なのに何で素直なラブコメを書けないの? これ雫をヒロインにしたいルートなんだよね? ねえ、ねえ?(鏡を見ながら)
以前から活動報告で妄想を吐き出している雫ルートでのナグモを書いた内容です。まあ、消化不良だからもう一回くらいは書くかも……。
あと今期のアニメは『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』が個人的に推しです。あんな感じの学園ラブコメとかやりたいなあ……。
S県私立東秀学園。
その学園は中学、高校、大学を跨ぐ一貫校であり、全国的に見ても高レベルの名門校として知られていた。『社会を牽引する優秀なリーダーを育成する』という名目の下に設立され、他校とは違って生徒会長は民主主義的な選挙ではなく、学内での成績や実績を考慮して学園側から選ばれる徹底的な実力主義を貫いていた。生徒会長になれば学内で様々な融通がきく上に、卒業後に政財界にも名を連ねるメンバーがいる学園OB会への入会も許可される為、生徒達は将来の為にも皆がこぞって生徒会長に選ばれる様に競争社会さながらの学園で日々努力していた。
だが、そんな中で一人―――まるで
***
「おはよう、雫ちゃん」
「おはよう、香織。今日も良い天気ね」
まだ一時間目より三十分以上も余裕のある朝の教室。朝練を終えて教室にいた雫は、親友である香織に挨拶していた。
「早速だけど今月の生徒会報の下書きを書いてきたから見て貰って良いかな? 直す所があったら明日までに書き直してくるけど」
「どれどれ………うん、ざっと見た感じは内容は問題無さそうね。後で細かい誤字や脱字のチェックをしておくわね。いつもありがとうね」
提出期限にまだ一週間も余裕を持たせて仕上げてきた親友に雫は礼を言った。
八重樫雫―――生徒会・副会長。
成績は常に上位に食い込む程に優秀であり、実家が剣道道場という事もあって女子剣道大会において何度も優勝している文部両道の少女だ。中学に入ってから髪を伸ばし、容姿に磨きがかかった彼女は異性はおろか同性からもファンクラブが出来る程に人気だという。
「別にお礼なんて。親友の頼みだもの、頑張って当然だよ」
白崎香織――――生徒会・書記。
雫の頼みで生徒会に入った彼女だが事務処理能力はとても高く、何より雫とは違ったタイプの容姿端麗さから雫と共に『生徒会の二大女神』と呼ばれていた。そんな彼女はところで、と雫に耳打ちする様に聞いた。
「噂の生徒会長とはどうなったかな? かな?」
「な、あっ………!?」
雫の顔がボンッと真っ赤に染まった。
「な、ななな、何を言っているのかしら!? 私は彼とは別にそんな関係じゃなくて!」
「またまた~。小学校からの幼馴染みなんでしょう? 実家の道場にも通っているし、前は剣道に邪魔だからとか言って短くしてた髪も伸ばしたのはその人の為なんでしょう?」
「だから違うの~!」
先程までのクールビューティーな態度から一転、うーうー! と子供みたいに照れ隠しをする雫を香織は温かい目で見ていた。彼女は知っているのだ。雫が指名されたからとはいえ副会長になったのも、そしてそれに見合う程に学業にもスポーツにも精を出しているのは全てその生徒会長と釣り合う為に努力している事に。
「その………おはよう。雫、香織」
「よう、おはようさん」
微笑ましい遣り取りながらも、一般の生徒では声を掛けるのも躊躇われる程に有名人な二人へ声を掛ける者がいた。一人は雫に対して何故か遠慮がちに、もう一人はそういった遠慮さは無いフランクさで二人の男子生徒が挨拶していた。
天之河光輝―――生徒会・副会長。
下手なアイドル顔負けの美形な顔立ち、学内でもトップクラスの学力と
坂上龍太郎―――生徒会・庶務。
身長190cmと大柄な体格の持ち主。成績はここにいる三人に比べると並程度だが、見た目通りに運動神経に優れており、空手部では期待のエースとして注目されている生徒だ。また難しい事を考えるのは苦手だが、それ故に竹を割った様な裏表のない性格は好感が持て、運動部の生徒達から自分達の意見を必ず生徒会へ伝えてくれる存在として人気が高かった。
「おはよう、光輝くん。龍太郎くん」
「おはよう、龍太郎。それと……光輝」
同じ生徒会のメンバーであり、付き合いの長い二人に対して屈託なく香織が挨拶をしたのに対して、雫は光輝に対してだけ微妙な間があった。
