ろくでなし東方   作:ほろ酔いちゃん

24 / 26
人が死ぬ異変、解決できるのはたった一人。
死に場所は一つ。
久しぶりの更新です。次回はすぐに書きます。


腕砲折

 

 とある所に、一人の女がいた。

その女はもうホントーにどうしょうもない奴で、博打は好きだしお酒は呑むし、煙草は一生やめられないし。

挙句返せぬ借金もした。

債務の果てに各地を彷徨い、行く先々ではお祭り騒ぎ。

吸血鬼が住む悪魔の館へ。

冥界にある亡霊の楼閣へ。

月光届かぬ不死の屋敷へ。

全くもって恐ろしい、波乱に満ちた人生だ。

行きが怖けりゃ帰りも怖い、絶倒必死のこの命。

凹凸だらけの道のりは酔いも醒めよう問題だらけ。

その女がいる所では人妖問わずどんちゃん騒ぎ。

自ら起こした騒動で、いつも彷徨う今際の瀬戸際。

女は即ち、ろくでなし。

雨にも負けて風にも負けて、人騒がせな問題児。

だがそんな彼女にも、胸に一つ哲学がある。

 

『無意味に生きるくらいなら価値の有る死を』

 

これから始まるのは、女がこの命題を証明する物語。

誰も知られることのない秘密のストーリー。

 

 

 

 とある秋の日の昼下がり。往来を歩む人々は確かな肌寒さを感じて、少し遠くで待っている冬の存在を思い出し始めた。

ここは寺子屋。

貴子は一冊の教科書をペラペラとめくっていた。

表題は『人間と妖怪』――妖怪について書かれている書物で、言わば妖怪学の入門書である。

妖怪学とは、里の子供達が妖怪に襲われぬようにと慧音が創設した授業だ。

その教師として貴子は雇われた。

妖怪退治屋が人里に入り浸ることは世間的にあまり良しとされていないが、夏に起きた騒動がきっかけでお目溢しを受けている。

また素手で妖怪をぶん殴るなどの噂から、野蛮な印象が強い貴子の授業を受けさせたがらない者も多かった。

だが子供達の笑顔が絶えないと慧音が広めてなんとかやり続けていた。

それは人里が相次ぐ異変で妖怪に対する危機感を感じていたからでもある。

 

 授業では貴子の経験をベースに、妖怪の特性や対処法など様々な事を教えていた。

寺子屋になど通った事のない貴子の教え方は、授業というよりも語り部さんに近かった。

何よりも児童たちを興奮させたのは異変にまつわる話である。

紅魔館で美鈴から修行を受け、一本拳で瓶を貫通できようになったこと。

冥界で三途の川を渡り閻魔や死神と出会い、果てに亡霊の桜を咲かせたこと。

向日葵畑で風見幽香に襲われ、すんでの所で雷に助けられたこと。

嘘のような話の一つ一つが生徒を惹きつけ妖怪に対する興味を持たせた。

恐れるものとして機械的に教わっていた妖怪の、人間じみた日常。

吸血鬼が紅茶を冷まさないと飲めないことや、冥界の剣士が意外と天然なこと。

まるで数式が喋り出したように、少年たちの頭にあった妖怪という概念が命を宿し始めた。

それらが良いか悪いかなど貴子に分かることではない。

ただ妖怪学の発案者たる慧音はその傾向を良いものだと述べていた。

 

 

 あまり教科書を使わない貴子であったが、最近起きた『とある一件』をキッカケに妖怪について今一度学び直そうと考えたのだ。

とある一件とは、博麗神社での騒動である。

大妖怪、伊吹萃香があろうことか博麗霊夢を前にして異変を起こすと宣戦布告したのだ。

聞く者皆が驚天動地の大暴挙。

その動機は、妖怪の立場にあった。

曰く、萃香は世間一般の妖怪への扱いが不服らしい。

異変というのも結局は、人間から恐れられるためだけの行為。

人間ありきで存在しながらえているという情けない現状。

本来あるべき姿は、妖怪が人間を生かし、気分次第でいつでも殺すことができるという力関係だ。

人間に依存した生き方など妖怪にあってはならない。

それをひっくり返してやると萃香は言い捨てて行った。

あの場にいた者は全員、方向性は違えど確かな危機感を抱いた。

そこで貴子は妖怪というものについて知りたいと思ったのだ。

きっかけは単なる興味心からであったが、ごく当然のように溢れている妖怪の事を、妖怪退治屋の自分でさえ何一つ知らないと気づいたのだ。

 

 

 『人間と妖怪』という本を、文字なんてろくすっぽ読めないのに貴子は熱中して読み込んだ。

ある時には慧音に文中で出てきた言葉の意味を聞いたりもした。

慧音から「生徒達に見せたいくらいだ」と半分呆れられるほど毎日、時間をかけてゆっくり読み続けた。

その光景を見た貴子のことを知る人物は皆、頭か心の病気を疑った。

妹紅は本気で永遠亭への受診を勧めてきた。

己が本を読むだけで何故そこまで騒がれなければならんのだと、貴子は少し不愉快に思った。

 

