ありふれてないオーバーロードで世界征服   作:sahala

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 や〜っとティアキンをクリアしました。ジャスト回避が下手くそな人なので、ガノンドロフを壁際に追い詰めて回復しながら剣を振り回して倒した脳筋プレイでした。さて、これで心置きなく地底探索に打ち込める。
 とりあえず、マリオRPGリメイクが出る前にクリア出来て良かったよ……絶対にマリオRPGに夢中になってゼルダを放置すると思うから(笑)


第百三十五話「サブクエスト発生」

「あら〜ん、とっても可愛くなったわよん❤︎」

 

 アインズがキャサリン達と会談している頃、別室でナグモ達はミュウとクリスタベルと共にいた。

 

「わぁ、ミュウちゃん可愛い!」

「……ん、将来は美人さんになる。間違いない」

 

 大きめなフリル襟、カジュアルながらもシャツワンピの様な前開きディテールの子供用ワンピースを着たミュウを見て、香織とユエは目を輝かせた。ミュウが着ていた奴隷服を見て思う所があったのか、クリスタベルが無償で新しい衣服を揃えてくれると申し出てきたのだ。

 

「クリスタベルお姉ちゃん……本当にこのお洋服、貰っていいの?」

「もちろんよん! 私が腕によりをかけて作ったお洋服は、ミュウちゃんみたいな食べちゃいたいくらい可愛い子の為にあるんだからん❤︎」

 

 身長二メートルを超える筋肉マッチョが幼女に言うと洒落にならないのだが、ミュウはクリスタベルから貰った新しい服に笑顔を見せていた。

 

「このお帽子も素敵なの! ありがとうなの、クリスタベルお姉ちゃん!」

「もうこの子ったら……本当に良い子なんだからん❤︎」

 

 リボンのついた麦わら帽子———耳のヒレが隠れるくらい鍔の大きい———を嬉しそうに被るミュウの姿に筋肉をクネクネさせていたクリスタベルだが、唐突に顔を曇らせた。

 

「……御免なさいね。今の王国はあまり良い国じゃないの。その帽子を被っていれば、周りにあなたが海人族だとバレないわ」

 

 今のハイリヒ王国は内乱が起き始めた事もあって治安は悪化している。ミュウが海人族の子供だと分かったらプームの様なよからぬ輩を引き寄せる事を危惧して、変装の意味も込めてクリスタベルは新しい服を用意したのだ。

 

「あなたを虐めていた子達の事は心配しなくていいわよん。私がたっぷりと漢女(オトメ)の素晴らしさを叩き込んで矯正(去勢)しとくからん❤︎」

 

 発音が若干おかしい単語があった気がしたが、香織達はスルーする事にした。新しい服に着替えたミュウはトテトテとナグモに近寄る。

 

「お兄ちゃん。ミュウ、似合ってる?」

 

 それまで我関せずとナグモは興味無さそうな態度をしていた。しかし、女性陣(約一名は漢女)が無言でナグモを見つめて圧力を掛ける。その視線を煩わしく思い、上目遣いに見てくるミュウへ言って欲しいだろう言葉を口にした。

 

「……いいんじゃないか?」

 

 どうでも、という言葉はつけないでおいた。しかし、ミュウには効果覿面だった様だ。

 

「えへへ、ありがとうなの! お兄ちゃんに褒められたの!」

 

 ミュウはくるくると踊る様にステップする。何がそんなに嬉しいのか? と訝しげになるナグモを見ながら、クリスタベル達は溜息は吐いた。

 

「もう……女心が分かってない子ねえん? 女の子がわざわざ新しい服を男の子に見せに来たのだから、もっと褒めてあげなきゃ❤︎」

「ええと、ナ……ヴェルヌくんにも良い所は沢山あるよ! ただちょっと、ほとんどの人間に興味が無くて人の心に対して無頓着というか………」

「………ブラン。それ、フォローになってない」

「あらぁ、そうなの? お姉さんが付きっきりで漢女(オトメ)ゴコロを教えてあげたいのだけど、先に指導しなきゃいけない子がいるのよねえ」

 

 クリスタベルは残念そうな顔になりながら、ミュウの洋服製作に使っていた裁縫道具を片付けていく。

 

「それじゃ、私はここら辺でお暇するわん❤︎ しばらくは冒険者活動でお店を閉めちゃってるけど、ブルックに来たら遊びに来てねえん❤︎」

「はい、ありがとうございました! クリスタベルさん」

 

 香織が礼を言って見送り、室内にはナグモ達三人とミュウだけになった。賑やかだったクリスタベルがいなくなった途端、部屋がとても静かになる。その中でミュウはどこかオドオドとしながらナグモに聞いた。

 

