きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷 作:伝説の超三毛猫
ろーりえ「『きらファン八賢者のみんなでカラオケ行ってみた』のアルバム作ろうぜー!」
あるしーぶ「なんだそれは…」
ろーりえ「まぁ、俺に任せてなってwww」
1.アルシーヴ「ルージュの伝言」
2.ジンジャー「Crossing Road」
3.シュガー「白金ディスコ」
4.ハッカ「Paradise Lost」
5.セサミ「True my heart」
6.カルダモン「Against Profile」
7.フェンネル「あんずのうた」
8.ソルト「Jumping!!」
9.ローリエ「千の風になって」
あるしーぶ「…待てローリエ。ツッコミどころは山ほどあるが…お前の選曲はそれで良いのか?」
ろーりえ「ぶっちゃけ悩んだんだよね…泣いちゃってマトモに歌えなくなるくらいならもう片方の候補でも良かったかなって思ったんだけど…自重してな」
あるしーぶ「その、もう片方の候補というのはなんだ?」
ろーりえ「SM判定フォーラム」
あるしーぶ「泣いても良いから千の風歌っておけ」
らんぷ「あの、先生…SM判定ふぉーらむって何ですか?」
あるしーぶ「知る必要の無い事だ!!!」
ろーりえ「気になるなら今ここで」
あるしーぶ「歌うな!!!!」
今回のサブタイの元ネタは『トリコ』より『爛漫なる蟲使い! トミーロッド対トリコ!』です。
“力はジンジャー、スピードはカルダモン、魔力はセサミに匹敵する。正攻法で勝つのは超ムズかしいと思うよ、アイツは”
……ローリエ・ベルベット
『魔手』スズラン報告の内容より抜粋
※2023/3/15:スズランの技名が間違っていたので修正しました。
「さぁ…ボーナスになっちまいな!」
魔力を集中していくスズラン。そうして高まった魔力量はかなりのものだ。セサミにも手が届くかもしれねーぞ。
「ボーナス、ねぇ」
「おう。世の中、金が全てだ。お前を倒し、報酬のお宝ちゃんを貰う! だからとっとと倒されろ! 『デモンシュート』!!」
奴の持論らしき言葉とともに、猛烈なスピードで植物の蔓のような魔力が放たれる。
思ってたより素早いが、躱せない程ではない。即座に銃撃で反撃する……が、武器を構えた魔法の障壁に防がれてしまった。
その時、俺には見えた。パイソンを向けたその時に、スズランが防御の態勢をとった事を。それはつまり………
「…へぇ。
「………お前
―――コイツが、
現代日本ほど拳銃の知名度が高くないこの世界において、拳銃を知っている理由は限られる…………拳銃使いと戦ったことがあるか、自分自身あるいは身内に拳銃使いがいるか、だ…!
「何を知っている……? スクライブを攫うのはなぜだ!?」
「さぁ〜て、何故だろうな!」
口を滑らせる気はないってか。なら、割らせるまでだ。
即座にパイソンで発砲。だが、やはり簡単に一撃を入れさせてはくれないようで、再び弾丸は魔法の障壁に阻まれてしまった。コイツの使う防御は……なるほど、ドーム型ではなく、文字通り壁のような魔法障壁だな。
と、なれば奴に攻撃を届かせる為に手を変えるまでだ。
「ふっ!」
「効かねぇよォ!!」
そう言って魔法障壁で数発の弾丸を弾くスズランは、どうやら虚勢じゃないらしく余裕の表情で防御から攻撃へと切り替える。地面から植物のツタを生み出して今にも襲いかかってきそうだ。
だから……弾いた弾丸の行き先までは意識にないようだ。
「ぐっ!?」
スズランの身体が揺らぐ。
一発、スズランのバリアに阻まれて跳ね返った弾が壁、鉄柱と跳ね、そしてスズランの背中に着弾したのだ。
跳弾―――というヤツだ。メタルジャケット弾が壁や床に当たると強く跳ね、軌道が変わるのだ。
「今のは……ッ!?」
「さーて、何だろうな?」
コイツがスクライブ誘拐の目的を語らなかったように、俺もコイツに手札を見せるつもりはない。それに、コイツは俺を倒す気マンマンのようだが、俺はコイツに付き合うつもりはない。…………もったいないおっぱいしてるけど。
スズランの動揺した声に適当言ってはぐらかしながら、もう一度発砲。弾丸は、再びスズランに………向かうことなく、彼女の脇を通り過ぎる。しかし、それはただの無駄ではない!
