きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷   作:伝説の超三毛猫

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今回のサブタイの元ネタは『きららファンタジア2部』より「キサラギを救え」です。


“知り難きこと陰のごとく、動くこと雷霆のごとし。何故、武田信玄は1番重要な孫子の陰と雷を抜いて風林火山ってしたんだろうね?”
 ……木月桂一の独白

2022/7/12:後書きのサンストーンの記述が間違っていると指摘を受けたので変更しました。まさか担当CVを勘違いするとは…


第21話:メディアを救え

 メディが攫われた。

 一瞬だけ、頭が真っ白になった。

 きららちゃん達がうつつから聞いた話によると、うつつがメディと二人きりで逃げた先で「真実の手」を名乗るスイセンという女にメディが無力化されたようで。

 続いてうつつも攫おうとしたところでタイキックさんが割って入り、うつつ本人は事なきを得たようだが、肝心のメディが連れ去られたようなのだ。

 

 

「ごめんなさい…ごめんなさい……」

 

「…………」

 

 

 うつつ本人はというと、どうやらメディを守れなかった原因が自分にあるみたいに、泣きながらうずくまって謝り続けている。

 どう考えてもうつつに非はないはずなのに、この泣きよう。タイキックさんに背中を撫でられているのに、拒否しない様子。どうやら、俺が傍から見ていた以上に、うつつはメディとタイキックさんに懐いていたようだ。

 

 怖かっただろう。記憶喪失で右も左も分からないというのに狙われて、あげくにせっかくできた友達を悪者に攫われた。そんな状況なのに誰にも助けを求められなかった孤独。俺はスズランと戦ってたし、きららちゃん達も恐らく手が離せなかったんだろうが…

 …それなのに今度は「怖かった」より先に「守れなくてごめん」が出る人間は、どれだけいるだろうか。

 俺は、ここにきて、目の前で泣いている女の子が―――悪者ではないという確信をこの時、得た。今更かって思うかもしれないけどな…………もし、これで騙されたとしたなら、その時はコイツが上手だったと思う事にしよう。

 

 

「……うつつ。俺はメディを連れ戻しに行く。君も行くか?」

 

「無理だよぉ……私じゃあ、何の役にも立てないもん…肉壁もできないとか、ただのカカシだもぉん………!!」

 

 

 無理、ときたか。

 また心が折れそうになってやがるな、面倒臭ぇ。こっちは急がないといけないんだぞ?

 仕方がないから、ちょっと発破をかけてやる。

 

 

「できるか・できないかじゃあない。『やるか・やらないか』だ。

 うつつ。もし、泣きまくってメディが戻ってくると本気で信じているなら、ずっとそうしているがいい」

 

「なっ!!?」

 

「ローリエさん! それは、あまりにも―――」

 

「メディにさ。ペンを貰ったじゃあないか、お前。それはなぜだ?」

 

「お、お……おれ゛いに゛っで……

 でぼ………だめだった。まもれなかっだ!!!」

 

「―――まだ間に合う、としたら?」

 

「「「「「!?!?!?」」」」」

 

 

 きららちゃん達に制止されるのも構わず、メディから貰ったペンの事を思い出させる。お礼を貰ったのにそれに答えられなかった悔しさをうつつが口にしているのを見て、本当はまだ折れていない事を察した。

 

 

「ローリエ…いくらなんでもそれは…。

 メディア様が攫われたというのに、楽観的にも程がありませんこと? 此方は敵がどこに潜んでいるかも分からないというのに………この写本の街中から、敵の隠れ家を探す術でもお持ちだとでも?」

 

「何を()()()()()()()()()()()()、お前。

 この程度のこと、想定して当然だろうが。」

 

「な…!? て、敵の隠れ家に検討をつけてるというのですか!?」

 

 

 相手はスクライブを攫い続けていた。

 そいつらの最終目的は『聖典を破壊すること』。

 だったら、聖典の写本をするスクライブを狙う理由もなんとなく想像がつく。攫ったスクライブに何か細工をして聖典に不都合を起こすつもりなのだろう。

 ましてやそのスクライブの長たるメディが狙われないわけがない。スクライブの末端を攫っておいて、ギルド長を狙わない、などという意味不明な事態が起こるわけがない。

 ならば、万が一の為にあらかじめ手を打っておくのは当然だ。

 

