五等分の花嫁 四葉のいなくなった世界で生きていく 作:ぷー太郎
「一花、二乃、三玖、ありがとう」
風太郎は3人のおかげで再び立ち上がることが出来たのだった。
「お前らと一緒なら俺もな、何も怖くないぜ」
そして風太郎達は歩き出そうとした。そんな時だった。
「バタンッ!」
上の階から何かが落ちてくる音がした。
「なんだ、もしかして化け物か…!?」
「ここまで来たのにここで終わっちゃうの…!?」
4人で、おそるおそる音のした方へ行ってみる。
「痛たたぁ…」
すると、そこには五月がいた。
「五月、お前無事だったのか!」
「上杉くん!? それに一花に二乃に三玖も!?」
「五月ちゃん!」
「五月、心配したんだからね」
「私も五月のこと心配だった」
一花、二乃、三玖は五月のことを囲んでみんなでナデナデし始める。
「ちょ、ちょっと。くすぐったいです」
五月は五つ子の中で末っ子ということもあってか、ずっとワシャワシャされていた。
「うーん…」
風太郎は五月が落ちてきた天井の穴を覗いていた。
「上杉くんどうしましたか?」
「五月、お前太ったな?」
「な、何を突然言うのですか!? 乙女に向かって!」
風太郎はどうやら五月が自分の重さによって床を突き抜けて天井から落ちてきたと推察した。
「とりあえず五月を探す手間が省けて良かったよ」
「私の扱いだけ雑じゃないですか!?」
「だが俺たちは依然としてピンチだ。この4階はものすごく嫌な予感がする」
「たしかに禍々しい雰囲気を感じます」
「けど、この5人ならばきっと大丈夫だ! 絶対にみんなで元の場所へ帰ろう」
「そうだね」
「そうね」
「分かった」
「その通りです」
5人で手を繋いだその瞬間だった。
「うわっなんですか!?」
また半透明のウェディングドレスを来た女の人が現れた。
「お前ら五つ子は本当に似た反応をするんだな」
「え、どういうことですか!?」
五月以外のみんなは黙って半透明のウェディングドレスの女の人について行く。
「ちょ、ちょっとー。待ってくださーい!」
五月も遅れて後から付いてくる。
「おい、一体どういうことだ…!?」
おかしなことにこの半透明のウェディングドレスの女の人の後をついて行くと、空気の重くなっていく感じがしていった。
もしかして俺たちは騙されていたのだろうか…? 風太郎はそう考えた。けど、今回も五つ子である五月に呼応して現れた。
この半透明のウェディングドレスの女の人は五つ子同士、もしくはそれと同等に絆を感じた者同士が集まった時に現れている。
「俺は信じるぞ…」
五つ子に呼応して現れたのならと、風太郎は五つ子との絆を信じることにした。なので黙って付いていくことにした。
「それに五つ子を信じて死ぬんだったら俺は本望だ」
そういう思いで風太郎は付いていくことにした。そしてとある扉の前に辿り着く。おそらくこの部屋の重い空気の発生源はこの扉の中からだ。
「え、なんなのこれ…?」
一花、二乃、三玖、五月達は明らかに今までにないくらい動揺していた。
「この扉の向こうはなんか危ない気がします」
「私もそう思うわ」
「こ、怖いよ」
「み、みんな落ち着いて」
一花は体が震えながらもみんなを落ち着かせようとしていた。さすが長女のお姉ちゃんだ。
その時だった。
「私、会いたいよ…。私、また上杉さんに会いたいよ…」
「嘘だろ…。四葉なのか…!?」
「嘘、そんなはずは…」
「四葉なの!?」
「四葉…」
「みんな…」
扉の向こうからすすり泣く四葉の声が聞こえる。
「はぁはぁ…」
風太郎は目を見開いて激しく動揺している。
「フータローくん、その扉は絶対に開けちゃだめだよ…」
「そうよ、その扉からは嫌な予感がするわ…。私、さっきから震えが止まらないもの…」
「フータロー、その扉を開けたらダメ絶対…」
「私も何か嫌な予感がします…」
半透明のウェディングドレスの女の人は平気だったのにこの扉の向こうは四人揃って嫌な予感がするというのだ。
そして半透明のウェディングドレスの女の人はいつの間にか消えていた。
「俺は今までみんなの絆を信じてきた。どうするのが正解なのだろうか?」
風太郎は必死に考える。
「上杉さん、私会いたいよ…」
四葉のすすり泣く声が聞こえる。風太郎はもう我慢ならなかった。四葉が扉の向こうにいると知っていてら扉を開けない訳にはいかないと思った。
だが、4人に迷惑をかけちゃいけないとも思っていた。そこで…。
「なぁ五月、1つ聞きたいことがある」
「はい…」
「五月が5階に居た時は化け物みたいなのはいなかったのか?」
「上杉くん? ええ、そんなものはいませんでしたけど…。それがどうしたというのですか…?」
「そうか…」
ということは少なくとも5階はこの4階よりも安全ということだ。
「突然だけど、ここでお別れだ。お前ら今までありがとな。俺を置いて5階へ行ってくれ。そしてお前らだけで頑張って脱出してくれ」
「え…?」
一花、二乃、三玖、五月は風太郎の発言を聞いて固まった。