ありふれてないオーバーロードで世界征服   作:sahala

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 とあるソシャゲ事情で少し遅くなりました。バレンタインイベントが始まったから、また次回も遅くなるかもですが。しかし、呼符で来たは都市伝説じゃなかったのか……(その前のククルカンで三万使ってるけどw)


第百十話「魔導国の援軍」

「無茶だろ………無理に決まってるだろ、そんなの!!」

 

 永山はメルドから聞いた王室からの命令に呆然としながらも叫び声を上げた。室内には野村や吉野、辻のメルドの下へ左遷された“神の使徒”達がいたが、皆一様に真っ青な顔色になっていた。

 

「俺達だけで魔人族の軍勢を相手にしろって! 出来るわけねえよ!」

「………正確には光輝達を含めた聖戦遠征軍が来るまでだ。何も馬鹿正直に相手をしろというわけじゃない」

 

 そう言ったものの、メルド自身もこの任務がいかに不可能に近いか分かっていた。

 聖戦遠征軍の様な大所帯は号令をかけるだけでもかなり時間がかかる。王都からアンカジ公国まで到着するのに、どんなに頑張っても行軍は一ヵ月以上は掛かるだろう。

 

「ここでも天之河かよ………俺達はアイツの為の捨て駒じゃねえんだぞ!」

「私達………今度こそ死んじゃうよね?」

 

 光輝の為に時間稼ぎをしろ、という命令に野村が憤慨する中、吉野は震える声でポツリと呟いた。恐怖に震える吉野の手を辻はそっと握った。

 王都に残っているクラスメイト達から追い出される形でメルドが左遷された土地に来て以来、ほぼ毎日が激戦だった。王都にいた時は自由に使えていた宝物庫の武器も取り上げられ、一般の兵士と同じ普通の装備に格下げされても“神の使徒”としての高いステータスとメルドの訓練で上がった戦闘技術があったから今日まで誰も死ぬ事なく戦えていた。

 だが、今回はいつもとは違う。襲撃された街の生存者や遠くから偵察した者達の証言から推測された魔人族の軍は十五万以上。しかも戦闘力が桁違いな天使らしき者まで大勢いるという。

 対してメルド達は永山達を入れても千人程度。あまりにも絶望的過ぎる人数差だ。

 

(おそらく上層部(うえ)は………アンカジを切り捨てる気なのだろうな)

 

 十三万人を超える聖戦遠征軍は、今は王都に集結させる様に命令が下ったらしい。遠征軍全てが集まった後に一丸となって魔人族軍に当たると説明されたが、メルドには王国だけの守りを固めている様にしか見えなかった。となれば自分達は、王国の他の貴族達に対して『決して公国を見捨てようとしたわけではない』というポーズの為に送られる捨て駒か。

 

「重吾、健太郎、綾子、真央………」

 

 メルドは自分が長く接してきた教え子達の名前をゆっくりと呼ぶ。そして———頭を深く下げた。

 

「すまなかった………元々、これは俺達の世界の戦いだ。異世界で平和な暮らしをしていたお前達には何の関係もない事だ。巻き込んで済まなかった」

「メルドさん………」

「………お前達は戦死扱いにしておく。だからお前達は自由だ。これ以上、無謀な戦いに付き合う必要などない」

 

 覚悟を決めた顔でメルドは告げる。メルドは騎士だ。たとえ今の状況が王から不遇の扱いを受けているとしても、祖国の為に戦うと誓って騎士叙勲を受けた以上は力無き民の為に身体を張るのは当然だと思っている。

 しかし、永山達は違う。話でしか聞いた事は無いが、彼等は剣を持たずに生きていける様な平和な国で生まれ育ち、エヒト神によって突然トータスに連れて来られたのだ。今まで強力なステータスに頼って共に戦って貰ってきたが、今回の様な死地に飛び込む様な任務にまで付き合わせる道理など無い筈だ。

 

「どうか達者でな。お前達が元の世界に帰れる事を祈っている」

 

