きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷   作:伝説の超三毛猫

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あけましておめでとうございます。結束バンドのアルバムが買えてないMIKE猫でございます。『ぼっち・ざ・ろっく』の熱が凄まじくて驚いてはいます。因みに初笑いはぼっちざろっくのドラゴンボール超ブロリーの映画ポスターのパロでした。
 さて、今年から公式からの供給が難しい環境になってまいりますが、「きらファン八賢者」をよろしくお願いいたします。
今回のサブタイは、「仮面ライダーギーツ」より『黎明F:ライダーへの招待状』からです。


“議論に感情しか持ち込めない人間に、討論する価値はない。”
 ……木月桂一の独白


第37話:邂逅F・戦乱への招待状

 

 水路の街の中心に浮かぶ浮島に荘厳に建てられた、街神殿。

 そこは、透き通った河と自然豊かな島と計算されつくした美しい白の神殿のコントラストが似合う世界の絶景とも言える神殿だ。

 だが今だけは、その美しさが霞み、鬱々とした雰囲気に包まれていた。

 世の理を歪める力と、それを行使する無粋なる者共が、この美しい神殿を占拠していたからである。

 

 

「…何よ、この新聞」

 

「あ?」

 

「『ウツカイが魔法生命体であり、住良木うつつは人間。だからうつつとウツカイは別物だ』ですって…? 小癪だわ。姑息だわ。妬ましいわ……!」

 

「どうしたんだよロベリア、今日は暗いオーラマシマシだな」

 

 

 その神殿の神殿長席に座る、中華風のドレスを着た佳人―――ロベリアは鋭い目つきで声をかけてきた者を睨みつける。

 

 

「うるっさいわね、スズラン……呪うわよ?

 あらゆる棚に小指をぶつけるようになるといいわ…」

 

「おいやめろ。そういう呪いはオレじゃあなくって、レジスタンスの真似事やってるあのジイさんにかけてやれ」

 

 

 ロベリアに睨まれて、華美な薄着をした、銀髪ポニーテールの少女…スズランが肩を竦めるそぶりをする。そして、ロベリアの不機嫌の理由を探るべく彼女の持つ新聞に目を向けていた。

 

 

「……ソレになんか書いてあったのか?」

 

「えぇ。目障りなことがね。

 ヒナゲシの遺跡の街侵略にリコリスの虐殺と謳って、今回は小賢しい詭弁よ。

 なにが『エトワリアン・ニュース』よ忌々しい………」

 

「何が書いてあんだよ?」

 

「この前私が流した噂は知ってるわよね?」

 

「おぉ。『住良木うつつとウツカイは仲間』ってアレか」

 

「新聞を通して反論してきたのよ。露骨な話題逸らしでね。読んでみなさい」

 

「どれどれ……」

 

 

 スズランは、ロベリアから件の新聞を受け取り目を皿にして読み始める。斜め読みで話題の部分を探すまでもなく、住良木うつつの特集が載っていた。新聞を開いてみると、うつつの好きなものやら思い出やら、同行しているという召喚士きららのインタビューやら大神官コッドの考察やらと、やたら好意的な内容が書かれている。一方、ウツカイについては、その生態や行動、体の構造などの事実が記されている。

 一通り記事を確認したスズランは、白い目で新聞を眺めながら言った。

 

 

「なんだこりゃあ……ロベリアの噂に対してピンポイントで反論したみたいな内容じゃねーか。いくらなんでもここまでやるか?」

 

「それだけ必死なのよ。『うつつとウツカイが仲間』ってのを、『うつつとウツカイは別の生き物』なんて話題をそらしているんだもの。

 仲間じゃないって言いたいんなら、仲間じゃない証拠を出せば良いのよ。あぁ忌まわしい。呪われれば良いわ…」

 

 

 言葉の節々どころかまんま呪っているような言葉を使いつつも、表情では軽蔑するように嘲笑うロベリア。

 その様子は、まるで自分は微塵も間違った事はしていない、間違っている相手が滑稽だと言っているかのようだ。

 

 勝ち誇っているところ悪いが、ロベリアの主張にはそもそも大きな穴がある。先に『うつつとウツカイが仲間だ』などという、根拠のない言いがかりをつけてきたのはどっちだという話だ。それに、「仲間ではない証拠」など出せないに決まっている。それは、悪魔の証明と言う名の、証明責任の転嫁なのだから。

 

 それを知ってか知らずか、気持ち悪い程の笑みを浮かべるロベリアに、スズランは懸念を示す。

 

 

