伏論破✿大正浪漫夢恋草子   作:ダンガンロンパ4作者

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私達は知らなかった。

あんなに仲良かった仲間が…

あの「伏」だなんて。

嗚呼…

好きになってしまうのは何故?

誰か、教えてっ…


第壱話 大正美人四人と伏男子

ー浪漫学校ー

 

キーンコーンカーンコーン…

 

先生「では、また明日。左様なら。」

みんな「左様なら。」

 

ガタガタガタ…

紫苑「ふー…」

茉莉花「紫苑…帰ろ。」

紫苑「ん!いいよ。」

茉莉花「あと何分で終わる?」

紫苑「あと1分。」

ドタドタドタ…ガラガラ!

紅葉「紫苑!帰ろっ!」

紫苑「え…いいですけど…」

由李「もぉー…早いよぉ…」

紅葉「そりゃあ!今日は肝試しするからね!」

茉莉花「え、肝試しっ…?!」

紫苑「ええ…何処で…」

紅葉「そうそう、なんか…」

 

昔から女だけを喰ってしまう幽霊がいるらしくて、喰わないとやってけないんだって。

 

紅葉「名前は…」

紫苑「…伏、じゃないんですか?」

紅葉「そうそう!伏って呼ばれててさ、すごく怖いんだって!」

由李「えぇえ…怖いよぉ…」

茉莉花「…行ってみたい…かも。」

紫苑「え…じゃあ、行く?」

紅葉「よし!行くぞー!」

三人「おー!」

 

 

ガサガサ…

紫苑「こんなにも生い茂ってるんですね…」

紅葉「らしいね。なんか、出てきそう。」

由李「はぁあ…眠いよぉ…」

茉莉花「…あれ、何かな。」

 

それは、何かの置物だった。4つある。

 

由李「んん~?これってぇ…触っちゃいけないものかもぉ…」

茉莉花「…墓ですか?」

由李「そうじゃなくてぇ…なんだろぉ…」

紫苑「…あれ、紅葉さんは?」

由李「んん~?紅葉ぃ?」

紫苑「あれっ…茉莉花も…」

由李「あれれ…なんでぇ…」

紫苑「…何これ…」

 

白い…毛?

 

ヒュン…

由李「何ぃ?!」

アオーン…

紫苑「ちょっ…ちょっと…」

ガサ…

二人「ひぃああああ!」

??「…人間?ここで何をしているんだね。」

紫苑「…えっ…」

 

それは、普通の…人だった。けれど…

 

紫苑「…あれ?石丸委員長?!」

石丸「む、烏岳くんの…妹の方かね!ここで何をしていたんだね?」

由李「…あれぇ…私はぁ…」

石丸「…ここは危ない。早く逃げなさい。」

紫苑「う…うん。ほら、行こっ。」

由李「ええ…でもぉ…」

紫苑「早くっ!」

ガサガサ…

石丸「…グルルル…」

 

 

 

ー翌朝ー

 

先生「…昨日、烏岳紅葉さんと葭原茉莉花さんが行方不明になりました。危ないことには気をつけてくださいね。」

紫苑「…え…」

 

紫苑「…ねぇ、やっぱり連れ去られたんじゃ…」

由李「そうしか考えられないよねぇ…」

左右田「どうした?」

大和田「ずいぶん悩んでるじゃねぇか。」

葉隠「どうしたべ?」

由李「それがぁ…紅葉ちゃんとぉ…茉莉花ちゃん…行方不明になってぇ…」

 

私達は昨日のことを三人に話した。

 

大和田「うーん…それは伏、ってやつに連れ去られたってことか?」

紫苑「そういうことになると思う。」

左右田「まぁ…そういうの、噂だって。」

葉隠「安心するべ。」

由李「…もう一度行くよぉ…」

紫苑「流石に見捨てれないから…ありがとうね、三人とも。」

バタバタ…

左右田「…ふーん…ツギはあいつでいいかも。」

大和田「茉莉花と紅葉はこっちにいるしな。」

葉隠「今のところバレてねぇべ。」

三人「…お前らも連れ去ってやるよ。紫苑、由李。」

 

 

ー夕方 森林ー

 

ガサガサ…

紫苑「紅葉さーん、茉莉花ー?」

由李「どこにいるのぉー?」

紫苑「いた?」

由李「いなぁい。」

紫苑「もうちょっと探そ。」

 

紫苑「…ずいぶん奥まで来ちゃった…」

 

暗いなぁ…よく道がわかんないよ…

 

紫苑「…も…」

ガサッ

紫苑「!由李ちゃん、見つかった…っ…?!」

左右田「…よ、紫苑。」

紫苑「そ…左右田…くん?」

左右田「紅葉と茉莉花、探してるんだよなぁ?」

紫苑「…え?」

左右田「これ。わ す れ…」

紫苑「…!きゃああああああああああ!」

ガサガサ…ガサガサ…

左右田「おいおい、獲物は逃げたらだめだろう…がっ!」

紫苑「や…やだ!来ないでっ!」

 

嘘でしょ?!左右田…くんが伏…だなんてっ!ありえないっ…

 

グキッ

紫苑「いっ…たぁ…」

ガサ…

左右田「…紫苑、みーつけた。」

紫苑「や…やだ…こ…来ないでっ…」

左右田「ほら、我慢して俺の側に来いよ。」

紫苑「やだっ…!絶対にいやっ!」

左右田「おいおい…まだ逃げる気かよ…まぁ、どうせ、足挫いて動けねぇけどな。」

紫苑「あっ…!」

左右田「少し、紫苑には寝てもらうぜ。」

紫苑「ううっ…」

 

 

第壱話 終


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