「………」
それに対して光輝も、どこか気まずそうな顔で雫から視線を逸らした。以前も二人は幼馴染みとして普通に話せる程度には仲が良かった。だが、小学校の時に雫は当時から女子に対して人気だった光輝の幼馴染みという事でクラスの女子達に逆恨みでいじめられ、光輝も知らなかったとはいえ善意で事態を悪化させてしまった結果、雫は光輝に対して以前より距離を取る様になってしまったのだ。光輝もまた、その過去がある為に以前は独善的とも言える程に自信過剰だった態度が鳴りを潜め、雫に対してかなり遠慮がちな態度を取っていた。
もっとも―――それ以外に自分が好きだった子が、
「……あ~、そうだ! 龍太郎くん、何か用かな?」
「お、おう! 実は以前に議題に上がった野球部から頼まれてよ!」
微妙な空気になる幼馴染み二人の空気を払拭しようと、香織と龍太郎は話題を変えようとする。香織は親友の
「ってか、我らが生徒会長はまだ来てねえのか?」
「う~ん、そろそろ来ると思うよ? さっき生徒会長室で仕事をしてから来るって言ってたから―――」
まるでその言葉が合図となったかの様に、教室のドアがガラッと開けられる。
そこにいたのは、生徒会メンバーである四人に比べると地味な見た目の男子生徒だった。
龍太郎の様に体格が大柄なわけではない。顔の造形こそ整っているものの、表情筋を動かした事が無いのではないかと疑いたくなる無表情な顔はどこか無機質な人形を思わせた。光輝が周りを照らす太陽の様な美形なら、こちらは氷で出来た精巧な彫像だろう。冷ややかさすら感じる理知的な目が教室を一度だけ見渡した途端、龍太郎達はおろか他に登校していたクラスメイト達も体感温度が下がった様に感じていた。
「南雲くん!」
周りの空気がピンと張り詰める中、雫はパッと席から立ち上がった。先程までの光輝との微妙な空気が嘘であるかの様に笑顔を浮かべ、男子生徒―――ナグモへと近寄った。
「おはよう。また朝早くから生徒会室で仕事をしていたの? それなら私も手伝ったのに……」
「細かい雑事だ。手を借りる程ではない」
「もう……そんな事を言わないでもっと頼って欲しいわ。貴方のサポートをするのが私のお仕事なんだから」
雫の言葉にナグモは特に肯定も否定もせず、フンと鼻を鳴らすと自分の席に向かった。周りの生徒がナグモを畏れる様に慌てて道を空ける中、雫はその後ろにピッタリとついていく。
南雲ハジメ―――本名・ナグモ。生徒会長。
定期試験はおろか全国模試でも常に満点。それどころか書いた学術論文はとても高校レベルと思えず、国内最高峰の大学でも評価されているという優れた頭脳の持ち主。さらには小学生の頃から雫と同じ道場に通い、いくつもの剣道大会で光輝すらも下して優勝している。まさに天が―――“至高の存在”が、二物どころかあらゆる才能を与えた様な規格外ぶりであり、そんな他者が並び立つ事すら出来ない様な完璧超人ぶりからこの学園で生徒会長に任命されたのだ。
ナグモは自分の席に着く。その横に雫は控える様に立っていた。
「……それで? 新しい報告はあるか?」
「うん。最初に来週に出す生徒会報だけど、香織が下書きを書いてきたわ。誤字脱字のチェックをしておくから、あとで南雲くんも確認しておいて」
「よし。仕事が早い事は良い。次は?」
「次回の全体集会の事だけど、演出担当の演劇部から体育館の照明の一つに不具合があったと報告があったわ」
「早急に修理の手配をしろ。生徒会予算から出して構わない」
「それと次は―――」
「その件は―――」
雫が手元のファイルに纏めた生徒会が携わる報告書類を次々と読んでいくが、その全てにナグモは即断即決で処理していく。しかも適当に応えているわけでなく、どの指示も周りの人間に的確だと―――それこそ、機械を思わせる程に精密で正確な判断だった。そして雫もナグモの指示が出る都度にメモを取り、実行に移す為に書類を捌いていく。
まるで経営を全て即断即決する大企業の社長と、その社長に仕える敏腕秘書の様だ。この二人を見ていると学園の教室にいるはずが、ここが高層ビルの最上階にあるオフィスの一室だとクラスメイト達は錯覚しそうだった。