 妖怪について学ぶことは貴子にとって、未知なる発見の連続だった。

例えば貴子の経験則として、闇妖怪に出会った時は近くの石と石とをカチ合わせて打ち鳴らせという物があった。そうすると闇妖怪は逃げていくのだと。

理屈や論法など知らず、ただただそういう物だと理解してきた。

しかし本を読む事で、その理由を学ぶことができた。

闇妖怪が石の音を嫌うのは、火打ち石を恐れているからだ。

あるいは、鬼が豆を嫌うのは……。

頭の悪い貴子が学問に熱中するなど、周りの者からすれば正しく異変であった。

それほどまでに貴子は愚か者と思われていた。

実際愚かなのだから仕方がない。

 

 

 

 ともあれ学びに打ち込んだこの頃は、なんと酒を絶っていた。

意識していたわけではなく、ただ家で読み物に耽っていたら、もう夜が更けていてそのまま眠ってしまうのだ。

本に夢中で酒を飲む暇がなかった。

なんとも『らしい』理由で意図せず休肝日を作ってしまった。

その事に貴子が気づいたのは、体に異変を感じたからだ。

それもいい方向でおかしかった。要するに朝の目覚めが辛くなくなった。

酒を毎晩呑んでいた頃は、アルコール無しでは眠れないと思っていた。翌日強烈な酔いで布団から出られないのもセットであった。

だが今の自分にはそれがない。

むしろ清々しい気分で毎朝を迎えている。

なるほど、酒を止めるとこんなに健康になれるのか。

貴子はそう思い随分と嬉しくなった。

しかしこのウワバミ女、そこで禁酒を続けようとはならない。

ある日の晩、寺子屋での仕事を終え家に帰るなり貴子は何やら棚を漁り始めた。

 

「何を探しているの?」

 

当然のように家に居座っている風見幽香が、ただならぬ様子の貴子に向かって聞いた。

これまた当然のように貴子は答えた。

 

「最近呑んでなかったから、久々に飲もうと思って」

 

一般論だと、せっかく禁酒の効果が出始めたのならそれをモチベーションに続けようとなるものだろうが、この女はそんな事微塵も考えていなかった。

むしろ、せっかくなら元気なうちに呑んじまえという最低の発想に行きついてしまったのだ。

クズの論理である。

幸か不幸か大して物の入っていない棚だから、目的のものはすぐに見つかった。

 

「っと、これこれ。安い割に美味しいんだよな」

 

手に握られているのは残り半分くらいの日本酒瓶。

何処にでもある銘柄だが貴子は好んでそれを呑んだ。

縁の欠けたぐい呑みにそろそろと酒を注ぐ。

酒瓶を机上に置き、楽しげに掌を擦った。

 

「さぁ呑むぞ、今呑むぞぅ」

 

酒のアテなんて高尚なものを買う財力はないので、基本素酒である。

妙に年寄りめいた口上を述べながら貴子の手がぐい呑みに向けられた。

それを掴もうとしたところで――幽香が先に呑み干した。

 

「っな!」

「……辛口。安物ね」

「テメェこのやろう!呑みたいなら自分のを使えよ!」

 

『自分の』が指しているのは幽香専用の食器類だ。

異変が終わった後、気づいたら家に置かれていた。

どれも花柄のモチーフが入っていて妙に小洒落ている。

幽香はますます貴子の家に侵食していた。

 

「まだまだあるんだから、人のを奪るなよ」

「そうね、まだこんなにあるじゃない」

 

そういうと幽香は酒瓶を徐に掴む。

貴子の嫌な予感もひとしお、幽香は注ぎ口から直接ゴクリゴクリと呑み下した。

あまり行儀が良いとは言えない、いわゆるラッパ飲みだ。

静止する間も無くみるみるうちに瓶は空になってしまった。

品行を大事にする幽香がする事とは思えない所業もそうだが、貴子が激昂したのは何より酒を飲み干された事だ。

 

「おいこら幽香、てめぇ何考えてんだっ!」

「……なにもかんがえてないわ」

 

幽香の少し戯けた返事に、貴子の脳血管を迸る熱血は少しずつ冷めていった。

今度は逆に、とある疑惑の念が大きくなっていった。

 

「お前、酔っ払ったのか?」

 

ポツリと貴子は零した。

それも言ってしまえば仕方のない事だ。

幽香は肝臓が五個あるのかと思うくらい酒に強い。

どれだけ強い酒をいくら摂ろうが、まるで素面のようにケロリとしている。

肝の強さにかけて、幽香は伊達じゃない。

しかし、今はどうだ。

たかだか瓶半分程度の酒で呂律が失われてしまった。

貴子ですらせいぜいほろ酔う程度の度数なのに、だ。

幽香の奇妙な泥酔はいささか不可解であった。

 

