きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷 作:伝説の超三毛猫
今回はオリキャラと公式キャラとのコミュ回的な内容にしております。
“純粋な善意に敵意は向けにくいものだ。相手が余程の獣でない限りな。”
……木月桂一の独白
うつつさんが部屋に入るなりグロッキーしてしまい、それに倣ってわたし達も休んだ次の日。
わたしは、きのう出会った傭兵団の団長さんだという、シュール・ストレミングさんの元にやってきていました。
その理由は……ただ一つ。
「成程……芸術の都でロシンとそんな事が」
「あの時言った言葉が、どうしても頭から離れなくって。
あんな事を言ったロシンの本心を知りたいんです」
「…………分かったわ。
ただし、今から言う事はかなりデリケートよ。取り扱いには気を付けなさい」
「はい」
そうして、きららさんと一緒にシュールさんから聞き出したロシンの過去は、悲惨なものでした。
わたしは唖然とした。その一方で、理解した。理解してしまった。ロシンが、芸術の都であんなことを言った理由が。
『いざって時には、どうせ身代わりにするクセに!!』
つまりアレは……かつて親友に裏切られた自分自身の裏返し。
うつつさんが「友達を進んで作ろうとしないタイプ」って言っていたけど…そんな次元じゃない。
もう、友達を信じる事が出来なくなっているんだ…!
「…これで、ロシンの本心は何となく理解できたんじゃあないかしら。
その上で、貴方が何をしたいのか、教えてくれるかしら?」
「……わたしは、ロシンに謝りたい。傷つけてしまった事。それから―――」
「――友達になりたい、って言うなら、覚悟はした方が良いわよ」
「!!!」
シュールさんのその声は、私達を助けてくれた時とは全然違う。
冷え切っていて、とても恐ろしくて。でも…その背景にあるのが、ロシンへの思いやりだってことが分かっているから、かろうじて嫌いにはなれない。けど、それだけ。そんな目だ。
ロシンが今もなお友達を信用できなくなっているのは分かった。だから、すぐに「友達になろう」って言っても、また逆鱗に触れることは目に見えている。
でも、どうしよう? ロシンのことを何とかしたいよ。だって友達を信用出来ないままだなんて―――そんなの、悲しすぎるじゃないですか。
考えがまとまらないまま、シュールさんに言葉を告げる。
「…すぐに仲良くなれるとは思っていません。でも、放っておけないんです」
「どうして?」
「出会った頃のうつつさんと似ているからです。
記憶を全部失っているうつつさんは、私達も信用せずに、距離を取っていました。重なるんです……その頃のうつつさんと、彼が」
「…でもね……」
「すみません、シュールさん。僕からもお願い出来ないかな。
ランプとロシンを会わせてほしい」
「マッチ…!」
「確かに、ランプはおっちょこちょいだし、アホだ。今回のロシンの件だって地雷を踏んだ」
「ちょっと!!」
「でも、誰かを思いやる心は人一倍だ。
いざという時は、保護者の僕が間に入る。だから………お願いしたいんだ。この通り」
話に入ってきたマッチの言葉は、わたしの味方をしたいのか貶したいのか分からないような言い回しだったけど、その後のマッチの行動に驚いた。……宙に浮いている彼が床に降りて、土下座したんだ。
「な、なにやってるの!? 顔を上げて、マッチ!」
「これでも君の保護者なんだ。これくらいの甲斐性は出させてくれよ」
そのマッチの行動にシュールさんも面食らったんだろう。目を見開いていたけれど、ため息をついてこう言った。
「……分かったわ。ただし、私も付いていきます。いざという時の引き止め役は、貴方ではなく私のほうが合っているでしょうから」
「ありがとうございます!!」
わたしはシュールさんからの許可を得て、教えてもらった場所に向かって走り出しました。
きららさんや…いざという時引き止めてくれると約束したマッチやシュールさんさえ置き去りにして。
後ろから待つように声が聞こえても、気にしない位に走り抜ける。
そして……ロシンのいる場所、ホテルの大広間の扉を体当たりで破るように開けると。
そこに、訓練中であろう様子のロシンが、いた……!
「いた…!」
「え? いや、お前、確か……」
そして、そのまま―――スライディング土下座ー!
「この前はすいませんでしたー!!」
「は、はぁぁぁぁぁっ!!? ちょ、ちょっと待て! 何のことだ? や、やめろよ早く頭を上げろ!!」
いいえ、絶対に上げません!
知らなかったとはいえ、あんな事をしてしまったんですから……!!
