きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷 作:伝説の超三毛猫
その話は、『伊地知さんちのおじいちゃん』で閲覧してくれればと思います。
わしは悪くねぇ!お気に入りがあっという間に1000超えた程度で暴れだす承認欲求モンスターのツチノコヤミーが悪いんだ!オーズは!オーズはどこだ!?
……はい。とりあえずこの話を見るにあたって、「年末年始特番!お正月だよエトワリア」を見ておくことを勧めます。
また、時系列は2部終了後となります。では、始まります。
「ローリエ。本気でやる気か? この企画は……」
アルシーヴちゃんが、困ったような顔をする。
気持ちは分かる。何せ原因は……俺が出した、企画書にあるのだから。
「流石に、これをやるのは無理があるんじゃねぇか?」
「そうですね。視聴者にも不評でしたし…」
ジンジャーもセサミも、俺の出した企画書に難色を示す。
まぁ、気持ちは分からんでもない。
「『笑ってはいけない』の復活ですか…」
「シュガーは良いと思うんだけどなー」
そう。俺が出した企画書。
その名は―――『絶対に笑ってはいけないスクライブ24時』。
実は、この名前は俺達神殿の人間にとっては苦い思い出のある名となってしまっている。
その理由は、前回のこの番組が最期までやり切れずにグダグダになってしまった事にある。
アリス、るんちゃん、りーさん、臣ちゃんが出演したそのコーナーは、笑いの刺客がシュガーとジンジャーのダジャレだった上に、仕掛け人のアルシーヴちゃんだけが笑って(というより見栄で笑いを我慢して奥に引っ込んで)しまい、そのままグダって終わったのだから。
これでは企画大失敗と言われても否定できない。
だが、俺から言わせれば、そもそもコレを企画したヤツが甘すぎると言わざるを得ない。
まず
続いて、ネタが甘い。シュガーとジンジャーのダジャレで爆笑!じゃねーんだわ、
それに、役者が甘い。アルシーヴちゃんという、ダジャレにめっぽう弱い人間を仕掛け人に選ぶのは駄目だろう。他のギャグをアルシーヴちゃんの前でやらせるならまだしも、ダジャレと組み合わせるのがまずかった。
だが―――俺は違う。
木月桂一として、本場の『笑ってはいけない』を見てきた者からすれば、前回の反省点をすべて克服するなど、赤子の手をひねるよりも楽な作業よ。
「まだ11月ですわよ? この段階で年末の企画を考えるなど…」
「その認識が甘いんだ、フェンネル。本当ならこれでも遅すぎるくらいだ。
そもそも『笑ってはいけない』って録画だからな」
「録画?」
「笑ってはいけない24時を放送して、年末にメンバーがそれを振り返る、って形なんだぜ、本来は」
この事実は、クリエメイトもあんま知らない事かもな。
なにせ面白すぎて、トークコーナーすっ飛ばしちゃうから。トークが始まった途端紅白歌合戦やジャ○ー系の年末特番に切り替える子も多いし。
「詳しい事は企画書の内容を読んでから、各々質問して欲しい」
「はいはい! 笑いの刺客って誰がやるの〜?」
「それは企画書に書いてあるぞ〜」
「笑いのネタは〜?」
「それもちゃんと書いてあるぞ〜」
「日程や場所についてもコレに書いてある、って事でいいんだな?」
「そういう事だ、ジンジャー。
じゃあ企画書配って読む時間とるから、しっかり読んでほしい」
企画書の読み合わせを行い、質問タイムののちに、撮影までの怒涛の日程が、あっという間に過ぎていくことになる。
さて、最狂のエンターテイメントにしてやるぜぇ…!
◇◇◇◇◇
「―――ということがきっかけで、この放送に至るまでになった」
「成程、そうだったんですね!」
あれからあっという間に時は過ぎ。
12月31日・大晦日。
俺は、エトワリアTVのある番組に出演させてもらっていた。
司会は、アリサ・ジャグランテ。俺の生徒の一人が、立派に進行を進められている。
「では、
皆さん、タイトルコールをお願いします!」
司会の彼女が紹介したのは、今回俺の『笑ってはいけない』に参加してくれた5人のメンバー。
うち笑顔で紹介に答えているのはイノっちと仁菜とへも……後ろ二人はちょっと苦笑いだな。ロコとはゆちゃんは何が気に食わないのか不満げだ。
「ローリエお前なぁ! 私達はアイドルなんだぞ!? そこんトコ分かってんのか!?」
「そうだよ! はゆ達バラエティに出るためにアイドルになったんじゃないからね!?