「だがよ…これがこの街に流れ出したら、この話を信じだす奴らが増えるかも知れないぜ。

 そうなったら、お前の策は破られないのか?」

 

「私を甘く見るんじゃあないわ。

 奴らがこんな手を使うというなら、私達も次の手を打つまでよ。………来なさい」

 

 ロベリアがウツカイに指示を出す。

 それに従ってやって来たウツカイ達の手には、何の変哲もない男女が気を失った状態で寝かされていた。

 

「そいつらは?」

 

「ウツカイに命じて捕まえさせた―――この街の人間よ。

 こいつらを使って、あのジジイの息の根を止めてやるわ」

 

「おう、確かにコッドはやべぇ。あの状況でオレ達から逃げおおせたんだ。絶対ただのジイさんじゃあねえぞ」

 

 ロベリアとスズランは、水路の街の神殿そのものの攻略には成功している。

 だが、彼女達の本来の目的は神殿そのものではなかった。そこに住まう、神官や神殿長だったのだ。神官たちを洗脳させ、市民に圧政を敷けば、神殿と聖典への反感は強くなる。元をただせばそう言う計画だった。

 しかし、結果は不完全に終わった。最初に門番と初期に立ち向かってきた下っ端神官や傭兵数名を洗脳したところで、神殿奥部はもぬけの殻で、神殿長コッドを始めとしたその他大勢は煙のように消え失せていたのだ。

 早い段階でこちらの身元と目的が見破られて、それに手を打つ形で逃げられた。しかも、ゲリラ戦を仕掛けられているせいで新たに神官を拿捕することも出来ない。ロベリアはそう判断していた。

 

「ホントは傀儡にして神殿を貶めるスケープゴートにする計画だったが……欲張りすぎて失敗したら損するだけだしな。

 オマケに八賢者カルダモンとローリエの目撃情報もあった。そいつらも気をつけねーといけないぜ?」

 

「安心なさい。奴らのアジトはもう掴んである。

 あとは抜かりなく作戦を実行するだけよ。

 八賢者……世界の絆を断ち切る贄になってもらうわよ…」

 

「頼むぜ。お前の策は一目置いてんだ。“妙手(みょうしゅ)”の手腕をな」

 

「あなたこそ、払った分の仕事はちゃんとしなさいよね、“魔手”なら……!」

 

 

 棘を含んだような言い合いをする“妙手”と“魔手”。

 彼女達が何を企み、何を仕掛けてくるのか。

 誰を狙って行動してくるのか。

 それは今の所、誰も知らない。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 水路の街、ゲリラ戦緊急アジト。

 俺は朝早くに起きて、アジト周辺の見回りをしていた。

 どんな些細な事が、事態の急変…もとい悪化に繋がるか分からない。窓は割られていないか。不審なゴミは落ちていないか。人がいた痕跡が出来ていないか。そんなところも細かく点検だ。街の人々への聞き込みも忘れない。

 この辺は木月だった頃もおんなじだな。

 

 

「…何人か行方不明者がいるな……」

 

 街の住民の中に、行方が分からなくなっているのがいる事に判明した俺は、いなくなった彼らの行方を予想立てる。

 

「街の外に逃げ出した……は流石に楽観視のしすぎだな。十中八九、奴らに囚われたと考えた方が良いかもな……」

 

 奴らとは、もちろんリアリストのことだ。

 水路の街に突如攻めてきて、中心部にある神殿を乗っ取った元凶。

 コッド先生によると、ロベリアとスズランという名前だとか。

 どっちも把握している。片や、何度か見たし実際に戦った。片や、ヒナゲシとの『契約』で名前と能力は把握済み。

 守銭奴だが実力が確かな奴と、策を巡らせることに関しては右に出るものはいない、とまでヒナゲシが言う奴だ。確実に何か仕掛けてくるだろう。

 今のところ、スパイの存在を疑わざるを得なくなるような証拠(もの)は出てきていない。本来なら、ここのアジトの場所さえ、奴らは分からないハズだ。

 

 

「おはよう、ローリエ君。精が出るのぅ」

 

「! コッド先生、おはようございます」

 

「何か見つかったものはあったかね?」

 

「…行方不明者が何人か。入口をウツカイで固められている以上、逃げ出したというよりリアリストに捕まったと考えた方が自然かと」

 

「そうか。そうか………」

 

 

 朝の見回りで偶然出会ったコッド先生は、俺の見回りの結果を報告すると、皺だらけの顔を悲しそうに歪めて呟いた。

 きっと、この戦いに巻き込んでしまったことに負い目を感じているのだろう。

 

 