わたしが芸術の都の時に、ロシンを傷つける発言をしたことを説明すれば、ようやく理解してくれたようで、訓練用の木剣を置いて、わたしの傍に座り込みました。
「…そのことなら、イキナリ怒鳴った俺も悪かったって。何にも知らないお前たち相手に、大人げなかった」
「あんな事を経験したのでは、無理もないと思います」
「…っ、それは…シュールさんから?」
「はい」
「………またお節介を…!」
ため息をついたロシンは、シュールさんと長い付き合いでもあるのか、「まぁあの人いつもこういうお節介するんだよなぁ」と、まるで観念したかのように呟いたあと、わたしにこう言ってきました。
「…じゃあよ。何しに来たんだ。まさか、さっきの謝罪のためだけに来た、とかか?」
来た。これからの事を尋ねる質問。
わたしは、これに答えないといけない。
シュールさんは言った。ロシンの過去を知っても尚「友達になりたい」と言うなら覚悟した方が良いと。
でも、わたしは……友だちを信用できない彼を何とかしたい。力になりたい。
すぐに友達になれないのは理解できる。だから―――
「わたしのことを、あなたに教えに来ました」
「…は?」
「自己紹介ですよ。わたしがどんな人か、それを知って欲しいんです」
「ま、ま、待ってくれ。ワケが分からない……それに、何の意味がある?
俺にお前の事を知ってもらったところで、何のメリットがあるって言うんだ?」
おかしなことを訊くロシンは、本当にワケがわからず、心底混乱しているって様子でした。
仲良くなる為には、お互いを知る事が重要です。そこに、メリットも何もありませんよ。
でも、それを直接言ったりはしない。うつつさんみたいに記憶が全部ないんじゃなく、むしろ辛い記憶のせいで友達を信用できないのであるならば。
「どうしてもメリットを気にするというのでしたら…こういうのは如何でしょう?
わたしのことを教える代わりに……ロシンのことを、教えて欲しい、って頼むのは」
わたしにとってのメリット。それは貴方を知る事です、ロシン。
そう言って相手の返事を待つ。豆鉄砲を食らったような顔をして言葉を失っていたロシンは、しばらくそのまま、わたしの言う事を読み取っているかのようにほぼ動きを見せませんでしたが、やがて。
「…わかった。そこまで言うなら、受けてやる」
「やったぁ! ありがとうございます!!」
「勘違いすんな。俺はお前の『変な契約』に乗るだけだ。
お前が俺を切り捨てる素振りを見せたら、先に俺がお前を切るからな」
もう、そんな心配しなくていいのに!
とりあえず、これでロシンとわたしは友達……というにはまだ色々とアレだけど。そのスタート地点に立てたと思います。
「さて、早速の契約だ。木剣を持て」
「へ?」
「俺の事を少し教えてやる。いつもやってるメニューだ」
「ちょ、ちょっと待ってください! わたし、剣なんてできませんよ!?」
「関係ない。手加減するから持て。話なら後で聞いてやる」
「ひぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい~~~~~~ッ!!!?」
……前言撤回! うまく行かなかった気がします! 全然納得いかない!!
◇◆◇◆◇
「……良かった、ランプ。ロシン君と仲良くなれて」
「えぇ、本当にね。良かったわ」
「そうだね。ランプにしては、上出来なんじゃないかな」
大広間入り口。ランプとロシン君のやりとりを影ながら見ていた私は、ランプのひたむきな思いがロシン君に通用したことに安心の声を出しました。シュールさんとマッチも満足そうです。
「シュールさん、ありがとうございます。
ロシン君のこと、教えてくれて」
「いいえ。実を言うと、私もお礼を言いたいのよ。ロシンには、もっと友達を……信頼できる人を作って欲しいって思ってたから」
そうなんですか? ランプにああやって釘を刺したものだから、てっきりそうではないのかと思ってましたが……
「ロシンはもう、信頼している人に裏切られているから…辛い思いをしているのも、もう一度誰かを信じる事が難しいのも、わかっているわ。でもね。
それが、誰も信用せず、誰の手も取らず、独りぼっちで生きていっていい理由にはならないと思うわけよ」
「…私もそう思います」
「叶うことなら、もう一度人を信用出来るようになって欲しい。その為には、あの子を裏切らない人が必要なのよ。
