きららファンタジア 断たれた絆と蘇る理想郷 作:伝説の超三毛猫
“人の為に動ける人間が、すごくない訳がなかろう”
…大神官コッドのとある書記より抜粋
俺がうつつを保護した直後に、本拠地内のウツカイが撤退していったという報告があった。
本拠地を守ったカルダモンとそれに従ったロシン含めシュールさんの部隊、幹部に襲われたというきららちゃんと彼女の救援に行ったシュールさん、先んじて避難していたランプとマッチ、そしてシュナップさん。
こちらの被害は、軽い怪我とかはあったものの、ほとんど軽微で済んだ。
―――ほとんど、だ。
「そんな…コッドさんが……!!」
「ごめんなさい…ごめんなさい………私がっ…私の、せいでぇ……!!」
「そ、そんなわけ…うつつさんは悪くありません!!!」
ある程度落ち着いた後。
ホテルの無事な部屋のひとつで有力者たちを集め、うつつに何があったか問いかけたところ……俺の一番嫌な予想が当たってしまったのである。
―――コッド先生の死亡。
うつつによると、ロベリアと善戦していたものの、廊下の壁を壊されたことで急所に狙撃を受けてしまい、スズランによってトドメを刺されたそうだ。最後の最後で自爆魔法「エクスプロウド」を使ったことから、戦場になったホテル西部の4階から上が綺麗に吹き飛んでしまったそうで。
リアリストの目的であるうつつは守りきったようだが、その代償は決して小さくなかった。
神官たちに尊敬されていた神殿長であり……何より、俺の恩師だったんだ。俺を含め、ショックじゃない訳がない。
「この件だが…まだ公表はしないようにしよう」
「ど…どうしてですか!?」
「コッド先生を惜しむのは分かる。けれど、今の水路の街は紛争状態……リアリストと戦ってる最中だ。だから、公表するのは街と神殿を取り戻してからの方が良いと思うんだ」
「そうね……コッドさんは、私達傭兵団や、神官たちの精神的な柱だった。
既に報酬を貰ってる傭兵団は兎も角、コッドさんを尊敬していた神官のみんなが知ったら士気に関わるわ」
考えるまでもない痛手を、すぐに公表しない事を提案すると、案の定きららちゃんから理由を問われたが、今の水路の街の状況からして、今神官たちの戦意が削がれてしまったら、神殿を取り戻せなくなる可能性が高いゆえにすぐに公表するワケにはいかないことを話せば、ひとまず納得はしてくれた。
傭兵たちを纏める立場にあって、戦場慣れしているシュールさんも、俺の意見に賛同してくれたことから、まだコッド先生については全てを公表しない流れで決まった。まぁ姿がないことに不審がる神官もいるだろうから、いちおう『先の戦いで負傷して戦線離脱した』くらいは言うだろうけども。
「っ……!」
「あっ…ちょっ、うつつさん!」
コッド先生の件が終わって、いざ次の話題…今後の動きについて作戦会議を始めようとしたその時に、急にうつつが席を立ってどこかへ行ってしまった。
………やはり、先生の死が結構引きずっているな、うつつ。まぁ…俺・シュールさん・コッド先生の中でなら、一番懐いていたからなぁ………
ランプが引き止めようとするが、それは逆効果だ。心配なのは分かるが、こればっかりはどうしようもない。
恐らくうつつは、召喚前は戦争とは程遠い、平和な日本と限りなく近い世界で生きてきたんだろう。そんな人にとって、戦争やそれによる身近な人の死など、あまりに重すぎるショックだ。下手を打てば、二度と立ち直れなくなる。
「ランプ、そっとしておいてやれ」
「でも…!!」
「この手のショックは、慎重に声をかけないといけない。余計な事を言ったら事態がこじれる可能性もある」
「だからって、放っておけません!!」
とはいえ、これまで旅をしてきた仲間の、今までにないくらいの落ち込みようを、ランプをはじめきららちゃん一行が無視できるわけがない。たとえ何も声をかけられずとも、見守るくらいのことはしたいのだろう。
