お嬢様と僕(しもべ)ちゃんと嫌われ者   作:おたふみ

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ろくわ

なんとか誤解は解けた。ちとせさん楽しんでるだろ。

 

「は〜、紅茶おいしい」

 

さすがお嬢様だな。紅茶の味がわかるんだ。俺にはペットボトルよりうまいくらいしかわからん。

 

「確かに美味しい。雪ノ下さん、この茶葉はどこで買われているんですか?」

 

「母が贔屓にしているみせからよ。教えましょうか?」

 

「是非お願いします」

 

完全に俺は空気だな。さ、俺も紅茶をいただきますかな。ふ〜ふ〜。

 

「八幡くんて、猫舌なの?」

 

「ええ、まあ」

 

紅茶を冷ましながらちとせさんに答える。

よし、飲み頃かな。

 

「なんか、可愛いよね」

 

「そりゃどうも」

 

男子高校生が可愛いとか言われてもね。うん、盤石の美味しさ。

 

「八幡くんて、彼女とか居るの?」

 

「は?居る訳ないじゃないですか。俺ですよ」

 

友達すらあやしいのに。戸塚?友達でも彼女でもない。戸塚は俺の嫁!!

材木座?知らない人ですね。

 

「じゃあ、私が彼女になるよ」

 

「は?」

 

突然、何を言い出すんだこの人は!

 

「ね、いいでしょ?」

 

「笑えない冗談だ」

 

「あながち冗談でもないよ」

 

「お嬢様、いけません」

 

いいぞ、千夜。

 

「そ、そうだよ、ヒッキーなんか」

 

そうだ、由比ヶ浜。

 

「やめておいた方がいいわ、こんな男」

 

その通りだ、雪ノ下。

 

「3人の言う通りだ。俺なんかやめて、もっといい男探してください」

 

まったく、このお嬢様は何を考えているんだか。

 

「まぁ、千夜ちゃんはいつものこととして、同じ部活の二人はなんでそんな言い方なのかな?」

 

あれ〜?なんで下を向いちゃうんですか、お二人さん。自信持って『こんなヤツ』って言っていいんだぞ。それだけのことをした自覚はあるんだから。

 

「まぁ、最終的には本人同士が決めることだから、二人は関係ないよね?」

 

「そ、それは…」

 

雪ノ下も由比ヶ浜も言い難いみたいだから、俺が助け舟を、出してやるか。

 

「二人は俺がロクでもないヤツだって知ってるから」

 

二人の気持ちはなんとなくわかっている。修学旅行での言葉もそれが故なんだろう。でも、俺は勘違いだと言い聞かせる、自分自身に…。

 

「ちとせさんも、冗談でもそんなこと言わないでくださいね。うっかり惚れちまう」

 

ちとせさんの言葉は所謂同情・哀れみの類いだ。

 

「今はそういうことにしておいてあげるね」

 

下校時間のチャイムが鳴った。いい頃合いだろう。

 

「じゃあ、俺は職員室にカバンを置いてきたから、取ってそのまま帰る」

 

「八幡くん、送って」

 

はい?

 

「いや、無理です。俺は自転車通学なんで」

 

「え〜、いいじゃん。送ってよ」

 

ちとせさん、俺の手を取らないでください、二人の視線が痛いから。千夜、早く止めてくれ。

 

「お前、お嬢様からの誘いを断るつもりか?」

 

味方じゃなかった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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