きっと、もう一度裏切られでもしたら、ロシンは二度と誰も信用しなくなるだろうから」
シュールさんの行動が、すべてロシンの為を思ってのことだと知って、私はシュールさんがロシンの家族みたいだなぁと思いました。
「ロシン君のお姉さんみたいですね。
大丈夫ですよシュールさん。貴方もまた、ロシン君に必要だと思います」
「そうかしら? まぁ…もっと愛想良くなれば、ウチの娘のお守りでも頼んでみようかしら。お兄ちゃんとして」
「えっ…お子さんいらっしゃるんですかシュールさん!?」
「あら、言わなかったかしら?」
そこからは、私はシュールさんのご家族……旦那さんのシュナップさんと娘のアンシーちゃんについてのお話を伺うことになりました。
ろ、ロシン君のお姉さんみたいと思ったら、お母さんみたいな人でした。物凄く若く見えるから、ビックリしちゃいましたよ……
「はじめまして。シュールの夫のシュナップです!」
「すごい…とてもお若いですね…」
「おいくつなんだい?」
「今年で32になります」
「「見えない…!」」
この後、実際にシュナップさんにお会いして、色々お話したんですけど、とても若々しくて、傭兵団の副団長やらシュールさんの旦那さんには見えないほどで…あ、悪いことじゃあないんです。ただちょっと、そこまで若くいられるっていいなぁって思っただけです。
「わぁっ、かわいい!」
「アンシー、きららとマッチだよ。僕たちの新しい仲間だ」
「こんにちわ!」
「はい、こんにちわ」
「こんにちわ、仲良くしてね」
「きゃっきゃっ」
「わ、マッチのしっぽ引っ張ってる」
「おっとと…僕のしっぽはおもちゃじゃないんだけど……まぁいいか」
娘さんのアンシーちゃんとも遊びました。とてもかわいかったです!
このことを、後でランプに言ったら「わたしは散々ロシンにボコボコにされたのにヒドイです!」って怒られた。仲良くなったと思ってたのに、ボコボコにされたって何なんだろう…?
◇◆◇◆◇
私達がここに受け入れられた翌日。
私は一人、人気の少ない建物の裏あたりの、バリケードの近くで、絵を描いていた。
人がいっぱいいる場所は好きじゃない。陽キャが好きそうなキラキラした場所はもっと苦手だ。
だから私は、誰も来なさそうな、じめじめした暗い場所で絵を描く。
ランプときららと変な生き物はシュールとどっか行っちゃったし、タイキックは建物内を回る予定だという。時間が経ったら私を迎えに来てくれるなんてお節介も焼いてくれちゃった。とにかく、私はしばらく一人で落ち着ける。
…そう思ったのに。
「………」
「………」
どういうわけか、神殿長の…コッドだっけ。そう名乗ったおじいちゃんがやって来て、私と二人っきりになってしまっていた。
気まずい……! 何か言ってくれればいいのに、このおじいちゃん、私の近く――隣じゃないけど地味に近めの場所――を陣取って、朗らかな笑みで空やら、建物の壁やら、石畳やらを見つめるだけだ。
せめて私が邪魔だって言うんなら、何か言って欲しい……!
「…あの、おじいちゃん?」
「何じゃ?」
「私に…何か用……ですか?」
「君は、どうしても儂に何か言って欲しいのか?」
「えっ……!?」
予想外の台詞に固まってしまう。
イヤ、何か言いたいことがあるなら言って欲しいとは思っていたけど……そんな、どうしてもってレベルじゃあないんだよね…
「いや、別に…」
「そうかの。ではもうしばし、ここにおるぞい」
「………」
何と言うか、陽キャみたいにグイグイ来る系の苦手なやつじゃない。
今まで会った事のないようなタイプの、変なタイプ。
距離は詰めてこないけど、何もしてこない……何がしたいのか、よく分からないタイプだ。
怖い……きららにしたみたいに、セクハラしてくるのかもしれない。でも、動く気配が全然ない。
しばらく絵を描くフリをしながら様子を観察する。何かあったら、すぐに助けを呼べるように…………………???
動いてない? 動きはあるけど、動いている…というより、一定期間こくり、こくりと動いていて…まるで、船を漕いでいるかのような……
「………Zzzz」
「――って、ほんとに寝てるーーーー!!?」
「ふがっ? ………おぉ、寝てしもうた」
「あっ、あっ……ご、ごめんなさい」
「おぉ? うつつちゃん……?」
お、起こしちゃった!
おじいちゃん疲れてたかもしれないのに…!
