ありふれてないオーバーロードで世界征服   作:sahala

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なんでこんなもの書いてるんだろ……(いきなりの自問自答)。

世間ではエイプリル・フールで賑わっているので、自分もおふざけSSを書きたくなりました。
時系列的にはアルヴヘイト撃破後から氷雪洞窟攻略前。
まあ、こんな事があったかもね? くらいのif展開としてお読み下さい。

そんなわけで2026年のエイプリル・フール、『こちナザ』をお楽しみくださいませ。


4/1記念SS「こちらナザリック第四階層研究所」

「媚薬を作ってくんなまし!」

「帰れ」

 

 ノータイムでナグモはそう答えて研究所のドアを閉めようとする。だが、それより先にシャルティアがバン! とドアを掴んでいた。

 

「まあまあ、ちょ~っと話をしようじゃありんせんか? 妾とぬしの仲でありんしょう?」

 

 悲しいかな、職業クラスが生産職に偏るナグモとナザリック内で総合力最強と言われているシャルティアの筋力ステータス差は歴然であり、ドアがギギギ……とこじ開けられていく。壊されたドアを直す手間を考え、ナグモは仕方なく無理やり閉めようとした手を緩めた。

 

「………あのな、シャルティア。僕はこう見えて忙しいんだ。研究所の仕事やアインズ様の供回りなどの任務で、と・て・も、忙しい。お前が吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)達といくら乳繰り合っていようが構わないが、お前の趣味に付き合ってる暇など僕には全くないんだ」

 

 「とても」という部分をわざわざ強調して話す。その顔は迷惑そうな表情を隠そうともしてないのだが、シャルティアは全く遠慮する様子は無かった。

 

「失敬でありんすね。これはちゃんとナザリックの為を思っての頼みでありんしてよ。先のアンカジ公国の大戦でエヒトなんちゃらの人形天使がいたでありんしょう?」

「フン………まあな」

 

 アンカジ公国の大戦。そこでアインズと彼が率いるナザリックの軍勢により、魔人族軍と随伴していた“真の神の使徒”の軍勢が壊滅した。その時に起きた個人的な出来事をナグモは思い出したくないものの、自分の感情と研究所の仕事とは別と無理やり頭の隅に追いやる。

 

「人形天使のほとんどが死んでありんすようけれど、研究所の者達が何体か生き残りを確保したと聞きんした。その生き残りを妾に預けてみんせん?」

「………あのな、あれは奇跡的に蘇生が成功した数少ない研究サンプルだぞ? お前の玩具にする為に蘇生したわけじゃない」

 

 “黒い仔山羊”達による蹂躙や香織の“堕天の魔歌”による同士討ちで死んだ“真の神の使徒”達。その遺体の損傷は酷く、無事なパーツを繋ぎ合わせる事でようやく数体を蘇生できたのだ。エヒトルジュエの尖兵とはいえ、ユグドラシルには存在しなかった貴重な魔物であり、その能力などを更に解析する為に研究サンプルとして第四階層の一室に監禁していた。

 

「だから、それを使って私が一肌脱ごうと言ってるでありんす。生き残りの確保と言っても、どうせ今は拘束して放置してるだけでありんしょう? 今後、そいつらを使って何か作戦をする時にこちらに心酔する駒にした方が良いのではありんせん?」

「……お前にそれが出来ると? というか、なんで媚薬なんだ?」

「そりゃおぬし、相手が人形であろうと女には違いないでありんしょう? 私なら手篭めにして骨抜きにするぐらい朝飯前でありんす」

 

 卑猥な感じに動かすシャルティアの手を努めて視界に入れない様にしながらも、ナグモは一考する価値を見出していた。香織の“堕天の魔歌”でコントロール下に置いてる使徒達だが、外部からの音波で体の動きを制限するいった程度で、まだ複雑な命令をこなせる程ではなかった。これがもし、使徒達が心から従う様になればナザリックの作戦に大いに幅が出来るだろう。

