「貴方が上条当麻ね?」
そう言って俺の前に降り立ったお姉さんは俺の事をまじまじと一通り見つめたあと…………
「はぁ………………」
溜息をついた。あくまでも初対面の、しかも右も左もわからぬ俺の前で…………カナシイナァ………………しかも、その後と来たら既に人の1人や2人殺ってるかのような目つきで俺の方を睨んでくるというおまけ付きだ。さすがの俺もこれには引いた…………と言うかビビった…………しかし、ここで弱みを見せれば一瞬で取り込まれるだろう……だから……
「……そうだけど?と言うか、まずは自分から名を名乗るべきじゃないのか?」
彼女の目を睨み返して、上条さん史上初の喧嘩を売った。はっきりいって後悔している。
「ふふっ…………威勢のいい男は嫌いじゃないわよ?けどそんな事などどうでもいいの。貴方が私の名前を知ったところで、貴方になんの得など無いのだか」
「そうかい…………悪いが俺はアンタのことが嫌いになったな。それに名を名乗るのはお互いの損得勘定で決まるものじゃないと思うけどな。」
その言葉に痛いところをつかれたのか、彼女は俺の方を更に睨み返してくる。はっきりいって怖い。逃げれるものなら逃げたい。けど……ここで逃げたら確実に負けを晒すことになる。だから……
「なんだよ……?怖気付いたのか?」
俺は彼女を更に睨み返す。
「……………………」
「……………………」
両者しばしの沈黙…………そしてその沈黙を破ったのは……
「はいはい、出会って早々喧嘩しないの。そもそもアンタが用事あるからこの子をここに呼んだんでしょ?その本人がその子に喧嘩仕掛けてどうするのよ?」
派手な巫女服に身を包んだ少女だった。いやでも助かったが…………まともにやり合ったら勝てる気がしない…………
「そうだったわね…………貴方をここに呼び寄せたのは他でもない私よ。そして、それには色々と深い訳があるのだけれど…………」
「前置きはいい、手っ取り早く教えてくれ。俺は早く帰らないとあの暴力シスターに殺されかねないんだ。」
「そうね…………なら単刀直入に言うわ。」
「あぁ、たとえどんなことを言われても上条は驚かない自信があるぜ。」
伊達に世界を救ってなんていません!その度に死にかけたし、既に神や魔神にすら喧嘩を打ってる上条さんにはもう怖いものなんてない。俺はひとりじゃないから!(死亡フラグ)
「そう、なら安心ね。要するに、貴方の世界と私たちの世界が滅びる寸前なのよ。」
「へ?」
思わず変な声が出た。こっちの世界と俺の世界が滅びる?なんで?魔神たちは跡形もなく消したはずだし(消したとは言ってない)最早世界を破滅させられるやつなんていないはずだが…………
「話すと長くなるの。だから貴方をここに呼んだ。取り敢えず、詳しい事は明日話すわ。今日は休んで頂戴。」
は?いや、え?わけがわからないよ(・д・`*)
詳しい事を聞こうとするも既にあの人は空間の裂け目?に入っていった後だった。
「取り敢えず、今日は霖之助のとこに泊まりなさい。私のとこは散らかってて寝るとこなんてないから。アイツのとこならなんとかなるでしょ。」
「はえ?とおっしゃいますと……??」
「ほら、のんびりしてないで早く行くわよ。」
そう言って少女は俺の腕を掴み空へと浮き上がる。と言うか、これから連れていかれるところの人もかなりの不幸人なんだな…………うん、その人とはいい酒が飲めそうだ(未成年だろうが)
☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★★
その後ものの数分で山奥へと着いた俺は朽ちた山小屋の前へと下ろされ、その場に置き去りにされることとなった。理由など知らん、不幸だ…………
目の前では銀髪の青年と赤い服の巫女がなにか言い合いをしているけど、今の俺にはそんなこと関係ない。と言うかあまり関わりたくない。
「とにかく、僕のところはもう無理だ。それに霊夢、昨日だって僕の所に1人連れてきたじゃないか。」
「あら?拒否権はないわよ?それじゃ。」
「あ、ちょっと待っ!」
言いたいことを言い終えたのかは知らないが俺をここに置き去りにして巫女は空へと飛んで行った。ほんとに神に使える巫女なのかあれは…………
「「不幸だ…………」」
ふと口をついて出た言葉が銀髪の青年と被る。俺は彼の目を見たまま、そしてその彼も俺の目を見たまま、その場で硬い握手を交わした。不幸同盟の結成である。
「君は…………どこか僕と同じ匂いを感じるね。」
「奇遇っすね、俺も同じこと思ってました。」
そんなこんなで2人して不幸話で盛り上がっている時、小屋の中から1人の少年が出てきた。
「ギャーギャーうるせェンだよ…………」
俺はその少年を見てすかさず距離をとる。白い髪、白い肌、そして血に染ったような赤い瞳…………
「
「アァ………………?何でこンなとこにいるンだヒーローさンよォ…………?」
続くはず
次回はやる気が出れば…………