ナグモの指示を次々と捌いていく雫の顔は真面目ながらも嬉しそうな雰囲気だ。それも当然であり、雫にとってナグモは小学校の時に自分をイジメから救ったヒーローであり、同時に恋心を抱き続けている相手なのだ。だからこそ、超人的な実績を叩き出すナグモの隣にいる事が相応しく見られる様に勉強も剣道も一層に励んだ。興味がなかったおしゃれにも気を使う様になった。
そうして今、『“超人生徒会長”ナグモの片腕の副会長』と周りからも見られる様になり、自分がナグモの役に立てているという事実が雫にとって堪らなく幸福となっていた。
「雫………」
そんなかつて
だが、勉強でもスポーツでもあらゆる面でナグモには及ぶ事は無く、その度に彼は間違いなく自分より優れていると思い知る羽目になってしまった。幼馴染みの少女が靡くのも当然だ、といつしか諦観にも似た感情が心の中に芽生え、振り向いて貰えなかった寂しさから雫への態度も以前よりギクシャクしたものになってしまっていた。
(あいつが俺より凄いのは認めるさ……でも………)
それでも光輝の中でどこか認めきれない感情がある。客観的に見て、雫へ一方的に横恋慕しているだけだとは理解している。そして友人として、潔く身を引いて雫が頑張っている姿を応援するのが正しいだろう。だが、今の二人の姿を見ると何故か光輝は素直に雫を応援する気にならなかった。
常にナグモにピッタリと付く雫の姿。“超人生徒会長”と、彼に付き従う“学園の二大女神”の一人。学内でもトップの優等生二人の美男美女のカップルだと周りからは見えるだろう。
だが、光輝には―――まるで飼い主に気に入られようと、必死に芸を覚えている犬の様に見えていた。
「あー、ちょっといいか? 南雲生徒会長」
「来客の対応については………何だ? 坂上庶務」
次々と雫に指示を出していたナグモへ龍太郎が遠慮がちに話し掛ける。わざわざ生徒会長と呼ぶあたり、生徒会絡みの問題だと判断してナグモも龍太郎を役職で呼んだ。
「えっと、俺からも運動部関係で報告というか、相談というか………その、先日に話した野球部の事なんだけどよ」
「野球部? その件は既に話がついた筈だ」
「いや、そうなんだけどよ………」
「生徒会長!!」
訝しげな目になるナグモへ歯切れ悪く龍太郎が応えようとすると、新たな闖入者が現れた。
闖入者の正体は身体が引き締まり、頭を丸刈りにした如何にも野球少年という見た目の男子生徒だった。彼はナグモを見つけるとズカズカと教室に入った。
「バ、バカっ!? 俺から話をするから余計な真似はするなって言っただろうが!?」
「生徒会長! なんで野球部の今期の予算がゼロなんだよ!! それに無期限の停止処分なんて!!」
龍太郎が慌てて制止するもの聞かず、野球部員はナグモに食ってかかる勢いで詰め寄った。雫はナグモを庇う様に思わず前に出たが、ナグモは片手を上げて雫を下がらせる。
「………坂上の言っていた野球部の件とはお前の事か。部の予算編成、並びに処分は厳正な審議の下に下された決定だ。覆る事はない」
「な、納得がいくか!? こんなのどんな理由があっても納得いかねえ! 生徒会長だからって何をしても良いのかよ!!」
「おい!!」
口角泡を飛ばす野球部員に龍太郎は止めようとする。だが、次の瞬間―――ナグモの目がスゥッと細まった。
「ほう? どんな理由があっても、か………なら、低脳なお前でも理解できる様に一つずつ説明してやろう。雫」
「え……は、はい!」
ナグモがパチンと指を鳴らすと、雫が慌ててファイルの中から一つの書類を出した。それを受け取り、ナグモは内容を読み上げる。
「まずここ数年の野球部の成績。地区大会はおろか、一回戦を突破する事も稀となっている。この事実に相違は無いか?」
「そ、それは……でも、俺達だって頑張っていて!」
「頑張る? 努力するだけなら誰でも出来る。結果を出せ」
野球部員の訴えをナグモはバッサリと切って捨てる。そして判決書を読み上げる様に書類を読み進めた。
「次、部員達の学業における平均成績。全体的に学年の中で下位の者が多く、前回の定期テストにおいて主要五科目でほとんどの者が赤点だった。この事実に相違は?」
「それは………だって、俺達は夜遅くまで練習してるから勉強する時間が取れねえんだ!」
「学生の本分は勉学。勉学と両立できないお前達の姿勢に問題がある。何より、ここにいる天之河光輝や坂上龍太郎もそれぞれ運動部だが、定期テストで赤点を取った事は一度も無い。彼等に出来て、なぜお前が出来ない? 論理的根拠を述べてみろ」
「そ……それは………」
