだい!

 

「使えない犬なのじゃ……」

 

 おい!

 聞こえてるぞ!

 

 きゃんきゃん文句を言うため頭を戻すと、ちょうど横からワーム君がちっちゃな羽をパタパタしながら六角レンチを持って行った。

 

 

 …………

 

 

「さっすがワームなのじゃ!! よしよしなのじゃ!!」

 

 ジト目を俺に向けながらワーム君の頭を撫でるのじゃロリ。

 

 ぴーぴー!

 

 嬉しそうな鳴き声をあげるワーム君。

 

 べ、別に悔しくなんてないんだからね!

 ふ、ふん!

 

 涙目になりながらオークさんの方へトコトコ歩いていき、配信画面を覗き見る。

 

 

[おい! 獣人をなめてんのか!]

[ぶっとばすぞ!]

[のじゃさんを映せ!]

[お前の顔は見たくねぇよ!!]

[消えろ消えろ消えろ消えろ]

 

 

 あ、また消えろさんが湧いてる。

 消えろさん、実はオークさんのこと好きなんじゃないのか?

 毎回いるよね。

 

 

「今回は何と! のじゃさんが飛行機を作ります! そしてその飛行機で空を飛びたいと思ってます!」

 

 

[てめぇ一人で乗ってろ!]

[墜落しろ!]

[外行ってやれよ。事故ったらどうすんの? 馬鹿なの? 死ぬの?]

[のじゃさんはまだ? 早くしてくんない?]

[消えろ消えろ消えろ消えろ]

 

 

 暴言と正論が飛び交っていた。内心俺はコメント欄に俺は同意していた。

 

 確かに今いる場所ってドームの中だよね? 事故ったらどうするんだろ。

 

 まぁ、別に俺には関係ないことだ。

 だって今の俺は愛くるしいただのワンちゃんだからな!

 

 べ、別に現実逃避じゃないぞ!

 

 

 

 

 のじゃロリが飛行機を作っているのを眺める。

 

 なぜか血が滴っている肉を入れたり、ドクンドクン動いている心臓を装着していく。最後になんか気色悪いの生物の足を挿入。

 

 い、意味がわからない

 それ、本当に大丈夫ですか?

 

 戦慄するがオークさんは特に何も言わない。オークさんもそこの場面を映さないからキッとやばい代物なんだろう。俺は声を出さずに見ていた。

 

 

 

 数時間が経ち、俺の愛くるしいぼでぃは眠気に襲われうとうとしていた。

 

「ふぅ……なのじゃ! できたのじゃ!」

 

 ん?

 

 のじゃロリの声にハッとなり目を向けた。なんかおどろおどろしい未知の物体の飛行機。

 

 き、気持ち悪っ。なんで飛行機の見た目してるやつから触手だったり足が生えてんの? わけわからん。

 

 そして当ののじゃロリは汗もかいていないのに額を拭っていた。

 

 横でオークさんがのじゃロリにカメラを向けていたから、ちらっ。

 

 

[スタンプ:ほっこり]

[スタンプ:ほっこり]

[スタンプ:ほっこり]

[スタンプ:ほっこり]

[のじゃさん可愛い]

[たくっ、幼女は最高だぜ!]

 

 

 大量のスタンプとコメントが流れていく。

 

 あっ、オークさんが般若みたいな顔で幼女と書いたコメントを通報しまくってる。

 初めて見た顔のせいで完全に眠気がぶっ飛んだ。

 

 お、俺は何も見てないよ!

 

 下手したら俺は鏖殺されて美味しく頂かれる可能性。そっとオークさん離れると背中をツンっと押された。

 

 頭をコテンと倒しながら、そっちを見れば暇そうな触手本がいた。

 

 本が暇そうという意味がわからない状況だが、小ちゃいニューボディーは本からうねうね伸びている触手を見ると、足が勝手にその場で何度も足踏みをして無性にうずうずする。

 

 

 ふ、ふぅ、しょうがないな。いっちょお兄さんが遊んであげよう。

 

 

 行くぜ!! 魔王触手!!

 

 きゃんきゃん!!

 

 

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