きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷 作:伝説の超三毛猫
……まぁこのサブタイ、作者はモンストで知ったんですけどね。ガチャはまどかとほむほむが引けたから満足。
いつの間にか、俺はラウンドテーブルに座らされていた。周りはいつものエトワリアの中世チックな神殿内………ではなく、見ているだけで気分が悪くなりそうなタッチのデザインだった。さながら、「魔法少女まどか☆マギカ」に出てきそうな……
そして、ラウンドテーブルを見回してみると、何人か座ってる子がいる。俺のよく知る顔だ。
セサミにハッカちゃんにシュガーに………賢者は全員いるな。あと、アルシーヴちゃんとソラちゃんだ。そして、テーブルの真ん中にはマッチ。あと言葉にし難い小さな化け物が皿の上に乗っている。なんだこの状況。
『ケーキ♪ ケーキ♪
まあるいケーキ♪
まあるいケーキはだぁれ?♪』
「!?」
えっ。
みんなが軽快に歌い始めたそれって確か…「まどマギ」に出てきた歌だよねぇ!
やばい。歌詞ほとんど覚えてないぞ…!?
「ケーキはセサミ?」
「ち・が・う♪
私はぶどう♪
まあるいケーキはあ・か・い♪」
最初にマッチに指名されたセサミが、妖艶に否定する。
歌い方といい服装といい唇の動くさまといい、ここまでエッチな葡萄を俺は知らない。
「ケーキはカルダモン?」
「ち・が・う♪
あたしはザクロ♪
まあるいケーキは顔がいい♪」
セサミに指名されたカルダモンがそう歌い上げる。
かわいいけど、法則が分からん。俺の中の上司も「まるで意味がわからんぞ!」と混乱している。
「ケーキはシュガー?」
「ちーがーう♪
シュガーはいちご!
まあるいケーキはおーおきい♪」
うーむ。
シュガーはイチゴというか、イチゴに含まれる果糖というか……そんな感じなんだけど、何か法則でもあるのか?分からない。
「ケーキはソルト?」
「ちがいます♪
ソルトはミルク♪
まあるいケーキは溢れない♪
ケーキはフェンネル?」
「ちがいます♪
わたくしはクラッカー♪
まあるいケーキは砕けない♪
ケーキはジンジャー?」
「ちーがーう♪
私はチーズ♪
まあるいケーキはこーろがる♪」
………ふむ。
分からないが、分からないなりに法則が見えてきた……………というか、なんか思い出してきた。たしか「叛逆の物語」にこんなくだりあったな。
おそらく、「ケーキはお前か」と訊かれたら、「違う」と答えないといけないようだ。もし「そうです私がケーキです」なんて言おうものなら、お菓子の魔女と化したマッチにマミられるかもしれない。
あと、歌うみんなが可愛すぎて録画して永久保存版にしたい。
そして、ジンジャーからアルシーヴちゃんへ、アルシーヴちゃんからハッカちゃんへターンが移る。アルシーヴちゃんは「私は桃」と、ハッカちゃんは「私は
「ケーキはローリエ?」
「! 違う♪
俺は…カボチャ、
まあるいケーキは恋の味♪
ケーキはソラ?」
よし、ハッカちゃんからのパスを何とか次の人に回せた。そして、その人がラス1だ。
「ち・が・う♪
私はメロン♪
メロンが割れたら甘い夢♪」
『今夜のお夢は苦い夢♪
お皿の上には猫の夢♪』
ソラちゃんが歌い、みんなが歌う。俺は歌詞が分からなかったから歌えなかったが、全員が席を立ちテーブルクロスの端を持ったのを見て、俺もそれに倣った。
『まるまる太って召し上がれ!』
そして。
全員が一気に、テーブルクロスを引いた。
◇◇◇◇◇
あの後、テーブルの真ん中からドでかいタワーのようなケーキが現れ、お菓子の魔女(第2形態)となったマッチが「モジャパフェー!」と言いながらそれに食らいついて、全員がふっ飛ばされたあたりで目が覚めた。
なんであんな夢見たんだ。「叛逆の物語」見たのなんて何年前だよ。そう考えながら洗面台に立つと、木月が鏡越しに話しかけてきた。
