乃木園子は勇者である ~リベンジの章~   作:てんぱまん

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【第14話】Be frank

 

一夜明け、また朝がやってきた。園子はいつも以上に早起きするとさっさと支度し、家を出て行った。この時間ではまだ学校は開いていない。学校に行っても校門の前で待つだけである。彼女がこれほどまでに早く家を出た理由。それは、大橋に行くためだった。

 

(今まで壊れる前の大橋をよく見たことなかった....。今のうちにどんなものか確認しておいてもいいかもしれない。)

 

園子は早朝の誰もいない大橋に忍び込み、その橋の上を歩いていく。橋のワイヤー部分のは多くの鈴がつけられており、進んでいくといくつか墓標のようなものが見えてきた。それには大赦内で強い権力を持つ家柄の名前が刻まれていた。

 

(これ........英霊碑にあったやつに似てる....。)

 

その石たちは祀られていてそこから先は塞がれていけないようになっている。

 

(きっとここから先は『外の世界』なんだろうな....)

 

園子は本土まで続いている大橋の先を見る。もっともそれは、神樹が見せている『幻影』なのだが。

 

(ま、これくらい確認できればいいか....。大橋がどんなものなのかよくわかったからね。)

 

園子はスマホを見て時間を確認すると、ようやく学校へ向かい始めた。

 

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「おっはよー!園子ー!」

 

「あれ?ミノさん今日早いね~」

 

「へへっ!朝早く起きたから早めに行こうと思ってな!運良くトラブルにも巻き込まれなかったし!」

 

「それはよかったね~」

 

銀と園子がそんな会話をしていると、

 

「銀、そのっち、おはよう。」

 

と、須美もやってきた。

 

「おっ!おはよう須美!」 

 

「おっす~わっしー!」

 

「あら?そういえば銀早くない....?」

 

「お前もそれ言うか....。ま、今日は朝早く起きたから............うおっ!?」

 

「そ、そのっち!?」

 

銀が先ほどの園子との話を繰り返そうとした。が、それは園子によって遮られた。園子は二人を抱きしめ、強く、強く自分に引き寄せた。

 

「ど、どした園子....?」

 

「き、キツい....苦しいわ、そのっち!」

 

「ごめん、二人とも....ごめん....」

 

『は?』

 

二人は口をそろえて聞き返す。

 

「しばらくこのままでいさせて....」

 

「........まぁ、なにがあったか知らんけど....いいぞ!」

 

「う、うん....い、良い....わよ....」

 

銀は自信を持ち、須美は顔を赤くして言う。

 

「ありがとう二人とも....!あのね........今日も残ってくれない?」

 

『えっ?今日も?』

 

またしても須美と銀の声がそろう。

 

「うん....。まだ伝えなきゃいけないことがあるんだ。」

 

「お、おお....そうか。」

 

三人はずっと引っ付きながらそんな会話をしているため、周囲からは変な目で見られていた。

 

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放課後になると三人は作戦を伝えたときのように向かい合い、須美と銀は園子が口を開くのを待った。

 

「えっとね....今から話すのはとても信じられないようなこと。そして、二人にずっと黙っていたこと....。」

 

「........信じられないようなこと....?」

 

「なんというかその....非現実的みたいな感じかしら?」

 

「....うん。そんな感じ....」

 

園子がそう呟くとしばらく沈黙が続く。すると園子は深く深呼吸し、拳をギュッと握ってついに言った。

 

 

「私、未来から来たんだ。」

 

 

「....。」         「....。」

 

園子の言葉を聞いた銀は聞き間違いかとでも言うような顔をした。一方須美は自分の予想が見事に的中してしまい、改めて園子がタイムリープしていることを実感してぼっーとしてしまっていた。

 

「へ....?そ、それはつまり........園子は『タイムスリップ』してるってことかぁ!?」

 

銀は園子に顔を近づかせ、驚愕する。

 

「ま、驚くのも当然だよね....。今まで黙っててごめん。言うタイミングを見計らってたんだ。ある程度仲良くなったら二人に伝えようって思ってて。」

 

「いつからだ!?今の園子はいつから未来の園子なんだ!?そもそも何年後から来た!?私たちは?未来では私たちなにしてんの!?まだちゃんと三人とも一緒か!?」

 

