五等分の花嫁 四葉のいなくなった世界で生きていく 作:ぷー太郎
とある学校の帰りのことだった…。
「上杉さん、実は私上杉さんに謝らなきゃいけないことがあるんです」
「どうしたんだ四葉? この前の小テストの点数をこっそり書き替えたとかか?」
「もー、違いますよー」
四葉は、もじもじとした様子だった。
「実は私、上杉さんに嘘をついていたんです」
「俺に嘘か、それでいったい俺にどんな嘘をついてたんだ?」
「実はですね、私本当は上杉さんのことが…」
「俺のことがなんだ?」
「上杉さんのことがす…! はっ…!」
この時、四葉の視界には風太郎の背後から猛スピードで迫ってくる車が映っていた。四葉は咄嗟に手が出た。
「風太郎君危ない!」
「うわっ…!?」
風太郎は四葉の運動部で鍛えられた力で思いっきり突き飛ばされた。そしてその瞬間に四葉はこう言った。
「風太郎君大好き…」
「えっ…!?」
風太郎はこの瞬間がまるでスローモーションに見えた。四葉へと向かって迫り来る車と周囲の景色がゆっくりに見える。
そして次の瞬間、ものすごい速さで車が突っ込んできて四葉は車に衝突された。
「四葉あああああああ…!!!!!!!!」
猛スピードの車に突進された四葉はさすがに助からず、四葉は即死だった。この日を境に風太郎は家の中に引きこもってしまうようになった。
「お兄ちゃん!? もうずっと学校休んでるけど、学校に行かなくて大丈夫なの!?」
「………」
「五月さん達もお兄ちゃんのことを心配してたんだよ!」
「うるさい! 俺のことなんてほっといてくれ!」
「で、でも…」
らいはは心配そうに兄である風太郎を見つめる。
「何で俺が生き残ってしまったんだ…。本当は四葉はこそ生き残るべきだったんだ…」
風太郎は独り言をぶつぶつと言う。すると、風太郎の父親である勇也が足音を立てて駆け寄ってきた。
「おい風太郎! お前いい加減にしないか! いつまでそうやっているつもりなんだ!」
「なんだ、親父か…。俺のことはほっといてくれ…」
「てめーふざけんじゃねぇぞ、この野郎!」
風太郎は勇也に思いっきり頬をぶん殴られた。風太郎はぶん殴られたがとくにやり返す様子もない。
風太郎はまるで魂が抜けてしまったかのようだ。
「お父さん、お兄ちゃんを殴るのはやめて!」
「あー、むしゃくしゃするぜ。らいは、俺はもう仕事に行くぜ。こんな辛気くせー息子の顔なんて見てらんねえからな」
勇也はそのまま仕事へと行った。
「あー、俺ってば生きてるのか死んでるのかもう分からねぇや…。このまま死ねたら四葉に会えるのかな…」
そして風太郎は意識がどんどん薄れていき、そのまま眠りについた。