こんなの全然ロックじゃあないよ!」
確かにそうだが、アイドルだからバラエティに出ちゃいけないなんてルールは無い。
イメージ商売ではあるが、コイツらの場合訓練されたHENTAIしかいないからなんの問題もない。
それに、時間もないしな。とっとと説得させて、映像に入っちゃおう。
「落ち着け。昨今のアイドルは、多様性がある事は大前提だぞ。
アイドルの中には、農業やってる人もいるし、漁業やってる人もいるし、外来種をキャプチャーして地元の観光業に還元させている人もいるんだ。
いまさら年末バラエティの一本や二本、何だって言うんだ」
「それ全部T○KI○のことだろーが!? 私らにアイドル副業にしろって言う気か!!?」
「DA○H島までやっといて今更何言ってんの」
「はいはい、行きますよ関野さん、ローリエさん。
ではタイトルコールいってみましょう!」
「おいっ、ちょっと待っ―――」
◇◆◇◆◇
映像は、朝の6時。フルーツタルトが集合し、スクライブの制服(何故かへもだけ男性服だった)に着替えて大型馬車に乗るところからスタートした。
ローリエがまず最初に用意したのは、バスの停車駅での笑いの刺客ネタ。本家本元を知っている身からすれば確実に入れているネタである。
バスに揺られるフルーツタルト。止まる馬車。そこに最初に乗り込んできたのは。
「「「ブフッ!?」」」
「「~~~~っ!!」」
……サングラスをかけた香風タカヒロと、
そう。『リアライフ事件』の首謀者であり、監視処分を受けてる筈のあのハイプリスが、だ。
『全員、
本来あっちゃいけないレベルのキャスティングに噴き出した5人は、黒いオモチャのバットを持ったクロモン達に席を立たされて、おしりをシバかれる。
「きゃあっ!」
「痛い!」
「ぎゃっ!」
「ひうっ!」
「あっー!」
シバかれた後も、話は続く。
「まったく…今月に入って3件目の放火とは…
けしからんッ! 本屋に火は厳禁なのは常識中の常識だ!
そうは思わないかねハイプリス君!」
「…そうですね。人の…大切な本を……燃やそうとするのは……良くないと思います」
『全員、
ハイプリスから「おまいう」な言葉が出るたびに全員が笑ってしまってケツバットを食らい。
途中でロコから「これ絶対ダメなやつだろ!?」とクレームが入るも。
話は本屋の放火対策から、本屋の店員の心構えの訓練に入る。
「君にはこれから―――これをつけてもらう」
「これは…!?」
「クワガタムシだッ!」
「コンニチワ」
「「「ブフッ!?」」」
『桜、貫井、前原、
それが、クワガタムシを鼻に挟ませる………通称鼻クワガタという、あまりにぶっ飛んだ方法であり。
「はっ……はっ………あ痛だだだだだだだだだ!!!?」
『全員、
本来絶対に見られないであろう、「クワガタに鼻を挟まれるハイプリス」という絵面を全国のTV前にお届けして。
フルーツタルトのメンバーは、漏れなく全員アウトの餌食となった。
ちなみに、二つ目の停車場所で乗ってきた笑いの刺客は。
「嫌です嫌ですー!
桃様がシャミ子様を口説くところが見られないなんて絶対に嫌ですー!