 それ以上に———メルドは永山達に対して情が芽生えていた。管理不行届きで“神の使徒”を二人も死なせて左遷されたというのに、未だに自分を教官として慕ってくれた彼等にただの教え子以上の親愛感が芽生えたのだ。だからこそ永山達を無為に死なせたくはないと思っていた。

 しかし———そんな風に情に芽生えたのはメルドだけではなかった。永山達はお互いの顔を見合わせて、頷き合った。

 

「メルドさん、俺達にも戦わせて下さい!」

 

 永山がはっきりと宣言する。その表情は召喚された直後の周りの空気に流されるだけの少年ではなく、一端に精悍な顔付きになっていた。

 

「無謀な戦いだとは分かってはいるけど………俺だって、メルドさんに無惨に死んで欲しくは無えんだ!」

「天之河なんかの為に戦うのは御免だけど、メルドさんや隊の仲間達の為に戦わせてくれよ!」

「ここで逃げても、脱走兵扱いされて王国に裁かれちゃいそうだもんね」

「どうせお先真っ暗なら………私はメルドさん達の為に戦いたいです!」

 

 永山達もまた、情が芽生えていた。

 光輝達に口答えしたという程度の理由で辺境に飛ばされ、“神の使徒”として周りがチヤホヤされる暮らしぶりから一転して命懸けの毎日となった。しかし、そんな永山達が生き残れる様にメルドは常に本気で生き残る為の技術を教えてくれた。

 メルドの隊の兵士達も同様だ。彼等も永山達が“神の使徒”だからと色眼鏡で見る事なく、同じ釜の飯を食う戦友として接してくれた。

 

「確かにさ………俺達は平和な日本から来て、たまたまチート能力を貰っただけのガキに過ぎねえのかもしれないけど。でも、恩師達を平気で見捨てる様な屑にもなりたく無えんだ」

「お前達っ………」

 

 メルドは感極まった様に涙を堪える。メルドがまだ王都にいた頃は、クラスメイト達はステータスは高けれど精神面に不安が残る者が多かった。しかし、今の永山達は一端の戦士としての風格を身に付け、騎士道精神に則る精神性まで目覚めさせてくれていた。教官として自分は無能だったと思っていたメルドにとって、それは望外の褒美だった。

 

「すまないっ……すまないっ……!」

「っ、へへ。泣かないで下さいよ、メルドさん。泣くのは、勝ってからにしようぜ!」

「そういう重吾君だって! あ、あれ? 何か私も目にゴミが入ったかも」

「ああ、もう泣け泣け! 俺達はみんな馬鹿ばっかりだ!」

「も、もう健太郎君ってば! そんな事ばかり言って!」

 

 教え子の成長を涙を流して喜ぶメルドに、永山達も貰い泣きしていた。

 自分達は、これから死戦へと身を投じる。恐怖が無いわけではない。それでも、彼等はお互いの為に戦う事を決心して心は一つとなっていた。

 

 ***

 

 数日後———メルド達はアンカジ公国に到着していた。魔人族軍より少人数である為に行軍速度は上回ったのか、どうにか魔人族軍が来る前に間に合った様だ。そして領主であるランズィ=フォウワード=ゼンゲンと謁見したが………。

 

「領主の人………あまり嬉しそうじゃなかったね」

「気にするな。ゼンゲン公も、お前達が来てくれた事に感謝はしているさ」

 

 少しだけ気落ちした様に呟く辻に、メルドは慰めた。

 

「まあ………向こうさんの気持ちも分からなくも無いけどなぁ」

 

 その隣で野村も小さく溜め息を吐いた。

 ハイリヒ王国からの援軍として軍の総責任者であるメルドと共にランズィに挨拶に行った永山達だったが、ランズィは表面上は丁寧に対応したものの目には失望の色を隠せていなかった。

 

「そりゃ俺だって十五万の敵に対して千人でどうすんの? と聞きたくなるわ」

「せめて俺達がもう少しマシな格好だったら、領主様も少しは安心したのかねぇ?」

 

 永山達はメルドにエヒト神が異世界から召喚した“神の使徒”と紹介されたが、それでもランズィの反応はあまり良くなかった。王宮の宝物庫の装備を自由に使えた時はまだ“神の使徒”に相応しい格好が出来たが、光輝達や王国の上層部に嫌われた彼等は宝物庫の装備を借り受けられなくなっていたのだ、

