Re: 早坂愛を落としたい 作:ソロモンよ私は以下略
共働きの世帯は五割を超えているのだとか。
何時だか放送されていた情報番組でコメンテーターがそんなようなことを述べていた。
小学校低学年ならまだしも、齢十六の式にとって共働きで困ることはほぼなかった。
質を追求しなければ家事もそこそこできる。
町内会の決まり事も多忙な親の代わりにきちんとこなしている。
勿論金銭面やその他諸々で支えてもらっている身なので大きな態度はとれないし、よく働きよく出世する両親には尊敬の念も抱いているので取るつもりもない。
ただし親がいなくとも家は回る程度には自立している自負があり、まだ幼かった頃のように母に専業主婦に戻ってほしいと願うことは一切なかった。
この時を除いては。
震えるスマホで目を覚ました式が薄目でデジタル時計に表示された時刻を確認する。
8:35
一時間目開始時間は8:40。
安西先生も大人しく諦めるであろうレベルで遅刻が確定していた。
携帯のアプリでアラームは設定しているが、鳴った記憶がないということは無意識のうちに止めてしまったのだろう。
仮にこれが一般家庭だとしたら、アラームで目が覚めていなくても、母親にたたき起こされるのが通例なのだが、
管理職として銀行に勤めている母は、土日だけでも休みにするために平日は朝日が登るとともに出社し、日付が変わる頃に帰宅を繰り返しているわけで、起きる時間にはいつも家にいない。
だとするならば父親はどうだろうか。
残念ながら父もTHEブラックを体現するIT系の職に就いている。
更にいえば社内SEとして日々業務に勤しむ傍ら、副業としてプログラムを組んで売りさばいているので、少し離れた場所にある賃貸事務所で寝泊まりして直行することも多々ある。
よって式にとって信じられる起床の要は携帯のアラームしかなかった。
ただでさえ四月から五月の頭にかけては適度にサボりつつ過ごしていた中で、さらに遅刻を重ねてしまうのは本格的に留年の危機に陥ってしまいそうだ。
寝起きの声にならない声を上げながら頭を掻く式は、一定のリズムで振動を繰り返すスマホに苛立ちながら受話口に耳を当てた。
「……あい」
『やっと出た。わざわざ電話してあげてるんだから早く起きなさいよ』
苛立ち半分呆れ半分といったところか。
「電話してくれなんて頼んだ覚えはない」
『学校来てないって聞いて連絡してあげたんだけど何その態度? 言っとくけど、しーママによろしくって頼まれてるから。折角高い学費払って入学したのに留年とか自主退学とかに追い込まれたら洒落にならないでしょ。遅刻でもいいから登校しなよ』
朝一の甲高い声は正直やかましいの一言に尽きる。
脳に直接響くからもう少しトーンを落として欲しい。
そもそもこの電話の主は2年のはず。
どうして1年のクラス事情を入手しているのか。
入れ替わりの少ない一貫校のネットワークは侮れない。
『いっつも寝坊ばっか。どうにかならないわけ?』
「夜寝て、目が覚めたらこの時間だったんだよ。二度寝で寝坊は救いようはないが、このケースはどうにもならないだろ。7時に起きてたら普通に行ってた。だから怒るな。寧ろ7時に起きていた世界線の俺を褒めろ」
『寝ぼけてないでさっさと布団から出なさいよ』
「今日は休む」
自主休校の報告をすると、すかさず怒気混じりの「はあっ?」が飛んできた。
派手な身なりをしている癖に、中身は結構優等生気質だから厄介だ。
ローラみたいに頭空っぽの「おっけ〜」を期待していたのだが、半ギレの彼女からガミガミといらぬお小言を幾つも頂戴した。
他の高校より進級の条件が厳しい高校だとしても、器用に立ち回る自信はあると納得させようとするも、火に油を注ぐ形となった。
曰く、要領の良さの上に胡座をかくのは嫌いとか。