『すまない。君が寝ている内に、記憶の整理を行っていたんだが……どうやら、奇妙な悪影響を与えてしまったみたいだね』
「……イヤ、別に良いけどさ。俺から肉体の操縦権奪ったりしないよな?」
『そんな事出来ないよ。君自身が再起不能にでもならない限りはね』
「あっそ」
木月はホントに申し訳なさそうにしている。その心情を読める俺からすれば、今の言葉は信用できるものだ。
―――信じられないことだが、
現に木月桂一は、決して努力を怠らなかった。親の会社を急成長させた時も、日本の教育と雇用を立て直した時も……己の立てた目標を達成するため、己が出来る事、誰かと協力する事、その他諸々、何でもやった。そう、
……
「なぁー木月」
『なんだい?』
「次夢の整理するときは言ってくれよ。ちょっとリクエストもあるしな」
『……そんなにエッチな夢がみたいのかい』
「当然」
リクエスト―――神殿の美女(三人以上)とタノシイことをいっぱいスる夢が見たいと脳裏から送ったら、木月は呆れたような苦笑いで「まぁ、男の夢ではあるけどさ」とYESともNOとも取れない返答をした。
朝の歯磨きやら洗面やらの日課が終わった後で、俺はアルシーヴちゃんへ連絡を繋ぐ。例の、定例報告だ。
『そうか、芸術の都を解放したか…』
「労いはきららちゃん達にしといてくれ。
俺は都民の不安を煽る作戦立てた挙げ句、敵を捕らえそこねただけだから」
『いや、お前の助力あってのこの結果だ。そこまで気に病む必要は無い』
アルシーヴちゃんは、芸術の都解放に安堵の息をつきつつも、満足した様子ではない。
それもそのハズ、リアリストの侵攻で多くの人が犠牲になっているからだ。特に今回の侵略での犠牲は遺跡の街以上だ。アルシーヴちゃんやソラちゃんの心労は並みではない筈だ。
「悪いな。そんなフォローしてもらって」
『フォローではない。これは私の本心…』
「そう言うなって。ホントは誰も死なないほうが良いんだ。防げなかった俺達にも責任はある」
『何を言っている…』
「……辛いんだろ? 一般人がたくさん死んだ事が。
当たり前の感情だ、言っていいんだぜ?」
『ローリエ…』
「俺も……ギリギリのところで踏ん張ってるだけだからな…
リコリスが子供殺した写真を見た時点でどうにかなりそうだった」
アルシーヴちゃんだけに本心言ってよってのもアレだから、俺は先に本音を彼女に言っておく。
マランドが渡した写真が衝撃的すぎた。子供の命よりも真実を優先せざるを得なかったマランドにアリサが殴りかかり、それを止めたのは確かに俺だが…俺だってあの所業は許せそうにない。だから徹底的にリコリスをボコる作戦を立てたのもある(もっともそれ以外にコレという理由がいくつもあるんだけど)。
『…ローリエ。お前がユミーネ教の傭兵団とコンタクトを取り、協力体制を築いてくれた事には感謝している。勿論、ヒナゲシの逮捕にも、スクライブやメディアの保護も。
だが……筆頭神官として、上司として、お前にそんなことを言うわけには……』
「良いんだよ。『筆頭神官と八賢者』じゃなくて『ただのアルシーヴとローリエ』として本音を聞かせて貰えばそれで」
『!?』
「地位なんか気にしなくて良いと思うぜ。少なくとも、俺と二人…ああいや、ソラちゃんと俺以外誰もいないならな」
アルシーヴちゃんは地位に責任を持つ反面背負い過ぎるところがあるからな……
これくらい言っておかないと、余計な荷物を勝手に背負って潰れかねない。定期的に、荷物を下ろしたり分け合ったりしないとな。
「まぁ、今は言えなくても、その内言ってくれよ。
ハイプリスっつー俺らの生徒の件もあるし、今はホントに忙しいのかもしれないけどな」
『…待て。「俺らの生徒」とはなんの事だ?』
「……はい?」
さり気なく言った事に対するアルシーヴちゃんの言葉。
それに俺は耳を疑った。
「オイオイオイオイ、何を言ってるんだアルシーヴちゃん!?