 今、永山達が身に付けているのは王国の一般の兵士と同じ普通の鎧や武器だ。永山達の事を知らなければ、まだ兵士になりたての若者にしか見えない。その事もあってか、ランズィは「王国に長年尽くし、今や公国は風前の灯だというのにこの程度の兵しか寄越してくれないのか………」と本格的に気落ちしてしまったのだ。

 

「なに、大事なのは中身だ。俺はお前達こそが、最高の戦士達だと胸を張って言えるさ」

「でもさ、メルドさん。マジでどうする? 最初はアンカジ公国に籠城しながら王国からの援軍を待つという作戦だったけど、それは難しいと言われちゃったし………」

 

 永山の指摘にメルドも押し黙ってしまう。さすがにメルドも圧倒的な兵力差がある中で正面から戦おうとは思っていなかった。アンカジ公国の首都に全兵士を入れて守備を固めた上で、どうにか王国から援軍を引き出す為に消極的な籠城戦に持ち込もうと考えていた。

 ところが、それは領主のランズィから伝えられた情報で棄却せざるを得なくなっていた。

 公国はメルド達の予想を遥かに下回るくらいに食糧事情が芳しくなかった。これは先の伝染病で働き手の数が著しく減り、おまけに備蓄していた食糧も聖戦遠征軍によって徴収されてしまった為だ。伝染病は通りすがりの冒険者によって解決したらしいが、国民達は今もどうにか飢えをしのぐ生活をしているのだ。この上で千人の兵士を入れての籠城など出来よう筈が無い。

 

「こんな所でも天之河がやった事で苦しめられるわけか。マジであいつ、厄病神なんじゃね?」

「………言うなよ。あんな奴について行けば問題無い、とか思っていた過去の俺を殴り飛ばしたくなるから」

 

 光輝が設立を宣言した聖戦遠征軍。それによって自分達はおろか、公国の人間まで苦しんでいるという現状に永山と野村は重い溜め息を吐いてしまう。そんな二人に対して、メルドも口を固く閉ざすしかなかった。それはともかく、メルドがどうするべきかと悩み始めた矢先だった。

 

「うん? 急に城内が騒がしくなったぞ」

 

 メルドが見渡すとアンカジ公国に残っている警備兵達が慌てて門へと向かって行く。まさか魔人族達がもう来たのか、と嫌な予感がしてきたメルドはすぐに近くの警備兵を呼び止めた。警備兵の一人はハイリヒ王国の紋章が刻まれた鎧のメルド達がこの場にいる事に驚きながらも足を止めた。

 

「おい、一体何があった? 魔人族軍が到着したのか?」

「いえ、違います! 領主御子息のビィズ様がお帰りになられました! それも我が国の救援を引き連れて!」

 

 警備兵の発言にメルド達は驚いた。今まさにメルド達の少ない戦力でどうするべきか考えていた所に齎された朗報に、喜びより驚きの方が先に出た。

 

「救援だと? もしかして王国………聖戦遠征軍が来てくれたのか!」

「いえ、違います!」

「何? じゃあ、一体どこの軍だ? まさか帝国か?」

 

 怪訝な顔になりながらメルドは聞いた。しかし、アンカジ公国の警備兵もまた怪訝な顔になっていた。

 

「私も話を聞いただけで詳細を存じ上げないのですが………なんでも、魔導国という国からだそうです!」

「魔導国………?」

 

***

 

 黒い馬車がビィズ達に先導され、城の門から入って来る。その馬車はかつてメルドがエリヒド王の護衛を務めた時に見た馬車よりも立派で、驚くべき事に御者がいなくても馬は行くべき方向が分かっているかの様に進んでいた。

 

「あれが魔導国か………」

 

 領主のランズィが援軍を送ってくれた魔導国の馬車を出迎える為、メルド達も頼み込んで魔導国の馬車を迎える参列に加えて貰ったのだ。

 

