無限転生 ~Summon Irregular~   作:とんこつラーメン

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基本的に、今回の主人公が召喚するのは歴代FFに登場した召喚獣になります。
スタンダードな連中もいれば、もしかしたらマニアックなキャラも登場するかも?

勿論、トンベリやチョコボ、モーグリみたいなマスコット枠な召喚獣も出てきます。








残業手当は出ますか?

 お説教ついでに、成り行きでこのまま堕天使討伐まですることになってしまった私。

 口は災いの元ってよく言うけど、いやはやマジでそうだわ。

 なんで私ってば、あんな事を言っちゃったのかしら。

 バイザーの一件が片付いたら、あのまま部屋に帰ってからのんびりとビール片手にネットサーフィンでもしようと思ってたのに。

 

「まぁ…どっちみち、いずれは必ずする事にはなるんだし…別にいいか」

 

 ここでネガティブ思考になるのは私の悪い癖だ。

 前向きに行こうぜアルカちゃん。

 

「…で、そうして適当に歩いてきた私なんですけれども」

 

 廃工場から歩いて10分ほど。

 周囲には民家らしい民家は殆ど見当たらない完全な町外れ。

 遠くの方に商店街の灯りが見える事から、文字通りの端っこみたい。

 

「…………こっちか」

 

 キョロキョロと辺りを見渡して詳しい場所を確かめる。

 本当に隠す気が無いのか、町の人間達に自分達の正体なんてバレる訳がないと慢心しているのか。

 そんなのはどっちでもいいけど、そのお蔭で簡単に居場所を特定できた。

 

「ここなら誰もいないし、普通に煙草を吸っても問題無いでしょ。ちゃんと携帯灰皿は常備してるし」

 

 ちゃんと喫煙者としてのマナーは守るアルカちゃんなのですよ。

 私ってば超エラくない?

 

「ふぅ~…一仕事終えた後の一服は格別ですニャ~」

 

 これから、もう一仕事するんですけどね。主に私のドジのせいで。

 後は身の程知らずの雑魚堕天使のせいね。

 

 気配を辿りながらテクテクと歩いていくと、遠くの方になんか見たことがあるような屋根の一部分が林の上から出ていた。

 

「あれって…教会? あんなのこの町にあったっけ?」

 

 少なくとも、教会があるだなんて聞いたことないような…。

 神社ならあるんだけどね。朱乃ちゃんが住んでる所だけど。

 

「もしかして、ずっと前に潰れて廃棄された教会なのかしら? だとしたら、私が知らないのも不思議じゃないけど……」

 

 堕天使達の気配は、あの廃教会(仮)から強く漂ってくる。

 ってことは、あそこが奴らのアジトって事か。

 

「もう使われてない教会を再利用するって…随分とリサイクル精神に溢れた堕天使ですこと」

 

 そのエコな精神がもっと世界中に広まれば、この世からゴミも減るんだろうけどね。

 因みに、私はちゃんと分別してるよ? 燃えるゴミと燃えないゴミ、あとはアルミ缶とスチール缶とかもね。

 

「ん?」

 

 なんかさっきから、ずっと私の事を誰かが見ている気配がするのよねー。

 斜め上から見下してる感じで。

 もしかしてストーカーだったりする?

 いやーん。アルカちゃんってばモテモテ―(棒)。

 

「ふん!」

「えい」

 

 いきなり光の槍が斜め上から飛んできたので、デコピンで弾き飛ばす。

 いや…煙草を『ふっ!』って飛ばして消した方がカッコ良かったかな?

 

「なん…だと…!? 人間風情が俺の光の槍を素手で破壊するとは…っ!?」

(……誰?)

 

 なんかスーツを着た老け顔野郎の堕天使が驚いた顔でこっちを見ている。

 そういや、何体の堕天使が入り込んでいるのかって聞いてないや。

 もっと集中すれば詳しい数も特定できてたかもだけど、それって地味に疲れるから出来ればしたくないんだよね。

 楽できれば、それに越したことは無いでしょ。

 

(にしても…『人間風情』…ねぇ……)

 

 まさかとは思うけど、私の中にある『悪魔の気配』に全く気が付いてない?