ガァンッ!!
「!?」
撃った弾は、スズランの後方にあった鉄柱に当たって――そして、跳ね返ったそれが、スズランの後方から牙を剥いて、音速の世界から襲い掛かる!
「ま、またかっ!? うおおおっ!!」
今度は上手く弾いたか。しかし……
「随分無理な姿勢で受けたな。後ろがガラ空きだッ!」
今のスズランの体勢は、咄嗟に振り返って斧のような鎌で無理矢理弾いたような格好になっている。立っているのもやっとなそれだ。
その無理な格好にありったけの鉛玉をブチ込んでくれる!
「『トリックスキャッター』!」
「何ィィ!!?」
こいつ、この体勢で攻撃だと!?
今にも倒れそうな……いや、現在進行形で倒れているというのに、おびただしい数の細い蔦を襲わせてきやがった!!
追撃を即座にやめ、後ろに飛びのき、新たな剣を抜いて蔦を断ち切る。
銅剣に魔封じの力を込めたサイレンサーに代わって作り出していたのは、白銀の刀身を持った、細長い片刃剣だ。日本刀に使われていた、砂鉄から玉鋼を作る技術を鍛冶師に教えて作らせたものだ。切れ味が格段に増しているのは勿論、銅剣だった時には仕組めなかったギミックをこれでもかと仕込んだ。
名付けて―――『サイレンサー弐号』…!
「セヤァッ!」
襲い来る細い蔦を一太刀で斬り払うと、スズランは既にバランスを整え終えていた。
てっきり今のが隙だと思ったのに、それを防ぐどころか、攻撃の機会にしてしまうとは。コイツ、できる……!
「今のを躱すか……ならっ!」
「!! うおおおおおおおっ!」
「はあぁぁぁっ!!!」
次のスズランの行動は、突進してからの斧鎌による連撃だった。
俺はそれをサイレンサー弐号で迎え撃つ。このサイレンサー弐号には初号機にはない機能がある。それは―――
ゴオオオォォォォッ!!!
「ほ、炎だとッ!?」
「セヤアアアアアアアアアアッ!!」
―――魔法を断ち切り、そこから魔力を吸収して、意図したタイミングで放出が出来る機能だ。
さっきの場合だと、スズランの細い蔦の魔法を切り伏せた際に、蔦の魔法を構成していた魔力を吸収。しかるのちに、こっちの反撃の際の魔法にしておいたのだ!
しかも、この反撃……属性の変更も可能なのだ! さっき吸収した魔力は風属性だったけど、放出したのは炎属性。吸収した属性を確認し、即座に弱点属性に変更しておいたのだ。
流石に、これならヤツも怯むだろう!
「くっ…『トリックシュート』ォォォォォ!!」
だが! 恐るべきことに、コイツは目の前に迫った炎の剣をものともしていないかのように、至近距離から魔法弾を放ってきやがった!?
「ぐおおおおおおッ!? 何ィィィィィ!!?」
「ぐッ………!!」
衝撃をモロに受ける。ふっ飛ばされた先で上手い事着地したあと、自分の身体を確かめてみる………幸い、さっきの攻撃は軽傷のようだ。スズランを見ると、あちらさんもところどころに火傷を負っているようだが、まだまだ全然余裕そうに見える。
……強い。この前ブッ飛ばしてふん捕まえたヒナゲシとは比べ物にならない。あいつは逃げる直前に「他のみんなに比べれば私は前座なの」みたいな事を言っていたが、あながちハッタリや身内贔屓ではないようだ。
まったく。今は1秒でも早くメディとうつつの安否を確かめたいってのに、こんなつえー奴と戦ってる暇はないんだけどな。
「はぁ……強いな、お前…」
「そういうお前は賢者って聞く割に大したことねぇーじゃあねーか」
「フ…………いやはや、こんなに強い人材が眠っているとは思わなかった」
「なんだ? 今更命乞いか?」
「まさか。それよりもっと建設的な提案だ。
―――お前、『リアリスト』だろ? そこを裏切ってこっちにつかないか?」
―――だから、コイツから戦意を奪ってやる。
◇◆◇◆◇