見せてくれないなら『きらファン』のサービスを終了させてやるー!」
「…仕方ない。シャミ子、口説かれて」
「何を言うとるんですか貴様は!? 脳味噌桃色魔法少女か!!!?」
『全員、
あまりにもメタすぎる駄々をこねるランプと、シャミ子を口説く桃だった。
フルーツタルトは爆笑した。
そんな地獄のバス移動は終わりを告げ。
フルーツタルトが研修を行うスクライブギルドに辿り着いたが。
当然、「笑ってはいけない」はここで終わるわけがない。
続いて、彼女達はスクライブギルドのギルド長への挨拶をしにギルド長に会いに行ったのだが。
彼女もまた、笑いの刺客であった。
「こんにちは! 私がギルド長のメディアです!」
快活・明朗な口調と晴れやかな笑顔で挨拶をしたのはメディア。
その姿は、スクライブのギルド長らしからぬキュートさと明るさに溢れており、何の変哲もない普通の挨拶であった。
………その口元に、エライ人がつけてるタイプのヒゲさえなければ。
『全員、
「似合わな過ぎる……」
それから、メディアによる笑いの猛攻は続いた。
「まずは、私に貴方達のことを教えてください。
最初に、首から上が真っピンクな貴方!」
「はっはい! 桜衣乃です! フルーツタルトってグループでアイドルをしています!趣味は料理です!」
「ありがとうございます!
では次にその隣の…年齢を10歳は若く見られそうな貴方!」
「誰が小学生じゃっ!!!」
『桜、貫井、前原、緑、
「笑うなッ!」
「だって…ロコちゃんのツッコミが…」
何故かどこか棘のある言い方で自己紹介を促すメディア。
それを悪意のない満面の笑みで言うものだから、どこか笑いを誘うものだ。
「ロコさんですね。ありがとうございます!
ではその次の……えーーっと、コンビを組んだら「じゃない方」って言われそうな貴方!」
『関野、
「ありがとうございました。
ではそのお隣のグラビアアイドルの方、自己紹介をお願いします!」
『桜、関野、貫井、緑、
「仁菜さん、ありがとうございました…
では最後に……その、既に誰か刺してそうなそこの貴方……」
『関野、貫井、前原、
普段では考えられないような毒舌を発揮するギルド長役のメディア。
自己紹介を続けていくにつれ、表情がひきつっていってかなり無理をしているのが丸わかりになり、それが余計に「笑ってはいけない」状況下での笑いを誘う。
そして。
「ありがとう…ございました。
えー。どなたも…た、頼りなはふふっ…」
「ンフッ」
「ブッ」
「フヒッ」
「フフッ」
「オフッ」
『全員、
とうとうメディアが吹き出してしまい、それに伴うように全員が巻き込まれ決壊した。
本来の台本にはなかった出来事であったが、結果的に笑わせられたため、問題のない進行となった。
その代わりと言っては何だが、メディアがクロモン達に搬送されるようにギルド長室を後にしていったが。
ギルド長との挨拶が終わった後、ローリエが仕掛けてきたのは机の引き出しネタ。
これもまた、「笑ってはいけない」の鉄板だ。
確実に発動するとは限らないが、自らの意志でやらせる分面白さが際立つ必殺ネタである。
「…おい、やめとこうぜ。こんなの引っ張り出しても余計笑うだけだろ」
「そうだよね…」
「ニナはなんでそんな残念そうなの?」
「フフッ」
『桜、
「お前は何で笑った!?」
そんなこんながありつつも。
バラエティのお約束を分かっているというべきか、サービス精神というべきか。
フルーツタルトの面々は、恐れながらも勇猛果敢に引き出しを引いていく。
そして。
(引き出しから謎の袋が出てくる)
「何だコレ? はゆの顔が書いてあるけど…」
カチッ
『あっはっはっはっはっ……』
『貫井、
「何でぇぇぇええええええっ!!?」
はゆの笑い袋によって、はゆ本人が笑ってないのにアウトになってクロモンのケツバットの餌食になったり。
「あ! これ笑い袋!」
「おい、ちょっとやめ―――」
カチッ
『あはははははは…………』
『緑、
