吸血鬼の始祖がヒーロー社会で自分勝手に生きる話 作:鈴木颯手
頑張らないと
それと、アンケートを取っている最中ですがキャラ出しても問題なさそうなので他作品のキャラを出す方向で動きます。因みに史実に存在する人物は全てオリキャラとなります(Fateとかを期待した人はすいません。流石に眷属化の事を考えるとだし辛かった……)
「今回は駄目だったな」
「くそ! 完敗だ。脳無はやられた。手下は役に立たなかった!」
「へぇ、負けたのか」
怒りを露にする死柄木の言葉を聞き第三者の声が聞こえてくる。しかし、その声には聞き覚えがあり驚いたりはしない。ただ、怒りのままに声のした方にいる人形のような少女が持つタブレットに視線を向ける。そこには相も変わらず『Sound Only』とだけ書かれており声のみが死柄木達に伝わって来る。
「神よ! 申し訳ありません! ヴィラン連合を助けるという役目も十分には果たせずおめおめと逃げ帰ってきてしまいました!」
「いいさ。むしろイレイザー・ヘッドというマイナーとは言えヒーローを殺しかけたんだ。充分活躍はしているさ」
「神よ……。ありがとうございます!」
始祖は決して怒っているわけではなくむしろ褒め称えていた。何しろ全滅という可能性さえ想定したのだ。その中でヒーローの無力化を行ったというのは高評価をしていた。
とは言えこれはジャンヌ・ダルクが始祖のお気に入りだからという理由も存在する。もしこれが顔も存在も忘れていた眷属なら今頃死んでいただろう。眷属化を解けば人間に戻り彼女たちはこれまでの時間分体は成長をする。つまり、肉体は消滅するのである。これが眷属になって十年そこらの若者だったのならおばさん、おばあちゃんになるだけで済むが百年、二百年と生きていれば待っているのは”死”である。
「そんな訳でジャンヌは一旦戻ってきてくれ。死柄木、ジャンヌの代わりを用意してある。戦力は劣るが今すぐにまた襲撃を仕掛ける訳ではないのだろう?」
「……ああ、暫くは休養だ」
目立った外傷はないとはいえ心を落ち着かせる必要があるし雄英高校にまた襲撃を仕掛ける事も出来ないだろう。その為暫くは潜伏を余儀なくされていた。
「お前もそれで良いな? オール・フォー・ワン」
『……勿論さ。そこの女性は君の物だ。僕たちは借りているだけに過ぎないからね』
始祖の言葉に答えるようにバーに備え付けられたテレビから声が聞こえてくる。その声はオール・フォー・ワンの物で死柄木の先生にして数年前まで裏世界から日本を支配していた大物である。そんな彼の声に割り込むように別の声がする。
『それよりもワシと先生の共作、”脳無”はどうした?』
『回収していないのかい?』
「……吹き飛ばされました」
苛立って回答すら拒むような死柄木に代わり黒霧が答える。その答えはオール・フォー・ワンとは別の声の主、ドクターにとって予想外の物だった。その証拠として声は焦っている。
『何!?』
「正確な位置座標を特定できないと探す事は出来ません。それに雄英高校の教師が迫ってきていました! その様な……、時間は取れませんでした」
『何と言う事だ……。せっかくオールマイト並みのパワーにしたというのに……!』
『ま、仕方ないか。今回は爪が甘かったという事だ。今回の失敗は次に行かせればいい』
「その通りだ。……おっと、そう言えば近々雄英高校で体育祭が行われるそうだな。今年の上玉を見に行こうと思っている」
『へぇ、雄英高校か。
「あ、それは事実さ」
「何と……」
聖愛学院とはお嬢様学校という特色を色濃く持った女子高である。その女子高が謎の襲撃を受けたという噂が裏の世界で出回ったが信ぴょう性に欠けた噂として誰も気にしなくなった。しかし、その実態は襲撃どころか支配すらしていたものだった。
「去年だったか一昨年だったかにな。気に入った女子が五名程居たんでそいつらを眷属にした後に学院を支配したのさ」