「お兄ちゃん……ミュウ、またどこかに預けられるの?」

「それは………」

「あのね………ミュウ、お兄ちゃんに言いたい事があるの」

 

 口篭るナグモに対して———ミュウは何故か頭を下げた。

 

「ごめんなさい………」

「………何故、頭を下げるか分からない」

「ミュウがワガママを言ったの、ごめんなさいって言おうと思ってたの。だから………ユエお姉ちゃんと仲直りして」

 

 ミュウくらいの年齢なら、まだ親に甘えたい年頃だ。自分の要求を周りの大人達に素直に伝えてもおかしくないだろう。

 ところがミュウが生まれる前に父親が亡くなり、母親が女手一つで家事や育児、そして仕事までこなしている姿をずっと見てきていた。その為に物心ついた時には母親に余計な心労は掛けまいと、欲しい物があっても我慢したり、遠慮したりするという大人びた感情を同年代の子供達より早く身につけていた。

 さらには奴隷生活で常に主人の顔色を伺わなくてはいけなかった経験から、周りの大人達の反応を見て自分を抑える年齢不相応の気遣いが出来る子供となってしまっていたのだ。

 

「………っ」

 

 ナグモは何故かそれが気に入らなかった。それ以前に、今回に限ってはミュウに落ち度は無いのに、歳下の少女に頭を下げさせている自分が酷くみっともなく思えた。

 

「お前が謝る必要なんてない。その……今回においては、僕が浅薄過ぎたというか……判断を誤っていた事には違いないというか……」

「ヴェルヌくん……難しく言っても、ミュウちゃんに伝わらないと思うよ?」

 

 気不味そうにゴニョゴニョと言葉を重ねるナグモに、香織は少し苦笑した。事実、ミュウはキョトンとした顔になった。

 

「えっと………ユエお姉ちゃんと仲直りできたの?」

「いや………」

「あのね、喧嘩をしちゃったら、ごめんなさいって言えばいいと思うの。ミュウもね、お友達と喧嘩したらちゃんと謝りなさいってママに教わったの」

 

 口篭ったナグモを見て、ミュウはまだユエと喧嘩をしていると思ったのだろう。あくまで自分がいつもやっている仲直りの方法を話しているだけだ。ナグモは自分より小さな女の子から忠告される事に屈辱的な気分になったが、ここで忠告を聞かずに無視したりするのはミュウよりも更に幼稚な態度に思えた。

 

「……………さっきは言い過ぎた。謝罪する」

「ん………ミュウもこう言ってる事だし、()()()してもいい」

 

 明らかに無理をしていると分かる表情で謝るナグモに対して、ユエもやれやれという表情で頷いた。

 

「ミュウちゃん、ヴェルヌくんとユエは仲直りしたって。良かったね」

「う、うん………」

 

 香織に話しかけられ、ミュウは何処か硬い表情ながらも小さく頷いた。先程、傷の治療をして貰ったからか、初めて会った時よりはいくらか香織に対しての態度は軟化していた。

 

「それでヴェルヌくん、ミュウちゃんはこれからどうするの? また保安署に預ける?」

「………さすがにあの人間達にもう任せる気は無い。とはいえ、僕達の行動方針はモモンさ……ん次第だ。だから、モモンさんの決定に従う他は———」

「その事なら問題は無いぞ」

 

 ナグモの話してる内容を引き継ぐ様にアインズが部屋に入ってくる。その姿を見て、ミュウは声を上げた。

 

「鎧のおじちゃん!」

「おじ………そうだよなぁ、ミュウからしたらおっさんだよなぁ……もう俺も若くはないんだよなぁ………そっかぁ………」

 

 何故か草臥れた声を出すアインズをミュウは不思議そうに見つめる。しばらくして、精神の鎮静化が起きたアインズは咳払いをした。

 

「んん、それはさておき……先程、冒険者ギルドと君の今後の扱いについて話してきた」

 

 ミュウが思わずナグモの服の裾をギュッと掴む。ナグモもまた、裁判官から判決を聞く被告人の様に硬い表情になった。

 

「まず、君をエリセンまで送り届けてくれるそうだ。君を奴隷として買った貴族の方は、ギルドを通して正式に抗議するから心配しないで良い。ちょうど明日、商業ギルドの隊商が出る。キャサリン達にも信用されている商人達だから人柄は大丈夫だ」

「……お兄ちゃん達とは、やっぱりお別れなの?」

 

 ミュウが寂しそうな顔でナグモを見る。ナグモは努めてミュウを見ない様にしながら、視線を落として頷いた。

 

「………分かりました。モモンさ……んの決定に従います」

「ふむ………私の決定に従う、確かにそう言ったな?」

 