 

(あとはこいつに預けるという不安だが………まあ、ゲノム解析は終わったから壊されてもクローンを作れば良いか)

 

 山の天気より機嫌が変わりやすいと言われているシャルティアの事だ。使徒達を弄っても期待通りの反応を見せなければ、その場で殺してしまう事もあり得る。

 しかし、研究所の方では使徒の肉体の解析自体はもう終わっているのだ。他の個体の手足を繋げても蘇生可能かという実験で蘇らせてみたものの、その他には特に人体実験の予定がないから死蔵しているというのが今の生きたサンプル達の現状だ。

 

「………良いだろう。そこまで言うなら使徒達をお前にくれてやる」

 

 頭の中でリスクを天秤にかけ、ナグモは苦々しい顔をしながらも頷いた。今日の様にシャルティアが何度も強襲してくるくらいなら、用済みとなった玩具を渡して帰ってもらった方がまだマシというものだ。

 

「それで、媚薬というのはどういう物を作れと言うんだ?」

「よくぞ聞いてくれんした! 昔、ペロロンチーノ様が得意気に話されていた媚薬を再現して欲しいでありんす!」

 

 至高の御方が話題にしていた媚薬と聞いて興味が湧いてきた。意外と知的好奇心がくすぐられる依頼だったか、ナグモは真剣に耳を傾け———。

 

「その名も———“感度が3000倍になる媚薬”でありんす!」

 

 ***

 

「———よし、キメラの構成式はこれで良い。次」

 

 シャルティアとの会話から一週間が過ぎた。その間、ナグモは研究所で所長としての業務を行っていた。魔人国ガーランドを征服した事で法律の改正などでゴタついてるものの、シャルティアの配下となったヴァンパイア・システィーナが反対派を粛清した事で改正自体はスムーズに行えている。数日後にはまた冒険者モモンの供回りとして出張する事になるだろう。その為に今の内に最低限の指示だけは出していくつもりだ。なのだが………。

 

「……………」

「何をボサッとしている。次の案件を聞かせろ」

「は、はい! ええとですね………」

 

 ナグモにイライラとした声を掛けられ、研究員のエルダーリッチは次の書類をめくる。しかし、どうもナグモに何かを遠慮してる様な雰囲気だった。それは他の研究員達も同じで、身に覚えがないナグモは研究員達の態度に眉をひそめていた。

 

(何だというのだ? まったく………。そういえば、シャルティアの方は結局どうなったんだ?)

 

 唐突にナグモはシャルティアに貸し出した実験体達の事を思い出した。はっきり言ってシャルティアが結果を出す事を期待などしてないが、それはそれとしてあの日以来、シャルティアは研究所には来てない。

 

(大体、何が感度3000倍になる媚薬だ………そんな物が実際にあるとしたら、痛覚まで倍増されてショック死するだろうが。ペロロンチーノ様から聞き及んだとはいえ、よくもまあ下らん事をポンポンと思い付くものだ)

 

 結局、あまりにシャルティアがうるさい為にナグモは嫌々ながらも性感帯が敏感になる媚薬を調合したものの、二度とこんな依頼は受けないとはっきりと宣言した。至高の御方であるペロロンチーノには失礼だが、頭のネジが何本も抜けた者が考え出したとしか思えない。

 

「あの………しょちょ〜。ちょっとよろしいでしょうか?」

 

 脳の足りない同僚吸血鬼を頭の中から締め出していると、ミキュルニラが声を掛けてきた。その態度はやはり他の研究員と同じで余所余所しい。

 

「なんだ? 報告があるならさっさとしろ」

「ええと、その〜………ここではなんですから、ちょっとこちらへ〜」

 

 何やら周りに遠慮する様にミキュルニラは個室を指差した。それを見た研究員達は「よくぞ言ってくれました!」という様にホッとした顔になる。ナグモが怪訝な顔をしながら個室に入ると、ミキュルニラはドアを閉めた。そうして二人きりとなった。