 

「メディの服に発信器をつけておいたんだ。それを追えば手がかりにはなるだろう」

 

「はっしんき…?」

 

「あー…えーと、自分の位置を伝えてくれる魔道具だ。要警護対象が身に着けていれば………」

 

「……なるほど! 例え攫われても、その人がどこにいるか分かるというワケですね!!」

 

 

 そう。メディには発信器をつけておいた。

 発信器の電波の位置を示すモニターを皆に見せて、その場所に急行する。

 ただ……俺には、発信器が信号を送った場所を見たときに嫌な予感がした。路地裏の道の真ん中から送られてきたからだ。何かの廃屋の奥からとかではない。道のド真ん中である。

 

 

「この辺だと思ったんですけど…」

 

「……チッ。やはり外されてるか」

 

「え?」

 

「これが発信器だ。どうやら、逃げてる最中に気づかれたっぽい」

 

「そ、そんな………」

 

「どうすんのよ………もう打つ手なしじゃあないのぉ…!!」

 

「最悪虱潰しに探すしかないのだろうが…それではなんか間に合わなくなる気がするぞ」

 

 

 ――そして、それは的中した。

 どうやら、メディを攫ったというスイセンなるリアリストは、人攫いには手慣れていて、攫った人の身体チェックくらいしているようだ。ヒナゲシ並のマヌケを期待するだけ無駄ってか。

 俺の追跡手段が見破られた事にランプは言葉を失い、うつつが泣きわめく。タイキックさんの言う通り、ここからローラー作戦で探すのも現実的じゃあない。

 

「…どうするのです? 当てが外れたようですが」

 

 フェンネルが焦りと苛立ちの篭もった声で急かしたてる。悪いのはリアリストだろ、俺を責めてどうするんだ。

 

「落ち着けフェンネル。こんな事もあろうかと―――」

 

 でもまぁ、心配はいらない。何故なら―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――誘拐犯の居場所を突き止める方法は、一つではないからだ!

 

「―――不穏な動きのあった建物のリストをメモってある」

 

 メモ書きが書かれた街の地図を広げて出してみせた。俺らが今いる地点から先にひとつ、印が書かれてある。それは、そこで怪しい動きがあったという報告の存在を意味していた。

 

「本当ですか!?」

 

「…いや、こんなこともあろうかと思わないでしょ普通は!!?」

 

 きららちゃんが歓喜し、フェンネルから見事なツッコミが入るが、想定してたんだから活用するに決まってんだろ。

 

「拉致事件を追い、誘拐者を捕えるだけじゃ後手に回るだけだと思ったからな…………この街の衛兵達に聞いて、長いこと誰も住んでない空き家や人目につかない場所を探してピックアップさせたんだ。流石に、その辺が分からないほど平和ボケしてなくて助かったよ」

 

「どうして、空き家や人目につかない場所をまとめたんですか?」

 

「悪いヤツが悪事を働く時、1番気にするのは『いかにバレないようにするか』だからだ。そういう時に必要なのは、『悪だくみをしても見つかりにくい場所』なんだ。どんな悪党も、未然にやりたい事を防がれ無駄に捕まるのを恐れるからな」

 

「用意が良いね……」

 

 

 マッチから、ため息のような感心の声が出た。

 地道なデータの確認があってこそ出来るんだぞ。

 最初に着いて現状を知ってから、すぐに衛兵にその仕事を頼んだ。すると、使われてない建物やら廃神殿が出るわ出るわ。

 衛兵達によると、女神が新しく就任するごとに神殿を移す伝統があるのだそうだ。ぶっちゃけ、俺にはその必要性が分からん。そんな時間と金と労力の無駄にしか見えないものなど、省けばいいのに。人気のない、その手の建築物は、管理者がいないとあっという間に悪党の住処になってしまうのだ。一種の割れ窓理論である。