スズランは、最初ローリエから「裏切らないか?」と言われた時、コイツは頭がおかしくなったのかと思った。
さっきまで戦っていた筈の人間から勧誘など、信用できるハズがない。スズランは、分かり切った勧誘に答えを叩きつけるつもりでいた。
「バカかお前。このタイミングでそんな提案、飲むワケ―――」
「落ち着け。何も
ローリエは、スズランとの短い会話で彼女の人となりを何となく予想立てていた。そして、それは大方当たっている。
金勘定で動く守銭奴。「金が全て」と豪語するほど金銭に信頼を置いており、実力も高い事から、己の実力や魔力を安売りしないタイプであると。幸い、ローリエは木月桂一だった頃のそういった守銭奴染みた人間との付き合い方の記憶が残っていたし、何よりエトワリアの守銭奴には
以上の事から、ローリエは突然の説得ロールを始めた。無論、勝算があってのことである。ローリエの冷静な言葉に、スズランも戦闘を中断した。
「…意外だな。八賢者なんて神殿の幹部なモンだから、聖典が~だの人の絆~だの、脳味噌の腐った様な事を言うと思ったが」
「ここでその話を持ち出す程空気が読めなくなったつもりはないよ。
金は全ての代わりになるオールマイティーカードだ。物も命も夢も仲間も、果ては地獄の沙汰さえも金次第、なんて言われてるんだ。
金はとても大切で……全てに必要なものだ」
「……オイオイ、お前本当に八賢者か?」
ローリエが並べだす金の持論に、思わずそんな言葉が出る。彼はそれに対して「正真正銘、俺が八賢者ローリエだ」と答えた。
冗談だろう、とスズランは思った。おおよそ言っている内容には賛同するが、いかんせん言っている人物が八賢者であるので、スズランの表情に困惑の色が出始めている。
聞こえの良い嘘を言って騙そうとしているのかとも思ったが、ローリエがあまりに当然に、まるで世間一般常識を語るように話す様子から、嘘はついていないだろうと考える。
「そう…金は全ての代わりになる………例えば“信頼”とかな」
「信頼?」
「『金を渡すから働け』……シンプルすぎて一見暴論に見えるが、傭兵やあらゆる仕事が元を正せばこれに当たる。
それは………この後始まる『取引』も変わらない」
ローリエは
そして、警戒心が薄れていったところで、ローリエは本題に移った。
「さっき『
お前が今請け負っている仕事の報酬…その
「ま、マジか…!? 参ったな、そう来るかぁ~…」
スズランは揺れた。
金がすべてだと言った自分の意図を汲み取って、こんな提案をしてくるとは!
確かに「金が全て」という自分の主張に沿うならば、ここまでウマい話に乗らない理由はない。
だが、ローリエの倍プッシュは終わらない。
「もし、2倍の額じゃあ不服だと言うならば―――俺の懐から、
「な、何ィィィィイイイイイイイイイイイイッッ!?!?!?
お……お前、正気で言っているのか!!?」
「当然。俺は八賢者だからな……神殿の財政に口利きができる立場だ。説得は得意でね…
オマケに、あらゆる特許の都合上懐具合の心配もない。約束は果たすよう努力しよう。
……どうだ? 金が大事だって言うお前からしたら、悪い話じゃあないと思うが」
悪い話じゃないどころか、凄まじくウマい話じゃあねーか! いくら何でも、敵をスカウトするのにそこまでの金を積むのか!!?
割とトンデモない提案に、さっきまでの戦いでも出さなかった大声をあげるスズラン。
ローリエの倍プッシュに動揺する彼女の中では、様々な考えがめまぐるしくよぎっていた。
―――ま、待て待て。いくら何でも仕事中だぞ!?
―――それをほっぽり出して良いモンなのかッ!?
―――イヤ、でも…今の3倍は破格すぎる!!
―――罠か?
―――でも、罠には見えねェ!
―――この一攫千金の
―――そんなの、このスズランが逃してたまるかよ!
―――でも……!!!
