全てを救う例えそれが偽善であったとしても   作:嘆きのラジオ

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これは衛宮士郎が救済よりも勝利を選んだ
ストーリーとなります


13話「嘘」 魔術の極致

亜人の陣地に大きな動きがあった

敵が攻めてくる前兆だと衛宮は感じた

衛宮の配属先は西門、亜人の兵力がもっとも展開されている方面だ

 

三メートルほどの人喰い大鬼が前にでる

(あれは・・・バリスタか)

攻城戦などで使うであろうバリスタをオーガが一列に運んでいる

あの巨大な矢があたれば城壁など簡単に崩れてしまうだろう

 

(あたればの話だけどな)

どうすればいいのか?勿論打ち落とすまでだ

(問題はあれだけの数の亜人だな)

数万の亜人の軍勢の一部とは言え、数は多い

まともに戦っても物量で押し込まれるだろう

 

「奥の手を使うしかないな・・・」

その瞬間、轟音とともに遠くの壁が崩れる

バリスタを打ち込まれたのだろう

 

ゆっくりしている暇はないと思いながら

衛宮は弓を構え覚悟を決める

 

~アインズは戦況を観察する

西門の亜人はバリスタを使うが衛宮が全てそれらを撃ち落としている

しかし戦況は一方的だ、解放軍には攻撃手段がないからである。

彼の魔法も魔力が尽きれば使えなくなるだろう

また人質を盾にとられることは明白だ

状況によっては助けにはいる勿論恩を売るためなので相当追い込まれてではあるが

 

アインズはそう思いタイミングを見計らいながら戦いを観察する

 

~どれだけの時間が経っただろうか

以前戦いは均衡している

 

バリスタを撃たれる度に衛宮が打ち落とす、その繰り返し、亜人供も攻めるに攻められない様子だ

 

だが衛宮もこれ以上は投影出来ない

魔力が足りなくなってしまうからだ

 

亜人は攻め方を変えたようだ

子供を盾に進んでくる

 

「クソ」

思わず悪態をつくだが今回は助けることができる

今回は前回とは違うのだ

神官達は必死に天使達をとばす

 

しかしそれ以外の解放軍は盾にされている子供のため攻撃出来ないでいる

聖騎士も同じようだ

だがそろそろだそろそろ亜人達が魔法の射程距離に入る

 

亜人達は笑い声をあげ勝利を確信したのか気味の悪い雄叫びをあげる

 

「そろそろか」

彼は独り言のように呟く

時がきたと、この戦いに勝利を

 

「投影開始(トレース・オン)」

全身から魔力を振り絞る

彼が使うのは魔術の極致

最大の禁忌とされているものだ

息をはく、詠唱を唱える

 

「からだは剣で出来ている」

 

「血潮は鉄で、心は硝子」

 

「幾たびの戦場を越えて不敗。」

 

「ただ一度の敗走もなく、」

 

「ただ一度の勝利もなし。」

 

「担い手はここに独り。」

 

「剣の丘で鉄を鍛つ。」

 

「ならば我が生涯に意味は不要ず。」

 

「この体は、」

 

「無限の剣で出来ていた。」

世界が変化するそれは土地、空間ごと

魔法の名は《無限の剣製》

 

その世界は剣そのもの衛宮士朗が至った魔術の極致

彼の魔術は剣を作ることだけに特化している

だがこの魔術は違う、剣を作るのではなく

無限に剣を内包した世界

 

固有結界、術者の心象風景をカタチにし、現実に侵食させて形成する大禁呪

結界内のあらゆるものを結界内のルールの影響下におくことが出来る。

 

彼の結界は視認したあらゆる剣を解析・複製・貯蔵する

練鉄の固有結界

 

亜人達は突然の世界の変わりように困惑している、当たり前だろう誰しも世界そのものが変われば驚くだろう

 

だがこれで心置きなく戦える何故ならここにいるのは俺とお前達だけなのだから

 

魔力を・・・世界を・・・剣を動かす、

亜人の数は万を越えるだろう

だがこの世界の剣は数十万だ

 

空に浮かぶ数十万の剣、亜人達の顔に恐怖が浮かぶ

逃げ出す者もいる

 

(どこに逃げるというのか)

この世界に逃げ道などない、俺が死なない限りは

 

降り注ぐ剣の雨に万の亜人死んでいく、一人また一人と

鉄の雨は彼以外の命が尽きるまで止むことはない

 

死んでいく亜人達を目に衛宮は思う

(そもそも戦争さえなければ誰も死なずにすんだのに)

不可能ではあるがそう思わずにはいられない

 

降り注ぐ鉄の雨、こだまする獣の悲鳴、

命が潰えた世界に

 

一人の人間がたつ、寂しく、冷たく、孤独に

彼だけの世界に

 

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