『成程。君は能力を使う相手をなるべく女性のみにしたがっている。女子高である聖愛学院は都合が良かったと言う訳か』
「別に淫らな高校にしたわけではないぞ? 深層心理で俺への絶対服従に無抵抗。そしてこの事をどのような事があろうとも校外に持ちださないとしただけさ」
『君は社会の裏にすら姿を見せないくせに動くときは大胆に動くな。それが始祖として生き続けている理由か?』
「さあな。あまり気にした事は無いからな」
始祖にとって動く要因は『好みの女性がいるか否か』だ。居れば動き、居なければ動かない。そうしているうちに気付けば今の今まで生きていたというだけだった。
「取り合えずそう言う訳だから俺を探そうとは思うなよ。連絡は1号を通して行ってくれ。黒霧、ジャンヌを指定する座標に送ってそこにいる俺の眷属を持って行ってくれ。座標は1号の持っているタブレットに送信する」
「分かりました」
それだけ言うと通信は切れる。1号はタブレットの電源を落とし命令があるまで部屋の隅で待機する。まるで生きた機械の様な動きをする1号というメッセンジャー役の少女に不気味さを感じる黒霧。そして、始祖という存在がどれだけ強大なのか、その断片に触れた事で黒霧は始祖の力に恐怖するのだった。
「死柄木という奴もまだまだだな。だが、見どころはありそうだな」
「そうでしょうか? 私には餓鬼の様なお馬鹿さんにしか見えないのですが。若しくは現実が見えていない愚かで救いようがないこの世に不必要なゴミクズと言った所でしょう」
「相変わらずの毒舌だなクレオパトラ」
俺は豊満な体を使って俺の体に厭らしく絡みつく眷属、クレオパトラにそう言った。クレオパトラは俺の秘書のような役割をしてくれており俺が一番伽に呼ぶ人物だ。元は……、なんか男がいたらしいがそんな事はどうでもいい。対立していた……、なんだったかに力を少し貸して自殺を偽装して眷属にした。その時は40代一歩手前だったが眷属になった以上若々しい容姿は確定している。
今だって絡みつかせている体は細くも肉突きが良く障り心地がとても良い。容姿だって20代前半、中盤と言える位の容姿だ。そんな彼女は右側のみだが腰までスリットが入ったタイトスカートを履き水着の様なしかし装飾品がついた豪華と言えるものを胸に当てていた。それは自らの主である始祖に惜しげもなく見せつけ触れさせていた。
端から見れば情婦の如き行いだが本人は特に気にもしていない。何故なら眷属となった彼女の役目なのだから。二千年を超える時の間ずっと行ってきた行為を今更止める事など出来るはずがないし辞めるつもりもなかった。
「さて、雄英高校の体育祭だが誰を連れて行くか……」
「私としては狂信者で融通の利かない上に顔が割れてしまっている可哀そうな聖女(笑)なジャンヌさんやおこちゃま体型で主様と並ぶと兄妹にしか見えないボーデヴィッヒさんなどはお勧めしませんわ」
「いやいや、流石に人選はきちんとするつもりさ」
「なら私を連れて行ってはくれませんか? きっと極上の時間になると思いますよ」
「んー。でもお前の事だから直ぐに引っ付こうとしてくるだろ? それだと目立つから……、連れて行くことはないかな」
「そんな……」
俺の言葉にクレオパトラはショックを受けている。俺が傍にいる時はこいつは何かと絡みついてくる。正直に言うと満足しているがさすがに外でもやられると目立ってしょうがない。だからこいつは何時も留守番だ。外では自制できる精神をしてくれていればよかったのだけどな。
そんな訳で連れて行くのは誰にするか……。ジャンヌはあり得ないしクレオパトラはそもそも論外。他だと、マリーとかアメリアとかラクシュミーとかかな。皆俺が世界各地を渡り歩いた先で
そうなるとマリーか。見た目は10代後半くらいだし問題はなさそうだな。
「クレオパトラ。何時まで落ち込んでいるんだ。それと雄英高校の体育祭に連れて行く者は決めたから」
「あ、まさか私……」
「だからちげぇって。マリーだよ。あいつは適任だ」