「今度は私ですかぁぁぁっ!!?」
かと思えば、へもの笑い袋で今度はへもが犠牲になったり。
はゆとへもによる笑い袋の押しあいという、宇宙一くだらない争いが勃発して『貫井、緑、
他にも、引き出しから出てきたスイッチを押した映像には、狡猾な罠が仕掛けられていた。
『社長!新たな商品の色を決めてください!』
『社長!』
『社長!』
映像に映し出されたのは、屈強な男たちに社長、社長と言われている、一人の少女。
彼女が、彼らを束ねる社長、とやらなのだろう(演:コルク)。
その社長ことコルクが、赤・青・緑と様々なTシャツを見比べて次々と論評していく中で。
『青……良い。これは採用。
緑は……ダメだな。これは不採用。アウトだ』
『緑、
「何でぇぇぇぇっ!? 笑ってないじゃないですか私ーっ!」
映像の中のコルクが「緑はアウト」と言ったことで、
『桜色……これは、駄目だ。
絶望的にマッチしていない。
こんなもの売り出すだけ無駄だろう』
「………超ぼろくそ言うじゃん」
『コレもアウトだな。桜タイキックだ』
「…へ?」
『桜、タイキックー!』
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっっっ!?!?!?!?」
衣乃がコルクにタイキック宣言を受けたことで、特別なおしおき『タイキック』が執行されたりした。
その際には、タイキックさんが登場し、衣乃を抑えつけてからの洗練されたタイキックをお茶の間に流した。
「待って! ちょっと待っ…」
「ハァァッ!!」
「ぎゃあああああああああああああああんッッ!?!?!?」
タイキックさんのタイキックを臀部に受けた桜衣乃は、高圧電流トラップに引っかかったネズミのような断末魔の悲鳴をあげて崩れ落ちた。
その様子を見た衣乃以外の四人も、その直後にアウト判定を貰ってケツバットを受けたのは言うまでもない。
◇◆◇◆◇
「―――はい、というわけで引き出しネタまでやりましたけれども。
如何でしたか皆さん?」
「いかがでしたか、も何も…
どうしてこんなことになっちゃったんでしょう?」
「プロデューサーが何も考えずにOK出しちゃったからだろ」
「いやしかし見事だったね、タイキックさん」
「私は死ぬかと思ったんですよ…?」
こうしてハイライトで見てみると超おもしれーな、『笑ってはいけない』。
タイキックの場面なんて、田中タイキックじゃなくてもなんだか笑えちゃうんだよなぁ。
俺は編集時に確認していたが、他の笑いの刺客たちも、概ね予想通りにフルーツタルトの面々を笑わせることが出来ていたようで何よりだ。
いやぁ、『笑ってはいけない復活案』の企画書を提出して良かったぜ。
「これ、前回は生放送で事故ったんですよね?」
「あぁ。ダジャレで笑わせようとしたら、仕掛け人の方が笑っちまったんだ」
「振り返る分には面白いんだけどな…」
「はゆ達の映像なのが素直に笑えないよね」
「視聴者の皆さんは笑えているんでしょうか……?」
「ま、結果は年明けだな、へもちゃん。
いずれにせよ、よく頑張ったよみんな。
この後は……えーっと?」
「この後は集会と『捕まってはいけない』ですね」
アリサの進行に、「うわぁーアレか…」と頭を抱えるロコ。それを撫でる仁菜。アレを思い出して苦笑いする他の面々。
ロコは災難だったもんな。
「それで、あいつは……チコはアレ以降どうなったんだ?」
「今の映像放送中にお前目当てで乱入してきたから眠らせて縛ってあるぞ」
「はぁ?……うわ、マジだ」
「………そのお隣の中華美人さんは?」
「ソイツも乱入してきたヤツだ。『ハイプリス様になんてことを!』ってうるさかったから、同じく眠らせて縛ってある。
後でクワガタを使って起こしてやるさ」
俺が顎で示した先には、縄で縛られ、アリサの魔法で眠らされている関野ロコの妹・チコと真実の手のロベリアが転がされていた。
余計な事しやがって。番組を荒そうとした罰として、映像と映像の繋ぎの余興の犠牲にしてくれるわ……!
