バカとテストと召喚獣 PA18外伝   作:Mr.ペンギン

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~前回のあらすじ~
3回戦後の休憩時間、明久はトイレに行っていたが、そこからAクラスの教室に戻る道中に突如島田と姫路に襲われる。暴力に苦しむ明久だが、そんな明久を救いに優子が駆けつけ、島田と姫路に手をあげた。これを面白く思わなかった2人は今度は標的を優子に変え襲い掛かろうとしたが、明久が身を挺して優子を守った。その後西村先生が島田と姫路を回収し、雄二と光輝が明久を教室に連れ戻した。その後、優子は明久に恋心を抱いていることを自覚し、2人とは違って正当な方法で明久を振り向かせてみせることを密かに心に誓った。そして教室の戻ると、光輝と夏海が明久を治療しており、そこでこの2人が世界から認められた凄腕の医師であると言う衝撃の事実が発覚したのであった。


第伍話 決着

光輝「取り敢えず一段落付いたなん訳じゃが…って何でFクラス陣営が3人だけなんなら??」

 

処置をした後に道具の片付けを終えた光輝は、ふぅと一息ついた。明久の処置に余程集中していたのか、周りを見渡して初めてFクラス陣が明久を除いて3人しかいなくなっていることに漸く気付いた。

 

秀吉「聞くでない…。世の中聞いていいことと聞いてはならんことがあることを覚えておくのじゃ…。」

 

康太「……我がクラスながらみっともない…。」

 

雄二「まぁ色々あったんだよ…。気にしないでくれ。んなことよりおい明久、お前自身はもう大丈夫なのか?」

 

明久「うん。しばらく安静にしてれば良くなってくるってさ。」

 

康太「……良かった。」

 

秀吉「本当に、一時はどうなる事かと思ったぞい…!」

 

光輝「さて明久よ。その容態で立ちっぱなしはあまりよろしくねぇ。大人しゅうせぇ。」

 

明久「大丈夫大丈夫っ!問題ないって、いっ!?」

 

彼は両腕を軽く振って元気になったことをアピールしようとしたが、それが裏目に出て痛みが走った。その様子を見て、光輝と夏海が顔をしかめる。

 

光輝「ばかたれが、怪我人が何を言うか!んなすぐに治るわきゃあねかろうが…!」

 

明久「うっ……。でも…。」

 

夏海「医者の言う事は絶対じゃ。ほれ!何か座るモンでも用意しちゃるけぇ、分かったら大人しゅうしとれ!」

 

明久「う~ん…、分かったよ。」

 

やられることに慣れてしまっている性分からか、特に怪我を何とも思っていなかった明久だったが、流石に医師である2人から咎められてしまい、大人しくすることにした。1人の人物は、この状況を見逃さなかった。

 

 

 

~優子side~

 

この時を待ってたわ!早速吉井君に近付けるチャンスが来たっ!

アタシはすぐさま自分の席から椅子を取ってきて、吉井君に近付く。今よ、行っけぇーアタシっ!!

 

優子「吉井君。アタシので良かったら座らない?」

 

明久「木下さん。気持ちは嬉しいけど、僕なら本当に大丈夫だから…ね?」

 

吉井君って、ホントに慎ましい人なのね。でもアタシは諦めないわよ!

 

優子「ダーメっ!中岡君達の言う通り体を労らなきゃダメなんでしょ?だからこれにでも座ってなさいっ!貴方が気にしなくてもアタシが気にしちゃうの!」

 

明久「そうかもしれないけど、女の子の椅子に座るのってどうかなって思うし…。」

 

中々折れないわね……。こうなったらこっちも意地よ!

 

優子「そんな事は気にしなくて良いわよ!だから遠慮なく座って。ね?」

 

少し無理矢理過ぎたかもしれないけど、別に問題ないわよね…??吉井君はしばらく考え込む素振りを見せる。そして、出した決断は…。

 

明久「う~ん…。分かったよ。木下さんがそこまで言うなら…、座らせてもらっても良いかな…?」

 

キター!!アタシは勿論とばかりに了承した。

 

優子「当たり前でしょ?さ、どうぞ。」

 

明久「ありがとう。なら、少し借りるもらうね。」

 

そう言って吉井君が遂にアタシの椅子に座った。キャー!吉井君がアタシの椅子に座ってるー!これで椅子に座るのが楽しみになったわね…。って、それは流石にはしゃぎ過ぎかしら…?う~んでもまだ何か足りない気がするわね…。…あっそうだ!