「はぁっ!? なんであの小娘を連れて行くのよ! ちびで生意気な顔をしているのに!」
「いや、ちびって……。お前もほぼ同じ身長じゃないか。それに容姿は眷属になる過程で更に美人になるし」
「いーえ! 主様はあの小娘がどんな性悪娘か知らないのです! いつも私を見ては鼻で笑い、ちびのくせにあの脂肪の塊を見せつけるように歩くのですよ!」
「なんだ。胸に嫉妬しているのか」
確かにマリーは巨乳だ。それでいて引っ込むところは引っ込んでいる、まさに男の理想の体型だ。それでいて身長は低めだし性格も大人しくそれでいて気品に溢れており相手を立てるのに長けている。良妻賢母の見本とも言える人物だ。
「兎に角、もうこれは決定事項だ。クレオパトラがどうこういっても変わらないぞ」
「そんなぁ……」
「……まぁ、その分今日は可愛がってやるさ。いや、今日もか?」
「あん♡ では早速……」
そう言ってクレオパトラは抜き出す。艶めかしくも厭らしく脱いでいくが俺は途中で我慢する事を止めて押し倒すのだった。
「ヴィラン連合と名乗る者たちについて警察の方で洗ってみましたが……」
誰もが寝静まる深夜、雄英高校の校舎の一室にて教師たちが集まっていた。そこには教師だけではなく警察官の塚内もおり今回の襲撃事件の報告を行っていた。
「死柄木という名前、触れたモノを粉々にする個性、20代から30代の個性登録に該当者なし。黒霧という者、【ワープゲート】の方も同様です。無国籍且つ偽名ですね」
それがヴィラン連合の主犯である二人の調査結果だった。更にそれとは別にジャンヌ・ダルクの方の調査結果も言う。
「そしてジャンヌ・ダルクという女性に関してですが、今のところ詳しい情報は入っていません。もし百年戦争時代に活躍した本人だとしても調べようがありませんので」
「それはそうさ。DNAの鑑定ですら比べられる物がないからね」
塚内の言葉に校長の根津が答える。根津は【ハイスペック】という個性を発現したネズミであり人間以上の知能を持っている。そんな彼だからこそ雄英高校の校長に就任できたのである。
「吸血鬼という事ですがそちらも詳しい事は何も。ただ、裏の世界ではそう言った”噂”なら個性が現れる前からあるそうです」
「噂か……。それだけでは分からないな」
ジャンヌ・ダルクに関する情報が全くないせいでそちらの捜査は全く進まない。下手をすれば死柄木や黒霧よりも難しいだろう。それだけに彼女に関してよりも死柄木達の方に焦点があてられる。
「死柄木達は個性届を出していない所謂”裏の人間”で間違いないでしょう」
「という事は何も分かっていないという事か?」
「その通りです」
「しかし、早くしないとまた何かをするのではないか?結局無傷で逃げられたからな」
「ですが、死柄木という人間についてなら想像はできます」
そう言ったのは実際に相対していたオールマイトである。数年前に負った怪我の影響で今は何時もの筋骨隆々の姿からがりがりにやせ細った姿になっているがこの場にいる全員がその事を知っていた。
「普通、雄英高校に襲撃を仕掛けるという事は思いついても行動に起こそうとは思わない。突然それっぽい事をまくし立てたり自身の個性を明かさずに脳無という者の個性を自信満々に明かす。何か気に入らないことがあると露骨に機嫌が悪くなる。この事から見えてくる死柄木という人物像は、”幼稚的万能感が抜けきらない子供大人”だ」
「子供大人……。成程、確かにそうだ」
「まぁ、個性を明かすという行為は私を誘導する意味もあったのかもしれないが……」
「でも対ヒーロー戦において個性を教えるという行為は愚策に思えるね」
「しかし、その子供大人が何かあるのか?」
教師の一人であるスナイプの疑問に答えるようにオールマイトは続ける。
「考えてみて欲しい。そんな子供大人に賛同するように今回は大量のヴィランが参加している」