「銀、質問が多すぎるわ。一つ一つにしないと。」

 

「おい須美ィ!お前はなんでそんなに落ち着いてられんだよ!?まさかお前....知ってたのか!?」

 

「いや........そのっちのこと、おかしいとは思ってたけど本人の口からこうして直接聞くのは初めてだわ。それにしても....時間逆行....。」

 

「ミノさんの気持ちもわかるよ~。順番に沿って全部話すから安心してね。」

 

「お、おう!....いや~楽しみだな~!」

 

「そんな愉快なものじゃないよ....」

 

『えっ....』

 

急に態度が変わった園子を見て、二人は不安になった。同時に、これから迎える未来はどんなものなのか余計に気になった。

 

「まず、私が来た時代からだね。私が来たのは神世紀301年の4月。そして、気がついたときには神世紀298年の4月に来ていた。」

 

「ちょうど三年遡ったってことね....。」

 

「あたしたちが知り合う前じゃないか....!ねぇねぇ、未来の世界ってどんな感じ!?そういえばどうやって過去に来たんだ!?」

 

「銀、とりあえず黙ってなさい....!そのっちが喋れないでしょ....!」

 

「あっ、スマンスマン....」

 

須美に怒られた銀は頭を掻きながら園子に謝る。

 

「えっと....あの........私が最初にいた未来ではね、私が最初にいた未来では............」

 

園子はその先をうまく話せなかった。本人の前でこの事実を伝えるのはやはりとてもつらかった。が、

 

「なにか、あったんだな。」

 

「大丈夫よそのっち。私たち命をかけてるお役目をしてるわけだし覚悟はできてるわ。....今までのそのっちだって私たちにできるだけケガさせないように頑張ってたわけだしね。それくらいわかってる。」

 

「二人とも....!じゃあ........今から言うよ....!私が最初にいた未来ではミノさんが、お役目で........命を....失うんだ....。」

 

それを聞いた銀は小さく口を開け、「えっ....」と呟いた。

 

「ぎ、銀が....命を失う....?」 

 

「う、うん....。」

 

「いつ!?いつなのよ!?そのお役目が来る日は!?」

 

「........次の、遠足の日...。」

 

「!!そのっち、それって....!!」

 

「........なるほどな。それで園子はいつもより念入りになって作戦を考えてきたってわけか。」

 

この事実をいきなりつけつけられて複雑な気持ちなはずにも関わらず、銀はいつものように腕を組んでニコニコしていた。そして、

 

「あたしの夢をおかしいくらい応援したり、自分の身を犠牲にしながらあたしらを無理に守ったり....園子がそういうことをしてきた理由がやっとわかった。」

 

「み、ミノさん....」

 

すると銀は何を思ったのか、イスから立ち上がっていきなり園子を優しく抱きしめた。

 

「えっ....?」

 

急なことで園子は何が起こったかわからなかった。困惑した。

 

「........つらかったな。ひとりでそれを抱えて、ひとりでここまで頑張ってきたんだな。未来ではあたしのことを考えて苦しんで、過去に来てからは誰にも打ち明けられずにひとりで悩んだ。やっぱり、すごいよ園子は。あたしのこと、そこまで想ってくれてありがとうな、園子。」

 

「そ、そんな........ミノさんが謝るなんて....!謝るのはこっちだよ!!守れなかった!!!ミノさんのこと守れなかった!!!ミノさんに料理を教えてもらう約束も、鉄男くんたちにおみやげをあげることもできなかった!!ごめんね、ミノさん!ごめんっ....!」

 

園子はボロボロ涙をこぼしながら必死に訴えた。ずっと心の内に秘めていて、本人に言えるはずのなかった「ごめん」という言葉を。そして、何度も何度も繰り返した。

 

「あ~ほらほら、謝るなって!それに、今あたしはこうして生きてるだろ?あたしを助けるために戻ってきたんだろ?なら大丈夫だって!そんなことになる未来を知ったなら必ず変えられる!」

 

「そ、そうよそのっち!あなたがこうして私たちに伝えてくれたんだから!その未来を知ってるのはそのっちだけじゃなくなったのよ。」

 

「........そうだよね、でも....」

 

「まだなんか不安があんのかよ?」

 

「あのね........私、一回未来に帰ってみたんだ。昨日の夜に。」

 