ハイプリスだよ! ヒナゲシの尋問で聞き出しただろうが!?」
『そこは判っているのだが……生徒とはなんの事だと言っている』
「え…………」
それが聞き間違いでも何でもないと理解した俺は、しばしフリーズし、電話を切ることも出来なかった。
◇◇◇◇◇
アルシーヴちゃんが、ハイプリスを忘れた―――
その事実を突きつけられた俺は、すぐさま神殿に転移し、そこであるものを探した。
「あった……」
それは…ハイプリスの生徒原簿。
生徒原簿とは、神殿に所属していたと証明する書類だ。その人の通学時の様子から卒業後の進路の大まかな内容まで書かれた、いわゆる極秘資料。
やがて、メディの世代の原簿達の中からハイプリスのそれを見つけ出すことに成功していた。こうして原簿と向き合っていると、
「『在学中に闇の儀式で同級生を負傷させ追放』…
卒業じゃあ、なかったのか」
ハイプリスは、卒業ではなく、途中で退学処分にされていたという事だ。
今まで、俺はメディとハイプリスが卒業したと思っていた。実際はそれは勘違いだった……という事なのだが、
何故なら俺は、メディとハイプリスの担任だったからだ。
それ故に、ハイプリスの事件も他人事ではなく、むしろ当事者の一人だった筈なのだが。
だんだん思い出してきた。切っ掛けは確か………彼女の両親が、流行病で亡くなった事。そして、メディとハイプリスの親友が一人、険しい山に道を作るための工事の視察中に事故死したことだ。
それで注意して気にかけていたんだが……健闘むなしく暴挙に出た、ってところだな。
それをアルシーヴちゃんとソラちゃんに突きつけたところ、目の色を変え、真面目に取り合うような対応を始めた。
「これは……確かに、本物の書類だわ…!」
「そうか。これが、ハイプリスが神殿に所属してた証拠か………」
「これは捏造しようと思って出来るものではないわ。本物……なのね。心当たりがないのだけど……」
「いや、まず『心当たりがない』がおかしいだろ。自分が手に塩かけた生徒を忘れるか、普通?」
「だが、そう言われても私達にはなにがなんだか、だ」
なんども念を押すように確かめるが、やはりアルシーヴちゃんとソラちゃんには、ハイプリスの記憶がないみたいだ。
常識的に考えなくてもありえない事態が起きている原因……俺には心当たりがあった。
『『シャミ子って……誰? さっきまで私達と戦ってたのは魔王シャドウミストレス(だ)よ?』』
それは…長年かけて培ってきた宿敵同士の関係性がリセットされた場面を見たかのような違和感。他人同士みたいになるクリエメイト。
二人に起きている現象がどうも似ていると思った俺は、ある説を提唱した。
「そうだ。知ってるハズなのに『何が何だか』なんて…普通ありえない事が起こっている。これはさ……もしや、『パスを断ち切る能力』が関係しているんじゃあないか、って事だ」
◇◆◇◆◇
その推測は、まさに驚異的だった。早急に情報共有の必要があると判断し、緊急の八賢者会議を開く。集まったのは、カルダモン・ジンジャー以外の八賢者全員と私、そしてソラ様。急な話だから全員が集まれないのは仕方ない。
集まった全員に、ローリエの推測を聞かせるように促す。そして、改めて彼に例の説明を始めさせた。
「今回の敵は『パスを断ち切る能力』と『リアライフ』を使ってクリエメイトを絶望に落とそうとしている………ですか」
「そうだ。そして…この力の厄介な点は、『
「どういうこと?」
シュガーが尋ねる。
だが、すぐに分かるだろう。
ローリエの解説を予め聞いていた私でさえ、背筋が凍ったのだから。
最初に彼から語られたのは、『オーダー』で呼び出されていた千代田桃や野田ミキの様子―――きらら達からの報告で得た情報だとのことだ―――だった。
「今まで、パスを切られた者はシャミ子とキサラギだけだったが……本人が周りを忘れるだけじゃない。周りの人間……パスを切られた人間と関係を持っていた人々も、パスを切られた人間を認識できなくなっていた……」
「? えぇ、まぁそうでしょうね」
「わからないか、セサミ?