ローリエから突然転がり込んできた儲け話。それに乗るか降りるか。
傭兵の経験が多く、戦術においても聡明な彼女が、明らかな儲け話に即決で乗るほど愚かなマネはしなかった。
しかし、なまじ賢いが故に裏を裏をと探ってしまい、答えが出せずにいる。
何より、スズランはお金が大好きだ。そんな彼女からすれば、これ以上魅力的な話はなかった。
「もし、この話にお前が乗らなかったとしても……ただ莫大な金を掴むチャンスがなくなるだけだ。
俺は元々、連れを探してただけでね。そっちが見逃すってんなら、今回はこれ以上お前と戦う事はしないよ」
そこに、ローリエのダメ押しの囁き。
例え「取引」に応じなくてもスズランに損はないと主張するローリエ。事実、ローリエに損をさせるつもりはなかった。メディアとうつつの安全を早く確保したいローリエからすれば、最優先事項はメディアとうつつ、そしてスクライブ達の救出だ。スズランについては今この場で倒す必要はない、情報を持って帰れれば御の字と考えている。また会った時に、完封するように倒せば良いのだから。
リアリストは迅速に倒す。メディアもうつつも犠牲にせず守る。スクライブも取り返す。三つとも目指している辺り、ローリエはスズランに負けず劣らず強欲であった。
しかし。ローリエに誤算があるとするならば。
…スズランとハイプリスの関係をほんのちょっとだけ、見誤った事だろう。
「……………申し出には感謝だ。だが、ダメだ」
「ダメ?」
「その『取引』に応じる事は出来ねぇ」
「…3倍じゃあ足りなかったか?」
「いいや、そうじゃあない。
オレにとって、ハイプリス様から貰う金は特別だ。
たとえいくら積まれたとしても、あの方を裏切ることはできねーよ」
目の前の莫大な金を前に、首を横に振ったスズラン。
その理由は、スズラン自身が気づいていないだけで、お金よりも大切なもののためであった。
無論、スズランと対峙するローリエは、その事実に気付かないというヘマはしない。
「驚いた。……金よりも大事なものをもう持っていたのか」
「…チッ。気に食わねぇ言い方だ」
「つまり……せっかくの交渉は決裂ってわけか。残念だよ」
「そういうこと―――だッ!!!」
交渉がお流れになり、スズランが武器を握りしめ直して暴風を巻き起こす。戦闘が、再開した。
◇◆◇◆◇
交渉に失敗したのは、前世の、父の会社にいた時の数度目の営業ぶりだったか。
スズランに
金を積んで裏切らせる作戦は今思いついたことだったが、我ながら即興にしては手ごたえがあったと思った。
しかし、結果は交渉決裂。こうなると今はこれ以上話してもムダだろう。
と、なると……目下の目標は、改めてやる気マンマンになったスズランを、どうやって凌ぐかって事だ。暴風も巻き起こしていることから、飛び道具を使わせまいとしているのだろうか。
「マ」
スズランの人差し指に緑色の火が灯る。
「ジッ」
今度は同じ手の中指に火が灯った。もうこの時点で嫌な予感しかしない。
「ク」
更に、今度は薬指にもだ。確定だ。
「シュートッ!!!」
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!?」
詠唱が終わると同時に、三発の魔法弾がこちらに迫ってくる。くそ、フレイ○ードみたいなことをしてきやがって…!
体を逸らして躱せば、今度は魔法弾の着弾点から蔦が生えてきて、こっちに襲い掛かってくるではないか!
魔法弾と蔓の二段構えってワケか……!
「さぁ、そのまま
「お断り――だッ!!」
一閃。それで目の前に迫った蔦を断ち切った。
だが、切った蔦の間から、新たな蔦が襲い掛かってくる!
「ハァァァァァッ!!」
「どこ見てんだよ!」
「なッ!!? グウううううッ!!」
しかも、蔦の間を縫うようにスズラン本体も肉薄し、斧のような鎌を力任せに振り下ろしてくる。かろうじて受け止めたサイレンサー弐号から伝わる重量は伊達じゃない。下手すればジンジャーに迫るパワーじゃねぇのか。
蔦のオート攻撃がキツイ上に、スズラン自身のスペックも半端ない。パワーはジンジャー、スピードはカルダモン、魔力はセサミに迫っている。こんなのが敵とか俺の運悪すぎだろ。
こうしている今も、受け止めた筈のスズランの鎌が近づく感覚がする。このままじゃあマズい。鍔迫り合いに負けたらその後が絶対ヤバい。
かといって、この膠着状態を続けるのも悪手だ。蔦を放置せざるを得なくなっている以上、このままだと手足を蔦に絡まれる。そうなったらジ・エンド。
……
……やるしかない。ただし、1回だけだ。
まだ『リアリスト』の全貌が分かっていないのに、
勿論、ここで負けたら元も子もない。だから、切り抜けさせてもらう。
タイミングは…………鍔迫り合い中の、今!!
カチッ
ドッグオオオオォォォォォオオオオ!!!