野球部員がモゴモゴと口籠もる。話に上げられた光輝達だったが、二人は勉強と部活を両立させている事に自慢に思う気持ちは皆無だった。龍太郎に至っては、テストの度に光輝に勉強を教えて貰って何とかしているので気まずそうな顔になっていた。
「勉学も疎かだというのに部活動を行っている場合ではない。これは教員達とも同じ見解だ。そして―――つい先日、野球部の一年生が路上で煙草を喫煙していて指導された事。これについてはどう弁明するつもりだ?」
「あれは……あれは、あのバカがやった事で! あいつには俺達からも厳しく言ったから………!」
「それで? 校則で違反されていた喫煙に対して内々で済ませろと? そもそも校則に著しく違反した生徒がいた部活動には処分が下る、と書かれているが読んでいなかったのか?」
「それは………それ、は………」
もはや完全に場の空気はナグモが支配していた。まるで刑事裁判さながらの空気に周りのクラスメイト達は固唾をのんで見守るしかなく、項垂れて何も言えなくなってしまった野球部員を刑を言い渡す裁判官の様にナグモは見下ろしていた。
「実績も残せず、学業成績も悪く、そして素行不良の部員がいる部活動。この様な部を学園として認める事など不可能。よって野球部の予算はゼロ。そして活動停止処分を下した。お前達野球部の活動などこの学園には不要。それが生徒会の判断だ。異論はあるか」
「う……あ……」
「無いなら下がれ。この決定に変更はない」
まるで、人情を一切考慮しない機械の様に無機質で、冷徹な判決だった。
とうとう膝を折って満足な言葉すら言えなくなった野球部員。ナグモもまた既に彼から興味を失っていた。
「雫。次の報告は?」
「え……ええ、次は―――」
ナグモから催促され、雫は野球部員を少しだけ気にしながらも、ナグモへの報告に戻った。
残された野球部員は、ただショックのあまりに呆然とするしか無かった……。
***
「その………大丈夫か?」
「あ、ああ………済まねえな、天之河」
あの後、ショックで動けなくなってしまった野球部員を介抱し、光輝は念の為に保健室に行かせようとした。だが、野球部員の彼はぎこちない顔ながらも保健室で休む事は拒否して、せめて見送りはしようと廊下に出ていた。
「まあ、南雲……生徒会長は、ちょっと言い方がキツい時があるというか……あまり気にしないでくれ」
「いいんだ………生徒会長の言ってる事が正しいよ……。そもそも坂上が話してくれると言ったのに、頭がカッカして直接抗議に行った俺が悪いんだよ……」
そう言われると光輝も何も言えなくなってしまった。ナグモが野球部の予算を削った理由自体は光輝から見ても間違ってはいないし、事前に野球部へ通達があった筈だ。そして生徒会の処分に対して不服があるなら、全体集会で議題として取り上げて貰う様に部活動側が訴えるのが校則でも決まっている本来の手続きなのだ。その点を踏まえるなら横紙破りをしたのは目の前の野球部員という事になってしまうのだ。
「何とか廃部処分までは下さないように俺も働きかけるから……どうにか同好会として活動を続けられる様にはするから、今は俺や龍太郎を信用して待っててくれないか?」
光輝は出来るだけ穏便に野球部員へと提案した。以前の光輝なら、自分の信じる正義感のままにナグモか野球部員の彼を責め立てていたかもしれない。だが、ナグモに何度も敗北した事で自信がすっかりと無くなってしまい————挫折や敗北を何度も味わい、それが却って独善的で他人の話を聞こうともしなかった少年へ弱者への理解を与えていた。
「………俺さ、これでもリトル・リーグの頃から野球をやってるんだ」
ふいにポツリと野球部員が口にした。話の繋がりが見えずに困惑する光輝を余所に、彼は独白していく。
「そりゃ大した成績は残せなかったし、大きな大会にも出れた事は無えけど………でも、それでも俺は野球が好きなんだ」
それはよくある話なのだろう。人一倍に情熱を注ぎながらも、努力が報われる結果が出ない。勝利の女神は微笑んでくれない。持って生まれた才能の限界を感じ、自分の器を思い知る。
それが―――今の光輝には痛いほど分かってしまっていた。
「親がこの学園じゃないと進学を認めないとか言ってもよ、それでもこの学園で甲子園まで行くんだ! って頑張ってきたんだ……なのに……!」
「もういい、もういいんだ!」
