【完結】何でここに居るんだ ここはアーネンエルベじゃないぞ 作:ブラッドゼーレ
今回、長いので気を付けてください
これ...アンチ・ヘイト入れた方がいいかな...
それでは第20話!どうぞ!!
カラーン カラーン カラーン
チャペルの音が鳴り響く
「うぅ…」
その音により目を覚ます志貴
周りを見ると、石造りの家が並び、遠くに教会が見えた
先ほどまでいた、崩落跡地とはまるで別の場所だった
「ここは…」
住民だろうか、服装を見る限りここが日本でないことは分かる
立ち上がり近くの男の人を呼び止めるために肩に手で触れようとしたら
「あの…ここはどこで…」
スー
「!?」
触れようとした手はすり抜け空を切る
自分の手が透明になり触れる事が出来ない
男の人の方も何事もなかったようにそのまま去っていく
「一体なにが…」
「なるほど、こうなったか」
「!?」
声が聞こえ振り向くとそこにはエボルトがいた
「ッ!」
「おいおい、戦う気はないぞ」
ナイフを構え、臨戦姿勢を見せるが、エボルトは両手を上げ戦わない意思を見せる
「それより」
「?」
首を振られ、そちらに視線を送ると、一人の女の子がお店の手伝いをしていた
「どこかで…ノエル先生?」
「だろうな、ここはあいつの過去なんだろうな」
「俺達は今、あいつの過去を、観せられてるんだよ」
「ノエル先生の過去…」
大人の頃の綺麗とは別で、かわいい容姿をした姿がそこに居た
一人の男性客と何かを話しているが聞こえない、楽しそうにしたり、少し不機嫌そうになったり色々な顔をしている
「?」
「環境音だけが再現されてる?暴走してるとは言え何故だ」
疑問を覚えるエボルト
太陽が沈み始め、お店を閉め始める店もチラホラ
子供達が教会の方に走っていく、近くの店のカレンダーを盗み見る
「なるほど、クリスマスか、ついでに書いてるのはフランス語と・・・つまりここはフランスだな」
「フランス?それって先輩の…」
それは音もなく始まった
ノイズが走り、場面が変わる
突如、ノエルの家の店に血だまりでき、周りには燃える死体の山、逃げ出す住人
「なんだ…これ」
「ふーん」
店からノエルが出てきて街の外を目指すように走る
それを追うように風景変わる、そこには壁があった
この街に似つかわしくない壁が、そこに大人たちが集まっていた
混雑し、押し合い、何か叫んでるように口を開く
ノエルも近づこうとした時、先ほど見た男が止めていた
すると住民たちの後ろから挟み込むように壁がせり上がり出てくる
見えなくなる住人、突然音が聞こえだす
「お!聞こえるようになったか」
まるで壊れたテレビからやっと音が聞こえたかのように喜ぶ
叫ぶ声、罵声の浴びせあい、助けを求める声
壁に挟まれ音は上ぇ上ぇと上り混ざり合い、一曲。奏でられてるかのように聞こえた
壁が動き出す…すべての声が悲痛な叫びに変わり統一され、最後を彩る
押しつぶされた、住民。その隙間から、血液が少しにじみ出る
「なんだ…これ…」
「上の奴らだろうな」
上を見上げる志貴
壁の上には、奇怪の影達が居た
大勢の人の影、城のような大きなの影、足の長い蜘蛛のような影
「あれは・・・祖かぁ」
「あれが・・・あれ全部が祖なのか!!」
指を差し声を荒らげる志貴、エボルトは特に答えない
そうしている内にノエルと男は移動を始める
その先は悽惨な物だった
茨に絡まれ、オブジェのようにされ笑ってる者
体に別の物を付けられいじられる者
皆、オモチャのように超越者達に弄られ、嬲られていく
そうして二人は、明かりも付いていない、暗い教会に着いた・・・着いてしまった
中に入る二人、教会の中にも生存者いて、その中の男性にノエルが抱きつく父親だろう
祭壇の方から足音が聞こえた
「ああ、なんて嘆かわしい」
「え・・・」
それは聞きなれた声、命をなんでも助けてもらい、尊敬する人の声
「この時代は不信心者が多すぎる」
「シ・・・エル・・先輩…」
なにも着ずに、マントを纏い現れたのは、いつもの青い瞳ではなく赤い瞳をしたシエルだった
彼らの居る足元がへこみ、閉じ込められた
ひとりひとりとオモチャにされていく。色々な形の肉塊され、目の前に落とされていく
「先輩!目を覚ましてください!先輩!!」
ひたすら名前を叫ぶ志貴
「叫んでも無駄だぞ、所詮記録、過去にいるわけじゃないんだから」
振り向くと
寝仏のように横になって、この惨状を眺めるエボルト
「お前!!」
「ふぁ~~」
まるで興味無いという姿勢
志貴は掴み掛ろうとしたが止まった、仮面で見えないが冗談とかではなく、本当に興味無いというのが伝わってくる
つまらない映画を観て、暇を持て余している様に見えた
「くっ!」
場面が進む・・・
シエルの姿がなくなった
急に興味を無くしたかのように、下が少し騒ぐ
他の死体を積み上げて、登り始める
原型を残さず歪な肉を重ね、逃げるための山を作る
そうして男とノエルが出てくる
と、男は近くの長椅子を掴み、山を崩す
「!?」
「フゥン」
「全員で逃げれば気づかれる。仕方がないことなんだ」
男は負傷していて片足と片目を失くしていた、椅子を壊し杖にして、ノエルの手を掴み外に向かう
扉が開く、空いた先には大量のグールがいた
次の瞬間、ノエルは突き飛ばされていた・・・男の手によって
「な!!」
「ハハ」
男叫ぶ
「おい見ろよ!、ここにうまそうな女がいるぜ!!」
だが、グールは叫ぶ男の方に寄って行く
皮肉なものだ叫ばなければ少しは生き残れたものを、叫んでしまったせいで注意を引いてしまった
男は群がられて食い殺される、生きたまま無残に
「ハハハ!これだから人間は面白い!!」
「ッ!!」
その一言で遂に掴み掛る志貴
「お前は!なんで笑えるんだよ!!さっきからこの惨状を見て!なにも感じないのかと思ったら笑い出して!!ふざけて」
「なに言ってる、これが
「は?」
殴ろうと思っていた志貴は止まる
「自分が大事で、平気に他を裏切り、売る、愚かな生物だ」
「なに、言って・・・」
「ほとんどの人間は、誰かを平気で蹴落としでも生きようとする、それが人類であり、人間だ」
「あぁ、善意で動くやつもいるだろうな、だが、それは一部だ」
「誰かの為に戦う?大切な者の為に?結局、他人を使って正当化してるだけのただの自己満足だ」
「それはッ!!」
「否定できないだろ?それでも否定して叫べるんだったら、それは狂人の域だ」
バシュッ!!