「こちらで捕らえた数は約70名越え。ほぼ全員が路地裏に潜むような小物ばかりでしたがそんな彼らが死柄木という男について行ったのです」
「ヒーロー飽和社会である現代では抑圧された悪意はこういった子供大人に惹かれる傾向にあるのかもしれません」
「だが、あの女性は別だ」
誰もが納得しかけた中、オールマイトはジャンヌ・ダルクを思い出す。明らかにヴィラン連合に賛同して参加しているわけではない彼女。自らの主に言われて参加していた事からヴィラン連合に対して興味がなかったのが見て取れた。
「その主は今回ジャンヌ・ダルクを通じて初めて表舞台に痕跡を残した。これが一体何を意味するのか、今のところは分からない。だが、かつての巨悪”オール・フォー・ワン”並みの、いやそれを超える存在が動き出そうとしているのかもしれない」
「ヴィラン連合に参加したのはその準備体操のようなものと?」
「奴らの狙いが分からない以上断言しかねるがそう判断しても良いのかもしれない。もしかしたら、既に動き出している可能性すらある」
「そして、吸血鬼に関してですが……」
オールマイトの警戒する声に対して塚内が言い辛そうにしているがやがてゆっくりと言い始めた。
「”上”からの命令でその吸血鬼を探すように言われています」
「上? 警察の上層部か?」
「それらを自由に扱える者達です」
塚内はあえてぼかしたが一体だれを指しているのか分かり教師たちは眉を顰める。明らかに吸血鬼にありがちな不老不死を狙っていると思われる命令だけに嫌気がさしている。
「とは言え警察としてもヒーローのおかげで地道な捜査に力を入れやすくなっています。”上”からの命令はともかく真相が分かるように調査していくつもりです」
「うん。僕たちも何かわかったらすぐに報告するよ」
塚内はそう言うと部屋を出ていく。会議も終わり解散となった時にオールマイトの隣に座る根津はぽそりと呟いた。
「子供大人。それは生徒たちだって同じだ。もし、私達の様にその子供大人を育てようとしている者がいるとしたら……」
「それは……」
オールマイトは数年前に倒したはずのオール・フォー・ワンを思い浮かべる。そして吐き捨てるように言うのだった。
「考えたくない事ですね」
聖愛学院の才子さん、個人的に好きなんですよ。因みに始祖の好みは作者と同じにしてます。その方が考えるの楽だし……。
以下は
クレオパトラ
言わずと知れた三大美女の一人。アクティウムの海戦後に捕虜となったクレオパトラを眷属にした。更に関係者の記憶を弄り自殺したと思わせた。因みにクレオパトラは始祖を嫌悪していたが眷属化後は態度が一変する。始祖の情婦と言える程尽くしているが本来持っていたスペックが無くなった訳ではなく知略は健在。一方で毒舌家であり他の眷属やそれ以外の有象無象には辛辣な言葉しか言わない(普通に話すのは始祖かその命令で普通に話すように言われたときのみ)。マリーの事を眷属の中で一番嫌っている
マリー
ヨーロッパ産まれ。母はマリアテレシア。元夫はルイ16世
身長150センチ後半のスタイル抜群の巨乳。性格は大人しく相手を立てる良妻賢母な女性。一方でクレオパトラ曰く性悪な行いもしているそうだが詳細は不明
ラクシュミー
インド大反乱で活躍した女性。インドのジャンヌ・ダルクとも。グワーリヤル城に入る前に眷属となり代理を務めた女性は彼女に代わって戦死した。
戦闘狂でいつもジャンヌ・ダルクと戦っている。眷属の中でトップ3に入る実力を持っておりオール・フォー・ワンから個性を貰った一人(因みにジャンヌ・ダルクも貰っている)。雄英体育祭を見に行くお供として名を上げられるも戦闘狂という事で除外された。その内本編に出てくるかも
アメリア
ほら、あの……。飛行機の人だよ
ボーデヴィッヒ
あれだよ。インフィニットでストラトスな作品のキャラだよ。
他のキャラを出すか(勿論始祖の眷属として。その為性格は大きく変わる可能性大)
-
あり
-
なし
-
数人程度ならあり