『昨日!?』

 

二人はまたしても声をそろえて驚く。

 

「昨日の夜ってお前....鉄男と会ってたじゃんか!いつ戻ってたんだよ!?」

 

「未来に戻ってる間、過去の時間は進まないんよ。」

 

「....そのっちは自由に未来へ戻れるってこと?」

 

「まあ、その気になればそうだね~」

 

「す、すごいわ....!そのっちの時間逆行というのは一体どんな仕組み....」

 

「須美!タイムスリップの謎を解こうとすんのは後にしろぉ!....で!?未来はどうなってたんだ?昨日の夜ってことはあたしたち、遠足の日の作戦も園子から教えてもらった後だし何か変わってたんじゃないか!?」

 

「うん....。ちゃんと変わってたよ。」

 

『えっ!!』

 

二人は期待するかのように目をキラキラさせて園子を見る。きっと二人は作戦が成功して良い未来に変わったと思ったのだろう。だが、実際は....。

 

「悪い方に....変わってたよ。」

 

「え....悪い方....?」

 

「ど、どうして....作戦は失敗したの?」

 

「途中まではうまくいってたらしいんだけどね、だんだん連携が崩れていって....そして........」

 

「ま、まさか....そのっち、同じ展開になったなんて言わないわよね!?」

 

「違うよ。....今度は、わっしーがその戦いで....。」

 

「え........私....?」

 

今度は須美が大きく瞳を開けて驚愕する。一方銀は目を細め、小さく歯ぎしりをした。

 

「そんな....今度は須美かよっ....。くそっ....」

 

「さらにそれだけじゃ終わらないんだ。....中学三年生になるはずだった日の朝....責任を感じてしまったミノさんが病院の屋上から飛び降りた。」

 

「........は....?それって....あたしが自殺したってこと....?本当なのか!?あたしが家族のことをおいて、なにより自殺なんてこと自分でも信じられない!!」

 

「ほ、本当だよ....だって、だって....私の目の前で飛び降りたんだからっ!!!」

 

園子は声を震わせながら叫ぶ。話しながらもあのときの光景が蘇ってくる。園子は絶望の表情を浮かべた。また、銀も同じように。

 

「........え....」

 

「私が未来に戻っていろいろ調べてる間にミノさんが私を屋上に呼び出してそれからっ....!」

 

「そん時あたしは....あたしはなんて言ってたんだ....?」

 

「........。」

 

「言えよ....あたしは知りたいんだよ....自殺するほどまでに追い詰められた訳を....!」

 

「....ミノさんはひとりで抱えん込んでた。わっしーを死なせてしまったのはミノさんのせいだって勝手に自分で決めつけて....。そのことをずっと後悔して三年間生きてきたって。もうお役目も終わってだいたい区切りがついたから解放してくれって。....わっしーに対する罪悪感から、苦しみから....!」

 

「....!!」

 

「そんなの....未来の銀を死なせたのは私のせいも同然じゃない....!」

 

「ち、違う!わっしーのせいじゃないよ!!」

 

「私のせいでしょ!?私が死んだから銀を苦しめた!!そして間接的にそのっちまでも苦しめ....」

 

「もう言わないでっ!!!」

 

園子から今まで聞いたことのない怒号を聞いた須美は、気迫に圧されて思わず黙る。

 

「わっしーのせいじゃないんだってば....仕方なかったんだよ....わっしーは私たちをかばって、私たちを守るために命を失ったの....。だからわっしーのせいじゃない。それに、今はこんなことでケンカしたくないよ....。こんなこと本当は、二度と思い出したくないし話したくないんだよっ....!」

 

その言葉を聞いた須美は冷静さを取り戻し、大人しくなって静かに言った。

 

「............ごめん....なさい....。そのっちが一番苦しいんだものね。熱くなりすぎてしまったわ....。」

 

また、銀も

 

「あたしも、すまん。深堀しすぎちゃったな。」

 

と謝った。三人はとりあえず落ち着き、またイスに座った。

 

「でもこれで........二人に話すことは全部話したよ。ここまでが私の経験した話。」

 

「ありがとう園子....つらいのにがんばって教えてくれて。」

 

「....そんなことにならないように話し合いましょう!みんなで帰るために!7月10日を....越えるために!」

 

「うん....頑張ろう!」

 