「そういう事なら、かねてより練っていた作戦を実行しようではないか。早いところ、その者たちを解放してやらねばな」

 

「作戦、ですか?」

 

「儂らとて、やられたままではおらんという事じゃ。今日の昼頃に、皆を集めて説明するぞい」

 

 そう言って去っていくコッド先生。

 俺も俺で色々考えていたが、俺なんかよりもこの街で過ごしていた時間が長いのか、この街で戦う作戦をもう既に策を練っているようだ。

 作戦会議が今日中に行われると知って、戦いの時は近いと思っていた。

 だが。俺の思っているよりも、戦いの時は近かった。

 

 

 

「ローリエ様! 門の前に暴徒たちが押し寄せてきました!」

 

「なんだって?」

 

 

 コッド先生と別れて数時間後。

 時刻は11時頃。門番のひとりからそんな報告を受けて。

 そいつに案内されるがまま門前へ行くと、門番や傭兵に取り押さえられている一般人複数名の姿があった。

 近くで見て分かった事だが、どうも一般人の様子がおかしい。目が血走っていて、口元からよだれがこぼれているにも構わず暴れていて、まるで正気を失っているかのようだ。

 

 

「オイ、これは何の騒ぎだ?」

 

「出たな! 世界の敵め!」

 

「あん?」

 

 俺が声をかけ、彼らが俺を見つけた瞬間、物騒な言いがかりをしてきた。

 どういうことかと思っていると、そいつらは立て続けにまくし立てていく。

 

「住良木うつつっていうウツカイの仲間を匿ってるんだってな!」

 

「ウツカイの仲間をかばう奴らなんか信用できるか!」

 

「住良木うつつを追い出せ!」

 

「ウツカイの仲間をかばう奴もウツカイの仲間だ!追い出せ!!」

 

 どういう訳か、うつつへの敵意というか、悪意というかを隠そうともせず、そしてうつつを受け入れた神殿への敵疑心を隠していない。

 きららちゃんやランプが聞いたら、すぐにカッとなってしまうような……あるいはうつつが聞いたらあっという間に心が折れてしまいそうなひどい言いがかりだ。

 この場に彼女達がいなくて良かったと思う反面、()()()()()()()()()()()

 なにせ……こういうタイプの人間は、かつて俺が木月桂一だった頃、嫌という程相手をしてきたのだから。この手の輩は、たった一言で選別できる。

 

「ふーーん……それで、『住良木うつつがウツカイの仲間だ』って証拠は何だ?」

 

 それは…「根拠を問う」こと。

 たったそれだけ?と思うかも知れないが、コレが唯一無二というレベルで有効なのだ。

 

 この方法が生まれたのは遡ること今から2400年ほど前の古代ギリシャ。

 自分が無知である自覚があったソクラテスは、それを証明するためにあらゆる知恵者や政治家に議論をふっかけて、次々と論破していったのだ。

 その方法こそ「問答法」。助産法とも言われたこの方法は、質問を繰り返していくことで、相手が「何も知らなかったこと」を自覚させることを目的とした弁論術だ。

 本人にはそのつもりがなかったとはいえ、この方法が数々の詭弁論者(ソフィスト)を言い負かし、現代でも通じる最強の弁論術に押し上がったのには間違いない。

 

 まぁとにかくだ。怪しい言論を振りかざしてきた奴がいたら、根拠から問うことだ。そうすれば、そいつが本当に反対意見を持っているのか、それともただ気に入らないからでっち上げしてる奴かが、見分けられるのだ。

 何故なら、言いがかりやレッテル貼りを仕掛ける奴は―――根拠を用意できない。

 

 

「何だと!何でお前なんかに説明しないといけないんだ!」

根拠なんていらねぇだろ! 明らかじゃねぇか! そんな事もわかんねーのかよ賢者のくせに!!」

「そうよ!出すのは住良木うつつがウツカイの仲間じゃないって証拠でしょ!!」

「例えどんな証拠を出してもちょっとでも疑いがある限り追及し続けるからな!」

 

 

 そして……大概、そいつらは実は自分らがマトモな根拠を持っていない事に気付かない。

 しっかし、前世(むかし)の連中よりも早くボロが出たな。

 説明責任の放棄にレッテル貼り、悪魔の証明に疑わしきは罰せよ、ってか。

 嫌な役満すぎねぇかコレ?

