私立、
ドラえもん系JK、
亜人系JK、
隠しボス系JK、
……この話は、以上の三人がどうでもいい話をだらだら続ける様子を、ありのまま垂れ流すナンセンスコメディです。
ある日の昼休み。
「ねぇ二人とも知ってる? 英語ネイティブの人が言う「スクリーンショット」って、日本人が「スクショ」っていうのと同じ間に言い終わるんだよ」
「……え? どういうこと……?」
「私たちがスクリーンショットを略して「スクショ」って言い終わるまでの間に、アメリカ人は何も略さずに「エビバディ スクリショッ」って言えるってこと!」
「エビバディ……?」
「あ〜わかる〜。ネイティブの人の英語ってすっごく早いよね〜。テレビでしか見たことないけど〜」
「私はYouTubeで見た。そして衝撃を受けた。我々日本人が略してやっとの言葉を、ネイティブの人は略さずに同じ時間で言いきれるなんて……! 詠唱破棄みたいなものじゃん!」
「略してんだか略してないんだか」
「でもそのことに気付いたと同時に、私はすごい発見をしたんだよ。……キュウリって英語でなんて言うか知ってる?」
「キューカンバ〜」
「そう、キューカンバー。言い終わるまでの間に「キュー・バー」って二回も伸びるから、例えネイティブ英語マンでもそれを「キュウリ」より早く言い終えることはできない……。その事実を私は目撃したのだ!」
「それが……?」
「あの緑色の細長くてトゲトゲしててみずみずしい野菜の名前を呼ぶ時は、私たち日本人は珍しく、ネイティブ英語マンの完全に先を行くことが出来るってことだよ……! 何の努力もせずにね!」
「お〜! すご〜い!」
「し、死ぬほどどうでもいい……」
「いやいやいや、海外の人から言われたくない? ホワーイジャパニーズピーポー!? あの野菜の名前をそんなに早く発音できるなんてどういうこと!? ……え? 普通に日本語を話しただけなんですけど……もしかして私またなんかやっちゃいました? ってさぁ! 言ってみたくない!?」
「いや、全っっっ然」
「おぬしには日本語ネイティブとしてのプライドがないのか」
「そんな低レベルなプライドないわ」
「わたしはちょっと思うかも〜。今の話すごく興味ある〜」
「ふっ……というわけだあずさ君、悪いなぁ」
「別にいいけど二対一でも……。……で、キューカンバーの話の続きは?」
「お、よく続きがあるって分かったね」
「あたしももはや、こみみトークネイティブだからね」
「わたしもわたしも〜」
「み、みんな……! 私は嬉しい……! ……ということで、我々三人で文殊の知恵を絞り出して、日本語の方が早く発音できる言葉をたくさん見つけだそうぜ! っていうのが今回の目論見です」
「面白そう〜! 長い英単語を探せばいいのね〜」
「まぁ付き合ってあげよう」
「よし、じゃあ思いつき次第どんどん発表していこう。まずは私から……エクスプロージョン! 爆発!」
「おぉ〜、たしかに日本語の方が短いね〜」
「なるほど……。一理あるけど、でも発音したら実質3文字のキュウリに比べて爆発は4文字でしょ? 本当に早い?」
「分からない……ネイティブは尋常じゃない速度でエクスプロ-ジョンって言うかもしれない……。でもかなり有力候補だと思う」
「審査員が不足してるのか、この企画」
「こみみちゃんがネイティブ英語ロボを作ってくれたらいいのに〜」
「はっ、それは盲点だった……!」
「まぁ今後そのロボに入力する予定のリストを作る……ってことにしといたらいいんじゃない? あたしも一つ思いついたよ」
「おぉ、なになに?」
「オストリッチ。ダチョウ」
「えっ、なにそのかっこいい響き。ダチョウってそうなの?」
「神話に出てきそう〜」
「リッで跳ねるからダチョウより時間かかるかなって」
「そんなことよりオストリッチの正体がダチョウなことの方がショックなんだけど。初見の人は絶対みんな神話的な物を想像するでしょ」
「そんなことあたしに言われても」
「あっ、はいは〜い、わたしも思いつきました〜」
「はい、そよさん。なんでしょう」
「アブノーマル〜、異常〜」
「おぉ……。そよの口からそんな単語が出るとは」
「え〜? なんで〜?」
「なんとなく物騒な言葉とは無縁なイメージがある」
「わかる」
「あれ〜、そんなことないんだけどな〜。ふぁっきゅ〜ふぁっきゅ〜」
「なにそのゆるふわパンク……」
「パンクってどういう意味?」
「知らん。ノリで言った」
「あ、そう……。……よし思いついた! クリティカルヒット、直撃!」
「それクリーンヒットじゃない?」
「え、じゃあクリティカルヒットは?」
「会心の一撃とか」
「はぁ〜? 長すぎて話にならないんだけど」
「いやあたしに言われても……」
「はいは〜い、また思いつきました〜。アクシデント〜、事故〜」
「おぉ、2文字だ」
「最有力候補では……?」
「やった〜!」
「さすがに1文字は中々思いつかないな……」
「……ん? あれっ、今気付いたんだけど、もしかして意訳を入れたら世界が広がる……?」
「というと?」
「ガールズラブ、百合」
「なるほど」
「ボーイズラブ、やおい」
「わかったわかった」
「知らないけどたぶんなんかすごい長い英語、おねショタ」
「分かったってば!」
「おねショタ? ってなに〜?」
「え? あー、なにって言われると……えーとね……」
「そよみたいな人が、小学生くらいの男の子と仲良くなる物語のこと」
「あ、そうなんだ〜! じゃあわたしおねショタ?好きかも〜」
「こみみ……」
「皆まで言うな……」
「あ、意訳ならわたしも思いついたよ〜」
「おぉ、どんなの?」
「マネーロンダリング〜、両替〜」
「そよさん……!?」
「パンクというかブラックになってきたな」
「えへへ〜」
「あずさは何かない?」
「うぅん……。あたしこれ苦手分野かも……」
「ふっ、私は得意だよ。サディスティック、エス」
「いやそれは「戦艦の名前がついた地名多いな〜」みたいな話じゃん」
「わたしも思いついた〜。シリアルキラ〜、隣人〜」
「そよさん!? 怖いんだけど……!?」
「そよの良からぬ才能が開花している……」
「でも4文字は今や重いですね」
「え〜、そっかぁ〜」
「他に日本語だと2文字の英語は……2文字の英語……あっ、理科?」
「サイエンスか。けど元が何の変哲もない5文字だと……」
「ガールズラブ百合の方が強いね」
「あ〜、でもそういえば〜、イングリッシュより英語の方が短いよね〜。3文字だけど〜」
「あぁ、確かにそうじゃん。青い鳥はここにいたんだ」
「…………あ、チャイム鳴った」
「上手くオチもついたのでは?」
「やったね〜」
「じゃあ私はネイティブ英語ロボ作って、明日には持ってくるよ」
「おーファイトー。あんまりデカいの作るなよー」
「わたしはおねショタのこと調べる〜」
「それはやめて!」
後日、こみみとそよの二人は、英語テストで赤点を取ったばかりに補習へと連行されていった。