◇◆◇◆◇
桜タイキックまでで疲労困憊なフルーツタルトは、体育館に集合の知らせを受け、そこに至るまでの廊下を歩いていた。
「そう言えばロコ先輩、さっき届いた荷物、何が入っていたんですか?」
「ペンだよ。結構キレイだったんだ。ほら」
「わぁ………!」
「ホントだ! すごい!」
宇宙をそのままペン軸に詰めたような装飾に、目を奪われる。
だが、このペンが後に地獄のような事件のキーアイテムになると、誰が予想できただろうか。
「ギルド長のペンが盗まれました」
集会が始まるなり、重大な事件を発表したのは―――ロコの妹・関野チコであった。
しかも、盗まれたペンの特徴が、完全に先程ロコに届いたペンと完全に一致していた。
これにはロコであっても、乾いた笑いを浮かべるしかなかった。
『全員、
やがて、全員の持ち物チェックが行われ、ロコのペン所持が明らかになる。
これは違う、誰かから送られてきたんだ。そう弁明するも全く信じてもらえないロコ。
そんなロコに、チコが下した裁きとは………
「おしおきのキッスをしてくれるわぁぁぁ!」
「やめろォォォォォォォォぉッ!!!!?」
『桜、貫井、前原、緑、
暴れるロコ、それを取り抑える中町ぬあ・るあ姉妹。迫るチコ。
そして、その様子に耐え切れずケツバットを食らう衣乃・はゆ・仁菜・へも。
「助けてぇぇぇぇぇっ!」
「助けたら、お前らにもキスするからな!」
「ホントですかッ!?」
『桜、貫井、
「何笑ってんだ!!!」
助けを求めるも、チコに脅迫されて動けない。
約一名ほど、欲望に忠実な人もいたが、その人もケツバットを食らって大人しくなった。
そして。
「地上波に放送されるのね……私と姉さんの愛の…じゃない、おしおきがッ!!」
「アッーーーーーーーー!!!」
姉妹の百合営業が、大晦日に流れることとなった。
この後、頬にキスマークをつけたロコが、息も絶え絶えに「…終わったぞ」と言ったことで、衣乃・はゆ・仁菜・へもが、それぞれもう1回ずつケツバットを受けることとなった。
◇◆◇◆◇
「…おいコレ放送して大丈夫なのかよ」
「しょうがないだろ、チコ本人が蝶○ビンタを嫌がったんだから。
本来ならこの人、マウストゥーマウスでやる気だったんだからな」
「げ、マジか…」
「よくほっぺでガマンしてもらえましたね……」
見ていて不安になるシーンだが、蝶○ビンタがないガ○使など、マ○オが参戦しない○リオマートのようなものだ。
このシーンの制裁者はもとは別の人だったのだが、どこから聞きつけたのか、チコが乱入するなり「姉さんの制裁役なら私が!」と言って聞かなかったのだ。
仕方なく代わって貰ったが、今度は「姉さんに暴力を振るうくらいなら死ぬ」と言い出した。死ぬほどめんどくさかったが、この企画、前回大コケしたこともあり仕掛け人参加希望者が思ったよりも少なくて。
「唇にキスしたら出禁にする」と脅迫のような条件をつけて妥協して貰ったのだ。ホントに不安しかないシーンである。
「安心しろ、ロコちゃん。次があったら間違いなく蝶○ビンタいくから」
「やめろ! 何にも安心できねーよ!」
「っていうか、私達コレにレギュラー出演するんですか?」
「まだ年が明けてないのに次の話をしないでくださーい」
「おっと、悪い悪い。
じゃ、そろそろ寝てる二人を起こすとしますか」
そう言って俺は、クワガタが入っている虫かごを引っ張り出し、その中に居た一匹をつまみとった。
足を大きく広げ、大アゴを広げているさまは、小学校男児なら間違いなく憧れる、威風堂々たる姿である。
「ロコちゃん、妹に仕返ししたいんなら、その中からクワガタを一匹取り出すんだ。
番組を荒したコイツ等に、鼻クワガタをして貰おうじゃあないか」
「へ? いいのか?」
「勿論」
俺の即答を受け、ロコは悪い顔をしてクワガタを手に持った。
そして、いまだ魔法の効果に落ちていて呑気に眠っているロベリア・チコ両者にクワガタの牙を近づけていき。
「……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!?」
「……いいい゛い゛い゛だだだだだだだだだァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?!?!?!?」
大晦日の美しい夜の中、TVの前の視聴者に、二人の(残念な)美女の汚い悲鳴をお送りすることとなった。
◇◇◇◇◇