 …まぁそれは置いといても、俺らの行き先にて、怪しいスポットは見つけた。そこに誘拐犯達の本拠地があるかもしれないから、気を引き締めないとな。

 地図を頼りに、メモの場所へ走りながら、俺は情報を共有した。

 

 

「なぁ、皆。もしこの先に、リアリスト達がいるとしたら、みんな気をつけてくれ。実力者が、ふたり以上いる可能性がある」

 

「「「ふ、2人もッ!?」」」

 

「…ローリエさんが戦ったスズランって人と、うつつさんを狙ったスイセンって人ですね」

 

「そうだ。2人とも“真実の手”を名乗ってたから、少なくともヒナゲシ以上なのは間違いない。そして……“魔手”スズランはセレウス以上の強敵だ」

 

 

 そう言って俺はスズランの第一印象や現時点で分かった性格、使ってきた技などを共有した。奥の手を持っている可能性もあるとした上でだ。代わりと言ってはなんだが、うつつとタイキックさんからスイセンの容姿と持っていた武装について聞いておいた。

 

「…銃だと?」

 

「うん……二丁持ってて…それでメディアはあっという間に……!!」

 

「私も確かに見た。直接戦ったわけではないが……両手塞がったままで私の突撃を避けきった事からして……中々に手強そうだ」

 

「そうか……」

 

 今回のリアリストの計画、前と比べると駆り出されてる人員も戦力も派手に多い。

 遺跡の街では、幹部級はヒナゲシ一人だけだった。だというのに、現段階で判明している時点で単純換算で前回の2倍以上。更に、バックアップかなんかで、誰か動いている可能性がある。更に、計画的にスクライブやメディを攫う手際の良さ。

 

 

「奴ら……是が非でもスクライブやメディを拉致りたいようだな。

 おそらく……アイツ等の有利になる何らかの策を打つために」

 

「どのような手を打ってきても変わりません。この情報を元に敵の居場所を探し出し、メディア様を救出するのみですわ!」

 

「そうですよ!」

 

「うん、行こう!!」

 

「「……………」」

 

 

 フェンネルは俺の考察を聞いてもなお、やることは変わらないときららちゃんやランプを奮い立たせる。二人も乗っているようだが……俺とうつつは素直に喜べなかった。

 フェンネルの言う通り、予定に変更はない。だが、肝心の『どうやって助けるか』という部分について全く考えていないように見えるのは気のせいだろうか? 基本、出たとこ勝負は危険だ。そういう行き当たりばったりな行動は、頭を使うタイプのヴィランの格好の餌になっているのを分かっているのだろうか?

 

 

「…ローリエ? うつつ? どうした、行くぞ」

 

「…………おう」

 

「わ、わ、わかったわよぉ…」

 

 

 だが、今そんな事を言っても皆のやる気を削ぐ結果にしかならない。何はともあれ、今はメディやスクライブらを救う事に専念しなればならない。

 

 

 

 

 俺の地図でメモってあった場所に、果たしてウツカイ達はいた。そいつ等は、おそらく入口の見張りのつもりなんだろう。

 

 

「やはり見張りがいるね…」

 

「正面突破で行きましょう!」

 

「まぁ待てきららちゃん。こんなこともあろうかと―――」

 

 

 真正面から突破しようとするきららちゃんを抑えて、俺は特製スナイパーライフル『ドラグーン』を展開。見張りにいるウツカイ共と、あと閉まっているドアの蝶番に弾を撃ち込んだ。

 

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

 

「「「「ウツ?」」」」

 

ドッガァァァアアアアアン

 

「「「「ウツーーーーーーーー!?!?!?!?」」」」

 

 

「―――特製マインスロアー弾頭『鳳戦火(ホウセンカ)』を持ってきてあるんだよ」

「だからどうして『こんなこともあろうか』と思うのよ!!?」

 

 うっさいぞフェンネル。ウツカイ達は吹き飛んだんだし、撃ち漏らしもない。ついでに入り口も木端微塵だ。

 もしここで正面から突入でもしてみろ。迎撃する個体と敵に報告する個体に分かれて報告され、逃げられてしまうかもしれないだろ。まぁ……爆音が聞こえたら一緒なのかもしれないけど、無駄な時間と体力を取られるよりマシだ。

 

 突入した中は、遺跡の街の基地よりも圧倒的に広い。

 行き止まりも多く、襲ってくるウツカイ達もダンチだ。まさに迷宮。

 ―――本格的にやばいな。これだけの広さの秘密基地を地下に作るのに、いったい何年かかる?

