五等分の花嫁 四葉のいなくなった世界で生きていく 作:ぷー太郎
「本当に四葉なのか!?」
「そ、そうだけど…」
「本当に四葉なのね…!」
「四葉ぁ…」
風太郎は嘘でも幻でも良いから伝えなくちゃいけないと思った。
「四葉、俺を助けてくれてありがとう。俺が今生きているのは四葉のおかげだ」
「そ、そうなのかな…? アハハ…」
なんか四葉の返答が変だった。風太郎の言っていることがよく分からない感じだった。
「俺はまだこいつらと家庭教師を続けたいと思っている。もちろんお前の家庭教師もだ。四葉、一緒に元の世界に帰ろう!」
風太郎は四葉に手を差し伸べた。頼むから俺の手を取ってくれと風太郎は祈った。
「アハハ…。風太郎くん、それは出来ないよ」
「え…?」
風太郎は思わぬ返答をされるのだった。
「まず、私は多分君が知っている四葉じゃないと思う」
「ど、どういうことだ…」
「だって君のいる世界の四葉と私は多分別なんだから」
「…」
一同、啞然して言葉が出なかった。
「あとね私、今からある人と結婚することになってるの」
「四葉、どういうことなんですか!?」
「あんた、いつからそんなことに!?」
「そうだよ、お子様パンツを穿いてる四葉が結婚だなんて!?」
「相手は誰なの!?」
「ちょ、ちょっとみんな、落ち着いてぇー!」
四葉はあたふたしていた。
「実は私、もうとっくに高校を卒業してるんだよ。まあその頃のみんななら知らないよね」
「そ、そうか…」
風太郎も状況をすべて飲み込んだ。そして、四葉が本当に死んだんだということを実感した。
「でも四葉、これだけは聞いてほしい。オレを生かしてくれて本当にありがとう! お前のおかげでまだこいつらの家庭教師を出来る」
「そっか。手のかかる子たちだけど家庭教師頑張ってね!」
「私、四葉のことずっと愛してるから!」
「私もよ! あんたのこと守れなくごめん!」
「四葉、好き」
「四葉ぁぁぁ…!」
「みんな、何が会ったのかは分からないけど、私もみんなのことはずっと大好きだから!」
四葉は屈託のない笑顔を見せた。
「うわーん!」
姉妹みんなは走り寄って花嫁姿の四葉の膝にうずくまって泣いた。
「みんな泣き虫さんだねぇ! そっちの世界の私はみんなにこんなにも思われているなんて幸せ者だったんだろうなぁ…」
四葉は姉妹みんなをナデナデする。
「風太郎くんは来ないんだね!」
「そ、そんなことするかぁ///」
風太郎は照れ隠しをする。
「よかったらみんなにも結婚式を見てもらいたいなんて思ったけど、そろそろ時間だね」
「え?」
四葉は扉を指さす。
「みんなが来た扉がなんかぐわんぐわんしてるから、そろそろタイムリミットなのかも」
「そうか…」
「多分そこを通れば元の世界に戻れるのかもね」
もうタイムリミットは迫っていた。別れは突然にやってくる。
「みんな、そろそろ帰らないとお父さんに叱られるよ」
「四葉、私お別れだなんて嫌だよぉ…」
「みんな、泣くんじゃいわよ! そうよ、また一緒に四葉と暮らしたかったわぁ…!」
「四葉、ゲームまだ返してないよぉ…。およよぉ…」
「四葉とまた美味しいパンケーキ屋一緒に行きたかったのにぃ…!」
みんなはまた四葉に泣きつく。
「お前ら帰るぞ」
もし俺たちの世界の四葉が生きていたならこんな花嫁になる未来もあったのかもな…。風太郎一行は涙を流しながら帰ることになった。
風太郎達は扉をくぐり、どんどん意識が遠のいていく。
四葉は去り際にこう言った。
「一花、二乃、三玖、五月、そして風太郎くん。みんな大好き!」
俺は夢を見ていた。みんな衰弱して黄泉の国にでも行っていたのだろうか? 起きると俺は病院の管で繋がれていた。
親父とらいはが俺の目の前に立っていた。
「まったくお前は本当に俺と似てバカだな。おかえり、風太郎」
「うるせぇよ親父。ただいま」
「お兄ちゃああんんん!」
らいはが泣きついてきた。
「らいはもただいま」
互いに笑いあった。久しぶりの家族の再会だった。そして同時期に4姉妹も病院で眠っていたらしい。
姉妹たちも一斉に目を覚ましたらしい。みんな回復は順調とのことだ。そして4姉妹はすぐに退院した。
だが、俺は途中で熱を出して遅れて退院した。熱を出している間は四葉が側にいてくれたような気がした。
風太郎も体調が戻って、再び家庭教師に復帰した!
「お前ら四葉の分もバシバシ勉強教えてやるからな!」
「 フータローくん、程々にね」
「いいわ、かかってきなさい!」
「 私、頑張る 」
「臨むところです!」
「それじゃあいくぜ!」
なあ四葉、お前も今どこかで笑ってくれているかな。
~end~