目を覚ましたら実験動物になってたんだけど・・・ 作:饅頭おとこ
わんわんおー!
つ、つい美味しいすぎて遠吠えをしてしまった。
に、肉がこんなに美味しかったなんて……
とても新鮮で先ほど切り落として血がべっちゃべちゃ! さっきまで生きてたのであろう、未だに神経もピクピクするほど!
そして、ななななんと!! 肉が青い!
その上、独特でフローラルな香り!
ていうか生肉で渡してくんなや! 尻尾が生えてるとしても人間だっつーの!
なんだ青い肉ってふざけてんのか! 明らかに薬品の臭いがぷんぷんするぞ!
一人ツッコミしちまっただろ!
ー主任ー
拘束具を外させるように護衛の二人に命令すると、そいつらはサングラス越しに不満そうな目をこちらへやった。
ふんっ、いやならお前らをここに配属した上のやつらに文句を言うんだな。
そいつらは渋々、検体が隔離されている部屋へ恐る恐る入室をする。
検体はやはり他の凶暴な猛獣のように暴れるわけでもなく、彼らを見つめていた。
やはり先ほどのやりとりはきちんと認識できているようで、彼らが拘束を外している間も落ち着いていた。
そうして拘束具を外し終わる寸前に検体が何かに不満を持ったのだろう。
「Gurururururuuuu!!」
と喉がなる。
護衛の二人の手が止まり、アイコンタクトを始めたので、私は素早く彼らがつけているインカムに早く外せと指示を送る。
彼らは懐に入っている拳銃をいつでも抜けるように最後の拘束具を外した。
それからしたら劇薬の薬品ですら、これっぽっちも効かない身体に小型の拳銃なんて意味がないとわかりきっているんだろう。馬鹿にしたように護衛の二人を見て鼻を鳴らす。
護衛の二人が素早く部屋から出てしばらくすると彼は自身の身体を検査をするようにゆっくりと動き出し始めた。
最初はいたって普通の動きだったが少しずつ速くなり、アクロバットな動きや格闘技のような技を繰り出して壁などを殴ったり蹴ったりして暴れ始めた。
他の研究員が隔離室が壊れる! 速くあいつに麻酔をかけろ! とギャーギャー喚いている横で、私は彼の尻尾に注目した。
やはり彼もイヌ科に分類されている犬や狼のように飛ぶ際には尻尾をクルクル回したり、傾きによって飛距離や勢いを調整していた。
こうも簡単に尻尾を扱えるのであれば、彼は元から****であるか、天性の才能か、体に引っ張られているのか……
そろそろ隔離室が本当に壊れてしまいそうになってきたので私は室内のマイクを開き、彼に色々と質問するが、無反応だった。
続けているといきなりこちらに顔を向ける。
私たちが現在いる場所は何重にも防音と防弾で十メートル以上あるはずなのに、こちらを見ている。
彼が無反応だったのは、その異常な嗅覚と聴覚で場所を特定していたんだろう。
さっきまで喚いていた研究者たちがたじろくのが見えた。
恐ろしいものだ。
私が彼に何か欲しい物があるか?と訪ねると一言
「肉」
私は苦笑しながら承諾する。
そして部下に命令して、いろんな種類特製の肉をたくさん持っていくように命令した。
はー、なんだかんださっきは文句いったけど、お肉美味しかったです丸
ていうか牛丸々1頭分ぐらい食ったけど、まだ全然食べれますわ!
肉食べた後、暇で暇で死にそうだったので、尻尾の毛繕いをし始めるとこれが存外楽しくて熱中してしまった。
そのおかげで尻尾がめちゃくちゃ綺麗になりすごい艶が出てきた。
うえっへっへ。
指を入れるだけでもすっごい気持ちいいナリ……
ただ手足からも、ものすごい量の毛が生えてるが、き、きのせいだ。
きっと男性ホルモンが過剰に分泌されたせいです(白目)
俺が現実逃避して尻尾をモフモフしているとまたボインさんがマイク越しから話しかけてきた。
なんでマイク越しからなん? 直接来てよ! 寂しいです……と思いながら話を聞いてると、今の君の運動能力や身体能力を知りたいから、猛獣と戦ってくれって言われた。
な、なにいってんだこいつ?
おい! 俺は体毛がすごいくて尻尾も生えてるけど人間だぞ!(涙声
猛獣に勝てるわけないだろ!
俺が猛抗議しても、無視される。
恐らくその猛獣に続くであろう、ドアがウィーンと開く。
く、俺がそんなホイホイ行くと思うなよ!
「もし、君が私たちの実験に付き合ってくれるなら、私が用意できる範囲内になるが好きな物を用意しよう。」
イ”キ”マ”ス”!
俺は即落ち2コマのオークに囚われた、姫騎士のように答える。
ぼ、ボインさんのボインをボインボインできるならもちろん行くに決まってるじゃないですか!
俺は意気揚々とそのドアを通った。