別に好きになってもらいたいわけではなく、嫌いでも一向に構わないと、ありきたりな一言を添えようとした式だったが、火にガソリン入りポリタンクを投げ入れるに等しいので既のところで飲み込んだ。
『どうしてこんな適当なのが生徒会に……』
酷い言われようだったので、式はちゃらんぽらんとしての適当ではなく、相応しいという意味の適当に脳内補正した。
「機能だけで見てくれたんだろ。好き嫌いとか真面目不真面目みたいな感情的な視点を除外して、利用価値が有るか無いかだけで」
『利用価値? しーにあんの?』
「知らん。兎に角俺は寝る。どうせ遅刻するなら徹底的にだ」
一人殺せば殺人者、百万人殺せば英雄。
どうせなら英雄になろうぜ理論を展開して式は布団を頭から被った。
『じゃあ迎えに行くから用意しといて』
「わっつ?」
ネットスラングに変換すればファッ!?。
あまりの突飛な返答に式の脳は思考停止に陥る。
「授業あんだろ」
『体育だし、ぶっちゃけいなくてもバレないし。2時間目もタクシー使えば間に合うと思う』
良いトコのお嬢様が一丁前にサボタージュをかますなんて何事だ。
それでいいのかヒルズ族。
タクチケよこせヒルズ族。
「あーはいはい。分かりましたよ。行けばいいんだろ。じゃあな」
多分奴は本気で乗り込んで来ただろう。
ぶちっと通話を切ってベッドから飛び起きた式は手短に支度を済ませリビングへ降りる。
コップ一杯の白湯と、空腹をカロリーメイトで補給して玄関へ。
「じゃ、行ってきます」
侵入防止用の柵の前まで見送りにきてくれた愛犬に一声かけて家を出る。
自宅から学園まではdoor to doorで50分ほどかかるので、一時限目は諦めていたのだが、運よくクラス担任の教科と被っていたため、特別に出席扱いにしてもらうことになった。
最近は頑張って学校に来ているからそのご褒美だ、と遅刻連絡の電話を終えようとしたところで告げられた。
不良生徒がたまに善行をすると大いに称賛される現象に近い。
貴重な出席点を折角頂いたので有難く頂戴しておくが。
改めて周囲の環境は整っていることを実感している式は、学園の校門を通り過ぎようとした。
門前には風紀委員の腕章をつけている、おさげの少女が仁王立ちしているが、目には入らなかったことにして。
「月城式。毎回毎回遅れて登校するなんていい度胸ね」
が、あえなく捕まってしまう。
授業と授業の合間の小休憩中に、学園に無断で外出する不届きものがいないか監視していたのは、第一学年主席生徒の伊井野ミコ。
高等裁判所裁判官の父と、国際人道支援団体職員の母を親に持ち、規律を愛し規律に愛された少女である。
そんな彼女が、こんな時間にのこのこと登校してくる式を見逃すはずがなかった。
「悪かったな。以後気を付ける」
二人は同じクラスに所属している。
伊井野は入学早々色々とやらかしている式に目をつけ、その不真面目な性質を叩き直そうと奮闘するも、あまり成果は出ていない。
同時に入学前にも後にも色々とやらかしている石上も正そうとしているが、全く成果は出ていない。
「口だけの謝罪なんて聞きたくないわ。それに上着もアウトで減点1。学校指定のセーター以外は認められないわ」
またグチグチと始まった説教に、式は内心ため息を吐いた。
真面目にも限度ってものが必要だ。
「ユニクロのカーディガンは安いんだよ」
「だから何だって言うのよ」
「それにポケットもついてて便利だ」
「利便性なんてどうだっていいのよ。脱ぎなさい」
風呂場のカビよりもしつこい。
同じクラスの仲だからここまで突っかかっているのではなく、伊井野は上級生であっても規則を犯せば即行動に移る。
度々三年に詰め寄る姿を目撃している式は、いつか校舎裏に呼び出されて袋にされないか心配でもあった。
無理矢理ひっぺがされる未来を回避するべく、式はポケットに潜ませていた切り札で勝負に出た。