 確かに人間であることには違いないんだけど、今じゃ全身の細胞の半分以上が悪魔と同等の性質になってるんだよね。

 謂わば、私ってば人間と悪魔のハーフ的な存在なのよね。

 

(どれだけ低級でも、私の姿を見ただけで大抵の連中は『なんか変だぞ』的な考えに至るんだけどね。まさか、それすらも分からないぐらいに雑魚って事? それってマジで言ってる? 京都にいる妖怪の子供達でさえも私の身体から僅かに悪魔の気配を感じ取ってたのに? ってことは、こいつって子供の妖怪以下の実力しかないの? うわー…なんか急にアザゼルに同情したくなってきたわー…。そりゃ、名前も知らん筈だわ。こんなの、下っ端も下っ端じゃないのよ……)

 

 恐らくはこいつは見張り役だ。

 教会に近づこうとする不審者をいち早く発見し、それを排除する役目の。

 それ自体は悪くない。妥当な判断だ。

 彼我の実力差をちゃんと把握出来るほどの能力があれば…だけど。

 

「貴様…一体何者だ? 普通の人間ではないな?」

「酒と煙草が大好きな、通りすがりのキャリアウーマンでーす」

「ふざけるな!! まさか…神器(セイクリッド・ギア)使いか…!?」

 

 神器…ねぇ。残念ながら、そんな御大層なチートアイテムなんて持ってませんよーだ。

 そういや、あのイッセーって子の体から龍の気配がした気がしたけど、もしかして彼の体にこそ神器が宿ってるんじゃないの?

 だとしたら、リアスは図らずも当たりを引いたって事になるのかしらね。

 

「それよりもさ……私とのんびりとお話なんてしてていいの?」

「どういう意味だ」

「そのまんまの意味。はい、後ろをご覧くださーい」

「後ろだと…? ぐぁっ!?」

 

 老け顔堕天使の背後に出現した、殆ど裸に近い格好をした青白い肌をした美女。

 私が契約した召喚獣の中でも上位に位置する氷の魔神『シヴァ』だ。

 こんな事もあろうかとってね。実は廃工場を出てからすぐに彼女を召喚して、密かに私の周囲にスタンバって貰って、いつでも敵さんを迎撃できるようにしておいたのだよ。

 

「な…んだ…こいつは…! 体が…凍る…!」

「ほらほら、早く振り解かないと氷の塊になっちゃうよ?」

「ぐぉぉぉぉぉぉ…!」

 

 シヴァの恐ろしい所は、単純に敵を氷漬けにするんじゃなくて、相手の体内の水分を根こそぎ凍らせ、蒸発させることにある。

 私はこれを『気化冷凍法』と名付けた。

 もっとも、こんなのはシヴァにとっては小手先の技でしかないんだけどね。

 その気になれば、駒王町全体を絶対零度の凍気でカチンコチンに出来る。

 そんな彼女にアイアンクローされてるんだから、普通に考えても死亡確定だよね。

 

「レ…イナー…レ…さ…ま……」

 

 それだけを言い残し、名前も知らない老け顔野郎はそのままの姿で氷の結晶となった。

 そこから更にシヴァが力を加えると、ソレは粉々に砕け散り破片があっという間に蒸発していく。

 

「ありがと、シヴァ。地味な仕事をさせて悪かったわね。次に召喚する時は、もっと戦い甲斐のある相手の時にするから」

「気にするな。我が契約者よ。お前は我等を使って最高の仕事をすれば、それでよい。では、さらばだ」

 

 流石は氷の召喚獣の代名詞的な存在のお姉さまだ。

 私なんかよりも遥かに大人の女性だわ。

 めっちゃカッコいい台詞を残して戻って行ったし。

 

「…取り敢えず、堕天使一人撃破…って事でいいのかな?」

 

 アイツが最後に言ってた『レイナーレ』って名前…そいつが今回の首謀者なのかしら?

 ま、部下がアレじゃ上司の実力もたかが知れてるけど。

 とっとと終わらせてから、部屋で一人酒盛りでもしましょ。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 教会の周囲にある林の中へと入って行くと、そこでもまた複数の堕天使の気配がした。

 今度は二人みたいね。どうして一度に出てきてくれないの?

 こんな風に小出しにされると、本気で面倒くさいんですけど。

 倒す方の身にもなりなさいよね。

 

「そこの人間、止まれ」

 

 ふと声のした方を見上げると、そこにはボディコンを着た美人な堕天使(絶対に雑魚)と、なんかゴスロリっぽい服を着た堕天使(こいつも雑魚)が出てきて私の事を見下ろしていた。

 私の事を人間って呼んでる時点で程度が知れたわ。

 

「どうやってここまで来たから知らないッスけど、これ以上一歩でも進んだら命の保証は出来かねるッスよ~?」

「全く…ドーナシークは一体何をやっているのだ。人間がここに来るのを許してしまうとは……」

 

 ドーナシークって誰やねん?