 アインズは何故か面白そうな声を出した。ナグモ個人の心情などより、ナザリックのシモベとしてアインズの決定が優先されるのは当然の事の筈だ。どうして今更そんな当たり前の事を……と思っていると、アインズは悪戯を思い付いた少年の様に楽しげな声を鎧の奥から響かせる。

 

「実はな……最近、王国の内乱やら何やらで街道の治安も悪化しているそうだ。隊商としても護衛の冒険者を雇いたいそうだが、生憎と冒険者ギルドには人手が足りてないらしい」

 

 え? とナグモは顔を上げる。そこにアインズはさらに畳み掛ける様に言葉を重ねた。

 

「そんなわけで冒険者ギルドから隊商の護衛任務を“モモン達”に依頼したい、という話をされたのだ。そして……私はギルド所属の冒険者として、それを受諾した」

「それって……!」

「し……しかし、モモンさ……ん! 僕達には、その……先を急ぐ理由が!」

 

 香織が顔を輝かせる中、ナグモは驚愕しながらも反論しようとする。

 

「どのみちエリセンには行く予定があっただろう? 目的地が同じなら、サブクエストもついでにこなすのは基本……コホン。とにかく私は冒険者をやる上で、ギルドからの依頼を受けると決定した。私の決定には従うのだろう?」

「……言いましたね。さっき、はっきりと」

 

 うぐっ、とナグモは言葉に詰まる。意図に気付いたユエも、アインズに援護射撃をした。

 

「というわけで、しばらくは隊商に厄介になる。だが、彼等にも仕事があるだろう。だから……同乗している子供の世話くらい、買って出るべきだと私は思うがなぁ?」

 

 今や、クックック……と笑い声が聞こえそうな悪い声を響かせるアインズ。至高の御方(絶対の主人)がそう言う以上、ナグモには反論できず、ぐぬぬ……と言いたげな表情になるしかなかった。

 

「おじちゃん……ミュウ、お兄ちゃんと一緒にお家に帰れるの?」

 

 話の流れを読み取り、ミュウは期待する様な表情でアインズを見た。そんなミュウに、アインズは優しい声を出した。

 

「ああ。君が家に帰るまでは、もうしばらく一緒だな」

「……! ありがとうなの、おじちゃん!」

「おじちゃん……もういいや、それで」

 

 アインズが諦観した声を出す中、ミュウは嬉しそうにナグモに抱きついた。

 

「えへへ、お兄ちゃんと一緒! ミュウ、とっても嬉しいの!」

「ええい、分かったから引っ付くな!」

「………いいなぁ」

 

 嫌そうな顔ながらも、()()()振り解かずにいるナグモ。抱きついているミュウを羨ましそうに見ている香織を横目に見ながら、ユエは小声でこっそりとアインズに話しかけた。

 

「………ナグモの為に冒険者ギルドに掛け合ったのですね?」

「ん? いや、ギルドが隊商の護衛を探していたのは本当だ。向こうも俺がいて渡りに船だったみたいだしな」

 

 そうは言うものの、本来なら隊商の護衛程度、金ランクの冒険者に依頼される様な内容では無かっただろう。それでもアインズはナグモの事を思って引き受けたのだ。

 

「彼女はナグモに特に懐いているし、ナグモも何か思う所があるみたいだからな。まあ、ナグモの情操教育の一環になるだろうと思っただけさ」

「……やっぱり、サトル様は優しい人です」

 

 温かな笑みを浮かべるユエにそう言われ、アインズはポリポリと頬をかいた。

 

「ただ、ミュウをエリセンまで送るとしてもそれだけで済むかどうか……ミュウの話からすると、エリセンの領主そのものが人身売買に関与している可能性もあります」

「そうだよなあ……そっちも出来れば何とかしてやりたいが……」

 

 ミュウを無事にエリセンに帰したけどまた何処かに売られてしまいました、ではナグモも安心できないだろう。だからこそ、アインズはミュウを誘拐した連中にも何かしら手を打つべきだろうと考えていた。

 

(そっちは追々考えるしかないか。でも、この事をアルベドやデミウルゴスに相談するのもなぁ………二人ともカルマ値が極悪(マイナス)に振り切れてるからか、人助けをする事に懐疑的だし……)

 

 いつかのフェアベルゲンを助けようとした時の会議を思い出し、アインズは内心で溜息を吐いた。ナザリック最高の頭脳を持つ彼等なら、エリセンの問題をどうにかする方法など瞬時に提案してくれるだろう。しかし、ナザリックと関係ない人間を虫ケラぐらいにしか思っていない彼等を説得する方法などアインズは思い付かなかった。

 

(さっき考えていた内容も、多分政治とかそういうのを知らないと具体的な案に出来なそうだし……ああ、もう。政治とか法律とかさ、もっと俺が気軽に相談できる相手とか何処かにいない……もの、か……)

 