―――
「「「「「!!!!!」」」」」
そう。この言葉を聞いた瞬間、私は「ただごとではない」と判断したのだ。
例えば、「パスを断ち切る能力」で………そうだな、ローリエがやられたとしよう。そうなった場合、誰もそれに気付けないのだ。他の賢者達は「八賢者? 七人じゃありませんでしたっけ?」となるだろうし、私やソラもかつてのローリエ関係の思い出がすべて…思い出せなくなるとのことなのだ(この例え話をローリエ本人からされた時、生きた心地がしなかった)。
それはなんと……………残酷なことだろうか。この例を踏まえれば、流石に全員がローリエの言葉の意味を理解して神妙な顔つきになっていた。
また、この脅威が明らかになった際、もうひとつ明らかにすべきことがある。
「ローリエ。この場で尋ねるが……対抗策はあるのか?
出来れば……きららの『パスを繋ぎ直す力』以外で」
これだ。現在敵対している、その厄介な力の対処法。
きららからの報告で、シャミ子もキサラギも無事にパスを繋ぎ直して元の世界に帰した……とはいえ、対抗策が多ければ多いほど良いのは言うまでもない。肝心のパスを修復する力も、「パスを切られた」と認識できなければ、思うように使えないだろうしな。
この質問に対して、ローリエは紅茶を一口。喉を湿らせたのちに、一枚の紙を取り出した。
「それなんだが…コレを見て欲しい」
「それは…」
「ハイプリスの在籍記録…だそうだ。尤も、私は覚えていないが…」
「え、ハイプリスってテロを起こしてる悪いやつじゃないの!?」
「神殿の女神候補生だったと書かれていますが…!?」
神殿に保管する女神候補生の在籍記録は、本人が卒業後も十数年は厳重に保存するものだ。
だから、容易に捏造させないし、できないような仕組みも確立している。
にも関わらず、ハイプリスの在籍記録は私にとっても覚えがない。それは、ローリエ曰く、「ハイプリスが自分自身のパスを断っているんじゃないだろうか」とのことだったが……だとしたらローリエはどうなんだ? 何故、ハイプリスのことを覚えていられるのか?