……ここで行かせないようにしたら、俺が悪者だな。
「……別に追うなとは言ってない。
ただ、むやみやたらと声をかけないようにしろって言っただけだ。
アイツにだって、ひとりで整理する時間くらい欲しいだろう。
………大切な人を失ったのは、俺だって同じだ」
「あ…」
言葉の意味を理解したのか、ランプは立ち上がったまま静かになる。が、それも束の間、早歩きでうつつに続いて出ていった。きららちゃんもそれに続く。
ちょっと無粋だけど、誤解があるままよりはいい。
「タイキックさん、マッチ。
あの2人を見てやってくれないか?」
「当然」
「言われるまでもないよ。
…でも、ローリエは良いのかい?」
「? 何がだ」
「何がって…恩師だったんだろう? コッドさん。
今のローリエの立場も分かっているつもりだけど……その上で、言わせてもらうよ。
もっとこう、感情を表に出してもいいんじゃないかい?」
俺の頼みに、即座に部屋を出ていったタイキックさんとは対象的に、マッチは俺に言葉をかけた。
それは、古今東西の親が子供に向けるかのような「心配」の情であった。
……お節介なマスコットだ。ランプの保護者である筈なのに、俺なんか気にかけちゃってさ。うつつが「変な生き物」呼ばわりする理由がほんのちょっとだけ分かる気がするぞ。
「…確かに、コッド先生の件は悲しいさ。
でもその辺の整理は、神殿を取り戻してからやる事にするよ」
「………その言葉、信じるからね?」
そう言って、マッチはふよふよと部屋を出ていった。
残っているのは、俺とシュールさん、シュナップさん、そしてロシン。
一応、この人数でも作戦を練る事は可能だけど……
「シュールさん」
「なに?」
「貴女は…人の死に慣れちまったのか?」
「ローリエくん! 何を聞いているんですか!?」
「……ええ。残念ながらね」
「シュール…!」
うつつが部屋を飛び出してから、話の流れがこのまま作戦会議、という空気じゃあなくなってしまったので、変な事を聞いてしまう。でも、彼女は俺のそんな問いに答えてくれた。
「傭兵団を率いて、あちこちでドンパチやっているんだもの。
「まぁ…そりゃそうか」
「特に私なんて、手足の伸びきる前の小娘の頃から戦場にいたからねぇ。
もう気にならなくなっちゃったのよ。……こんな血を吸って生き残ったような女を選ぶ人もいるから、生きた価値もあるってものかもね」
「シュール…また君はそんなことを……」
傭兵団という、常に戦場に身を置いていたシュールさんの精神構造の話になったかと思ったら、余計な事を言ったせいでシュナップさんがシュールを宥め、甘い雰囲気を匂わせ始めた。
おーい、子持ち夫婦。イチャイチャすんなここで。どうしてこうなったし。
こうなっては仕方ないから、ほったらかしだったロシンに話しかける。
「……ロシンもそういう…仲間がいなくなった経験を?」
「あぁ。でも……コッドさんが、いなくなるなんてな…………」
彼は、明らかにショックを受けていた。
妙に静かだったのは、コッドさんの死を受け止めようとしていたからだったのか。
「でも………ローリエさんが気に病む必要はないぜ。傭兵団じゃあ、怪我は当たり前。身内が、ってのもゼロじゃあない。シュールさんも言ってたろ。
それに、これは俺が選んだ道だ」
「お前な………どの口で…っ」
ロシン自身はこう言っているが、「シュールさんの傭兵団」を紹介したのは俺だ。
彼の、悲惨な境遇から不安定になった精神状態を立て直すために、俺は彼に「強さを求める心」を教えた。そして傭兵団に入っていったのだけれど、その結果戦死してしまったら、後味が悪すぎる。
なにせそう促したのは俺だ。彼を戦場に送ったのも俺だし、もしそれが原因で死んでしまったら俺が殺したようなモンだ。
………ロシンには、是が非でも生きて欲しいものである。大丈夫だろうか? 次の戦いに悪影響を及ぼさないと良いが……