 もしかして、さっきシヴァさまに蒸発させられたオッサンのことかしらん?

 

(さっきは思わず殺しちゃったけど、流石にこれ以上はしない方がいいかもしれないなー。その方がアザゼルにより多くの借りを作らせられるだろうし)

 

 よし。主にこれからの私の人生設計の為に、残りの堕天使達は全身揃って生け捕りにしよう。

 どうせ捕まえるなら、おっさんよりも女の子の方がいいしね。

 

「ちょっと、聞いてるッスか?」

「別にいいではないか。どちらにしろ、ここまで来た以上は生かして返すわけにはいかない」

「それもそっか。キャハハハッ! つーわけだから、大人しく死んでくださーいッス!」

 

 あんまし自然破壊はしたくはないし、ある程度の手加減が出来る召喚獣と言えば……。

 

「あ。めっちゃ丁度いい子がいたじゃん。寧ろ、こんな状況にこそ最大の力を発揮すると言っても過言じゃない子がいるじゃん」

 

 沢山の子達と契約すると、どうしてもそれぞれの特徴とかをド忘れする時があるんだよねー。

 ちゃんと覚えるように頑張ってるんだけどなー。

 

「おい貴様…何をさっきからブツブツ言ってる? 今の自分が置かれている状況が分かっているのか?」

「ん? なんか言った? 考え事しててよく聞いてなかった」

「「んなっ!?」」

 

 あらら…仮にも女の子が『んなっ!?』なんて声を出しちゃダメでしょうよ。

 

「なんかもう諸々が面倒くさいので省略! 出でよ! 召喚獣『マインドフレイア』!」

 

 私の足元に展開された召喚用魔方陣から出てきたのは、白いローブを着た杖を持つ異形の魔物。

 決して強いとは言い難い召喚獣ではあるけど、この子にしか出来ない技がチート過ぎて重宝している。

 

「なんか呼び出したッスよっ!?」

「こいつ…神器使いかっ!?」

 

 …どいつもこいつも、どうして特殊な能力を持つ人間は全員『神器使い』だって一括りにしようとするのかね。

 お前らは神器使い村の住人かッつーの。

 

「なんかもう会話をするのも疲れる。とっととやっちって。『マインド・ブラスト』!!」

 

 マインドフレイアが私の言葉に頷くと、杖を振りかざして二人の堕天使達の周囲に無数の光の帯を形成し、その動きを拘束した。

 

「こ…これは…!?」

「動けない……がぁっ!?」

 

 ビクンッ! っと体が痙攣した後に光の帯は消え去り、堕天使達はまるで糸の切れた人形のように落下してきた。

 その顔は虚ろになっていて、目の焦点が合っていない。

 更には口から涎を垂らして全身に力が入っていないようだ。

 

「な…にを…し…た……」

「別に大したことじゃないわよ。私が召喚したこの子が、アナタたちの脳の一部を吸い取っただけ」

「のう…を…す…った…?」

「そ。まるで金縛りにあったみたいに指一本すらも動かせないでしょ? つまりは、そーゆーこと」

 

 これで無力化は完了っと。

 ちゃんとマインドフレイアの頭を撫でて褒めてあげると、目を細めて気持ちよさそうな顔をする。

 なんか見慣れると、この子も不思議と可愛く見えてくるから凄いわよね。

 『お疲れさま』とお礼を言ってから元いた場所へと戻してあげた。

 

「問題は、この二人をどうやって運ぶか…よね」

 

 このまま引きずっていくのは流石に可哀想だし……そうだ。

 

「逆に考えるのよ。今は夜で、ここは人気のない町外れ。つまり、ここに置いて行っても大丈夫じゃないかと」

「「えっ!?」」

 

 脳みそ吸われてるのに、こんな時は大声出せるのね。

 つーか、どうして普通に喋れてるのかしら?

 人間なら一発で植物人間になるのに。

 どんだけ低級でも堕天使は堕天使って事?

 

「ちょ…ま…て…!」

「おね…が…い…ッス…か…ら…」

「連れて行ってって? 嫌よ。私、重労働は嫌いだし。こんな場所に放置しても問題無いでしょ? 別に浮浪者にレイプでもされるわけじゃあるまいし」

「そ…う…いう…も…んだ…い…じゃ……」

「そう言う問題です。それじゃ、あでゅー」

 

 なんか無駄に長引いちゃったけど、今度こそはレイナーレとかいう堕天使と御対面かしらね。

 ここまでの流れからして、ちっとも強敵感は無いんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回もアルカ無双…というか、召喚獣無双になる?






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