「すこし、眠るわ」

 

幽香は弛緩した口を何とか動かしてそう言い残し、フラフラの足取りで寝室へと向かった。

地に足をつける事すらままならず、戸棚に頭をぶつけそうになっている。

貴子は幽香に肩を貸して、怪我せぬように導いた。

 

「お前がこんなに酔っ払うなんてどうかしてるぞ」

 

貴子の問いかけに、幽香は黙然として答えない。

ただ顔を仄かに紅潮させてぼーっとしている。

ますます貴子は不安になった。

 

「あの酒に何か盛られたのか……?」

 

自然とそう考えたが、それを確かめるには一滴の酒も残っていなかった。

静かな夜に、幽香の寝息が少しばかり聞こえるのみ。

途端に、貴子は体の震えを抑えられなくなった。

異様な夜だった。

 

 

はたして恐ろしいぞ……私も寝ちまうか?

悪酔いしただけかも知れないし……しかし、萃香だ。

異変を起こすなんて大層なことを言いやがった。

この胸を刺す嫌な予感はなんだ。

何か……音もなく大津波が押し寄せてきているような。

 

 

貴子が思慮に耽っていると、急に家の戸がバンバンと叩かれた。

夜中とは思えぬ騒音に、おどろおどろしい雰囲気が相まって肩が飛び跳ねた。

 

「……誰だ」

 

貴子は外のものにバレぬようそう呟いた。

こんな怪物屋敷に乗り込む馬鹿は、只者じゃない。

罪悪感すら吹き飛んで、居留守を使おうと思った。

できればそのまま何処かへ消えて欲しかった。

しかし戸を叩く音は無作法にいつまでも続いた。

鬼でもやってきたのか、貴子はひどく恐ろしく思った。

しかしもし悪人ならあんなボロボロの戸、蹴っ飛ばして入ってくるのではないか。

その仮説に縋るしかなく、貴子は扉の前が善人であることを心の底から祈った。

玄関に立ち、壊れそうなくらい叩かれる戸の前で右拳を握った。

左手で取っ手を掴み勢いよく開け殴りかかった。

 

「っ!」

 

戸を開けた途端、口に違和感。

目にも留まらぬ速さで口元を押さえつけられていた。

鼻は抑えられなかったので、ひとまず大きく一呼吸。

そこにいたのは華扇であった。

 

「…………」

 

華扇は口に人差し指を当て、喋るなというジェスチャーをした。

貴子はゆっくりと頷き、握っていた拳を開いた。

口から手が離れていき、それから華扇は一枚の紙を取り出した。

そこにはえらく達筆な字でこう書いてあった。

 

『会話は全て萃香に聴かれている』

 

萃香という文字に貴子は驚き、声にならぬよう口元を押さえ付けた。

華扇は紙を裏返す。

 

『博麗神社についてこい』

 

状況を飲み込めない貴子は、もはや従うしかなかった。

 

 

 

 常々賑やかな人里の往来だが、その日は少し様子が違った。あちらこちらから怒鳴り合うような諍いの声が聞こえてくる。

流血事件も多数勃発していた。

何が起こっているのか貴子には理解できなかったが、少なくとも異常事態であるということは嫌というほどわかった。

何が起こっているのかなんて後からいくらでも分かる。

今はとにかく、この状況を解決しなければならない。

妖怪退治屋としての経験がそう告げていた。

 

 

 博麗神社も同じく並々ならぬ様子であった。

平たくいうと、殴り合いの喧嘩があちこちで起きていた。

宴でもやっていたのだろう。

酒の空き瓶やつまみの入った重箱などが散乱している。

しかしそれよりも目に入ったのは、血を流しながら殴り合う霊夢と魔理沙であった。

取っ組み合いになりながら、言葉とも取れない叫びを発している。

その空気感が何より恐ろしく思えた。

 

 

これは異常事態だ。

霊夢と魔理沙が殴り合うのはおかしい。

アイツらがやりあうとすればそれは『弾幕ごっこ』になるからだ。

それに表情がおかしい。

頭に血が昇って冷静じゃなくなっている。

あんな風に殴り合ってたら、洒落にならない怪我するぞ!

それに周りの奴らもなんだ?

止めも入らずゲタゲタ笑って……いつもこんなんなのか?

そんなわけあるか!

酒に呑まれるどころの話じゃないぞ。

 

「おいお前ら!」

「あぁ!?」

「何よアンタ!」

 

少女に似つかわしくない気迫で凄まれる。

さて腕っぷしで止めたってしょうがないぞ、どうする。

つい止めに入っちゃったが、よく考えたら煮えたぎる鍋に身を投じただけじゃないのか?

