目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・   作:饅頭おとこ

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「ほれ、いつまで遊んでるのじゃ。とっとと乗るのじゃ」

 

 俺が触手と勇者ごっこして遊んでいると呆れ顔ののじゃロリに抱き抱えられた。

 

 

 あ〜れ〜

 

 

 そのまま肉肉しい香りがする飛行機に搭乗。全員がひょこひょこ乗ってから最後にオークさんが乗ってきた。

 オークさんは見た目通りアホみたいに体重があるのか飛行機がすんげぇ傾く。

 

 こ、これ大丈夫?

 

 戦々恐々する俺だがのじゃロリは特に何も言わない。むしろ腕まくりをして血が滴ったレバーに腕を突っ込んだ。

 

 ……レバーってそれ動物の肝臓やないかーい!

 っていうしょうもないツッコミは置いといて。

 

 のじゃロリはふんすっと鼻から息を大きく吐くともぞもぞと腕を動かす。すると、飛行機の羽部分についている大量の目が大きくかっぴらき飛行機が前進し始めた。

 

 い、意味がわからない。

 頭がおかしくなりそうだった。

 

「きゃんきゃん!」

 

 流石の俺でもきゃんきゃん言うのは当然だ。というかもうお前たちだけで勝手に旅立て。俺は愛くるしい愛玩動物としてここで暮らす。

 しかし世界は残酷だ。のじゃロリはきゃんきゃん喚く俺に心底面倒臭そうな顔を向けると、レバーから手を引き抜きレバーの一部を口に突っ込んできた。

 

 うぉぉい! ……あれ? 意外とうまい。

 

 これまたきちんと下処理が施されたレバーだった。レバー特有のえぐみもなく、むしろ旨味成分が多いレバーに俺は夢中になった。

 

 ぴゃー! うまいぜ!

 おかわり!

 

 すぐにレバーを食べ終わり、キラキラした目でのじゃロリを見た。

 

「あれぇ? やっぱり吸血鬼の心臓を導入元にしたのが失敗だったか?」

 

 ……うん!?

 な、なんか不穏な言葉が聞こえたんだが。

 

 俺は窓の外をひょっこり覗いた。さっき飛行機の羽がカッピラいた大量の目から血涙が流れている。

 

 き、きもォッ。

 どうなってんだよ。

 

「やれやれ、あなたは変わらないですね」

「うるさい。お前にだけは言われたくないわ」

 

 くだらないやりとりしないでくれます?

 この飛行機遅くなるどころかめっっちゃ加速してるんですよ。

 そっちに疑問を持ってくれません?

 

 体に重力がめっちゃかかり、俺は口から食べたばっかりのレバーを戻しそうだった。

 

「はぁ……僕は何でも屋ではないんですがね」

 

 そろそろ飛行機がドームの壁に突っ込むところでオークさんが窓をカパっと開けて飛行機の頭部にジャンプ。

 

 うぉぉぉい! 重力がやべぇぇのに、窓を開けるなぁぁぁ!

 

 ものすごい重力と風に俺の口から唾が後方へ飛んでいく。オークさんが腕を軽く振ればまたチビチ血管が生えてる大剣が出現した。

 それを握り締めオークさんがドームに向けて一閃。

 

 

 ゴォォォン!!

 

 

 半端ねぇ音が響きドームに巨大な亀裂。

 

「全盛期でもないのに呆れる地下だな」

 

 のじゃロリが珍しく褒めるとオークさんは両肩をすくめるとダンと飛び上がり座席に戻る。ドームの亀裂からなんか気色悪い色をした何かが流れ込んできた。

 

 はぁはぁ。あれ?

 

 その気色悪い青緑みたいな色が体に触れると、さっきまですごい重力がかかり死にかけていた体がみるみるのうちに元気になっていく。というか重力が消えた。

 

 い、意味がわからない。

 

 ドームの亀裂を見れば、再生しているようで亀裂がどんどん塞がろうとしていた。

 

「ほう? 昔は自動再生なんぞなかったが、いつのまにそんな機能をつけたのやら」

 

 そう呟いてのじゃロリはそのまま飛行機を操作して亀裂に突っ込んでいく。

 

「きゃん、きゃああああんん!」

 

 更に加速した飛行機に俺は思わず情けない声が飛び出た。するとのじゃロリは血に汚れた手で頭を撫でてくる。

 

 おい! やめろ!

 その汚い手で俺の綺麗な体を触んな!

 

 俺が思わずキャンキャンしながら手を避けると、のじゃロリがムスっとした顔になってレバーに手を突っ込み直した。

 

 そしてぎりぎりドームが塞がる前に飛行機はドームの外へ飛び出た。その瞬間、気色悪い感触と多福感が全身を襲った。

 

 

 メキメキ……

 

 

 ぐぅ……な、なんだ?

 

 体から出ては行けない音が響き渡り、体を見れば膨張。痛みに喘ぎながら他の仲間を見るれば、インコ姿のワーム君もぴーぴー悲痛な鳴き声で身体をぷるぷる震わせていた。

 

「ふぅぅん。これが最初期に****へと変化させられた人間かい? 初めて見たけど、なかなか興味深いね」

 

 俺が元の身体に戻ろうとしているせいなのか、重量が一気に増えたことにより飛行機はガクンッと墜落しそうになっていた。

 

「流石に急にごしらえで作ったものはだめだったようだな」

 

 のじゃロリが意味深なことを放ったが激痛でツッコミができない。ガックンッと更に飛行機が揺れたと思えば、オークさんは上空から飛び降りていった。

 

「チッ。オークの癖に逃げ足だけは一丁前だな」

 

 そう言ってのじゃロリは触手本と観葉植物さんを掴んで飛行機から降りた。観葉植物さんは大きく膨れ上がりパラシュートのように変化し、それを触手本が掴む。触手本は触手を伸ばし、のじゃロリの足に絡めていた。

 

「おい! なんで足だけを掴むんだ! 普通に胴体を掴め、馬鹿もの!」

 

 のじゃロリが文句を放つと触手本は意外と言うことを聞いて触手を伸ばしてのじゃロリを緊縛した。

 

「違うわ!!」

 

 漫才みたいなことをしているのじゃロリたち。俺とワーム君だけは落下していく飛行機に取り残されていた。

 そのまま飛行機は墜落し地面に激突。

 

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