「いかんのぅ。歳を取ると、体力が持たなくて辛いわい」
「ご、ごっ、ごめんなさい、おおおお起こしちゃって…」
「よいよい。少し休めたのだから問題ないわい」
そこから、また沈黙が流れる。
私はかける言葉が見つからなくてそのまま。おじいちゃんもおじいちゃんで、何かグイグイ来ることはなかった。
どれくらいの間、そうしていただろう。雲が流れ、鳥が鳴いた。この街で紛争が起きているなど、嘘みたいな静けさの中。私のスケッチブックへ描きつけるペンの動きは、完全に止まっていた。
ずっとそうしてぼーっとしているうちに、ふと思いついた事を、尋ねてみた。
「ねぇ…おじいちゃん」
「なんじゃ?」
「おじいちゃんはさ。死ぬのが怖くないの?」
「ふむ。何故そんなことを訊くか、聞いてもいいかの?」
「…私は怖かった。この世界に来てからずっとウツカイやリアリストにワケもわからないまま狙われ続けたしぃ……街の惨状を見る度に足が竦むよ……だから、かな」
大した会話じゃあない。
私の、クソどうでもいい過去と好奇心のままに尋ねたことだけど、きららとランプの陽キャパワーで浄化されそうだったから言えなかった事だけど。
そんな私の質問を聞いて、「ふむ」と一回頷いてから答えた。
「まず…死が恐ろしくないものなどおらんよ」
「そんな一般論を聞きたいんじゃなくてぇ…」
「うむ。その上で答えるがの。儂は言うほど死を恐れてはおらん」
「それは……」
答えを聞いて、すぐに質問内容をよく考えなかった事を後悔した。
長い人生を生きたおじいちゃんなんだから、いつ死んでもいいって思ってるに決まってるじゃんか。
「『当たり前のことだ』とでも言いたそうじゃの?」
「!!? な、なん、で…」
「顔に書いてあったわい」
「うぅぅ……死にたい…」
当たり前な事を尋ねちゃった上にそれを悟られるなんて……おじいちゃんと会話なんて試みるんじゃあなかったわ。私なんて所詮ゴミ…いや、ゴミのゴの字の点々の片方ですらないぃ……
「うつつちゃん、嘘は良くないの」
「う、嘘なんかじゃ…」
「本当に死にたい者は『死にたい』という余裕すらないものじゃ。それに……」
「それに?」
「先ほどのことなど、儂は微塵も気にしていない。
強いて言うなら、年を重ねれば死への恐怖が無くなるとは限らないのだ」
「へ…?」
「若いうちに何かを為した者。何も為せなくとも、全力で生きた者。そういう者は、やがて来る死を恐れなくなる。……その行動が後の人に少なからず影響を与え、受け継ぐ者が現れるからじゃ。
逆に、何もしなかったり、後悔があったりする者は未練が残る。それらが執着となり、儂並みに年を食ってから若さを求める要因の一つとなるのじゃよ」
「はぁ…」
「儂等の時代など終わっておるのじゃよ。
託せるものは全て若いものに託し終えた故、後は有終の美を飾るだけなのじゃ」
「………」
……いいなぁ。
このおじいちゃんは多分、幸せな人生を送ってきたんだろう。だから、こう思えるんじゃないかしら。
私が10回輪廻転生しても出来なさそうな人生だ。
そりゃ、人生に悔いは残さないわよねぇ……
「うつつちゃん。君はまだ若い」
「ふぇあっ!?」
「迷ってもよい。失敗してもよい。
ただ、人生に悔いは残すでないぞ」
「出来る気がしないんだけどぉ…」
「出来るとも。
儂でさえ、数え切れぬ程に迷ったし、洒落にならぬ失敗も何十回も犯した。後悔も幾つもある。だが米寿を迎えた今となっては、素晴らしき人生と胸を張れておる。
君なら尚の事、良い人生を送れるよ。悲観する事はあるまい」
「…さっきからなんで私の考えてる事分かるのよぉ……エスパー?」
「顔に書いてあると言うとるじゃろ」
嘘だぁ……本当に顔に書いてある訳ないし、読心術でも使えるんじゃないのぉ…?