言葉が通じそうな雰囲気じゃないし、これはかなりまずいのではないだろうか。

辛くも私の予想は的中し、人中をぶん殴られるハメになってしまった。

 

「ぐあぁっ!」

 

年端もいかぬ女の子にぶん殴られて突っ伏す。

打ちどころが悪かったのか、鼻血が滴り落ちた。

周りの者達は愉快そうに笑う。

霊夢達はまたしても殴り合いを始めた。

 

「霊夢」

「あぁ!?」

「良い加減にしなさい」

 

華扇が霊夢の前に立って、軽くデコピンをした。

それだけの一撃で霊夢は気絶した。

同じように魔理沙も昏倒する。

どうやら気付かぬうちに一撃入れられていたらしい。

それだけじゃない。

その場にいた全員が静かに倒れていた。

一体何をされたのかはわからないが、ともかくこの華扇という女はやばい。

私が気絶していないのが唯一の救いか。

 

「貴子」

「いててて……これは一体どういう事だ」

「とりあえず落ち着いて話をしましょう」

 

華扇は落ち着き払って、地面に突っ伏していた私の手を取りゆっくりと起き上がらせてくれた。

服についた土埃を一通り手で払ってそれから華扇の目を見る。

 

「霊夢と魔理沙が殴り合うなんざおかしいぞ。拳での決闘はご法度だろ?しかもこいつらだけじゃない。里全体が血気立ってる。一体何をされた?」

「簡単な話よ」

 

華扇は地面に落ちていた空の酒瓶を一本手に取って、それを私に見せた。

 

「酒になにか細工をされたのでしょう。暴れた者は皆、かなり酔っていた」

「酒だぁ?」

「心当たりは?」

 

心当たりなら、ある。

しかもそれはほぼ確信に近い。

 

「幽香が、酔っ払った……」

「おそらく風見幽香は強大な力で酒に仕込まれた毒を押さえ込んだ。もし幽香が暴れていたら幻想郷は滅んでいたもの」

「けど……里中が暴れ出すなんて、一体何を仕込まれたんだ!?」

「人間を凶暴にさせる事ができるとすれば、それは鬼の妖気。これがおそらく萃香の言っていた異変なのよ」

「……あんの野郎、汚い真似しやがって」

「え?」

「テメェの手を下さずに勝手に傷つけさせあうってのか?くそっ!私はそういうのが一番ムカつくんだよ!」

 

私の幼稚な激昂をしばらく聞き、それから華扇は静かに頷いてゆっくりと語り始めた。

 

「萃香は言うまでもなく大妖怪よ」

「あぁ、そうだろうな……」

 

幽香が眠らされちまったんだから、それはもうとんでもない奴だ。

しかも大勢の人間に一気に危害を加えるなんて、悪質さも残虐さもタガが外れてる。

 

「しかしそれと同時に、妖怪である」

「……どういうことだ?」

「里で妖怪学なるものを教えている貴方ならわかると思うけど、妖怪とはどこまでいっても人間に依存した存在です。そして不器用なのよ」

「……そうだな。吸血鬼は絶対に血を吸わなきゃいけない。ろくろ首は首を伸ばさなきゃいけない。そこに意味なんてない。そういう存在だからそうする、それだけだ」

 

全部最近知ったことだが、知識を証明する材料としての経験は多数ある。

生まれてから今まで、数え切れないくらい妖怪と出会ってきたから分かる。

妖怪達の存在意義は、宿命とも言い換えられるほど人間に依存している。

恐れから生まれ、恐れられるために生きる。

闇への恐怖が闇妖怪になるように。

そして闇妖怪は闇を生み出し人を脅かすことのみを目的として存在する。

 

「萃香とてその理から外れる事はできない。妖怪として決着をつけようとするはずよ」

「妖怪としての決着?」

 

私がそう聞いた瞬間――ヒュンッと鋭い音が鳴り、近くに生えていた御神木に一本の矢が突き刺さった。

バチ当たりな矢には一通の手紙が括られていた。

私は恐る恐るそれを手に取り開いた。

 

『宵三つ、この場所にて待つ』

 

ぶっきらぼうだが達筆な文字からは萃香の性格が読み取れるような気がした。

こんなもん、誘き出し以外のなんでもない。

勢いよく紙を破こうとする手を華扇が止めた。

 

「成程、鬼は鬼なりに考えるものなのね」

「崇高すぎて人間様にはわからん」

「貴子、おそらくこの手紙に書いてある事は本当よ」

「だからなんだよ。嘘も真も一緒だろ。どうしょうもないんだから」

「そうもいかないわ。だってこれは貴方に向けられたものだから」

「……私?」

「現状を整理すれば分かる話よ」

 