「とにかく……だ。俺達は俺達ができることをしないか?」
「出来る事? 何ですかそれは」
「先の戦いで得た情報を共有して、これからの作戦を立てるんだ。………いけますかね、三人とも?」
「…そうね。いつまでも悲しんでいられないわ」
「もちろんだ。この街はまだ紛争状態のままだ。神殿を取り戻す手伝いなら、僕にもさせて欲しい」
「ローリエさんの頼みなら、これくらいやってやるよ」
シュールさんとシュナップさん、ロシンの了承を得たことで、俺達は今度こそ本題の作戦会議に入っていく………
◇◆◇◆◇
作戦会議場の部屋から飛び出したうつつは、あてもなくさまようように廊下を歩いていた。
その様子は心ここにあらずといった感じで。表情は幽鬼のように青く、足取りは重く。そして、両目からは涙が絶えることなく流れていく。
そんなうつつの心に渦巻いていたのは―――罪悪感だった。
―――おじいちゃん、どうして、私なんかを庇って。
―――そうしたばかりに、命を落として。
―――私のせいで……もっと生きられたかもしれないのに。
―――私だけが生き残って……惨めすぎて死にたい。
そう考えるたび、吐き気に襲われるうつつ。
だが、朝から食欲がわかず何も食べなかった事実と、近くに水場がないので吐き出したら迷惑をかけちゃうかもしれないという一欠片の遵法意識が、胃の中を戻さずにいた。
仮に、すべて吐き出したとしても、吐き気は収まらないだろう。それは…コッドの死という揺るぎない事実が、彼女の精神にのしかかっているからなのだから。
それからふらふらと歩いていたうつつは、自分がある部屋に辿り着いていることに気がついた。
そこは、コッドと初めて出会った部屋だった。どうやら……無意識のうちに、いなくなった人の痕跡を求めて、ここまで歩いてきたようだった。
「………おじいちゃん……」
とはいえ、うつつに出来ることは何もない。
コッドは既に、『エクスプロウド』で自爆してしまった。亡骸どころか、肉片も存在しない。
だから、というべきか。
あの戦いの一部始終が…たちの悪い夢だったんじゃないか、と考えてしまう。
ここに来れば、またコッドが微笑んでくれるかもしれないと……。
そんなことあり得ないくせに、目の前で自爆したのを見たくせに、それでも足は部屋の奥へと進んでいた。
非現実的な感傷に浸らずにはいられなかったのかもしれない。そうしなければ、どうにかなりそうだったから。
「…………」
何も口に出来ないまま、コッドのいた机を撫でる。
「おじいちゃん………」
そうしてみても、うつつの罪悪感は消えない。
何度考えても、自分があの時守られた意味がわからないのだ。
自分なんか、自分など………と自己肯定感が恐ろしく低いうつつは、そればかり考えてしまい、思考が袋小路に入っていたのである。
「………?」
それが目に入ったのは偶然であった。
泣きつかれてしばしばしてきた視界に、ふと半開きの机の引き出しが見えたのだ。
おもむろにそれを引っ張ってみると、中から出てきたのは、古ぼけた手帳だ。知らないハズなのにデザインがどことなくひと昔前を彷彿とさせることに加え、かなり使い込まれた形跡があることから、まさか、と思い。
うつつは、意を決して手帳を取り、表紙を開いた。
「これ、って…………」
その筆跡は、うつつには見慣れないものだった。
だが、それでも、「誰がこれを書いたのか」は、分かった。
『これを読む者へ。
お主の手によってこの書記が読まれているということは、儂はもうこの世におらぬということじゃ。
散々儂を待たせた天からの使いも、ようやっと儂を迎えに来て、生を終わらせたことじゃろう』
「おじいちゃん………!!」
コッドだ。
自身を「儂」と称したのも、好々爺めいた語尾も、生の執着を感じない言い回しも、形が崩れた達筆な筆跡も、すべて、コッドの特徴以外にありえなかった。