……マズいな、この件は本題から逸れそうだ。今はローリエの“対抗策”を聞かねば。
「肝心なのは、記録自体が存在していること。つまり……例の能力でパスを断ち切ったとしても『記憶』は消せるが『記録』と『事実』は消せない、ということ」
ローリエの推測は…ところどころ決定的な物証に欠けているものの、説得力は大いにあった。この場の全員から息が漏れる。
「事実……リリスと桃の面識はあったしな。この二人の関係は、『シャミ子がいなかったらまずできなかった
それに……キサラギと他のGAのメンバーの絆が戻るきっかけが素猫だったという報告も受けている。このことから、キサラギの描いた『
「確かに、それを聞いていれば納得できる部分はあります…!」
脅威に見えていた、敵が使ってくる『パスを断ち切る能力』。
確かに、ここまで冷静に分析ができていれば、自ずと対策はあがってくるというものだ。
相手が記憶に干渉してくるというのなら……
「つまり、こう言いたい訳か。対抗策とは、我々の身に万一が起きた時の為に……『記録を残しておくこと』!」
「その通りだアルシーヴちゃん。ついては、今から出す紙に一人ずつ、直筆で名前を書いてって欲しい」
流石だ、ローリエ。まさかこうも、敵の厄介な力に気付き始めていたとはな。
もちろん、この対策は完全ではない。ローリエ本人も分かっていることだろう。真にこの「パス斬り」に対抗できるのは、現段階できららの能力だけだとな。
だが……そのきららの能力も、「パスが切られた」と認識できなければ意味がない。ローリエのこの案は、初動を早めるための策だ。そういう意味では、理にかなっている。
「後はカルダモンとジンジャーか…できれば本人の直筆が良いんだが…」
「でしたら、私が伝えようと思います」
「ありがと、セサミ」
ひとまずこの会議は、「パス斬り」の能力者・サンストーンについての情報共有と厳重警戒…そして、セサミがカルダモンとジンジャーに直筆サインを貰いに行くことで話はまとまった。
―――会議後。
執務室の扉を叩くものがいた。
通してみれば、そこにはローリエがおり、入ってくるなりこちらに背を向けて備え付けのソファに座り込んでしまった。何やってるんだこいつは。
「…用がないなら帰れ」
「アルシーヴちゃんからまだなにも聞いてない」
「何がだ?」
「『ただのアルシーヴ』としての本音」
…そのことか。答えは言ったはずなんだがな…
私はもう、容易に弱音を吐いて良い立場じゃあない。
「言うワケにはいかないとも言ったはずだ」
「大丈夫。ここには俺しかいない」
「誰かが入ってくるかもしれないだろ」
「ドアの前にはソラちゃんが立ってる。フェンネルも仕事を終えたって」
「……聞こえたら事だ」
「ソラちゃーん、防音系の魔法できるー?」
『はーい』
「おい」
ひとつひとつ、ベールを剝がされるように言い訳が封じられていく。
『ねぇ、アルシーヴ』
「ソラ様…」
『私達ね、いままでずっと一緒だったでしょ?
ちょっとくらい、頼ってくれてもいいじゃない』
「………」
ソラが心配そうにそう言う。
扉の外から聞こえたそれは、おそらく彼女には聞こえるが、それ以外の人には聞こえるように防音したのだろう。器用なことだ。
だからだろうか。私はこの二人になら、頼ってもいいと思うようになったのは。
他の者が信頼出来ない訳ではない。むしろ、色々助かっている。だが、表に出さないようにしていたものを、出すべきではないと思っていた。
だが、良いのか? ローリエとソラ相手とはいえ、本当に…?
「…………話していいのか…?」
「当たり前だ」
『いいに決まってるでしょ』
「……」
2人の許可は得た。
ソラの魔法と見張りで、ここに来るものも、ここの声を聞き取れるものも誰もいない。………2人を、除いて。
「……ローリエ。しばらく、振り向くなよ」
「もちろん」
言い訳が全部なくなったことで、私は何か深く考えるよりも先に、ローリエにそう言っていた。
ソファに座り、ローリエの背を掴み、額をうずめる。
「………本当は、悔しくて仕方ない」
まるで、今から言う事を、誰にも聞かれないようにするかのように。
「犠牲になった人々に…なんて言えば良い!?
『守れなくてすまない』?『テロリストは必ず捕まえるから』?
そんなもの……失った側からすれば、ただの慰めにもならない!!!
どんな言葉を並べても…どの聖典をもってしても……失った者は戻ってこないのに!!!」
堰を切ってしまえば、そこからは一気にすべて流れていった。
私は悔しくてたまらない。
かつての、幼少の誓いすら守れていない自分自身が。
無欠の筆頭神官などともてはやされているが、所詮はこんなものなのか?
守りたいものを守れずに、傷ついていくのを見ていることしか出来ないとでも?
ふざけるなよ。ふざけるな……!!!