現状なんて、そりゃもう整理するまでもなく最悪に決まってる。

幽香含めて誰も彼もが酔っ払っちまって、挙句暴力沙汰が殺到してるんだから。

しかもそれを起こした野郎は鬼ときてる。

希望があるなら是非教えてほしいくらいだ。

ともかくなにより夜がいけない。

私を含む圧倒的大多数の人間は月光の下だと、鬼はおろか妖怪一つに勝てやしないんだから。

闇雲に動くよりかはこのまま朝が来るまでここで大人しくしてるのが得策だと私には思える。

 

「ふむ、貴方は朝まで待つのが正解だと思うのね」

「なっ!なんでわかった!」

「顔にそう書いてあるわ」

「そう易々と心を読むな……しかし実際、朝にならなきゃ何もできないだろ」

「そうね。けどこの異変は今夜で決着するわ。勝敗どちらにしてもね」

「……どういうことだ」

 

華扇は包帯に覆われた左手から一本指を立てて、滔々と語り始めた。

 

「現状を整理するわ。まず一つ目。この異変を解決するのは、貴方しかいない」

「……はぁ!?」

 

待て待て待て待て、いや待ってくれなきゃついてけない。

この異変を解決するのは私だ?

異変を起こす事はあっても解決なんて出来るわけないだろ!

そういうのは霊夢の……いや、霊夢は酔っちまってるのか。

なら魔理沙……そうか魔理沙もだ。

というか、そうなってくるとこの場にいる奴は全員使えないじゃないか。

しかし……。

 

「美鈴とか、幽々子とか……この場に居なくとも強い奴らはいるだろ!」

「そうね。貴方より強い者を数えた方が早いでしょう。でも駄目なのよ。確かに美鈴や幽々子は酔ってはいないわ」

「なら……」

「でも、風見幽香を見たでしょう?酔わずとも動けなくなってるのよ。それに、美鈴達には動けない理由がある」

「理由?」

「美鈴は咲夜、幽々子は妖夢。その他の者も、皆人質を取られているのよ」

「人質だって……?」

「えぇ、それを踏まえてここからが二つ目の問題よ」

 

私は華扇のペースに飲み込まれ、何も言えず固唾を飲みおろした。

 

「もし今夜中に異変が解決できなければ、幻想郷中の人が死ぬわ」

「……はぁ!?」

 

おい待てよ、話が飛躍しすぎてるだろ!

何でそんな大問題にまで発展してるんだよ!

 

「簡単な話よ。どんな実力者とて、酒を飲んだ者はみな酔わされているわね。そんな芸当を可能な者がもし本気で殺しにかかったら?」

「……まさか」

「そうよ。今晩に酒を飲んだ者は皆死ぬでしょう。そして残念な事に、今酔っていないのは私と……貴方だけなのよ」

 

私はその一行を聞き、理解し、それから神経が吹っ飛びそうになるのを恐怖で抑えた。

それから一つ、違和感とも呼べないお粗末な質問を華扇に投げつけた。

 

「酒を呑んでいないとは言うが……私が呑んでないのはほんの偶然だぞ。口の真ん前まで酒を持ってきてたんだから」

「大方、幽香にそれを横取りされたんでしょう」

「なっ……なんでわかった」

「萃香は陰湿な妖怪なの。風見幽香が酒を飲み干すところまで読み切ってるわ」

「……なんて野郎だ」

 

今回ばかりは……本気でやばい奴が敵なんじゃないだろうか。

一人残らず酔わせちまうなんて……。

そして、酔っていないのは私と華扇だけ……っていう事は。

ようやく理解したこの異変の恐ろしさを、口に出すのも慄きながら呟いた。

 

「つまり、幻想郷中の奴らが……人質か」

「そうなるわね」

 

幽香並みの大妖怪を酔わせちまうんだから、萃香が本気を出せば全員殺す事だってできるだろう。

今それを解決できるのは、酒を飲んでいない者。

そしてそれは私と華扇だけ。

美鈴や幽々子……あるいは永琳だって、人質を取られてるんだ。

咲夜にしろ妖夢にしろ鈴仙にしろ……皆漏れなく酔わされちまった。

くそ……妖怪のくせに何から何まで周到すぎる。

何が目的なんだ。

幻想郷の全員が……人質。

 

「……なぁ萃香、聞こえてるんだろ?お前……一体何が目的なんだよ!なぁ!皆まで巻き込んでこんな目に合わせて!お前は一体何がしたいんだよ!」

 

私の激昂は情けなく不穏な夜空に溶けていった。

華扇が私の肩に手を添え、それから力強く言った。

 

「私が代わりに答えましょう。萃香の目的は一つよ」

 

返事をするのすら今は苛立って、私は仕草で先を促した。

 

「こんな大それた異変を起こしてまで萃香が求めたもの。それは、強き人間との純然たる殺し合い」

「……だとしたら何で私が残された。強い奴は他にいるだろ!」

「おそらく萃香は貴方の事を気に入っている。それでいて、貴方のことが認められないのよ」

「……どっちも意味が分からん」

「これは貴方には分からないでしょうけど、貴方はどことなく百年前の人間によく似ている」

「百年前の人間だ?」

 