『これはつまるところ儂の遺書になる。残された時間があとどれくらいあるかもわからぬゆえ、先んじて皆にあてて書くことにした』
『ローリエ君。アルシーヴちゃん。ソラちゃん。そして、八賢者の諸君。
儂の教えは、役に立っておるかのう? もし、なんの役に立てておらなんだとしても、ほんの少しでも儂のことを忘れずにいて貰えると助かるわい』
最初の書き出しの後には、街に来たローリエ等に向けたメッセージがあった。
ページをめくる。
すると今度は、街の人々や、神官たちへ向けられた遺書が書かれていた。
『街の人々、そしてここに勤めた神官たちへ。今までこの老骨に付き従ってくれてありがとう。力及ばずに不便を強いてしまったことや、救うことが出来なかった者たちもいるかもしれぬこと、何より最後まで力になれなかったことを許して欲しい。』
その次にめくったページには、水路の街に来ていた仲間たちに向けた言葉が綴られている。
『シュールさん。夫と娘を大事になさって欲しい。いくら傭兵とはいえ、家族に勝る価値のものは、依頼報酬ではまず存在しない事でしょうから』
『きららちゃん。召喚士の重圧に負けるでないぞ。君は伝説の召喚士以前に一人の人間じゃ。それをゆめゆめ忘れぬようにな。』
『ランプちゃん。君の聖典への愛は、短い付き合いの儂にも伝わるようじゃった。あとどれくらい、君を見れるかは分からぬが、儂がいなくなった後も努力を続けていって欲しい。君なら必ず、次の女神になれるとも。』
次も、その次も、見知った名前が出てくる。
このまま読み続けていれば、いつか必ず自身の名が出てくる確信があった。
死を前にして、自分に対して何を思っていたのか。
好意的に思っていたかもしれないし、内心では自分を嫌っていたのかもしれない。
この先を読んでみたい好奇心と、この先を読むのをやめるべきという恐怖心。
「………」
うつつの中でふたつがせめぎ合って………やがて、好奇心が勝った。
そして、意を決してページをめくると。
―――果たして、そこにはこう書かれていた。
『うつつちゃん。
君は、すごい子じゃ』
「…え?」
自身の経験の中で、一度も言われた事のない評価……「すごい子」とする書き出しで、声が漏れた。
はやる気持ちを抑えながら、続きを読んでいく。
『君自身はそう思っておらんかもしれんが…君は、誰かの為に行動ができるのじゃ。
例えば、血判を押した時。君は、あの時儂の血判状に印を押すのを拒否できた。
だが、最終的には印を押した。それはなぜなのかのう?
君は、ずっと疑われたままなのは嫌だから、と言っていたが、もしあのまま疑われ続けていたら、君だけでなく、君と仲良くしてくれているきららちゃんやランプちゃんにも疑いの目が向いておったじゃろう。
そのことに気付いていたにせよそうでないにせよ、君の勇気が、最悪の疑心暗鬼からあの2人や自分自身を守ったんじゃよ』
―――そうじゃない。そんなことを思って血判を押したんじゃあない。
―――ただあの時は、もし血判しなかったらずっと疑われたままなんじゃあないかって……
そう思いながらも、手紙を読む手が、視線が止まらない。
『それだけではあるまい。
フェンネルからいただいた手紙にも書いてあったが、メディア殿が攫われた時、彼女の救出の際には先頭に立って貢献したそうではないか。メディア殿も手紙越しで「誇れる友人」と君を褒めておった。
ここまで人の為に動ける人間が、すごくない訳がなかろう』
「メディアと、フェンネルが……!」
思いがけない名前の登場に、うつつの眼がうるおう。
零れ落ちそうな水をたたえた両目が、書記の達筆を追っていく。
『儂が君を信じ、守ろうとした一番の理由はそこじゃ。
信頼できる友達のために動ける人間と、リアリストを名乗るだけのテロリストが同じな筈が無い。
……もし、ここまで読んでも自分を信じる事が出来ないというのなら、仕方あるまい。
君をここまで評価した、この儂の眼を信じては、くれぬかのう?