 

「それで? 一体、何の用だ?」

「ええと、ですね〜………その〜………」

 

 何故かミキュルニラから話を振ってきたというのに、当の本人は何やら言い辛そうに髪を弄っていた。段々とナグモが不機嫌になってると、ミキュルニラは意を決した様に向き直った。

 

「その〜………香織ちゃんとしょちょ〜が、すごく仲良しさんのは知ってます〜。夜も、その〜………一緒に寝たり、とか………」

「は?」

 

 不機嫌さMAXな声がナグモから出る。とはいえ、致し方ないだろう。香織と性交してるのは事実だが、そんなプライベートな事まで他人から言われる筋合いはない。況してや相手が自分の妹みたいな存在からだけに、そういう事を指摘されたくない相手の筆頭株でもある。

 

「いえ、分かってます! そういう事まで口出しはされたくない気持ちは重々に理解してます! でも、ですね〜………」

 

 ナグモの不機嫌オーラを察して、ミキュルニラはいつもの口調を捨てて慌てて弁解した。しかし、ナグモに何か言いたい事がある様だ。そして、意を決した様に一呼吸した後………。

 

「こ、こういうエッチなものは、研究所で作るべきじゃないと思いますっ!!」

 

 顔を真っ赤にさせながら、何やら書類の束をナグモに突きつけた。突然のミキュルニラに大声に戸惑いながらもナグモは怪訝な顔で書類を見ると………。

 

『クリ●リス肥大薬。チン●並にデカくなる様にする事!』

『人格排泄アナ●ゼリー。そのゼリーもオ●ホールに加工出来る様にする事!』

『ハイグレ!しか言えなくなるレオタード。特定のポーズを取ると絶頂する様にするでありんす!』

 

 ………とても。見覚えのある汚い癖字で書かれた文章が目に入った。

 

「………………おい、ミキュルニラ」

 

 しっかり十秒間、ナグモは無言で書類を手に持って固まっていた。やがて、感情を削ぎ落とした様な平坦な声で話しかける。

 

「これは、どういう事だ?」

「ええと、その〜………シャルティア様から貰いました〜。シャルティア様は、『実験に使うから開発するでありんす! これはナグモも許可してる実験でありんすよ! むしろ奴も夜の生活が捗りんす!』と言われまして〜………あの、それとこれは一部でして………他にも色々な研究員に依頼されたみたいで〜………」

 

 非常に言い辛そうに弁明するミキュルニラ。それはそうだろう、こんな物を作れと研究所のトップが許可を出したというのは、ほぼセクハラだろう。同時に、ここ数日の研究員達の態度も納得がいった。ナグモが所長である為に表立って文句は言えないが、こんな物を作らなければならないのかとドン引きしていたのだ。

 

「………………ふ、ふふ、ふふふふふふふ………!」

「しょちょ〜? ひぃっ………!?」

 

 突然、気味の悪い笑い声を出したナグモをびっくりしながら見つめたミキュルニラだが、すぐに顔を真っ青にさせた。

 書類を持った手がブルブルと震え、無表情の顔に青筋が何本も浮き上がる。

 ブチィ、とナグモは額の血管が切れる音を聞いた。

 

 ***

 

 ナザリック地下大墳墓 第ニ階層 死蝋玄室(シャルティアの私室)。

 

「シャルティアのバカはどこだ!! 出てこい!!」

「ぺ……ペットにした天使達の露出調教をすると散歩に出ました!」

 

 銃を乱射しながら怒り狂うナグモに、ヴァンパイア・ブライド達は慌てて答えた。




あれです、とある不良警官にブチ切れる部長ネタです。あれをやりたかっただけのSS(笑)

元々はR-18版のネタとして書いてたやつですけど。シャルティアがナニやってたかは、いつかR-18版でお披露目という事で。
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