私がそういうと、華扇はふと今の状況に似つかわしくない柔らかい笑みを浮かべた。

その顔はまるで遠い思い出を懐かしむような表情だった。

 

「酒飲みで、粗暴で、金もないのに博打好きで、学もないのに偉そうで。素手で妖怪を殴り飛ばし、大股で街を歩き、日々を退廃的に生きてるんだもの」

 

華扇は優しく笑って。

 

「本当に、貴方って良い人間だわ」

「いや全部貶してたぞ」

「ともかく貴方のその生き方は萃香……いや、古い妖怪なら皆思う所があるでしょう」

「なんだそれ……そんなの私が知ったことかよ。私は今を生きる若乙女だぞ」

「うふふ……昔、貴方によく似た者がいたわ。その人もよくそんな事を言ってた。私は花もたじろぐ乙女ってね」

 

こんな絶望感な中で、それでも華扇は笑った。

静かな涙すら流しそうになって。

 

「萃香も懐かしかったんでしょうね。昔からあの子はよく人間と殴り合ってたから」

「……いや知らないって」

「それで思い出していくにつれて、多分現状が嫌になっちゃったのよ」

「こんな素晴らしい世の中にか」

「えぇ、それも貴方のせいなのよ」

「……何で私が!?」

「どんな大妖怪だろうと貴方は馴れ馴れしく踏み込んで馴染んでしまう。人間の身にありながらも」

「いやそれには深い訳が……」

「きっかけは何だって良いのよ。妖怪と人間が仲良くやってるのが萃香は気に入らなかった。あの子に昔を思い出させたのも今を憂いさせたのも、貴方が居たからなのよ」

 

……いや私関係ないだろ。

レミリア達と知り合ったのだって、別に私の意思じゃない。

借金のカタに売られただけだ。

そりゃ何の巡り合わせか仲良くなったけど。

そんなの私の勝手だ。

私の生き方で不服を感じるのは自由だけど、皆を巻き込んで……なんて大それた事しやがる。

 

「いや待て……となると萃香がこんな事しでかしたのは、私が色んな妖怪らと仲良くしてたからってか?」

「えぇ、霊夢や魔理沙とはまた違って、貴方は妖怪と生活を共にしてるんだもの」

「となるとこの異変の原因って……」

「実行犯は萃香だけど、元を辿れば貴方かもね」

 

……なんだと?

ちょいとまいっちんぐだ。

どうしてこうも私と関わった奴らってのはオイタが過ぎちまうんだ?

私がそうやれって指示したか?

幻想郷中の人間が直接命の危機に瀕する程の凶悪な大異変。

残忍な事をしでかす大馬鹿野郎。

面識もないそいつを駆り立てたのがもし……もしも私なら。

そんなの腹切ったって詫びられない。

あぁ、みんなに合わせる面がない……。

 

「恐らく萃香は、妖怪を代表して、人間代表の貴方と殺し合いたいのよ。貴方が萃香と戦えば、人間達は解放されるかも知らない。でも貴方は死ぬでしょう」

「望みがなさすぎる……」

「貴方が勝てば全て収まるわ」

「……良いか華扇、お前なら分かるだろ。相手は鬼だぞ?並の妖怪じゃない、鬼って奴だ。雑魚妖怪の時すら逃げる方法しか教えられない私がどうして鬼に勝てるんだ?」

「そうね、これは萃香の意地悪でしょう」

「ふざけろ……これも何もぜんぶ意地悪だろうが」

 

華扇は深刻そうな声色で私に告げた。

 

「もし貴方が逃げだせば、貴方は生き残るわ。その代わりに幻想郷中の命は助からないけど」

「……私だけ確実に助かる道があるってか」

「えぇ、どちらを選ぶのも貴方の自由よ。逃げ出して皆の屍の上に生きるか、挑んで皆の為に死ぬか」

「そりゃ随分な二択だ。全く……萃香はとことん優しい野郎だ」

「え?」

 

大きい瞳を丸々とさせながら私を見つめる華扇。

やさぐれた女が一人その瞳に反射して映った。

 

「私はずっと思ってたんだ。こんな日がくれば良いって。みんなのお陰で生きてこれたこんな私だから、みんなの為に死ねたら良いなって」

「一体どういうこと?」

「好きな言葉がある。無意味に生きるくらいなら価値の有る死を……ってさ。私はこれからの数時間だけを生きる。それから皆の為に死ぬ。こんな据え膳、食わないなんて手はないよな」

「……随分と自分の命を軽く見てるのね」

「違うよ。命の重みは嫌なほど知ってる。だから幻想郷の全員の命なんて捨てられない」

「……人間らしからぬ覚悟ね」

「もし萃香に立ち向かったって、殴り合いにすらならないだろうな」

「それは貴方次第よ」

「私次第じゃないさ。決まってる事だ」

 