どうしてこうさ、このおじいちゃんは楽観的なわけぇ? 私、未来どころか明日のことさえ不安でしかないっていうのにぃ…。
でも、このおじいちゃんの笑顔は、きららやランプみたいな眩し過ぎる陽キャのそれじゃなかった。陽キャとか陰キャとか、そういうタイプに分けられないような気がして……でも、嫌な感じじゃなかった。
「…さて。仕事に戻るかの」
「分かった…」
必要以上のことを言わずに、おじいちゃんが立ち去っていく。
戻ってきた本当の静寂に、安心と、ほんのちょっとの寂しさを覚えつつも、思い出したようにスケッチを再開した。
◇◆◇◆◇
……コッド先生の執務室となった、ホテルの一部屋にて。
俺とカルダモンは、ラウンドテーブルに向き合って座りながら、束の間のおやつタイムと洒落込んでいた。
だが、話題は素敵なデートらしいものではない。
「…魔法生命体ねぇ」
「コッド先生からメカニズムを聞いたが、なかなかどうして難しいもんだ」
「魔法生命体の特徴を形づける概念という『核』に、膨大な『魔力』が集まってできる、か。まぁ神殿では教わるけど、実際に見ることはまずないよね。
……ねぇ、本当に心当たりないの?」
「あったらもう昨日言ってるぜ。
確かに、『あの言葉』を知っている人は少ない。超ハイレベルな聖典マニアでもない限り、意味まで知ってるヤツはいないもんだ」
話題は、魔法生命体について。
こんな話題になったのは、実は昨日起こったある事が原因だ。
きららちゃん達が部屋に行ったあの後、タイキックさんだけが残って、コッド先生にこう言ったのだ。
『私も、うつつが受けたあの証明法を試しても良いだろうか?』
『どのような結果になろうと、きらら達には黙ってくれると助かる。私の口から言いたいからな』
コッド先生はそれに許可を出した後、俺とカルダモン、シュールさんを部屋から出し、二人きりでタイキックさんに血判実験を行ったという。
その後の結果だが、直接見ることは叶わなかったが、コッド先生が俺達二人に直接教えてくれたのだ。……その驚くべき正体を。
「あの言葉しかないよね、『核』って」
「そうだな。でも肝心の『魔力』をどこで確保したかが分からねぇよ」
「そこは最悪、おいおい調べていくしかないだろうね。
…言わないでよ? きらら達に」
「タイキックさん本人と約束したことだしなぁ。
……それを抜きにしても、言えるワケないだろ。
―――
この事が、どんな波乱を巻き起こすのか。
例え『きららファンタジア』の2部の展開を俺が知っていたとしても、予測は出来なかっただろう。
キャラクター紹介&解説
ランプ&ロシン・カンテラス
過去に触れ、衝突した時の過失を認めあい、距離が縮んだ組。陽キャのランプでも、ロシンの過去を知れば流石に聖典云々は言わなくなり(いずれ教えるつもりだが)、だがどうにかして手を差し伸べようとする。お互いのことを教え合う、という約束を取り付けて、実は仲良くなろうとする作戦を取ったのは、直接「友達になろう」と言うのを避け、かつ距離を縮めるための方法を模索した結果である。この行動には、ローリエの教育もいちおう影響している。拙作のランプ、ハッタリでフェンネルを騙してみせたし。
きらら&マッチ&シュール・ストレミング&シュナップ&アンシー
ランプがロシンと仲良くするところを見守るのを通して、更に距離が縮んだ組。その背景には、ロシンの幸せを純粋に願う心がある事を知り、またシュールの家族とも交流することで、彼女達自身も仲良くなれている。
住良木うつつ&コッド
人気のない場所で静かなコミュを築いた組。ノダミキやミカンのような超絶陽キャでなく、かつ年を取りつくした老人であるコッド相手に拒否反応が比較的出ず、人生経験豊富な彼ならではの死生観を聞き、誰もが誰かに託されていることを知る足掛かりを得た。
ローリエ&カルダモン
昨日判明した衝撃の事実を整理しようとしている組。本人の意志を尊重して仲間への情報共有は避け、水路の街の紛争鎮圧に集中する方針を取ったが、果たしてそれは吉と出るか凶と出るか。凶と出た場合ローリエには「タイキックさんの正体に大きく近づく問題であり、彼女だけの問題では済まない可能性があったからすぐにきららちゃん達には言わなかったんだが、まさかあんな事になろうとは…」と、言った感じのことを全てが終わった後でバキ的な語りで話すことになるだろう。
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ローリエ「うつつの噂は、コッドさんの証拠で否定される。そう思っていた。噂が否定され始めた頃、門の前に噂を信じて暴れる人達が現れる。落ち着かせ取り押さえようとする俺達だったが、それは敵の恐ろしい謀略の一片に過ぎなかったんだ……!」
次回『邂逅F・戦乱への招待状』
ローリエ「次回もお楽しみに。」
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次のキャラクターのうち、最も好きなのは?
-
アリサ
-
コリアンダー
-
シュール・ストレミング
-
シュナップ・ストレミング
-
ロシン・カンテラス
-
タイキックさん