「ぐあああああああぁぁぁぁッ!?!? 何ィィィィィィィィッッ!!!!?」
大爆発。スズランは、突然起こったソレに一切対処できずに飲み込まれた。
同時に襲ってきた蔦も、全部まとめて焼き尽くされる。
こんな事もあろうかと用意して忍ばせておいた『ニトロアント』だ。それを一斉に爆発させたのだ。俺自身も爆風に揉まれてまったくの無傷とはいかないが、一手でピンチを乗り超えた。
【SASUKE Invisible】
更に、爆炎と煙が上がっているタイミングで
戦ってみて勝てるならそれで良し。容易に勝てないと判断したら一旦逃走でもして本来の目的や次の備えに徹する。それが賢い戦い方というものだ。
スズランの様子を確認する時間も惜しんで、俺は姿を消したままその場を離れて、メディ達が行った方向へと駆け抜けていく。
路地裏を走っていって、着いた先に見えたのはきらら達とタイキック、フェンネル、そして膝をついて泣いているうつつだった。
「どうした!?」
「うぅぅぅ……ごめん…ごべんなざい゛……
私が…私゛がくそざこだったばっかり゛に………」
「オイ、何があった!?」
「ろ、ローリエ……実は―――」
合流した時、異様なほどに泣いていたうつつと沈んだ顔のきららちゃん達に事情説明を求めると、フェンネルがそれに答えた。
……あまりに最悪な、知らせを。
「―――メディが、攫われた……!!?」
◇◆◇◆◇
―――その頃、ニトロアント爆発の跡地では。
「………クソっ! オレとした事が…取り逃がした!」
予想外の攻撃を食らい、獲物を逃したことで悪態をつくスズランがいた。
あのままだったら勝てただけに、意識外からの反撃に対応できなかった事で精神ダメージはかなりのものである。
スズランは、自分自身が不調にあることをなんとなく理解していた。そして、そのきっかけも。
『驚いた。……金よりも大事なものをもう持っていたのか』
ローリエの、取引を蹴った後のそんな台詞。
彼自身には大した狙いもなかったのだろう。こんなものただの言葉だ。ロベリアのかける呪いでも、エニシダの口から流れる呪歌でもない。
だというのに、狂った調子はすぐに戻ることもなく、むしろ今のスズランさえも蝕み続けていた。
「………チッ。この仕事終わったらちっと休むか」
八賢者を倒してボーナスを得る企みが外れて不機嫌なスズランだったが、通信機が鳴り、そこからある情報を得た事で、獰猛な笑みを取り戻したのであった。
「…ま、ひとまずは本業の報酬はしっかりゲットできそうだな」
それだけ呟くと、転移魔法の詠唱とともにスズランの姿が消えた。
キャラクター紹介&解説
ローリエ
真実の手と激闘を繰り広げた主人公。最初は強襲したスズランに抵抗する形で戦ったが、彼女の強さと金への執着心を見抜くと即座に裏切りを唆す。スカウトに失敗してからは再び襲われ、ニトロアントを使用して難を逃れる。しかし、どうやら一歩遅かったようだ。
スズラン
討伐する気だった八賢者からまさかの勧誘がかけられて動揺した守銭奴ガール。3倍の金はいくら何でも揺れに揺れたが、やはりハイプリスへの恩義を無視出来ず、その後のローリエの言葉によって調子が狂わされることになる。
ローリエの勧誘
使用された格言の元ネタは「闇金ウシジマくん」と「物語シリーズ」の貝木泥舟。どちらも金に関する深い名言を残しており、スズランの共感を得ることに一役買っている。
「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に登場する魔物・フレイザードが使用する魔法。指先に5つのメラゾーマを発動させ、同時に放つ。普通の人間がやると寿命を縮めるほど負担の大きい邪法。
拙作ではスズランが使用。指先3つのポップ版ではあったが、「成果(=より良い報酬に繋がる結果)を出す事に貪欲な怪物のような」スズランなら使えてもおかしくないと考えた。
△▼△▼△▼
うつつ「ごめんなさい……メディアを、まも゛れなぐっで…」
ローリエ「…話は後だ。メディを助け出すぞ!!」
フェンネル「しかし、どこに連れ去られたか分からないのに、どうやって探すのです?」
タイキック「そう、だな。虱潰しに探していては、間に合わなくなる気がするよ」
ローリエ「安心しろ。こんなこともあろうかと………街中を調べつくしておいた」
フェンネル「こんなこともあろうかと思います普通!?」
次回『メディアを救え』
ローリエ「絶対見てくれよな!」
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メディうつにタイキックさんを入れたことについてどう思う?
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メディうつだけの方が良い
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新たな形になってて良い
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男だったら即死だった