そうだ。

この世に偶然なんてないのかも知れない。

全部筋書きは決まってて、そこに私達の意志なんて無いのだろう。

神の悪戯か悪魔の慈悲か。

皆に苦労をかけて生きてきたこんな情けない私に、とっておきの死に場所が設けられた。

多分今日死ぬために、私は今まで生きてきた。

くだらない人生だったけど……良い人生だったな。

全部決まってる事だ。

だけど……それでも望みを言って良いのなら……。

この期に及んで我儘が許されるのなら……。

 

「華扇……」

「なに?」

「死にたく、ないっ……」

 

私は拙い口元でもう一度繰り返した。

 

「生きたいっ……!」

 

あぁ……なんてこったろうな。

私はとことん情けない奴だ。

とっとと覚悟を決めちまえば良いのに、こんな所で。

これ以上ない最高の死に場所で何を足踏みしてるんだ。

私の中に居る、やたら冷めてて全部諦め切ったどうしようもない部分がさらさらと戒名を探す。

諦観が私の全てだったのに、どうやらここまで弱くなってしまったそうだ。

あぁ、馬鹿らしいったらありゃしない。

私って奴は唯一心に決めていた覚悟さえろくすっぽ守れない腑抜けた間抜けになっちまったらしい。

うじうじ悩む情けない人間よりかは、物言わぬ人形の方がマシだろうな。

誰がなんと言おうと死ぬことが私の生きる意味だ。

それはもうわかってる。

だのにどうして、ここまで未練がましく躊躇して、死に場所すら選り好みしているんだ。

右も左も闇しかない岐路に立って、今更何が死にたくないだろうか。

なぁ、私よ。

お前は今まで自分が生きるために、いやそうでなくとも多くの命を殺してきた。

数えきれない尸の山に立っているんだぞ。

なぜ今更生きたいと願う。

死を嫌う。

一度死んだ身で、何を恐れることがある。

生きるだけで迷惑者のお前が皆の足場になれる僥倖を断る理由などないだろうが。

 

……違う。

 

違わないけど、大間違いだ馬鹿野郎っ……。

皆と会えなくなるのが怖いんだろう。

私は今の生活を、それはもう随分と気に入ってしまったらしい。

そして失う恐怖を知ってしまった。

紅魔館も白玉楼も永遠亭も、あの世もこの世も全部……全部が私にとってかけがえのないものなんだ。

幽香だってそうさ。

どれだけ嫌われようが、石ころぶつけられようが、私はこの命が好きなんだ。

幽香と飯を食って、寺子屋で下らないこと教えて、夜はちびちび酒を呑む。

そうやってみんなと生きる未来を失ってしまうのが、私は何より恐ろしい。

こんな気持ち、知らなかった。

未練だ。

覚悟なんて未だ練りきねていない。

皆の尸の上に私がいるんじゃない。

皆の思いやりや優しさが、私そのものなんだ。

どれだけ最高の死に場所でも死ぬ意味でも、私自身を否定するような真似、できっこない……。

 

「貴子……」

 

不意に華扇の声が包み込むように響いた。

それから華扇は何も言わず、私の目元を拭った。

 

「その涙の意味は、問わないでおきます」

 

……どうやら私は、泣いてるらしかった。

気がついてしまうともう止めどなく、嗚咽はいつまでも続きそうだった。

月だけが明るい嫌な夜だった。

 

「貴方の口から死にたくないと聞けて、ようやく安心したわ」

「嫌味か?」

「正味よ。もし貴方がこの期に及んで死んでくるなんて言うんだったら、正直失望してたもの」

「……何でだよ」

 

死のうが生きようが私の勝手だろ。

今回は……気まぐれで死にたくなかっただけだ。

 

「馬鹿者!」

「いでっ!」

 

私のほっぺに手のひらサイズの紅葉が咲いた。

 

「目は醒めた?」

「ってめぇ何しやがる!」

「どうせ、今回は気まぐれで死にたくなくなっただけだ〜とか思ってたんでしょう!」

「そ、そんなこと……」

 

なんだってこういう手合いは心をズバリと読み当ててきやがるんだ!

なに考えたって私の自由だろうが!