 

 ハイプリスが神殿を卒業したのはメディと同時期………つまり3年前だから、短くて1年、長く見積もって2年半か。それだけの時間があれば、確かにこれらは作れるかもしれないな。俺も急いでリアリスト共に手を打たないといけないぞ。

 

 考え事をしながらも、襲い来るウツカイを粉微塵にする。

 

 

「おいお前ら、大丈夫か!?」

 

「はぁ…はぁ…」

 

「ちょ、ちょっと休ませてください、先生…」

 

「言ってる場合か馬鹿野郎。メディの命かかってんだぞ?」

 

「そうですわ。うつつを見習いなさい!」

 

「ひぃ…ひぃ……疲れたよぉ…もう歩きたくないよぉ……」

 

「…弱音吐いてるようにしか見えないんだけど」

 

 

 マッチの言う通り、うつつは現在進行形で弱音を吐きまくっている。

 しかし、よく見て欲しい。うつつの足は、俺達がアジトに突入した時から一度も、歩みを止めていないのだ。

 きららちゃんやランプでさえ足を止めている。俺も一応、息をつける時に止まって傷と魔力を回復させてはいる(それは勿論、メディ救出の成功率を上げる為だ)が、うつつにはそれさえない。文字通りのノンストップなのだ。

 

 

「お前ら、よく見てみろ。うつつは一度も立ち止まったりしていない」

 

「す、すごいですね、うつつさん…!」

 

「すごくないよぉ………だって、一度立ち止まったら、もう歩けなくなりそうだし……そしたら、メディアは連れ去られちゃう………こんな私を、尊敬してくれるって、言ってくれたのに…」

 

「気持ちはわかるぞ、うつつ」

 

「タイキック…?」

 

 

 一度立ち止まったら、もう歩けなくなる……それは、体力的にも、精神的にも、なんだろう。

 泣きながらそう言ううつつに寄り添うように隣に近づいたのは、タイキックさんだった。

 

 

「メディアは、私達の友達だ。ウツカイの仲間だと疑われてたうつつを信じてくれたし…

 私の記憶喪失の件を聞いても、『同情』しなかった。ペンやインク瓶の事を丁寧に教えてくれたしな……

 足を進めれば届くかもしれないのに進まなかったら後悔する。そんな気がするんだよ、私は」

 

「……!!!」

 

 

 どうやら、タイキックさんにとってもメディは特別な友であるらしく、メディを救うために止まる気はさらさらなさそうだ。

 そんな彼女に、うつつは堰が切れたのか、ぽろぽろ流してた涙が勢いを増し、小川のように頬から顎へ、そして床へと落ちていく。

 

 

「タイキック……きらら…ランプ………フェンネル……あと…ローリエと変な生き物……………お願い…」

 

 うつつは、絞り出すように声を出す。

 

「―――メディアを、助けて………!!!」

 

 その声は、小さいけど、涙混じりの嗚咽みたいだったけど。確かに、俺達全員に聞き取れた。

 

 

「―――当たり前だ!!」

 

 答えは、明確だった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 その頃、きららとローリエ達が突入したアジトの深部では、リアリスト・真実の手のスイセンが苛立っていた。

 

「はぁ〜!? 『気づいたら見張りが全員吹っ飛んでた』って…そんなワケないっしょ!? もっとよく見なよ! ホントに何やってるん!!?」

 

「ウツ〜〜!!」

 