 

 

「話にならねーな。うつつとウツカイが同じだって証拠だせよ。お前らが。

 それができなきゃただのイチャモンだろ。謝れうつつに」

 

「な、何ィ!? それが八賢者の態度か!」

 

「今の俺の地位は関係ない。はやく証拠を見せろ」

 

 この手の連中に弱みを見せたら餌になる。

 毅然とした態度を保ちつつ、取り押さえられた暴徒をよくよく観察していく。

 目の充血はかつて俺が対峙した魔法・サブジェクトの副反応によく似ている。凶暴性の解放はまるで似てないが、サブジェクトか、それに近しい何かを使われたのだろうか?それとも、なにか別の魔法との併用か?

 

「何よ証拠証拠って!それしか言えないの!?」

 

証拠(ソレ)出せばすぐに終わる話なんだよ。良いからさっさと出せ」

 

「う、うるせぇっ! 俺がそう思ったらそうなんだよ!

 住良木うつつはウツカイの仲間なんだよ!絶対にな!!」

 

「…撮れてるか?」

 

 目がイカれた暴徒のお気持ち表明を無視して、俺は一つの魔道具の調子を確認した。

 トンボのような体をした、飛行タイプの魔道具・メガネウル。飛来したそいつのカメラがさっきまで起動しており、先程のイチャモンからの一部始終がバッチリ撮れている。

 よし。後は、好きに料理して問題ないな。絶対生かすけど。こいつらは多分、操られているだけだろうし。

 メガネウルのカメラをオンにしたまま、畳み掛ける。

 

「話を聞いてなかったようだな。それとも証拠の意味がわからなかったか?」

 

「黙れ!こんなに証拠を出せているのに、とっとと認めないのが悪いだろうが!」

 

「はっ、笑わせる。お前らの言う証拠ってのは感情のことか? なんにも証明できてないんだよ。分かりやすく言うなら、お前らの主張は全部ただの言い訳だ」

 

「言い訳…だとォ……ッ!?」

 

「違うってんなら証拠を出せ。お気持ち以外のヤツでな」

 

「黙れェェェェェ!!」

 

 暴徒たちが押さえつけていた人をむりやり振りほどく。

 その時の反動で彼ら自身の体が痛んでいるだろうに、そんな事など気にしないと言わんばかりに襲いかかってくる。

 

「反論できないからって手が出るか。

 決まりだな。今のお前らに、冷静な議論なんて不可能だ」

 

 まったく、嘆かわしい事だ。

 ここで手を出すって事は、つまり「ぼくわたしはローリエに反論できません」って言っているのと同じだ。

 こんなところまで()()()()()()()()良くない?

 

 リボルバー『パイソン』を素早く抜き、発砲。

 軽い爆発音が3、4回するとともに、こっちに向かってきた暴徒に当たり、透明な液体で彼らを濡らす。

 

 一見何か分からない様子だったが、すぐに俺の弾が当たり、液体に濡れた奴から膝をつき、体を痙攣させていく。

 

 

「ぐ……あ……」

 

「なんっ……だ、コレ………」

 

「門番。コイツ等縛って、おとなしくなるまで牢にブチ込んでおけ」

 

「あの、ローリエ様。一体、彼らに何を…」

 

「麻酔薬を撃ち込んだ。しばらく身体を動かすことすらままならんだろう」

 

 

 そう。撃ち込んだのは、麻酔弾だ。柔らかい皮で、麻酔液を包んだものを弾頭にしたものであり、被弾したら、ペイント弾のように中の液体が飛び散り、その部分を麻痺させる。元はクリエメイト捕獲用だったが、アレ以降改良に改良を重ね、一発でほとんどの人の動きを止められるレベルの麻酔薬を包むことに成功したのだ。

 ……製作過程で、指の感覚が死にまくったけど、今は十分生きているから問題ない。

 

 これを撃ち込まれた暴徒に、もはや出来ることはなにもない。

 とはいえ、何故コイツらはこのタイミングで襲ってきたのだろう。

 それに、正門を狙った理由は?

 余程のバカでも、テロを敢行する際は真正面から攻めない。すぐに捕まるからだ。

 相手の思考の穴を突き、懐に潜り込んで殺戮や暗殺を行う。苛酷な手段で心理的威圧や恐怖を煽り、目的達成のための譲歩や抑圧を図る。これがテロだからだ。

 

 つまり…こいつらはおそらく陽動………!

 

 

 

ドッグォォォォ…ン!

 

「!!!?」

 

 

 な、なんだ今の音は!?

 まるで、どこかが音を立てて崩れていったかのような……

 しかも、そこそこ音がデカかったぞ! 近い所か、複数箇所で同時に爆発したかのような……!