「メルドさん、魔導国って何処の国なんですか? 王宮での座学で習った時に聞いた覚えは無かったと思うんですけど………」

「私も詳しくは知らないが………元々は亜人族達の国フェアベルゲンが改名したらしいな」

 

 小声で聞いてくる永山にメルドもこっそりと答える。もっとも、彼等は辺境の前戦地に左遷されていた為に魔導国についての知識は先程ランズィに尋ねて知ったくらいだった。詳細の分からない国だが、アンカジ公国に援軍を送ってくれたならば自分達と共に戦う事になるだろう。そう思い、メルドは相手を確認する意味合いも含めて出迎えの参列に加えて貰った。

 

「ね、ねえ………あの馬、普通の馬じゃない気がするのは気のせいだよね?」

 

 吉野がこっそりと魔導国の馬車の馬を指差す。

 それは果たして馬と呼べるのか? 馬車を引いていた生き物は形こそ馬に近いが、近付いて来た姿は馬の割には筋骨隆々としており、全身を爬虫類の様な鱗で覆われていた。「グルルル」と唸る口の隙間からは鋭い牙まで覗いている。

 まるで暴力を形にした様な馬にメルド達の警戒心が上がる。そんな中、馬から降りたビィズは出迎えの兵達に告げた。

 

「アインズ・ウール・ゴウン魔導国国王、アインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下が参られた!」

 

 その一言にメルド達はおろか、公国の兵士達もざわつく。こんな戦地に一国の王が来るなど、聞き間違えたのではないかと皆がお互いの顔を見合わせる中、ビィズは声を張り上げる。

 

「各員、最上位の敬礼をもってお出迎えせよ!」

 

 ビィズの一言に公国の兵士達が慌てて敬礼の姿勢をとる。メルド達彼等にも倣って姿勢を正すと———馬車のドアが開かれた。

 

「アインズ様。到着した様でありんすぇ」

 

 最初に降り立ったのは肌がいやに白い可憐な少女だった。外見的には十四か十五歳くらいか。大人の階段を昇り始めた可愛らしさと美しさの境界を見事なバランスで保った彼女は絶世の美女という単語すらも陳腐に思える様な端正な顔立ちをしており、この場には似つかわしくない漆黒のボールガウンを着ていた。しかし、少女の醸し出す雰囲気が場を舞踏会の会場の様に錯覚させた。

 

「ありがとう。シャルティア」

 

 続いて馬車から姿を見せる者が現れた途端———空気が軋んだ。

 鳥肌がメルド達の身体を覆う。殺気とは異なる、形容しがたい気配が満ちた。

 馬車から現れたのは豪奢な漆黒のローブを首が見えないくらいにぴったりと前を閉じて着ている人物だった。手は鉄のガントレットに覆われ、宝石を咥えた七匹の蛇が絡まり合ってから黄金に変えられた様な杖を持っていた。顔は奇怪な仮面に覆われていたが、その人物から感じ取る気配の前では些細な事に思えた。

 

(あれが……魔導王………!)

 

「さて———」

 

 カツンとアインズが杖を地面につける。それだけの動作なのに、まるでドラゴンの様に巨大な魔物が身動ぎした様に感じられた。

 

「出迎えを感謝する………アンカジ公国諸君」

 

 威厳を感じさせる声が仮面の奥から響く。絶対的な支配者という立場にある事に、微塵も疑いを持たせない様な所作だった。馬車から降り立ったアインズにしばらく呆けた様に見ていたランズィだが、アインズの一言でハッとした様に頭を下げた。

 

「よ、よくぞいらして下さいました。ビィズから魔導国から救援を送って頂けると聞いておりましたが、まさか魔導王陛下御自らが来られるとは」

「そう構えなくていい。先日、同盟を結んだばかりとはいえ、アンカジ公国は魔導国の友好国だ。友の為に私自らが出向く事くらい、当然の事だとも」

 

 先程の威厳ある支配者の姿から一転して、アインズは気さくな様子で声を掛ける。それは一国の王でありながら、公国とはいえハイリヒ王国の属国の領主に過ぎないランズィを気遣った寛大な態度に見えた。

