五等分の花嫁 四葉のいなくなった世界で生きていく   作:ぷー太郎

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第2話 一花との再会

「フータローくん、ねぇフータロくん起きて…!」

「はっ…! 四葉か!?」

 風太郎は目を覚ました。目の前には心配そうに風太郎を見つめる一花の顔があった。それに見慣れない景色が広がっていた。どうやらどこかの古臭い建物の中のようだ。

 

「なんだ一花か」

「なんだとはなんだ。お姉さん傷付いちゃうなー」

 一花は苦笑いをしながらそう答えた。風太郎はまずいと思った。

 

「すまない…」

 それから互いに口を閉じてしまった。とても重たくて押しつぶれそうな空気が流れる。

 

 そして一花が口を開く。

「ね…ねぇフータローくん。らいはちゃんに聞いたよ。ずっと家の中に引きこもりっぱなしなんだってね」

「………」

「やっぱり四葉のことで思い悩んで学校に来なくなったんだよね」

「………」

「大丈夫なの? 具合とか悪くなってない? フータローくんが辛いなら私達が力になるから」

風太郎は重い口を開く。

 

「わるい、どうしてもお前らには会わせる顔がなくてなぁ…。もう俺のことは忘れてくれ」

「フータローくん…。それは無理だよ…。フータローくんのそんな姿を見てたらとてもじゃないけど、ほっておくことなんて出来ないよ」

「………」

 重苦しい空気が漂う。

 

「四葉が交通事故にあったその夜は、フータローくんと同じように私達も姉妹みんなして泣いちゃったっけな」

「………」

「私までも泣いちゃうなんてお姉ちゃんとして失格だよね」

「お前は立派に長女やってるよ…。お前が長女として失格だなんてあるもんかよ…」

「フータローくん、もしかしたら四葉が死んだのは私のせいかもしれないの。私がもっとお姉ちゃんとして四葉を見張ってあげていれば…」

「それは違う…! 四葉をを死なせたのは俺だ! 俺は四葉に助けられちまった…。本当は俺が死ぬべきだったんだ…」

「やめてよフータローくん…。そんなこと言わないでよ…。お願いだから…」

 辺りが静寂に包まれるなかで、一花のすすり泣く声だけが聞こえる。

 

 

 

 

 

 少し経って落ち着いたところで、今置かれている状況を冷静に分析し始める。

「それにしてもここは一体どこなんだ? なんか気味悪いよな。そもそもここは夢なのか?」

 夢にしては妙にリアルな感じがしていた。それに目の前の一花を見て、とても夢とは思えない風太郎だった。

 

「フータローくん、とりあえずはこの建物から出る方法を探し出そうよ」

「そうだな」

一花と風太郎は古い建物の中を歩き出す。

 

「ねぇ、フータローくん」

「なんだ?」

「もしここから出られたら、また私達の家庭教師をやってくれる?」

「そのことなんだが…」

プルプルプルプル!と突然一花の携帯に電話がかかる。

 

「こんな時に誰よ。もしもし」

「私よ、二乃よ。一花、あんた今どこにいるのよ」

「二乃!、私は今フータローくんと一緒にいるよ」

「えっ、フーくんと!? ちょっとどういうことよ」

「あはは、私にも分からないよ」

「ところでそんな場合じゃないわよ! 私、起きたら気味の悪い建物の中に移動してたのよ! あんた達は今どこにいるの!」

 風太郎は一花の携帯から聞こえる二乃の声を聞いていて、相当怖い思いをしているかもしれないと思った。

 そして一花に携帯を貸してもらって風太郎が変わった。

 

「俺だ二乃、無事か!」

「フーくん! 分からないわ。とにかく早く助けて!」

「待ってろすぐ迎えに行ってやる」

 そんな時だった。携帯から変な声が聞こえるようになった。まるで電話を妨害されているみたいな感じだ。

 なんというかとてもこの世の者とは思えない声がした。そして二乃との電話は切れた。というより怖いから切った。

 

「フータローくん、今のなに!?」

「分からない。ただ、なんかまずい感じがする」

「二乃は大丈夫なの!?」

「それも分からない…。ただ、二乃もおそらくは俺達と同じ建物の中にいる」

「じゃあ早く助けないと!」

「当たり前だ! 俺は家庭教師としてキッチリ勉強教えてやらないといけねぇ! だからお前らを絶対に全員助けて勉強させてやる!」

「フータローくん! やっぱりフータローくんは家庭教師が似合うよ」

「そ、そうか…」

 風太郎は少しずついつもの調子を取り戻していった。

 

そんな時だった。「コツン…コツン…」と何者かが風太郎と一花の元へ近付いてくるのだった。

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