 

 

「ローリエさん!」

 

「グー○ィ……じゃなかったクーシィー! 何があったんだ!?」

 

「四方八方からウツカイと一般人が手を組んで攻めてきたんだよぉ!」

 

「何……だと……」

 

 

 クーシィーからたて続けにもたらされた凶報。

 でも、ここで固まっても仕方ない。コッド先生の作戦会議よりも先に、そんな情報が耳に入ってきたことを認めるしかない。

 どうやら……俺は、ヒナゲシの逮捕と万丈構文による情報の抜き取り、そしてリコリスを無傷で戦闘不能寸前にまで追い込んだことで、無意識ながら気が緩んでしまったようだ。

 

 

「タイミングが良すぎる……多分ヤツだ…ヤツの作戦…!!」

 

 今度の敵………恐ろしい程に狡猾だ…!

 

「“妙手”のロベリア……!」

 

 早く…早くうつつの元に行かないとマズい!

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 ローリエが、門前で暴徒を鎮圧し終えた頃。

 

 

「ウツー!」

 

「真実をこの手に!神殿を破壊せよ!」

 

「くっ……なんなの、こいつら…!」

 

「まずいね…あたし達の拠点は、もうあっちに筒抜けだったってワケか」

 

「とにかく……総員!緊急戦闘を許可する!

 ウツカイに容赦はいらないけど……できるだけ人は殺さない事!!」

 

「「「「応ッ!」」」」

 

 

 東部・バリケード地点。

 ウツカイ達がバリケードを破壊し、拠点内部に侵入。それに混じって、暴徒もなだれ込んできた。

 近くにいたシュール・ストレミングとカルダモンを中心に、傭兵団員たちが応戦し、なんとか防ぎきれてはいる…が、元は一般人の暴徒への対処に手間取り、無傷とはいかなくなっている。

 

 

「お、見つけたぜぇ…!」

 

「あなたは…!?」

 

「オレは真実の手・スズラン……

 お前を倒せば報酬のお宝ちゃんがたんまりもらえるんでなぁ……

 ここで、くたばってもらおうか!!」

 

 

 南部・バリケード地点。

 常人が破るには一苦労するはずのソレを難なく突破したのは、絢爛な薄着を身に纏う少女・スズラン。

 真実の手を名乗る彼女は、破壊音を聞いて駆け付けたきららに、斧のような鎌を向け、大胆にもそう宣言した。

 

 

「フフフ……何をしようとしたのか知らないけどね。

 このロベリアの策は、絶対にそれを上回るのよ。絶対にね」

 

 そして……全体を俯瞰しているかのように、そう言って薄気味悪い笑みを浮かべるロベリア。

 

「覚悟しなさい、コッド…シュール・ストレミング…そして八賢者の二人も……

 この街が、あなたたちの墓場になるのよ………」

 

 ウツカイを従えた彼女は、奥義で口元を隠すと、静かにほくそ笑んだ。

 その身から、迸る程の悪意と憎悪をたぎらせながら。

 




キャラクター紹介&解説

ローリエ
 朝から精が出る(性に非ず)八賢者。そのお陰で攫われた人が存在するという把握が出来た。また、前世が政治家だった影響で、実はレスバがウルトラ強い。特に証拠のないお気持ち表明をする相手を決定的な証拠で叩きのめす戦法が得意になった前世(かこ)もあったという。

ロベリア
 目的の為に策を尽くす『リアリスト』の軍師。彼女の過去を鑑みるに、人を切り捨てる事など難なく行えそう。公式でやった事も許されない事だったが、拙作でも暴れる予定。ぶっちゃけ動機が「好きな野球選手の背番号の銭湯札が取れなかった復讐」や「自身が熱海になるため」みたいにくだらなかったらブチ切れてた。

スズラン
 今度はきららを狙って出撃した『リアリスト』の傭兵。きららを狙う指示を受けた際にも、貰うものは貰っている。リアリストの中では、行動原理が一番単純なので、作者的には動かしやすい部類にいる。



△▼△▼△▼
ローリエ「リアリストによる全方位からの攻撃!早すぎる攻撃に、流石の俺達も対応が遅れちまった!」
うつつ「ひぃぃぃぃぃ!! やっぱり私目当て…!?私のせいでここが襲われちゃったんだぁぁ!」
タイキック「それは違う!…と言いたいが、うつつに魔の手が迫る!きららもローリエもシュールも私も動けん中、最初にうつつの前にやってきたのは……!!」

次回『飛ばない魚』
きらら「次回もお楽しみに!」
▲▽▲▽▲▽

次のキャラクターのうち、最も好きなのは?

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  • シュール・ストレミング
  • シュナップ・ストレミング
  • ロシン・カンテラス
  • タイキックさん
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