三人は誓った。最悪の未来を変えるため、覚悟を決めた。そして、やがてその日はやってくる。

 

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「ついに今日ね....。7月10日....。」

 

「おい須美、今からそんな張り詰めるなって!今日は遠足!しかもそいつらが来るのは遠足の帰りだろ?今は今で楽しもうぜ!」

 

「そんなこと言ったって銀....気持ちの切り替えが難しいわよ。」

 

「大丈夫だよわっしー!あれだけ話し合ったんだし、私たちもいる!だから安心して今を楽しもう~!」

 

「そのっちまで....。でも、わかったわ!張り詰めたまま遠足を終えてもそれはそれで後悔しそうだしね!」

 

「そうだ!それでいい須美!」

 

こんな会話を遠足先へ向かうバスの中でしていた。この話が終わってからは明るい話題へと切り替え、楽しい雰囲気で遠足先へ着いた。

 

「わ~い!やっと着いた~!」

 

「よっしゃ園子、須美!アスレチック全制覇するぞ!」

 

『オー!!』

 

三人は元気よく走り出し、一目散にアスレチックへ登っていった。

 

「へへっ!こんなの楽勝楽勝!」

 

「銀~油断してたら危ないわよ~!」

 

「ふふふ....これくらい銀様の手にかかれば....わっ!?」

 

日頃大きな斧を扱っているせいでできたまめが痛み、銀は手を離してしまう。そしてそのまま真っ逆様に落ちる。が、

 

ドサッ

 

「ほら銀、言ったじゃない!」

 

「ミノさん気をつけてね~危ないから~」

 

下にいた二人が彼女を支えた。銀はゆっくりと立ち上がり、

 

「あはは....以後、口数を減らします!」

 

と言った。

 

(そう言えばこのやりとり....三年前もあった気がする....!今考えればこれって....)

 

「ミノさん!!本当の本当に気をつけるんだよ!!」

 

「えっ?....お、おう....」

 

銀は若干戸惑いながら頷いた。

それから時間は経ち、園子たちは昼食をとるためバーベキューを始めた。

 

「う~ん!おいしい~!」

 

「そのっちはいつもこれより良いお肉を食べてるじゃないの?」

 

「みんなで食べた方がおいしいんよ~!」

 

園子はそう言うとパクパク肉を口に入れる。

 

「そのっち....あんまり一気に食べ過ぎないでね....。」

 

「あれ?安芸先生、ピーマン食べないんすか?」

 

「ギクッ!」

 

彼女らの担任、安芸にそう指摘したのは銀だった。安芸はさっきからずっと箸でピーマンをつまんだり離したりしている。

 

「先生、好き嫌いはよくないですよ?」

 

「あははは....えっと....これから!これから食べるのよ!」

 

「ピーマン食べてあげないと、ピーマンの精霊たちが来ちゃうよ~」

 

「ピーマンの精霊....そ、それはまた想像力豊かね乃木さん....。」

 

(こんなおどおどしてる先生を見るのも、これが最初で最後だったな....)

 

この日から安芸先生は笑わなくなった。笑顔すらも見せなくなった。その未来も一緒に変えてやる。ミノさんが、わっしーが、みんな生き残れば安芸先生もきっと一緒に笑うことができる。そう....三人生き残ればまわりもみんな幸せになるんだ。

 

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園子たちは昼食を食べ終わった後、アスレチックを制覇して周辺を見渡せる場所へやってきた。

 

「おおっー!こっからあたしたちの街が見渡せるんだな!イネスは?学校は?」

 

「さすがに見えないわね。」

 

「ミノさんは本当にイネス好きだね~」

 

「ああ!なんてたってイネスには...」

 

「『中に公民館もある』!」

 

「おお、須美あたりー!」

 

「だんだん銀の考えてることがわかってきたわ。」

 

「私は私は~!?」

 

「そのっちは....読めない....。」

 

「ああ。あたしも....。」

 

「ガーン....そんな~....。」

 

「でも大丈夫よ。今の反応するってくらいはわかるから。」

 

「えっ!ほんと!?やった~!!ひゃっはー!!」

 

園子は飛び上がって喜ぶ。

 

「そっからの跳ね具合がわかんないんだよな....」

 

「そうね....。」

 