切り札を見せるなら更に奥の手を持てと、働かない漫画家は言っていたが、残念ながら奥の手は用意していない。
伊井野に効力が無かったら大人しく脱がされるとしよう。
「ほれ、賄賂だ。これで見逃してくれ」
堂々と賄賂宣言をして投げつける。
お手玉をしてキャッチした伊井野は、手のひらに収まるブツを確認してから小首を傾げた。
「トーマスの、チューイングキャンディ……」
「さっき買ってきた。癖になるうまさだぞ」
3個入りで売ってる中毒性のあるお菓子だ。
定期的に摂取したい欲に駆られ、丁度その日が今日だったためダイソーで仕入れてきたのだ。
3個入りのため、一つくらい人に上げても問題はない。
「賄賂なんて受け取れるわけないでしょ!」
クソ真面目ちゃんが押し返そうとするが、式は両手を背後に回して返品を受け付けない。
「日頃頑張っている伊井野へクラスを代表して感謝のプレゼントだ。噛み締めて食べろよ」
「いらないわよ! 大体これいくらよ!?」
「単価だと30円ちょっとだ。でも金額じゃないだろ。そのトーマスには俺の他にも優や………佐藤や田中、小林とかの気持ちがこもってるはずだ」
「うちのクラスには佐藤も田中も小林も存在してないわよ。そろそろクラスメイトの名前くらい覚えたら」
小林的な物体はクラスに存在していたような気がするのだが、あれは聞き間違いだったのかもしれない。
「……俺と優の気持ちだけじゃ不満だってのか」
「あんたらは気持ちじゃなくて行動で示しなさいよ」
正論で殴られてはぐうの音も出ない。
ロジハラだと声を上げたら勝てる見込みはあるだろうか。
多分今度は物理的な意味で殴られそうだ。
時計台を見上げると授業開始のチャイムがなる時刻が迫っていたので、お菓子は伊井野に押し付けて校舎へ駆け込んだ。
移動している最中にも飛んでくる手厳しい言葉の数々を避けつつ教室にたどり着く。
足を踏み入れた直後、視線が式のもとに集まった。
過去に二年の教室のど真ん中で四宮かぐやに無謀な告白を仕掛け、塵一つ残さず玉砕されたにも関わらず、数週間付きまとい、ある日を境に別の女生徒にアプローチをかけるようになった男の末路だ。
彼ら彼女らの視線に含まれる感情を払い捨て、欠片も気にしていない式は歩みを進める。
笑いを堪えるために机に伏せている石上と、真面目過ぎて多くの生徒から疎まれる伊井野しか話し相手はいないが、友達なんてものをむやみやたらに作っても人間強度が下がる一方なので………と言い訳じみた信念を胸に、誹謗中傷ご自由にの精神で式は自分の席に座るのだった。
放課後まではとりわけ話のネタになるようなことは起きなかった。
昼休みに食糧調達をするために抜け道から学園を抜け出そうとしたら、伊井野に追いかけられたことぐらいしか。
「月城、これは何だ?」
「はあ、進路希望調査です」
放課後の生徒会室。
掃除を終わらせると、教室を訪ねたかの四宮かぐやに連行された式は、いつもに増して覇気のない声を出していた。
貴族的な学校として人気を集める秀知院学園ではあるが、数は少ないが一般入学希望者への窓口も開いている。
熾烈な競争を勝ち抜き、晴れて秀知院学園の一員になった中途入学者が目の当たりにするのはまずは内部格差。
どんなに背伸びをしようが初等部上がりでなければ「外部生」のレッテルを張られてしまう。
そんな格差を乗り越え、全生徒を束ねる役職の生徒会長となった白銀御幸の前で、式は気だるそうに立っていた。
面倒くさそうな雰囲気なので逃げ出したい衝動に駆られたが、出入り口はかぐやによって塞がれており、逃走経路は確保できていない。
気分はまるで冤罪を被せられお縄につき、法廷の証人台に立たされることになった被告人。
法壇もとい執務机に座る白銀が手にしているのは、以前式が提出した進路希望調査の用紙だった。