 

優子「そうだ吉井君!さっきのこともあったし疲れたでしょ?備え付けで飲み物あるから取ってこよっか?」

 

吉井君は目を丸くした。あちゃー、これは流石に欲張り過ぎたかしら…。

 

明久「ありがとう!じゃあ、お願いしちゃおっかな。」(にこっ)

 

優子「///!!」

 

ちょ、ちょっと吉井君!!いきなりそんな笑顔を見せるなんて反則じゃない…///ま、まぁでも!攻めてみた甲斐はあったってモンよねっ!!////

 

優子「わ、分かったわ!取ってくるわね…//良い!?ちゃんと大人しくしてる待ってるのよ!?」

 

はぁ~いって言う吉井君の声を背に、アタシは飲み物を取りに行った。吉井君と自分の飲み物を持って吉井君の所へ戻る途中に、何故か夏海と愛子がニヤニヤした表情を浮かべてアタシの所に来た。

 

夏海「いひひっ!の~優子~♪あんた、明久に気があるんか♪」(ニタニタ)

 

優子「ふぇっ?!い、いいいきなり何よっっ!?」

 

愛子「まったまた~♪分かってる癖に~♪優子ってば可愛い所あるよね〜♪教室に戻って来てからの優子、完全に恋する乙女の顔だったよ~♪」(ニヤニヤ)

 

うぅっ…………!!何でよりにもよってこの2人にバレるんだろ…?アタシそんなに分かりやすいかな……??何か考えたら恥ずかしくなってきたわ……。///

 

優子「い、良いでしょ別に!それより愛子、貴女次の試合出るんでしょ!頑張りなさいよねっ!!」

 

吐き捨てるようにそれだけ言って、アタシは吉井君の所へ戻った。さっきのやり取りを遠目から見ていたのか、吉井君はきょとんとしていたけど、特に何か気にする様子はなかったわ。そのきょとんしてる吉井君がかわいいって思ったのは内緒よ……///

 

そして、後半戦開始を告げるチャイムが鳴った。

 

~優子sideout~

 

 

 

~愛子side~

高橋「それでは、只今より四回戦を始めます。選手は前へどうぞ。」

 

ボク達の担任の先生である高橋先生が一騎打ちの再開を宣言したら、小柄な寡黙そうな男の子が立ち上がった。多分あの子がムッツリーニ君だね…。

 

康太「…行ってくる。」

 

Fクラス陣営(と言っても、坂本君と優子の弟君と吉井君しかいないケド…。)にそう言い残してフィールドに上がってきた。ボクも同じようにフィールドに上がってムッツリーニ君と対面する。

 

愛子「へぇ~、君が僕の相手か~。よろしくね~♪」

 

一応挨拶がてら声をかけてみるけど、ぶっきらぼうに「…よろしく。」って返してきただけだった。「ムッツリーニ」って言う通り名にある通り寡黙な子だね。

 

高橋「教科は何にしますか?」

 

康太「…保健体育。」

 

やっぱりそう来たか~…。『保健体育だけなら学年で右に出るものはいない』って噂は確かに聞くけど、それはどうカナ?っと、その前にやっておきたいことがあるから試しに先にそれやってみよ♪もし噂通りなら、最高のリアクションが期待できるよね!

 

愛子「キミぃ~保健体育が得意なんだ~。ボクも得意なんだよ~。但しキミとは違って、実技でね♪」

 

康太「……実技!?(ブシャァァー!)」

 

何を想像したのか、ムッツリーニ君は大量の鼻血を噴出して仰向けに倒れ込んじゃった。アハハ♪予想通り、いやそれ以上に面白い反応してくれるね♪

 

寛定「はわわわわっ!大丈夫だべが康太屋~!?」

 

そんなムッツリーニ君に慌てて駆け寄るヒロ君。うわー何か健気だね~…。そしたらムッツリーニ君が鼻血を拭いながらすくっと立ち上がった。自分からやっといてアレだけど大丈夫だったのカナ…?