 

「どう考えたって私の自由ねぇ……どうやら紅葉が足りないようね!」

「だからそう易々と心中を……っいた!」

 

このアマ……地獄であったら覚えとけよ。

ぶちのめしてやっからな。

 

「私をぶちのめせるのなら、萃香もぶちのめせるわ」

「……お前は私と脳みその共有でもしてるのか?」

「思考が顔に出過ぎなのよ」

「……ちょっと待っとけ」

 

私は神社の中にある霊夢の住まいへと走った。

とあるものを取りにいったのだ。

 

 

「すまん、待たせた」

「いえいえ……って、その顔は何のつもりですか」

「顔を見られてたら話にすらならんからな」

「だからって……わざわざそんな事までしなくても」

 

ばーかばーか。

 

「……どうかしましたか?私の方をジロジロ見て」

「どうやら効果ありみたいだ」

 

良かった、これで集中して話ができる。

いや普通に考えて読心術を持ってるような奴はいないんだがな……何故か私の心は読みやすいらしい。

たぶん平仮名ばっかで書かれてんだろうな。

しかし予想外に効果的面だ。

わざわざひょっとこのお面を被っただけの事はある。

 

「さて……心境は悟られなくなったとはいえ、悟りっぱなしの死期がどうにもなっちゃいない」

「そうね。現状のままなら絶対死ぬわ。しかし貴子、貴方は運が良い」

「幸運なんて生まれて初めて言われたよ。鬼に目つけられてこの世界と引き換えに死ななきゃならない人間はそりゃラッキーだろうけどな」

「……さっきまでのテンションはどうしたのよ」

「いや、嫌だってことを認めたら気分が楽になってな」

「もういっそさっさと死んで来なさい」

「どのみち死ぬさ」

「良い根性してるわね……まあ良いわ。ここからが本題よ。私としても世界を救おうとする勇気ある人間を黙って死なせたくはない。そこで貴方に最大限の力を与えることにしたわ」

「……よくわからん」

「簡単な話よ。鬼と対抗できる力を貴方に与えるわ」

「……なんだって!?」

 

鬼とタメはれるようなパワーだと。

そんなのがあったら死なずに済むのでは?

 

「……期待に満ちた視線を裏切りたくはないのだけど、この力には欠点があるわ」

「だと思ったよくそったれ!」

「欠点は一つ。この力は……あまりにも強すぎる」

「……それって良いことじゃないのか?」

「もし貴方がこの力を使って何かを殴れば、強すぎる力によって殴った対象はもちろん、貴方の腕も消し飛ぶでしょう」

「……あぁ!?」

 

隻腕になっちまうのか!?

まだこの右手には働いて欲しいんだけど。

 

「それに連発はできない。貴方の体に宿すのならば、一撃が限界よ。しかしたったの一撃、萃香に当てればギャフンと言わせられるわ」

「それが……勝ち筋ってのか?」

「そしてこの一撃は初撃になるでしょう。一般人がそうそう鬼に攻撃を当てられるわけがないのだから」

「そんなの、博打じゃねえか!」

「だから五分五分なのよ」

「……鬼相手に、五割で勝てるのか?」

「えぇ」

 

真っ直ぐに頷く華扇。

多分、本当のことを言ってるんだろう。

五割で死ぬ。

ずいぶん上等だ。

博打に生きた私が、博打に死ねるなんて。

 

「よし……覚悟はできた」

「……貴方はやはり、歪んでる」

「あ?」

「死ねと言われて死ねる人だから言わせて欲しい。どうか、生きて帰ってきて」

「もちろんだこのやろう!」

 

やけくそになりつつある私の前に、華扇は何かが並々注がれたコップを置いた。

匂いでわかった。

これは酒だ。

 

「呑みなさい」

「……何だこれ」

「飲めば鬼とも張り合える、文字通りのおにころしよ」

「本当にこんなのが効くのか?」

「試せばわかるわ」

 

そういうと華扇は指先にそのおにころしとやらを着け、私の口元へ運んだ。

お面を剥がれ、有無を言わさず私はそれを舐めさせられた。

つまり華扇の指をだ。

 

「……無駄に良い酒だ」

「試しにその辺の木でも殴ってきなさい」

「……殴れっつってもなぁ」

 

体に全く変化らしきものはない。

口の中に華扇の指の感触が残っているだけだ。

私は立ち上がり、境内の端へ歩いた。

そこに生えていた群樹から一本選び、左手で狙いを定めた。

 

「効果を発動させる時には、心の中でこう唱えなさい。『スマッシュ!』と」

 

厳かな雰囲気の華扇には似合わないアメリカンな言葉。

私はやっぱり半信半疑で唱えた。

 

「……スマーッシュ」

 

――山からまるごと一列木が消えた。

私の左手は健在だ。

 

「まじか……なんだこりゃ!」

「一滴でこの威力とは、貴方の体は随分適性が高い。さあグイッと飲んで、鬼退治!」

「こりゃあ……恐ろしい事になってきたな。五分五分なのも頷ける」

 

私はもはや恐怖と仲直りして、勢いよくおにころしを飲み干した。

体の奥底が煮えたぎるように熱くなる。

静かな境内、灯籠で映る影が妖しく揺らめいた。

一世一代の鬼退治が、始まる音がした――。

 




腕砲折、わんほうおる。
鬼退治と貴子の信念、次回は激しさ満点にしたい。
最終回がもうすぐそこです。
pixivの方に読み切り書いてまーす。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。