私立、
一人目、幼児体型の天才科学者、
二人目、おっとり系不死、
三人目、隠れ強キャラのツッコミ役、
……この話は、上記の三人がその内に秘めた才能にまつわるしょうもない話……またはそれとは全然関係ないどうでもいい話を繰り広げる様を垂れ流す、ナンセンスコメディである。
2年A組の昼休みはいつも平和だ。特に今日は、直前にあった授業の社会科教師が授業中の例え話にガンダムの話題しか使わない件で、例の三人が盛り上がっていた。
「マジで誰なんだよデュランダル議長って」
「わたし雰囲気で聞いてた~」
「私はエヴァンゲリオンのことを考えてた」
「いやそれも意味わかんないけど」
「いや巨大ロボ繋がりってことで。……何かしらの巨大なロボを、人生で一回くらいは動かしてみたくない?」
「はぁ、まぁ、分からんでもないけど。でも別に男子ほど憧れてはないからなぁ……。……ていうかこみみの場合は作ったらいいんじゃないの? 出来そうじゃん」
「まぁロボ自体は出来るけど……」
「さすがかよ」
「え、すご~い! わたしも乗ってみたい~。乗って宇宙でジオン軍と戦うの~」
「えっ、そよはなにか、
「お父さんが見てたから~。でもちょっとだけしか知らない~」
「へー」
「ねぇ、二人は巨大ロボを動かす時の最大の問題点って何だと思う?」
「んー? 操縦が難しすぎるとか?」
「ビームの威力がありすぎるとか~」
「ビーム撃つ前提なのか……」
「惜しい。正解は、……仮に簡単に操縦できる巨大ロボを作れたとしても、それを動かせる場所がないってこと」
「あー、それはなるほど」
「目立っちゃうもんね~」
「警察沙汰になりかねなくて、さすがの私も出来なかった……」
「逆に警察も知らないところで巨大ロボの設計までは完了してるのまぁまぁ怖いんだけど」
「有事の際には四の五の言わずに発進させられるぜ!」
「どんな有事だよ……」
「核迎撃とか」
「出来んの!? やばすぎでしょ」
「どうやってやるの~?」
「念じる」
「それで核止まるならもうロボはオマケじゃん」
「いや違う違う。こう、エヴァを歩かせるのと同じ感じで」
「知らん。エヴァ見てない」
「嘘でしょ!? なんで!?」
「なんでって、興味ないし……」
「わたしは見たよ~」
「ほんと!? どの使徒が一番好き?」
「使徒~? そうだな~、なんかあの、海の上を歩いてくるやつかな~」
「あっ、あれ私もめっちゃ好き! デケデケデケ デンドンデンドン…… デケデケデケ デンドンデンドン……、みたいなBGMで出てくるやつね」
「頭が時計の針みたいになってて~」
「そうそうそう! ギッギッギッギッ…… ギャオンッ! テュンテュンテュン↑ テュンテュンテュン→ テュンテュンテュン↓ ってなるやつ!」
「そうそう~」
「……………………」
「……そよちゃん見て、あずさがオタクを蔑む目で私たちのこと見てるよ」
「違う。これは「一人だけが一ミリもついていけない話題で盛り上がる奴らを蔑む目」だ」
「ごめんって」
「あたしにも分かる話題にしなさい」
「そうする。……巨大ロボを動かせる環境について考えるのはどう?」
「環境~?」
「うん、どこで動かせば誰にもバレないかなって。アイデアを募りたい」
「海底とかは?」
「第一話から海底で始まるロボットは趣味じゃないかな……」
「知らねーよ……」
「あ、じゃあじゃあ、異次元空間とかは~?」
「異次元?」
「わたしたち専用の空間的なやつ~。こみみちゃん作れたりしない~?」
「出来なくもない」
「マジ……?」
「ただ一回試してみた感じ、五分くらいで勝手に出入り口が閉じて、二度と同じ座標にアクセスできなくなったんだよね」
「いや、それはやばすぎじゃない……? 五分以内に帰ってこないと異次元に閉じ込められるってこと……?」
「五分じゃなくて、五分「くらい」ね」
「余計やばいわ」
「じゃあ却下ね~」
「ほかは何かない?」
「あー、じゃあいっそロボを縮めるとかは? 超巨大ロボは将来へのお楽しみに取っておくとして、今はせいぜい3mくらいのやつを動かしてみるとか」
「いいけど、初めて一歩歩いた時の達成感が大してなさそう。乗り込むっていうより装着するって感じになりそうだし」
「文句ばっか言いやがって」
「う……それもそうか。わかった、一回あずさが言う通りにやってみる」
「おぉ~。完成したらわたしたちにも見せてね~?」
「いいけど、一応安全に配慮して最初は動画で送るね」
「3mのロボを歩かせるだけでも危険なことが……?」
「いやビーム撃つから」
「ビーム撃つのは前提なのかよ」
後日、人気のない某所で原因不明のボヤ騒ぎが起こったが、迅速に消火され大事には至らなかったという。