 

康太「…問題ない。」(ドクドク……。)

 

寛定「んな鼻血まみれで言われても説得力が全くねぇど…。」

 

あはは~♪ちょ~っとからかいすぎちゃったカナ~??2人してコントをやってるみたい♪

 

高橋「2人共よろしいですか?早速始めて下さい。」

 

おっと、流石に遊びすぎちゃったっぽいや。さ、ここからは気持ちを切り替えなきゃ!

 

康愛「「サモン!」」

 

保健体育

Aクラス Fクラス

工藤愛子 479点VS土屋康太 ―点

 

点数が表示されたけど、何故かムッツリーニ君の点数が中々現れない。どういうことだろ…?って、考えてる場合でもないかっ!

 

愛子「実践派と理論派、どっちが強いか見せてあげるよ。バイバイ、ムッツリーニ君!!」

 

自分の召喚獣にムッツリーニ君の召喚獣に突撃させる。けど、さっきまでそこにいた筈のムッツリーニ君の召喚獣がいなかった。………え??

 

康太「…加速完了。」

 

ムッツリーニ君がそう言った直後、突然ボクの召喚獣が消滅しちゃった…。な、何……?今、何が起きたの………?!すると点数が再び表示される。

 

保健体育

Aクラス Fクラス

工藤愛子 0点VS土屋康太 658点

 

そ、そんな…。こんないとも簡単に負けちゃうなんて……。柄になくショックを受けた…。何が起こったのか未だに頭の整理がつかずに、力が一気に抜けてその場にガクッと膝をついた。

 

愛子「そんな…っ!こんなあっさりやられちゃうなんて…。ボク、あんなに頑張ったのに…。無駄…だったの…?」

 

侮ってたワケじゃないけど、流石にショックが大きすぎるよ……。点数だけでもあんなに差を付けられちゃってるし…、保健体育だけは誰にも負けないって信じて疑わなかったのに……。色々とショックで泣きそうになるボクの所に、さっきまで対峙していたムッツリーニ君が歩み寄った。

 

康太「……そんな事はないぞ。現にお前はAクラスにいる。…それがお前の努力の証じゃないか…!…俺みたいな出来損ないとは全然違う!…今回の一騎打ちの結果がどうであれ、自分で頑張ったならそれで良いんじゃないのか?」

 

そうボクを激励してくれるムッツリーニ君の顔はやっぱりちょっとぶっきらぼうだけど、それでもボクのことを認めてくれて、物凄く嬉しかった…!どうしよう、今度は嬉しくて泣いちゃいそうだよ…!でもここは涙なんてナシナシ!!負けちゃったものは負けちゃったんだし、結果はちゃんと受け入れなきゃね!

 

愛子「ムッツリーニ君…!!…ありがとっ!何か吹っ切れたよ!」

 

康太「…そうか、ならば良かった。」

 

愛子「///!ホントにありがとねっ!」

 

さっきまで無表情だったのに、急に笑っちゃってびっくりした!と言うかボクどうしたんだろ…??その笑顔を見たら、急にドキッとなっちゃったんだけど…?

 

康太「…俺は自分の思った事を素直に言っただけだ。もしお前の努力を笑う奴がいたら、この俺が吊し上げてやる。…だから、自分の努力に誇りを持て。」

 

愛子「っ!?///」

 

も、もぉおぉ~~!!//どうしてボクが今一番欲しい言葉をそんなにぽんぽん並べてくれるの…!それにさ…、また胸がドキッとしちゃてる…。こ、これって……??

 

 

 

……ああそっか。これって優子が吉井君に向けてるものと同じものなんだ…!ボク、ムッツリーニ君が好きになっちゃったんだ…///だってだって!!確かにちょっと不愛想な所はあるけど、ボクの努力をあんなに評価してくれて嬉しくない訳ないじゃん!!普段口数が少ないけど、あんな優しさを向けられて好きになっちゃうに決まってるじゃんか…//あはは……。こりゃ優子のこと、もう弄れないや…。

 

そうしてボクが陣営に戻ると、夏海と優子がニヤニヤした表情を浮かべてた。ちょっと待って…?まさかとは思うケド…!

 

優子「ね~愛子?アンタ実は土屋君の事が好きになったんじゃないの~?」(ニマニマ)

 

きゃあぁーーっそのまさかだったーーーっ!!!なっちーはともかく、優子はさっきの件もあるから余計に良い顔してるよーーーっ!