 

(これは………亜人族の国の王とはいえ、油断は出来ないぞ)

 

 メルドがアインズに対しての評価を一段上げていると、ランズィは深い敬意を顔に浮かべながら頷く。

 

「お心遣い感謝致します………もはやこの国は滅ぶ運命にあったのだと覚悟をしておりましたが、どうやらエヒト神はまだ我々をお見捨てには———」

「かの神に感謝するべきでは無いと思うぞ。ランズィ=フォウワード=ゼンゲン公。その神が遣わした天使こそが、今の我らの敵なのだから」

 

 アインズの一言にランズィは押し黙ってしまう。必死で目を逸らそうとしていた事実を改めて口に出されると、やはり気後れしてしまう様だ。

 

「横から失礼する。よろしいだろうか? 魔導王陛下。私はハイリヒ王国国境警備隊の隊長を務めるメルド・ロギンスと申す者です」

 

 暗い表情で口を閉ざしてしまったランズィに代わり、メルドは名乗り出た。

 

「メルド・ロギンス………はて、何処かで聞いた様な?」

「まずはアンカジ公国の為に陛下御自らの御出陣に感謝申し上げるが………魔導王陛下は本当にエヒト神の御遣いである天使が魔人族に味方していると信じられるのか? 私としてもさすがに信じ難いのだが」

 

 ハイリヒ王国で生まれ育ち、聖教教会の教義を子供の頃から教わってきたメルドにとって天使が魔人族に味方しているというのはとてもではないが信じられない気持ちだった。まだ天使のフリをした魔物を魔人族が従えているという方が現実味があるくらいだ。しかし、アインズは落ち着き払っていた。

 

「聖戦教会が身近だった君達にはとても拒否感があるだろう。だが、事実として魔人族達と天使の混成軍によっていくつもの街が滅んでいる。その脅威に対して、我々は抵抗しなくてはならない。申し訳ないが、私が治める亜人族達はエヒト神が祝福しなかった存在だ。エヒト神に対して信仰心など欠片も感じないな」

 

 そう言われると、メルドも何も言えなくなる。メルドは聖教教会の神官達の様に異種族排斥主義者というわけでもない。人間族の優位のみをしきりに訴える聖教教会の歪みには薄々気付いていた。メルドは聖教教会の信者としての自分の主張を隅に追いやって、実務的な話を切り出した。

 

「………魔導王陛下はどのくらいの兵を引き連れて来られたので?」

「総勢にして六万くらいだな。残念だが、魔人族軍十五万と同数にはならなかった」

 

 六万という数にメルドは疑念の表情を浮かべた。確かに魔人族軍の数に劣るとはいえ、今のメルド達にとっては心強い援軍だ。しかし、それ程の大軍ならば必ず目立つ筈だというのに周辺にそれらしき軍勢の報告は上がっていない。

 

「近日中、早ければ明後日にも魔人族軍はこちらに辿り着きます。魔導王陛下の軍勢はどちらに来ておられるので?」

「問題無い。すぐに来られるからな」

 

 アインズがそう言うと、後ろに控えているシャルティアと呼ばれていた少女が不敵な笑みを浮かべていた。

 

「ただ、私の軍については参戦のタイミングを合わせたい。最初の一撃に巻き込まれてしまっては、元も子も無いからな」

「最初の一撃?」

 

 ああ、とアインズは頷く。その瞬間———何故かメルドの背筋に冷たいものが走った。

 

「超位魔法———私の切り札の一つで、戦端を切らせて貰いたい」




>永山達

 光輝達や王宮から鼻摘み者の扱いな為、装備も普通の者しか貸して貰えてないです。見た目は完全に新米兵士。まあ、そのおかげでとある御方に友人の息子を虐めた集団の一人だと気付かれなかったから結果オーライ。

>最初の一撃

 ………原作を知ってる人は、知らない人の為にここは知らないフリをしてあげて下さい。
 そりゃあね。六万VS十五万なんて人数差(not戦力差)があり過ぎるじゃないですか? 
 
 だからさ———最初の一撃で、とにかく数を削らないとね?

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