「ちなみにあたしは須美のこと、取り扱い説明書が書けるくらいになったぞ。」

 

「あら、最初のページにはなんて書いてあるのかしら?」

 

「『結構大変な代物ですのでくれぐれもご注意ください』....」

 

「....なんか面倒くさい人みたいで嫌だわ....。」

 

「そんなことないよ!須美は個性溢れるおもしろい人だってこと!」

 

「そうかしら....。でもね、私はこれから銀の色んな一面を暴いていこうと思うの!」

 

「あたしの色んな一面....?ぅぅ....お、お手柔らかに頼むよ。」

 

銀は恥ずかしそうにそう答えた。

 

「実はね、私....ミノさんのこと最初苦手だったんだ。」

 

さっきまでずっと跳ねていた園子がふと銀にそう言った。

 

「実は私も....。」

 

「急になんだよぉ!!」

 

「明るくて元気で、私とは別の世界で暮らしている人のようだった。でもいざ話してみるととても良い人で、友達になれてよかったと思ってるよ!」

 

「ふふっ....私もそのっちと全く一緒だわ。」

 

「お前らも十分元気だと思うけどな....。」

 

銀はそう言うと手を前に差し出した。

 

「と、まあこれからも友達としてよろしく頼むよ!」

 

「ええ!」

 

須美も元気よく返事して銀の手の上に自らの手を乗せた。

 

「うん....!よろしくね!」

 

園子もそう言って手を乗せた。

 

「いいか....二人とも。今日は絶対勝つ。三人一緒に。ひとりも欠けちゃダメだ。」

 

「ええ....。あれだけ考えたのだから大丈夫よ!いつも通り落ち着いた心で、気を引き締めて戦いに臨みましょう。」

 

「がんばろうね....二人とも!」

 

未来のことを知っているのはもう園子だけではない。須美も銀も知っている。きっとこれなら変えられる。三人一緒にいる未来に変えられる。

 

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帰りのバス車内

 

「ねえねえミノさん、わっしー、次の休みの時私の家でお料理教えてよ~」

 

「料理?」

 

「そう!私、なにも作れないからさ~」

 

「そっか....わかった!須美、一緒に教えてやろう!」

 

「ええ、そうね!約束よ!」

 

「約束....。うん、約束っ!」

 

三人はそう言って指を結んだ。その後、三人は一日遊び疲れたせいでバスの中で眠りについた。

 

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「いや~楽しかったな~!!」

 

「ほんと。このまま一日が終わればいいのに....。」

 

「....。」

 

須美の一言に、二人は何も答えることができなかった。

 

「あっ、ごめんなさい!これからがんばらないとよね!」

 

「....須美の気持ちもわかるよ。実際、あたしだって....」

 

「....来るよ。」

 

銀の言葉を遮って、園子がそう呟いた。

 

「この道、この景色....忘れもしない。ここを歩いていたとき、ヤツらは来た。」

 

園子の言葉を聞いて、須美と銀は真剣な顔になる。

 

「ついに、か。....よし!あたしら勇者の力を見せつけてやろうぜ!!」

 

「ええ!....運命なんて、未来なんて変えてみせるんだから!」

 

その時、海の向こうに一筋の光が射す。それは空から地面に落ちるような感じ。その光を元に、だんだんと樹海化が始まる。やがてこちらも飲み込まれ、辺り一面樹海になった。

園子は深呼吸し、強く自分の頬を叩いた。

 

「わっしー、ミノさん!........行くよ!」

 

「ああ!」

 

「ええ!」

 

(二度とないチャンス。ここでやらなきゃ。なんとしてもここで変えなきゃ。)

園子はいつも心の中で唱えている言葉を言った。

 

「これは私の....私の人生のリベンジだ。」

 

(第15話に続く)




ついに7月10日を迎えましたね!これからどうなるのでしょうか?
さて、今回の話ですが本当は園子の秘密を打ち明けたところで終わらせようと思っていたんです。けどそれだと短すぎる感じもして遠足の話も入れました。ですので遠足中の話(アニメ版)を結構削っちゃった部分もあったりと楽しみにしていた人には本当に申し訳ないです....(もうちょっと長くしたかった)
そしてついに因縁の三体との戦いが幕を開けます。果たして園子はリベンジを果たすことができるのか!?次回の更新を楽しみに待っていてください!
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