 リアリストの中でも陽気で、比較的怒ることのないスイセンだったが、流石にウツカイの「侵入者不明!気づいたら見張りが全員吹き飛ばされてた!(意訳)」という、曖昧極まりない報告にイラッと来たのか、報告に来たウツカイを叱り飛ばしていた。

 

 

「も〜〜〜、ウチは今それどころじゃあないってのに……」

 

「う…うぅぅぅっ……!!」

 

「お、やっと効いてきたかな? さっさと楽になりなよ〜」

 

「ま、負け、ま、せんっ………!!!」

 

「ホンマにしぶといなーーもうっ!」

 

 

 メディアに流す絶望のクリエの量を増やすスイセン。

 そう、彼女は今………メディアを闇に染める儀式を行っていた。

 本当はこんな事をやるつもりはなかったし、ガラでもないのは本人が理解している。しかし、サンストーンは「堕ちたスクライブの管理がある」とかで手伝ってくれないし、スズランはやってもいいが金を出せと言うのだ。先のスクライブ誘拐補助とローリエ襲撃で財布がもう厳しかったスイセンは、渋々自分がやる事にしたのである。

 

「こんな時、ヒナゲシがいればなー」

 

 現在、行方不明中のヒナゲシを想う。

 しかし、それは仲間への心配というより、自分が仕事を押し付けられる相手がいないなー的な、ドライにも程がある理由だった。

 スイセンは、別にスズランやサンストーンのようにヒナゲシを嫌ってはいない。だが、こういうガラでもない儀式は、ヒナゲシの方が似合うんじゃないかと思いながらやっていた。

 

 ……これは誰も知るよしのない事であるが。

 本来なら、このメディアの闇堕ち儀式は、ヒナゲシが行っていたのだが…ローリエがヒナゲシを逮捕した事で、未来が変わった。

 聖典の内容に詳しく、スクライブの闇に精通していたヒナゲシではなく、楽観的かつ無関心な事には怠惰なスイセンが儀式を代行した事で、メディアの侵食は本来よりも進んでいないのだ。更に、ローリエの活躍によりスクライブの拉致被害者の母数も大幅に減少。

 『本来の流れ』を知る者からすれば……それは、見事な戦果であった。もっとも、『本来の流れ』など……この世界では誰も知らないし、意味もないが。

 

 

 スイセンが調整してた魔道具の1つに、何か小さく光るものが突き刺さった。

 小さな楕円形の豆電球のようなそれは、小さくピッピッピッと音を鳴らす。

 

「…? なにこれ?」

 

 突然現れた、見慣れないものに不思議に思い近づこうとするスイセン。しかし。

 

「スイセン、進捗は……何をしている?」

 

「いやね、なんか急に―――」

 

 

ドッグガァァァァァァァァーーン!!!

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

「な――――にッ!?!?!? これはっ―――」

 

 

 そこにサンストーンがやってきて、スイセンと共に不審な物体を調べようと、近づいたタイミングで大爆発。

 メディアを洗脳しようとした機械は一瞬にして粉々になり……スイセンとサンストーンは、爆熱と爆風に吹き飛ばされ、たたらを踏んだ。

 

 

「そっ――そこまで、なんだから…!!」

 

「メディア様を返して貰いますわ!」

 

「あなたたちの好きにはさせない!」

 

「さぁ、テロリストの諸君。とっとと降伏するんだな? 今なら…無期懲役で済ませてやる」

 

 

 そこに、煙を払って現れたのは……住良木うつつ。

 『コール』を使う召喚士・きららと、その仲間ランプ&マッチ。

 更に、八賢者ローリエ・ベルベットとフェンネル・ウィンキョウ。

 

 

「やっば……コイツら、もうここまで来たん?早すぎっしょ……」

 

「…スイセン。私はスクライブを転送する。スズランも連れてくるから、足止めは任せるぞ」

 

「ちょっとキツそうなんやけど…りょーかい!」

 

 

 それを確認するや、スイセンは二丁拳銃を引き抜き、サンストーンは奥へと走り去る為に膝を軽く曲げた。

 

 スクライブを巡る、地下の乱闘が、これより始まる。

 