 

愛子「ふぇっ!?な、何さ急に!?」

 

夏海「お~お~愛子ぉ~…♪アンタも人の事言えん様じゃの~♪ほれ、誰にもバラさんけぇ正直に言うてみ~?うりうり〜♪」

 

愛子「え、えっと………!だって…、その…!!」

 

もーー!2人共やめてーーっ!

 

それもこれもムッツリーニ君のせいだ!勝負で負かすだけじゃ飽き足らずに、ボクの気持ちまで奪ったんだもん!当然覚悟の上だよね♪他の女の子を撮ったりするのは良いケド、ムッツリーニ君の身も心も奪ってみせるだから!!その時は実技のこともいーっぱいするから覚悟しといてネ、ムッツリーニ君っ♪

 

~愛子sideout~

 

高橋「では五回戦を始めます。選手は前へどうぞ。」

 

高橋先生がこう告げると、最終戦を控えていた双方の対象がフィールドに姿を現す。

 

雄二「んじゃ、行ってくるか。」

 

翔子「…(すっ)。」

 

高橋「教科は何にしますか?」

 

雄二「日本史で、小学生レベルの百点満点上限ありだ。」

 

高橋「そしたら問題を用意します。では、二人は視聴覚室でお待ち下さい。」

 

雄二と翔子は教室を後にした。そんな2人を、双方は固唾を呑んで見守る。

 

 

30分後、テストを終えた二人が戻ってきた。

 

高橋「お待たせしました。では結果を発表します。」

 

Aクラス Fクラス

霧島翔子 98点VS坂本雄二 51点

 

高橋「勝者、Aクラス!」

 

翔子「…雄二、私の勝利。」

 

雄二「あぁ…、分かってるよ…。」

 

翔子「…と言うわけで、約束。私と付き「ちょいと待った~!」?」

 

翔子が最後まで言おうとした時、夏海が割って入ってきた。

 

夏海「急に割って入るようですまん。ちょっと良いか翔子。」

 

翔子「…何?」

 

夏海「その約束とやら…、アタイに使わせてくれんか?大丈夫、翔子だけじゃのぅて優子とか愛子にもメリットはあるけん。」

 

突然の要望に、翔子も雄二も驚いていた。

 

翔子「…?…物による。」

 

夏海「あんな~、美月とかウチの他のメンツとも話したんじゃが…。」

 

そこから先の内容は翔子にしかわからなかった。夏海が翔子に耳打ちをし始めたからだ。それを聞き終えた翔子は、少し考えた。そして―

 

翔子「…そこまで言うなら分かった。…私は問題ない。」

 

夏海「助かる!ほいじゃあ…」

 

夏海は雄二や明久達に向き直り、先程耳打ちした内容を伝えた。

 

夏海「明後日の日曜日、アタイらでパーッと交流会でもやろうや!これがアタイの命令じゃ!!」(ペカーッ!)

 

それを聞いた明久達は少し驚いたがみんな賛成した。

 

明久「うん!良いけど、どこに行けば良いかな?」

 

美月「そだね~…、特に考えてなかったけど9時に駅前の噴水広場に集合って事でどう?」

 

明久「うん。分かったよ。」

 

雄二「噴水広場だな?承知した。」

 

康太「…了解。」

 

秀吉「たまにはそう言うのも良いのぉ。」

 

翔子「…楽しみ。」

 

優子「友達と集まって出掛ける何て久しぶりね。」

 

愛子「今からもう楽しみだよ~♪」

 

と、ここで光輝達がテーブルの上にジュースやお菓子をセットした。

 

光輝「さて、Aクラスが勝利したけぇ一つ宴でもすっか!」

 

和博「おーせやな!ドーンとやろうや!」

 

純忠「っしゃあ!盛り上がっとか!」

 

宴をしようとしている光輝達に、優子が近付いてきた。

 

優子「ねぇ。良かったらアタシ達も混ぜてくれない?」

 

ピシッ。空気が再び緊迫に包まれた。それもそのはず、優子は当初光輝達と対立していたのだから。光輝達は、やや険しい表情になった。

 

光輝「おんどりゃあ貴様…、あん時わしらに何て言っちょったんなら…?あんだけ言いやがって…!」

 

優子や彼らに対立していた他の生徒達が焦り始める。

 

光輝「わしらがその言葉をどんだけ待ち望んじょったと思ぅちょるんじゃあ?」

 

その言葉を聞いて、優子達の焦りは驚きに変わった。それと同時に、光輝達は満面の笑みを浮かべた。

 