そして、もしも叶うならば、君を「すごい人」と信じる友もまた、信じてやって欲しいのじゃ』
「おじいちゃん………!!」
『最後になるが、うつつちゃん。
儂を「おじいちゃん」と呼んでくれて、ありがとう。
お陰で、少しだけ若返ったような、そんな気分になれたわい』
ぽたり、ぽたり、と。
書記に丸い水の染みができた。
それが一つ、うつつの視界にできると、それに続くように二つ、三つ、四つと丸い染みが増えていき、文字のインクをにじませていく。
『だからの、うつつちゃん。もし君が傷つく形で儂がこの世を去ったとしても…
―――己を責めちゃいけないよ。儂は君の『祖父』で幸せじゃった。』
「…………………あ」
そこが限界だった。
最後の、涙で濡れた一文を読み終えた途端、うつつの口から声が漏れた。
「うぅぅ…ひっぐ…………おじいちゃん………!!!」
うつつはこの時……理解してしまった。
頭ではなく、心で理解したのである。
コッドが、もうこの世のどこにも存在しないことを。
そうなってからは、ただでさえやまなかった涙が、勢いを増していくばかりで。
先の戦いで貯まりに貯まった悲しみを、少しずつ流して清算するかのように、うつつは泣き続けていたのであった。
◇◆◇◆◇
ちょっとした偵察をして帰って来た時、会議の席には住良木うつつと、きらら達一行がいなかった。
ローリエにどうしたのって聞いたら、「席を外した」と聞き、うつつを探して回る事にしたんだ。アルシーヴ様から頼まれたものが、ようやく届いた訳だしね。
それをうつつに渡そうと、ホテル中を探している最中に………コッドさんの部屋で、何やら大きめの手帳を手に号泣しているうつつと、その周囲で慰めているきらら達を見つけた。
「…これは入りづらいな……」
「む、カルダモン。どうしたんだ? 今ちょっと立て込んでてな……」
「見れば分かるよ。
といっても、あたしは住良木うつつに手紙を私に来たんだけどね…」
こんな状況じゃあ渡すに渡せないかな。
タイキックさんにそう言った矢先、話題に出ていたうつつと他の2人…きららとランプが、こっちに気付いた。
「あれっ、カルダモンさん!?」
「どうしたんですか?」
「アルシーヴ様からうつつへの手紙がようやく届いたからさ。見てもらいたかったんだけど……そっちもそっちで、何か見つけたみたいだね」
「う、うん………おじいちゃんの、遺書だよ」
「コッドさんの?」
そんなの、初耳だ。
確かにコッドさんの年齢をローリエから聞いた時は驚いたよ。
でも、亡くなった後の書記を書いているなんて…随分と準備がいいな。
気になったから、許可を貰ってうつつからコッドさんの遺書を受け取った。代わりと言ってはなんだけど、アルシーヴ様からの手紙をきらら達に渡して読ませてあげる。
めくってみて大まかに内容を確認してみると……やはり、内容はただの遺書のようだ。
街の住人達や、神官たちや、きらら達や、あたし達にまであてた手紙のようで………あ、うつつへの手紙のページが、涙で濡れて文字のインクが滲んだ後がある。しっかり読んだ証拠だね。
それで、他のページにはなにが……………ッ!?