上から何かが落ちてきた、同時に液体が飛び散る
上から落ちてきたのは、シエルの死体だった
「!?、先輩!!」
エボルトから手を放し、駆け寄る志貴
暇になり、近くのノエルの方に目線を向ける
「あぁん?」
そこには、ノエルの傍に何かがいた
ノイズが走るが赤い色をした体で、ギリギリシルエットが人型なのも分かった
それはノエルを掴み、その場から忽然と消えた
「今のは・・・」
突然、空間にひびが入る
「!?」
驚く志貴、街並みも今近くにいる、シエルも全部が消えて暗い空間が現れ、ドーム状にひびが広がる
「限界かぁ、所詮は暴走体、長く持つ訳がないか」
ドームが割れる・・・
ディスクの破片が落ちてくる・・・月の光を反射して美しく、悪夢が覚めるように
しばらくすると、離れた場所に、息は荒く、玉のような汗をかき、震える体を押させ丸くなっているシエルが現れた
「先輩!!」
すぐ近くには、力なくほほを進めるノエル
「くっ!」
飛び出し、守りに行こうとするが肩をエボルトに捕まれる
「ちょっと待とうか」
「放せ!!」
一歩、一歩と近づき、仰向けに倒れるノエル、頭をシエルの前に来る
ボトルが排出され、CDスマッシュの体は崩れ元に戻る
その目には光がないが、お互い目が合っている
「ノ.ノエ...ル....」
「かえ...して..よ..」
お互い弱々しく言葉が出る
シエルは志貴達の近くにいたのだ、姿と声を隠され、シエルだけ遠野志貴を認識させて
自分が止められなかった罪を近くで、好きな者に
やめてと懇願しても、泣いても止められない
存在せず、聞こえないはずの怨嗟の声も聞こえだし、彼女の精神は追い込まれていた
「わた..し...の..みら..い...を..こ...きょ..う..を」
ノエルから言葉が紡がれるたびに怯えるシエル
「お..とう...さ.ん..を..お..かあ.さ..ん...をか..えし.て...」
そう言い終わると目を瞑り眠るノエル
手が離されシエルに駆け寄り体を揺らす
「先輩..先輩!!」
「ハァ..ハァ..」
落ち着かない呼吸、とても正常じゃなかった
近づいてくるエボルト、ボトルを拾い、回収する
そのまま近くに居た、ノエルを担ぎ上げる
「ま..て...」
「・・・ん?」
弱く呼び止めるシエル
エボルトは、顔だけをそちらに向ける
「まだ...なにも..言えてない....」
「先輩...」
何とか立ち上がろうとするシエル、それを心配そうに見る志貴
「悪いが、俺には興味がない」
歩き出すエボルト、後ろ向きで手を振る
「お願い..待って...」
「Ciao」
その場からノエルを連れ消える
それを見て、倒れそうになるシエル、咄嗟に支えに入る志貴
「う・・うう...」
「先輩...」
頭に手を回し、優しく彼女を抱く
「うわああぁぁあああぁぁ」
静寂の中、少女のように泣く
後悔と悲しみがこもった叫びだけが・・・・
今回もむずかしかったですね
エボルトの遺伝子だから多少無理させてますね、設定
急激なハザードレベルの上昇があり、エボルトの遺伝子が止めてないと消滅してます
本来、吸血鬼化させて、ボコるつもりでしたが、ノエルがメルブラでナイスな行動をしてたので、ご褒美として今回このような展開が生まれました
原作より、拷問になってないか?志貴と(一方的に)一緒に観せなれるのって
この後志貴君たちは自分たちで何とか立ち直ってくれるでしょう・・・・立ち直ってくれるよね?
シエル嫌いとかじゃないからね!!
ノエルは・・・・
こんな事する気はなかったんだ!!ホントだ信じてくれ!!
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これは、アンチ・ヘイトでしょ
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まだ、許容範囲!セーフ!!