 半ば愚痴の様に考えていたアインズだが、途中で何かに気付いた様に思考を止めた。ユエは自分をマジマジと見つめるアインズに、不思議そうな顔になる。

 

「サトル様……?」

「………なあ、ユエ。ちょっと相談があるのだけど、今晩いいか?」

 

 ***

 

「———さて、皆。他に議論すべき事は無いかい?」

 

 冒険者ギルド長達による会議の締め括りに、キャサリンは周りを見回しながらそう言った。

 新しくランク上げする冒険者の審議、魔物の目撃情報を基にした素材採集のクエスト作成、規定に違反した冒険者に対する処分など……議論すべき事は山ほどあり、会議は数日にも渡っていた。

 これもギルドを運営していく上で重要な事だ。今まで何度となく繰り返されてきた会議ではあるのだが……今回はギルド長達の顔色が優れなかった。

 

(まあ、無理もないね………結局、資金不足という根本的な問題は解決されてないんだからね)

 

 今のギルド長のほとんどが教え子だった事から、彼等の元締め役となったキャサリンはこっそりと溜息を吐く。この会議でも資金不足を理由に、またいくつかの支部の閉鎖が決まった。そこの職員達の再就職先は何とか斡旋できるものの、所属する冒険者達までは手が回らない。またギルドから離れる冒険者が増える事だろう。

 

(もう本気で残る頼りは魔導国くらいしか無いのかもね。と言っても、向こうから本当に色良い返事が来るかどうか………)

 

 噂によると魔導国の王は人ならざる存在らしい。ヘルシャー帝国やアンカジ公国と友好条約を結んでいる事から人間族が交渉する余地はあると睨んだものの、人ならざる者が治める未知の新興国相手に冒険者ギルドが売り込む事が出来るか、キャサリンも全く分からなかった。とはいえ、魔導国に伝手があるというモモンに口利きを依頼したのは数日前だ。向こうから返事が来るとしても、まだまだ先の話だろうとキャサリンは思っていた。

 

「………特に無いみたいだね? じゃあ、皆。数日に渡ってお疲れ様———」

 

 ギルド長達に会議の閉会を告げる挨拶をしようとした矢先だった。会議室のドアがノックされた。

 

「失礼します。あの……まだ会議の途中でしたでしょうか?」

「ドット? いや、いま会議は終わった所だが………何か緊急の用事でもあったか?」

 

 自分の秘書を務める男———ドットの入室に、イルワはキャサリンをチラッと伺う。キャサリンが構わないと首肯すると、ドットはかなり緊張した様子で話し出した。

 

「その………ギルド長達に、魔導国から来たという方が面会したいと訪ねて来ています」

「………何だって?」

 

 キャサリンを始め、ギルド長達がざわざわと話し出す。モモンに依頼したのは数日前だ。いくら何でも早過ぎる。

 

「どう致しますか?」

「いや………面会を求めたのはこちらだよ。むしろ、渡りに船だと思おう」

 

 少し考えて、キャサリンは頷いた。ギルド長達を代表してドットに指示を出す。

 

「すぐに魔導国の使者殿を通して貰えるかい? それと、使者殿はどんな人……いや、相手だったんだい?」

 

 一瞬、どんな人間かと聞こうとしたキャサリンだが、魔導国が人ならざる者が治める国だという噂を思い出して言い方を変えた。相手が亜人族、はたまたそれ以外の種族だとしても目の前で驚くのは失礼になるだろう。

 

「それが……その………」

 

 しかし、何故かドットは言い辛そうに口澱んだ。少ししてから、ようやく意を決した様に口を開いた。

 

「その……聞き間違いでは、と思っているのですが……その使者は、自らを魔導王本人だと自称しております」

 

 今度こそ、キャサリン達は度肝を抜かれてしまった。




>少し大人びてるミュウ

 どうせ自分の文章力じゃ、子供らしいリアルさとか書けないし……メタな理由はともかく、自分の作品ではレミアが苦労しながらも自分を育てる姿を見ているので、ミュウはレミアに負担を掛けない為にも一般的に「いい子」と呼ばれる子であろうとしています。
 これはこれで、ナグモの情操教育にはプラスになると思うんですよね。精神はともかく、歳下の子がちゃんとしてるのに自分が子供っぽい振る舞いはするのはみっともないと彼も学習するから(笑)

>冒険者ギルド長達に面会しに来た者

倒産しかけてる派遣会社「新たな取引先を作りたいのだけどさ、君のコネで何とか口利きして貰えない?」
派遣社員「良いですよ、対応して貰う様に言ってみますから少し待ってて下さいね」

 数日後

大企業のCEO「言われたから来たぞ」

 自分は営業職をやった事ないけど、リアルにこんな事あったら胃痛になると思う………。
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