光輝は辛そうに喋る彼を落ち着かせようとした。だが、野球部員
「生徒会長が……野球部は不要だって……! 俺達が球場で流した汗も努力も無駄だったのかよ……! 実力が無ければ何をやっても無駄なのかよ! 俺はっ……! 正しくない、って言うのかよぉ……!」
とうとう泣き崩れてしまった彼に、光輝は何も言えずに立ち尽くすしかなかった。
その後、どうにか彼を送った帰り道で光輝は大きく溜息を吐いた。
「力が無ければ正しくないのか、か………そんなの、俺だって分からないよ……」
以前はもっと物事はシンプルに考えられていた。正しくない相手を糾弾し、自分の正義を貫く。そうすれば周りの人間は褒めてくれたし、光輝も亡くなった祖父に近付けた様に感じられてとても嬉しかったのだ。
だが……月日が経ち、そして自分の
だが、そんなナグモに雫は惚れている。そしてナグモがやっている事は……表面的には
「正しさって……何なんだろうな、爺ちゃん……。もっと爺ちゃんから話を聞いておけば良かったよ……」
かつて光輝に正義を教えてくれた弁護士の祖父。亡き祖父を想い、光輝は遠い目で窓から空を見上げていた。
>S県私立東秀学園
このルートにおいてナグモ達が通う学園。国内でも有数の名門校であり、教育目標として『社会を牽引する優秀なリーダーを育成する』を目的としている。その為に徹底的な実力主義を生徒達に課しており、本来なら民主的な選挙で選ばれる筈の生徒会長も『学生の代表となる生徒は文部両道で優秀な者であるべし』として学園側が指名する形となっている。生徒会長には様々な特権があり、生徒会の他役員の選抜や部活動の予算案の決定などが一任されている。
>雫
生徒会副会長①。生徒会長は自らの権限で生徒会のメンバーを決める権限をあり、ナグモによって任命された。中学に上がってから容姿に磨きがかかり、そして憧れのナグモの側にいる為にも勉強や剣道を頑張った結果、同世代から“パーフェクト・ビューティー"と呼ばれる程の美少女となった。生徒会長のナグモに常についており、まるで敏腕秘書の様に仕事をこなす様は同世代の女子から見ても羨望の的となっている。
このルートでは小学校の時にナグモと会い、彼なりの方法で雫のイジメ問題を“解決”した結果、ナグモに依存する様になった(仮にナグモから首輪を渡されたら、喜んで自分から填めるくらい)
>光輝
生徒会副会長②。どうしてナグモが自分を指名したか分からなかったが、当のナグモから聞いたら「お前と雫以外は話にならないくらいに不適格」と身も蓋も無い内容だった。未だにナグモに勉強やスポーツで勝ててないが、それでも諦めずに努力する姿は周りから好評を得ている。生徒会でナグモが執行する内容は容赦は無いものの、「大多数にとって公正で正しいもの」である為に彼も文句は声高には批難できなかった。だが、同時に情状酌量など全く考慮しないやり方は、かつて光輝が頑迷的に信じていた正義を考え直すキッカケとなっており、原作より精神的に成長している。
>香織
生徒会書記。原作と同じく、ひょんな事から雫と親友になった。親友が幼馴染の男の子に振り向いて貰いたい姿を応援する為、生徒会に自分を売り込んだ。かつては教師から自分の仕事を押し付けられたりしたが、それをナグモがそれを教師の怠慢として証拠付きで教育委員会に訴えた事で改善はされている。後はあの冷徹な生徒会長が親友の恋心に気付いてくれたら完璧なのに……。
>龍太郎
生徒会庶務。その有り余る体力で雑用係をやっている。光輝が生徒会をやってる関係で、自分も親友を手伝う為に生徒会の雑用を買って出た。ナグモとの関係は、ナグモが雫の幼馴染になったのと武術面でも優れた成績を出している為に本編よりは良好な方らしい。
>ナグモ
生徒会長。成績は他の追随を許さぬ程に優秀、運動面も八重樫道場に通う関係で出場した大会は圧倒的な優勝を数々と打ち立てるなどと出来過ぎてる程の文部両道ぶりから生徒会長に任命された。生徒会長としての仕事はまさしく“機械の様に"正確で公正であり、結果を残した部には予算を増額にして奨励し、無駄な校則は即座に撤廃させるなどして大多数の生徒達からウケは良い。
だが、その一方で……結果の出なかった部は容赦なく廃部、無能と判断した者からリソースを取り上げて他の者に回すなど、容赦のない実利主義は“氷の生徒会長"と呼ばれて恐れられている。