キャラクター紹介&解説

ローリエ
 地方自治の金と労力の無駄遣いを疑問に思う拙作主人公。考えることが多くて大変だが、今は教え子たちを救うために策を巡らせる。

きらら&ランプ&マッチ&うつつ&フェンネル&タイキックさん
 メディア救出チーム。うつつ以外がどいつもこいつもほぼ脳筋という有様で、タイキックさんも行動力の化身&脳筋という惨状だったが、ローリエの準備のお陰で無駄に体力を減らさずに住んだ。

スイセン
 ヒナゲシに比べてスクライブ闇堕ちができていないカウガール。CV.小泉萌○。『ごちうさ』の詳細も知らなかった辺り、ヒナゲシと違って相手を徹底的に調べて心のスキを突く真似はしなさそう。というか、嫌いなものを無意識的に避けてる節があると考えている。それもそのはず、彼女は飢え死にしそうな環境で育ったと思われるため、飢餓をとにかく嫌い避けているだろうからだ。

サンストーン
 アイマスのしまむーと同じ人とは思えない声をしているリアリストの右手。爆発物という概念は知っていたが、流石に豆電球みたいな小物から殺人級の大爆発が起きるとは思わなかった為、爆発物と気付けず爆発に巻き込まれる。



特製マインスロアー弾頭『鳳戦火』
 ローリエが開発したマインスロアー弾。『バイオハザード』シリーズのマインスロアーのようなもので、小さい警告音ののち大爆発を起こす。威力はニトロアントと比べると高く、蟻の移動力の関係上こっちの方が速攻で鎮圧するには向いているが、ニトロアントの方が隠密性と局所破壊力に優れ、同じ爆発物でも住み分けが出来ている。
 名前の由来は鳳仙花。種が出来ると爆発するように弾けて種子をバラまく姿から、マインスロアー弾とした。

原作との違い
ヒナゲシが捕まったことにより、スイセンが作戦の主役になった事は言及したが、それにより、個人の性格差で計画の進度にも影響が出た。
2部5章において、ヒナゲシがリコリスとスイセンに『ごちうさ』のあらすじを説明する場面があるように、『憎悪』にも種類があり、リコリスやスイセンは聖典やスクライブの事を憎しみから積極的に調べようとしなかったのではと推察。その結果、メディアやスクライブの心の闇を突けず、闇堕ちスクライブの母数も減った。
リアリストからすれば、計画は最初の一歩で盛大にコケたのだが…そんな事は、誰も知らない。

こんなこともあろうかと
 技術者の専売特許にして、全てを解決する常套手段。あまりに突拍子もないとどこかのエレガント先生のように「こんなこともあろうかと思わんでしょフツーーーー!!!?」とツッコまれる。
 元ネタはエレガント先生の登場する『SPY×FAMILY』のイーデン校受験編のロイドの備えから取った。



△▼△▼△▼
ローリエ「とうとう始まった、メディとスクライブらを巡った戦い……きららちゃんが急に泣き出しちまうトラブルもあり、スイセンをなかなか突破できない。サンストーン……お前一体、何者だ…?」

サンストーン「答える義理はない。」

ローリエ「そうかよ。だが…このままスクライブを連れてトンズラできると思わない事だ。何故なら、こっちには………!」

次回『Finger on the Trigger』
アリサ「次回もお楽しみに!」
▲▽▲▽▲▽

あとがき
 とうとう、2部が終わると言うことであらすじも公開されましたが、これは明らかに2部で終わる気配がしませんね。3部のフラグがビンビンです。あらすじを読んだだけでも……「ソラとアルシーヴがさらわれ、リアリストが各地で一斉蜂起」……世界を終わらせに来てますねコレ。もはや戦争だよ。
 しかし、拙作2部も同じ展開になるとは断言いたしません。何故なら、もう既に運命は変わっているのですから。まぁ…変わった運命がイイものになるかどうかは保証しませんけどね?

メディうつにタイキックさんを入れたことについてどう思う?

  • メディうつだけの方が良い
  • 新たな形になってて良い
  • 男だったら即死だった
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