「ねぇちょっと、皆! これ見て!!」
遺書のページをめくっていった先にあった、神殿への見取り図とそこに書き込まれた跡、そして何行も書かれた達筆な文章のページを見つけて……………その意味を知った瞬間に、周囲の人間を集めていた。
「ど、どうしたんですか………?」
「どうやらコッドさんは、あたし達に遺書だけじゃあなくって、神殿を取り返す方法も残してくれていたみたいだよ」
「「「「「!!!!!」」」」」
そこに書かれたもの――コッドさんが練ったのだろう、作戦案だ――をきらら達に共有したあたしは、これを検討の価値アリと判断して、一足先にローリエ達がいた作戦会議中の部屋まで戻っていくことにした。
キャラクター紹介&解説
ローリエ&シュール・ストレミング&シュナップ&ロシン
コッドの死を重く受け止めていない訳ではないが、彼の意志を継いで神殿の奪取をするべく作戦会議を進めている面々。紛争中の動揺は敗北に繋がりかねないから仕方ない点はある。特に傭兵歴の長いシュール・ストレミングは、人の死が転がっていた日常と青春を過ごしてきたため、その辺りの耐性がかなり強い。シュナップは3章で言及した通り血への耐性は皆無。ロシンは、少しずつ慣れてはいるが、内心では自身を保護してくれたコッドに大きなショックを受けていた。
住良木うつつ
コッドの死に一番大きなショックを受けていたクリ……主要人物。目の前で頼もしい人物を失ったショックとサバイバーズギルトですぐさま絶望し、心が折れてもおかしくはなかったが、コッド本人の遺書で回復。カルダモンが持ってきたアルシーヴからの手紙で立ち直る。
きらら&ランプ
うつつを放っておけなかった人達。励まそうとしたが、ローリエの忠告によって、それが度を越した、悪影響ばかりのお節介をしないで済み、コッドの手紙で泣いていたうつつに寄り添うだけに留めた。それが、うつつが立ち直ることに貢献している。
マッチ&タイキック
ローリエの頼みできらら達と同行した保護者枠(?)。その際にマッチはローリエも気にかけている。それは、ローリエの秘密主義を心配するものであった。
カルダモン
会議に参加するのと同時進行で、敵の偵察をしていた八賢者。その過程で街の入口のウツカイを倒してアルシーヴからの手紙を持ってきた遣いクロモンと合流。そしてうつつを立ち直らせる手紙を手渡した。そこでコッドの手記を見つけ、そこにあった逆転の一手の存在を知る。
コッドの遺書
コッドが死に備えて書いていた遺書。前話の死を予見していたわけではないが、コッドが生前述べた通り、エトワリアの住人の平均寿命は60後半〜70代。88年も生きたコッドは、いつ老衰でこの世を去っても良いように、出会ったすべての人々へメッセージを残していた。これが、図らずもうつつを救う一役を担う。
カルダモンが届ける手紙
原作でも登場した、アルシーヴと賢者全員による、住良木うつつへの励ましの手紙。孤独に分断されたうつつを救ったが、拙作ではその役をほぼコッドの遺書に奪われ、うつつを立ち直らせるダメ押しに成り下がってしまった。……だが、決して不要な存在になった訳ではないし、これを読んだうつつは原作通り「自分には応援してくれる人がいる」と思えるようになった。なので、「もう遺書だけでいいんじゃないかな」とか言ってはいけない。
△▼△▼△▼
ローリエ「コッドさんの手記…そこに書かれていたのは、起死回生の一手だった!」
カルダモン「流石、この街の神殿長だった人だ……街の地形を最大限に活かした軍略だね」
きらら「そして、私達は…この街を貶めた元凶……ロベリアとスズランと対面します!」
次回『十二進法の軍略』
うつつ「帰って良いですか…?」
ローリエ「駄目で〜す!」
▲▽▲▽▲▽
次のキャラクターのうち、最も好きなのは?
-
アリサ
-
コリアンダー
-
シュール・ストレミング
-
シュナップ・ストレミング
-
ロシン・カンテラス
-
タイキックさん