「ローリエ、『笑ってはいけない』の集計結果が来たぞ」
「お、アルシーヴちゃん。どうだった?」
「そうだな、賞賛とクレームが半々だ。一通ずつ読んで、今後の反省点にしろ」
「えぇ~~っ、面倒くせーなぁ、クレームの手紙だけお焚き上げしちゃっても良くね?」
「駄目に決まっているだろう。しっかり読んでおけよ」
その年明けの三が日後。
アルシーヴちゃんから渡された手紙の山と悪戦苦闘するようになったのは、また別の話。
キャラクター紹介&解説
ローリエ
前世の年末バラエティの知識を元にして『笑ってはいけない』を再編した総プロデューサー。彼が作った番組はクレームが絶えなかったものの、それ以上に視聴率や賞賛も多く、彼の生み出した番組がシリーズ化したものも多々あったという。今回の『笑ってはいけない』もそのひとつだった。
桜衣乃&関野ロコ&貫井はゆ&前原仁菜&緑へも
ローリエが企画した「笑ってはいけない」の被害者。桜タイキックや関野姉妹営業など、多くの伝説を残す。この放送の後、冠レギュラー番組をひとつ貰えるようになったが、誰も喜べなかったという。
ハイプリス
笑いの刺客と言う名の被害者。台本を渡され、中身を読んだときに「…冗談だろう?」と何度も確認した。冗談でもなんでもないと知って苦悩するも、自身が行ってきた所業を清算する一環という意味で参加を決め、恥を捨てて演技に当たった。
ランプ
笑いの刺客と言う名の被害者。サービス終了を人質にとったが、当の本人は「サービス終了」の意味が分からずローリエやゲームに詳しいクリエメイトに何度も意味を尋ねに行ったという。
香風タカヒロ
笑いの刺客と言う名の被害者。『笑ってはいけない』放送後、しばらく娘と顔を合わせて会話が出来なかったという。なお、チノ本人は『笑ってはいけない』よりも『紅白歌合戦』派だった。
千代田桃&シャドウミストレス優子
笑いの刺客と言う名の被害者。ランプの駄々に答える形でシャミ子を口説こうとした魔法少女と、何も知らずに連れてこられたまぞく。ローリエから「何も教えない方が面白そう」という指示もあり、シャミ子は桃に口説かれることが分かっておらず、素の反応を晒したとのこと。ちなみに『笑ってはいけない』放送後、ミカンに「あんたらとっとと結婚しなさいよ」と言われたそうだ。
メディア
笑いの刺客と言う名の被害者。実はローリエからは「サン○ャイン○崎のモノマネをしろ」と言われたらしいが、○ンシャイン池○のネタをローリエの記憶を通して知ったメディアは「これで勘弁してください」と、エライ人のヒゲを自らつけて撮影に臨んだという。
タイキックさん
実はノリノリで撮影に参戦した笑いの刺客………というよりタイキック担当。タイキックにしか登場しなかったのに、視聴者に桜タイキックでインパクトを残した。本人はご満悦だったという。
関野チコ&ロベリア
片や愛しの姉を嗅ぎ付け、片や愛しの主君の醜態を放送で見てクレームを入れるべく年末の生放送に乱入してきた人々。スタジオまで辿り着けたものの、アリサの催眠魔法で眠らされ、縛り上げられた挙句に番組の邪魔した罰として鼻クワガタの餌食になってしまった。これ以降、この二人はバラエティでのオファーが少し多くなったという。
フルーツタルト 子供の使いじゃないんですっ!
2020年まで大晦日で放送していたダ○ンタ○ンの伝説の番組をオマージュした、エトワリア版笑ってはいけないギャグバラエティー。本家と同じように、『笑ってはいけない』の収録を見て、メンバーが振り返る形に踏襲したところ、ウケがかなり良くなった。第2回の「絶対に笑ってはいけないスクライブ24時」では、鼻クワガタや姉妹百合でクレームはあったものの、「クリエメイトのギャグ線をわかっている」「これ作ったヤツの頭の中はどうなっているんだ(褒め言葉)」といった賞賛のコメントも多く寄せられた。
あとがき
今年はなんといってもきらファンサービス終了がショックすぎて、なかなか筆が進みませんでしたね。
ですが、嘆いていても変わらないこと。受け入れて、少しずつ慣れていくしかないのでしょう。
幸い、プロットは最終章まで完了しています。あとは形にするだけですね。
本年も、「きらファン八賢者」をご覧になってくださった皆様にお礼を申し上げるとともに、年末のご健康とご多幸をお祈りいたします。
それでは来年も、この「きらファン八賢者 第2部」をよろしくお願いいたします。