「これ以上、こんな悔しい思いはまっぴらだ……!
このまま終わってやるものか…! 守ってみせる…絶対にだ!!!」
『アルシーヴ…』
「………」
ソラは入ってこようとしないし、ローリエも言いつけ通りに振り向かず、動かないままだった。
ただ、ちょっと視界に見えた彼の握りしめた拳が、真っ白になっているのが、やけに印象に残り。それと沈黙がちょっと心地いいと思う自分がどこかにいた。
「…迷惑をかけた」
「そんな、迷惑なんて思ってないわ!」
冷静さを取り戻した後。
顔が燃えそうな状態で、二人に謝った。
許可が下りたとはいえ、なんてことを………
「アルシーヴちゃん」
「ローリエ…」
手が伸びてきたと思ったら、唐突に頭を撫でられた。
「な、何を―――」
「よく頑張ったな。これからは…俺も一緒に背負うよ」
「わ、私も一緒にいるわよ! だから…ね?」
「………」
少し小恥ずかしい。頭を撫でられるとか、大人になってからないぞ。
でも……何故だろうな。まったく、イヤな気分じゃあなかった。
「…おい、いい加減に手を放せローリエ」
「え? ヤダ。望むなら抱きしめたい」
「フンっ!!!」
「シノンッッ!?!?!?」
「アルシーヴ!!!?」
「…あ」
しまった。ちょっとした折檻のつもりで張り手を放ったのだが、見事に顎に入ってローリエの意識を吹き飛ばしてしまった。
キャラクター紹介&解説
ローリエ
ハイプリスの記憶のゴタゴタから、サンストーンの能力の概要について予測を立てた拙作主人公。その際には、きらら達が見聞きしたクリエメイトの様子を事細かに聞き出したうえで活用している。また、アルシーヴの本心を聞き出した上で改めて彼女の力になる誓いを立てた。
アルシーヴ
実は芸術の都襲撃で亡くなった人々に哀悼の想いを寄せつつも、理不尽を振りまくリアリストに怒りの感情を抱いていた筆頭神官。自身を良く知る幼馴染によって引き出されたが、一人で背負い込むことがなくなりつつある。
ソラ
ローリエの意見を聞きつつも、純粋に幼馴染を心配し励ました女神。幼馴染や八賢者が忘れられるのを恐れ、対抗策の直筆署名にサインした。
ケーキの歌
元ネタは『劇場版魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』。序盤も序盤に出てきた歌だが、ローリエは木月だった頃にコレを一回見た。尚、意味はほぼ理解できなかった模様。
かわいさとカオスが混じったこの歌が、元々「きらら系列雑誌」で連載されてた作品だったことも受け、正式に登場した。
パスを断ち切る能力
サンストーンが保有する、切られた対象だけでなくその人物の関係もリセットされるという、凶悪きわまりない能力。極端な話『この力で仲間を始末されても、関係やパスが消えた事すら疑問に思わない』。
サンストーン(プレイアブル)のとっておきから見るに、その人物にある糸を全て斬るイメージである。この『忘れ去らせる能力』は、『ONE PIECE』のホビホビの実を彷彿とさせる。アレは記憶は消せても記録は消せなかった(例:キュロスの像や、不敗の記録)が、サンストーンの持つこの能力にも、消せるのは記憶だけであり、それも不完全であるという欠点があった。詳しくは公式ストーリー第2部を参照。
直筆の署名
ローリエが上記のサンストーンのぶっ壊れ能力に対抗するために考え出した、対抗策のひとつ。全員の名前を『記録』させ、ある日知らない名前が出てきたらそれ=パスを断ち切る能力を使われたと認識・記録しておく。そうすることで、パスを断ち切られた場合にすぐさま気付くことができ、初動がグッと早くなる。
次のキャラクターのうち、最も好きなのは?
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アリサ
-
コリアンダー
-
シュール・ストレミング
-
シュナップ・ストレミング
-
ロシン・カンテラス
-
タイキックさん