和博「わいらを待たせた落とし前、きっちりつけてもらうでっ!」

 

純忠「おはんら、早く好きなモン持って来るばい!乾杯して、宴を始めるとよっ!!」

 

彼らの言葉で皆一斉にコップを手に取り、ジュースを入れた。勿論明久達もだ。

 

和博「ほな、我らAクラスの勝利と和解、それに明久達の大健闘を祝して~!」

 

『『『『『乾杯~!!』』』』』

 

皆で盛大に乾杯をし、盛り上がった。

 

『吉井、これ旨いぞ。食べてみてくれ!』

 

明久「えっ、本当?ありがとう!」

 

『坂本ーっ!お前らの事を悪く言ってごめんよーっ!ウォーっ!』

 

雄二「なぁに、気にすんなって。分かったから号泣すんな…。」

 

それまで学力、もとい結果が第一としかみていなかったが、明久の優しさに触れ、Aクラスの雰囲気が大きく変わった。そんな様子を見て、一部の者は安堵の息を漏らした。

 

夏海「ウンウン、こうでなくっちゃ。」

 

寛定「一時はどうなるかと思ったど~。」

 

菜々実「はい…!皆さん仲良くなれて良かったです……♪」

 

愛子「ホントに良かったよ~。」

 

利光「正直、これに関してはどうにもならないと思っていたけど、結果オーライだね。」

 

そして翔子は、明久に歩み寄った。

 

翔子「…吉井。」

 

明久「ん?どうしたの?」

 

翔子「…ありがとう。私、どうしたら良いか分からなかった。Aクラス代表として礼を言わせてほしい。」

 

そういうと、翔子はその場でぺこりと頭を下げた。

 

明久「いやいやいや?!頭を上げてよ!?僕はただ、皆なら分かってくれると思ったから…ね?」

 

直道「吉井君、僕からも1つ礼を言わせて下さい。」

 

たじろぐ明久の元に、今度は直道もやって来た。

 

直道「正直、今回起こってしまっていた対立は僕でもお手上げでした。そりゃあ考え方は人それぞれで、人がいればいる程そこに違いが生じるのは至極当たり前のことなんですが、それがまさかこのような大事に発展するとは思ってもみませんでした…。どちらも我が強いものですから、どちらかが折れるなんてこともなく、僕達中立派はどうすれば良いか見当もつきませんでした…。」

 

明久「………………。」

 

明久は黙って直道の話を聞く。確かに最初のあのどこか殺伐とした雰囲気は思い違いじゃなかったのか、まさかそこまでピリピリしていたのか色々思考を巡らせていた。すると直道が、ですがと話を続ける。

 

直道「そんな彼らを変えたのは他でもない、貴方なんです。貴方に罵詈雑言を浴びせた人間がいるにも関わらず、貴方は怒鳴ったりするばかりか、その人達にも優しさを向けました。貴方のその優しさ、懐の深さに誰もが心を動かされた…!いいえ、このクラスの雰囲気を良い方向へ変えて下さいました…!私達でもどうしようもなかったことを、貴方はいとも簡単にやってのけてしまったのです…!」

 

普段クールな雰囲気を醸し出している直道だが、ここまで話すときに少し興奮気味になっていた。それ程感銘を受けたのだろう。そして、その話を聞いていた明久はと言うと…、

 

明久「えーっと…??僕、別にそんな大層なことをやったつもりは無いよ??」

 

何のことかさっぱり分かっておらず、目をぱちくりさせてきょとんとしていた。それを見た直道は一瞬驚いたが、ふっと軽く笑った。

 

直道「こう言うのは自分自身では分からないものなんです。とにかく僕が言いたいのは、貴方にはばらばらになりかけたAクラスを纏める程の力が秘められている凄い人、と言うことです。」

 

明久「あははは…。面と向かってそこまで言われると中々照れくさいけど、ありがとっ!」

 

『おーい吉井!こっち来いよー!』

 

明久「あ、じゃあごめんね。」

 

宴は最後まで盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
旧作との違いですが、優子だけでなく愛子に視点を合わせたストーリーも加えたところですね。タグを見て察しが付くかもしれませんが、明久と優子、康太と愛子、雄二と翔子のカップリングはとても好きだからでしょうかね…笑

~次回~
第陸話 交流会
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