「そんなもの誰だって見れば分かる。俺はこの中身について聞いているんだ」
進路希望調査表も歴とした個人情報。
それが白銀の手元に渡っていること自体に突っ込みどころ満載なのだが、口出ししても怒られそうだと悟った式は記載されている内容を目で追った。
第一希望:早坂愛先輩の進路次第となります。
第二希望:同上
第三希望:同上
「事実なので仕方がありません」
さも問題がないような言い方に白銀は困ったように額を抑える。
主に進学か就職に分けられる進路。
秀知院であれば、エスカレーターで大学へ進学するのも一つの手であり、新たな環境で心機一転を図るためにも外部進学する選択もある。
また優秀な人材を社会に輩出している秀知院ならではのコネクションを最大限に利用し、一足早く社会人としての人生を歩みだす等、選り取り見取り進路先が用意されてあるのに、真剣に間抜けな記述をした式に、白銀は叱る気力も奪われてしまった。
「愛する人を一途に想い続けるのは素敵ではありませんか。会長、私は月城君を支持します!」
瞳を爛々と輝かせ介入してきたのは由緒正しい政治家一家の次女、藤原千花。
恋愛脳の特性を持つ彼女が敵に回ると相当厄介なことになるのは白銀は既に学習済み。
反論の余地がないように徹底した理詰めで追い詰めるのが、白銀が編み出したラブパワーで強化された藤原への対策だ。
「そうは言ってもだな藤原。月城には前科があるだろ。少し前までは四宮を好いていたのに、ある日を境にこの早坂さんとやらに鞍替え。果たしてそこに一途の想いがあるのだろうか」
「違います!月城君はこの短期間で本当の愛を知ることができたんです。男の子は三日あれば身も心も大いに成長します。月城くんはかぐやさんではなく、早坂さんこそが運命の赤い糸で繋がれた相手だと知って、抑えきれない愛が進路調査票に現れてしまっているのです!」
「そうなのか月城?」
と、白銀は傍観していた本人に話を振った。
流石の白銀も、情熱的に訴える藤原を真正面から受け止めるのは困難だったようだ。
「………実はそーなんですよ」
「今の間からして絶対違うだろ」
ひとりで妄想劇を繰り広げていた藤原に乗っかろうと試みたが、あえなく失敗に終わる。
花の高校生活に期待を膨らませて入学してきたこの時期に、まともに3年後の進路なんて考えている方が少数派だ。
脳死で書き殴った内部進学や大学進学よりかは、まだ真剣に考え、その結果再提出を受けたとなると式としてもどうも腑に落ちない。
なので異論を唱えようとしたところ、白銀が卓上に紙切れを追加したことで流れが変わる。
「その件は後に回して、次は新入生を対象として4月に実施された実力確認テストについてだ。あまりの悲惨さに学年主任が嘆いていたぞ」
白銀が取り出したのは4月に行われたテストの個人成績表だ。
氏名欄には月城式の名がある。
秀知院学園高等部、またの名を個人情報ガバガバ学園。
「個人情報の守秘義務はどこへいった」
式は小さくぼやいた。
肝心の成績は平均点が20点にも届いていない。
一桁の教科もある始末。
ド派手に悲惨な成績だった。
秀知院は名門であり続けるために、成績不振者を容赦なく進級不可とする。
ただでさえ平均点の半分以下が赤点に設定されていてハードルが高いのに、選択科目は二度の赤点で、必修科目は一度の赤点で留年が確定する。
例外として入学一発目の実力確認テストだけはその対象に該当はしないが、恐らく歴史に名を刻めるだろう点数を叩きだした式はまごうことなき留年候補筆頭であった。
そんな落ちこぼれが生徒代表の生徒会に所属しているのは、素行不良生徒の根性を叩き直すためと、職員室で話題になっていることを式たちは知る由もない。
生徒会長は秋の選挙にて選出され、その他は生徒会長により任命されるシステムを逆手にとれば、どんなに無能な生徒も役員になれるのがここ秀知院。
副会長のかぐやも、書記の藤原も、会計の石上も、白銀直々に任命され生徒会メンバーとなったわけだが、ただ一人、式だけは違った。
かぐやが空きポストに式を推薦したことがきっかけで白銀に承認され、企画管理の席を与えられたというわけだ。
「だが一般入試を通過したお前がこの程度の基礎的な問題で躓くとは思えん」
「ですので、勝手ながら原因を調べさせていただきました」
扉の前を陣取っていたかぐやが白銀の側へと移動する。
会長副会長の迫力がある並びを前にしても、やはり式の顔つきに変化はなく、早くこの場から離脱したいオーラを全開にしている。
「例えばこの問題になりますが、月城くんが塗りつぶした番号は5番。しかし問題用紙を確認してみると、問に対する選択肢は4択。ただの凡ミスともとれますが、同様の解答が5箇所もあるとなれば偶然で片付けることはできませんよね」
わざわざ問題用紙と解答用紙を照らし合わせて調べ上げたことになる。
そんなどうでもいい作業より、もっと有効的な時間の使い道があるはずだ。
「月城くん、さては問題読まずに埋めましたね」
「内申には影響はないと説明がありましたので、なら手抜きでいいかなと」
「本当のところは?」
「めっちゃ眠かったので睡眠欲を優先させました。机で寝るときって頭のポジションめっちゃ気にしますよね。ちなみに俺は左腕を枕代わりにする派です」
寝る子は育つ。
だから寝た。
促されるままに式は悪気が感じられない態度で白状した。
頭痛が痛い。
眼前の二人はそう言いたげな表情である。
ちらりと時計を盗み見ると、時刻は既に16時を回っていた。
バイトまでの残り時間は約90分。
そろそろこの二大巨頭の拘束から逃れなければ。
「生徒会に入る前の出来事だったので水に流すってのは如何ですかね。ほら、地位は人をつくると言われてるじゃないですか。だから見るべきは過去ではなく未来、これからに期待……ってことで手を打ちませんか?」
自身の能力を客観的に分析するなら、やれば出来るタイプ。
直近なら地獄の倍率を通過した受験だったり、他にも別の分野でちらほらと結果は出している。
例えこの場で白銀に、次の試験で5位以内に入らなければ殺すと脅されても殺されない自信はある。
「お前のことは四宮に一任している。四宮がそう決定するなら俺からは何も言うまい」
「えっ、何ですかその教育係みたいな制度? もしかして問題児扱いされてます?」
「まあ対外的に見たら今年の一年組は問題児で間違いはないな。そうだろ藤原」
「んー、残念ながらその認識であってますね。やっかみの多さでは石上くんを上回りますもんね」
「そんなバナナ」
「返しが古いですよ。だってまだ秀知院歴2ヶ月ちょっとなのに、勝手知ったる他人の家のように好き放題してるじゃないですか。そりゃあ幼等部組からしたら、自分の家の庭を土足で踏み荒らされている気分になりますよ」
「なるほど、品性は金で買えないってことですね」
「ほら、そういうところですよ!」
結局のところ、この高校の方々は外部生には出しゃばって
もらいたくないらしい。
選民思想恐ろしやと式が思っていると、こほんと白銀が咳払いを挟んだ。
「話が脱線したな。兎に角、月城は今後生徒会役員としての自覚をもって日々の学校生活を励むように。そうすれば少しは周囲の見方も変わるはずだ。あと敵を作るような発言も控えろよ」
目つきが悪い白銀の目つきが更に悪くなった。
「善処します」
「それとコレは再提出をしておけ。勿論訂正をしてからな」
念をおされてから進路希望表が返却された。
記入されてあること以外は今のところ思いつかないわけで、訂正するとなると完全に嘘っぱちな希望になるのだが。
結局気が向いた時に提出しようと、用紙を鞄の奥底に封印することにした。